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魔法のある世界で
014.”卵”をでたら
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”卵”から出たら、サラさんやメイドさん、そしてさっきのルゼルジュ様とやらが待ち受けていた。
ずっとここで三人とも心配しながら待っていてくれたようだ。
本当に申し訳なかった。
ここは素直に謝ろう。
「えっと…急に”卵に”帰ってごめんなしゃい…それと…さっきは、介抱してくれて、ありがとにゃの」
ううう、やっぱり発音が難しい。
言葉がかみかみなのだ。
「おお!出てきたか…」渋い魔法使い?のおじ様(推定四十歳前後?)ルゼルジュさんが、破顔してこちらを見た。
大柄で背が高くて浅黒い肌、怖そうだけど何?この笑顔!ギャップ萌え?というか、ちょっと(いや、大分)カッコいいかもしれない!
「「ああ、良かった!」」サラさんとメイドさんは手を取り合って喜んでいる。
う~ん、やっぱし可愛いってすごい!
以前の私だったら…って、いやいや、前世は前世!現在は現在だ!
ネガティブ思考は私向きじゃない!
いつだって現状からのスタートだ!
前は、与えられた環境の中、私の出来る事はひたすら研究し知識を追求し続ける事だった。
以前、私が天から与えられた私の武器は頭脳だった!
家族も愛も可愛らしさも何もなかった私だが…。
今、持てる武器が可愛い!愛らしい!なら、それを利用して何が悪い!
いいや!悪くなんかない!
自分で『可愛い』とか思うなんて、大概気持ち悪いが悪いけどもさっ!
いやいやいやいや、誰かが言っていた!
『可愛い』は正義だと!そうだ!そうだとも!
私は『正義』を手に入れた!
これも、地球が滅びようが宇宙が爆発しようが、とにかく諦めなかった私へのご褒美だっ!
何だろう…考えて何か言い訳がましくなってきたけど…。
(しかも、ナルシスぽい?いっやぁああ~!)
一体自分が何に対して後ろめたくなってるのか分からないが、とにかく、これまでの知識が役にたたないのも現実なら、未知の魔法も今の私に取って学ばねばならない試練だ!
幸いにも私は、まだまだスタートライン前の三歳児なのだ!
こっから仕切り直しだ!
家族がいないのは、同じだが三歳の今からなら家族だって作れるかもしれないじゃないか!
そうよ!お勉強だって、正確にはクローン体の今の自分が、通常の強度があるのかすら疑問だし、最初の蘇生の時みたいに突如、身体が崩れて溶けるなんて事も無いとは言えない…でも!それでも!
私は精一杯、生きたいのだ!
(超前向き思考?鋼の精神力発動!)
などと、だらだらと自分の中で自問自答の上、覚悟を決めて目の前を見たら、優しそうな三人の大人が手を差し伸べてくれた。
うん、たまたまだけど保護されるべき三歳児でよかったよね。
言葉も多少かんでも不思議じゃないだろう。うん
「どうしたの?どこか痛いの?」
「お腹、すいてないですか?」
「おじさんや、このお姉さんたちは味方だよ?怖くないから、こっちへおいで」
「あい」私は頷いて、その渋いおじ様の側に近づいた。
ずっとここで三人とも心配しながら待っていてくれたようだ。
本当に申し訳なかった。
ここは素直に謝ろう。
「えっと…急に”卵に”帰ってごめんなしゃい…それと…さっきは、介抱してくれて、ありがとにゃの」
ううう、やっぱり発音が難しい。
言葉がかみかみなのだ。
「おお!出てきたか…」渋い魔法使い?のおじ様(推定四十歳前後?)ルゼルジュさんが、破顔してこちらを見た。
大柄で背が高くて浅黒い肌、怖そうだけど何?この笑顔!ギャップ萌え?というか、ちょっと(いや、大分)カッコいいかもしれない!
「「ああ、良かった!」」サラさんとメイドさんは手を取り合って喜んでいる。
う~ん、やっぱし可愛いってすごい!
以前の私だったら…って、いやいや、前世は前世!現在は現在だ!
ネガティブ思考は私向きじゃない!
いつだって現状からのスタートだ!
前は、与えられた環境の中、私の出来る事はひたすら研究し知識を追求し続ける事だった。
以前、私が天から与えられた私の武器は頭脳だった!
家族も愛も可愛らしさも何もなかった私だが…。
今、持てる武器が可愛い!愛らしい!なら、それを利用して何が悪い!
いいや!悪くなんかない!
自分で『可愛い』とか思うなんて、大概気持ち悪いが悪いけどもさっ!
いやいやいやいや、誰かが言っていた!
『可愛い』は正義だと!そうだ!そうだとも!
私は『正義』を手に入れた!
これも、地球が滅びようが宇宙が爆発しようが、とにかく諦めなかった私へのご褒美だっ!
何だろう…考えて何か言い訳がましくなってきたけど…。
(しかも、ナルシスぽい?いっやぁああ~!)
一体自分が何に対して後ろめたくなってるのか分からないが、とにかく、これまでの知識が役にたたないのも現実なら、未知の魔法も今の私に取って学ばねばならない試練だ!
幸いにも私は、まだまだスタートライン前の三歳児なのだ!
こっから仕切り直しだ!
家族がいないのは、同じだが三歳の今からなら家族だって作れるかもしれないじゃないか!
そうよ!お勉強だって、正確にはクローン体の今の自分が、通常の強度があるのかすら疑問だし、最初の蘇生の時みたいに突如、身体が崩れて溶けるなんて事も無いとは言えない…でも!それでも!
私は精一杯、生きたいのだ!
(超前向き思考?鋼の精神力発動!)
などと、だらだらと自分の中で自問自答の上、覚悟を決めて目の前を見たら、優しそうな三人の大人が手を差し伸べてくれた。
うん、たまたまだけど保護されるべき三歳児でよかったよね。
言葉も多少かんでも不思議じゃないだろう。うん
「どうしたの?どこか痛いの?」
「お腹、すいてないですか?」
「おじさんや、このお姉さんたちは味方だよ?怖くないから、こっちへおいで」
「あい」私は頷いて、その渋いおじ様の側に近づいた。
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