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四の巻~平成美女は平安(ぽい?)世界で~
99.定近の想い亜里沙の想い
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定近は思った。
儂は夢を見ているのか?
亜里沙殿は儂の事を好きだといった。
涙目で私を見上げ思いつめたような表情で儂の事を慕っているといった。
そこで儂の中の理性が音を立てて崩れた。
もう、夢でもいい!
そう思って彼女の肩を引き寄せた。
「えっ!あのっ」
「しっ!」
儂はもう謙虚な言葉も否定の言葉もききたくなかった。
亜里沙殿が言った俺を慕っているという言葉だけでもう…
もう、それ以上聞きたくはなかった。
そして儂は懇願した。
「亜里沙殿、儂の妻になってくれ。一生大切にする」
***
亜里沙は、思った。
これは、夢?
前世から殿方には見向きもされなかった私が?この平安(っぽい)の世界で?
この世界での美人といえば扶久姫のはず
平成では、気持ち悪いほどにちやほやされたが、前世での記憶のある私から見れば、周りにいる中学生男子などにときめくはずもなく…
扶久姫の側で扶久姫に尽くすことが…扶久姫の幸せだけが自分の幸せだった。
前世の平安の世界と現世での平成で暮らしてきた自分には美醜にこだわりはない。
強いて言えば中身重視である!
その点、定近様は、大人で心が広く優しくて…先ほどなどは身を挺して自分を救おうとしてくれた。
こんなの好きにならずにおられようか!いやもう無理だからっ!
こんなの絶対好きになっちゃうから!
吊り橋効果?いや!そんなのなくたって定近さまは素敵な方だ。
自分で言うのもなんだが前世から今世に至るまで色恋に縁はなかったのだから免疫などない。
そして私は定近様に抱きしめられてただただ頷くしかでいなかった。
声すら出ないほどに胸がきゅっとなり、息も絶え絶えだった。
もう、何も考えられない…と瞳を閉じると…
いきなり私の唇がふさがれたのだった。
何度も何度も…
離れては角度を変えて、ついばむように口づけられ
とうとう、私はキャパを越えてしまいそのまま意識を失ってしまったのだった。
儂は夢を見ているのか?
亜里沙殿は儂の事を好きだといった。
涙目で私を見上げ思いつめたような表情で儂の事を慕っているといった。
そこで儂の中の理性が音を立てて崩れた。
もう、夢でもいい!
そう思って彼女の肩を引き寄せた。
「えっ!あのっ」
「しっ!」
儂はもう謙虚な言葉も否定の言葉もききたくなかった。
亜里沙殿が言った俺を慕っているという言葉だけでもう…
もう、それ以上聞きたくはなかった。
そして儂は懇願した。
「亜里沙殿、儂の妻になってくれ。一生大切にする」
***
亜里沙は、思った。
これは、夢?
前世から殿方には見向きもされなかった私が?この平安(っぽい)の世界で?
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平成では、気持ち悪いほどにちやほやされたが、前世での記憶のある私から見れば、周りにいる中学生男子などにときめくはずもなく…
扶久姫の側で扶久姫に尽くすことが…扶久姫の幸せだけが自分の幸せだった。
前世の平安の世界と現世での平成で暮らしてきた自分には美醜にこだわりはない。
強いて言えば中身重視である!
その点、定近様は、大人で心が広く優しくて…先ほどなどは身を挺して自分を救おうとしてくれた。
こんなの好きにならずにおられようか!いやもう無理だからっ!
こんなの絶対好きになっちゃうから!
吊り橋効果?いや!そんなのなくたって定近さまは素敵な方だ。
自分で言うのもなんだが前世から今世に至るまで色恋に縁はなかったのだから免疫などない。
そして私は定近様に抱きしめられてただただ頷くしかでいなかった。
声すら出ないほどに胸がきゅっとなり、息も絶え絶えだった。
もう、何も考えられない…と瞳を閉じると…
いきなり私の唇がふさがれたのだった。
何度も何度も…
離れては角度を変えて、ついばむように口づけられ
とうとう、私はキャパを越えてしまいそのまま意識を失ってしまったのだった。
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