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本編
第4恋「ショッピング戦争!?」その4
しおりを挟む「10時ちょうど、卵売り場は戦場に変わるべ。」
(そ、そんな闇が!?)
「でも、百パックもあるんだから大丈夫だっペ!?」
ユキは少し下を見て言った。
「……うちは前回、一パックも買えなかった。」
「一パックも!?」
想像すらつかない。
「そろそろ、行くべ。戦争に!」
「ちょ、ちょっと待ってけろ!?」
家から歩いて、徒歩十分。
ここら辺で一番大きいというスーパーにやってきた。
「つ、ついに来たべ……。」
と言ったのは僕ではなく、ユキ。
(ユキがこんなに緊張してる。)
「いいか、けんちゃん隊員。道中話した作戦のおさらいをしよう。」
「いえっさー!ユキ隊長!」
いつの間にか僕はユキの軍隊の隊員という設定になっていた。
「うちが頑張ってモンスター達の中に入っていく。手に取ったパックを後ろにいるけんちゃん隊員に渡す。百パック全部無くなったら一緒にレジ行ってゴールだべ。だが、レジを通すまでが戦争だ。それまでに取られても……。」
「あ、あいあいさー!」
ユキの話によると、特売が始まった瞬間に大人しそうだった主婦たちが一気にモンスターに返信して卵を奪い合う……らしい。
「さぁ、いくべ……。」
「お、おう……。」
僕とユキは大きなスーパーに入った。
さすが大きなスーパーだけあって、中には沢山の食材が並べてあった。
僕達はその食材達には目もくれず、一番端のコーナー、卵コーナーに向かった。
「ここだべ……。」
「え?」
そこには、布(?)というか白いシートがかかった何か。
「あの布の下には100パックの卵があるんだっペ。あと五分経ってあの布が取られた瞬間……バトルスタートだっぺ。」
(あれが、百パックの卵。……あれ?さっきより人が多い?)
「この人達全員敵だべ。」
「全員!?」
(この女の人達皆卵狙いだが!?)
「あ、来たべ!」
スーパーの定員のお姉さんだ。
「では~、これより~卵の特売セールスタートで~す!」
戦争始まりの合図だ。
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