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四の巻~平成美女は平安(ぽい?)世界で~
77.幸せをかみしめて…By亜里沙
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「いや~、ほんっとに、隆様の持ち込んだ文明の利器たちは大活躍ですわね~芙久姫もそう思われますでしょう?」
私(亜里沙)は満面の笑みで芙久姫に焼き立てのクッキーを差し出していた。
右大臣家から持ってきた小麦粉やお砂糖が大活躍である。
(卵もここで飼っている鶏が朝、生みたてのものである!)
「亜里沙ったら、二人の時はタメ口でいいでしょう?」と芙久姫は不服そうにそう言う。
確かに芙久姫にとっては、今まで『芙久』『亜里沙』と呼び合っていた幼馴染が、堅苦しい言葉遣いで、違和感この上ないだろう。
だが、しかし前世、芙久姫様が女東宮であらせられた時、自分が女東宮付きの尚侍であった記憶のある私からしたら、むしろ今の方がしっくりくるくらいなのである。
前世の記憶がよみがえって以来、私の中で芙久姫は我が永遠の主人!
今世でも、こうやってお仕えできるなんて何という幸せかと神様に感謝する今日この頃な私なのである。
「駄目ですよ?障子に目あり、壁に耳ありと申しますし、最近ではこちらの言葉遣いにすっかり慣れてしまいましたし、芙久姫様も慣れて頂かないと」
「亜里沙ったら…」と、眉をしかめて溜息をつく芙久姫様。
あああ、なんって可愛らしくていらっしゃる。
平成の世界では、ありがたくももったいなくも、タメ口でむしろ私の方が姉のごとき口のききようだった私だけどね!
あれはあれで良かったが、今は今で良いのだよ。
はぁ~!この充実感!たまらないっ!
自分の持てる知識や技量で全力でお仕えするのだ!
何が嬉しいってこの世界で芙久姫が一番頼りにしているのは間違いなく自分である。(夫である義鷹様は別だがそれはまぁ仕方ない)
前世からの願い叶い、再び姫様にお仕え出来るようになったのだから、るんるんである。
生涯お仕えしますわ~と今日もせっせと姫様が好みそうなお菓子を作る私である。
あ~幸せ~。
「是延さんは、念のためにって護衛の為、残ってくれているけど、別室だし定近様や義鷹様は狩りに出かけてらっしゃるから今くらい…」
「だめですっ!普段から慣れていないと!うっかり皆さまの前でボロが出ては、姫様のお立場にも関わります!それに、どんなしゃべり方でも今も昔も私は姫様が一番大切なのです!何も変わっておりませんわ」
「んもうっっ!亜里沙ってば本当に頑固なんだからっ!」
「ほほほほほほっ」
「もぉっ、その笑い方と言い…。なんか、本当に亜里沙ってば、生まれながらの平安世界の人みたい」
ぎくっ!
「ほほほほほっ!光栄ですわ~。私も何だかこっちの世界の方がしっくりくるぐらいで~。こ…この世界の方が相性が良かったみたいですわね~」と慌てて誤魔化す私に芙久姫はぷうっと頬をふくらます。
ああ、いと可愛ゆす!
「まぁね~、亜里沙はもともとオタクなくらいな歴史付き(特に平安時代)だったもんね~」と呆れたように、またひとつ溜息を漏らしたのだった。
そうそう!姫様、人間、あきらめが肝心!どうか私に貴女に仕える幸せをお許しくださいませ!とそう心の中で呟きながら私は、冷やした緑茶を満面の笑みで差し出すのであった。
ああ、本当に幸せ!
私(亜里沙)は満面の笑みで芙久姫に焼き立てのクッキーを差し出していた。
右大臣家から持ってきた小麦粉やお砂糖が大活躍である。
(卵もここで飼っている鶏が朝、生みたてのものである!)
「亜里沙ったら、二人の時はタメ口でいいでしょう?」と芙久姫は不服そうにそう言う。
確かに芙久姫にとっては、今まで『芙久』『亜里沙』と呼び合っていた幼馴染が、堅苦しい言葉遣いで、違和感この上ないだろう。
だが、しかし前世、芙久姫様が女東宮であらせられた時、自分が女東宮付きの尚侍であった記憶のある私からしたら、むしろ今の方がしっくりくるくらいなのである。
前世の記憶がよみがえって以来、私の中で芙久姫は我が永遠の主人!
今世でも、こうやってお仕えできるなんて何という幸せかと神様に感謝する今日この頃な私なのである。
「駄目ですよ?障子に目あり、壁に耳ありと申しますし、最近ではこちらの言葉遣いにすっかり慣れてしまいましたし、芙久姫様も慣れて頂かないと」
「亜里沙ったら…」と、眉をしかめて溜息をつく芙久姫様。
あああ、なんって可愛らしくていらっしゃる。
平成の世界では、ありがたくももったいなくも、タメ口でむしろ私の方が姉のごとき口のききようだった私だけどね!
あれはあれで良かったが、今は今で良いのだよ。
はぁ~!この充実感!たまらないっ!
自分の持てる知識や技量で全力でお仕えするのだ!
何が嬉しいってこの世界で芙久姫が一番頼りにしているのは間違いなく自分である。(夫である義鷹様は別だがそれはまぁ仕方ない)
前世からの願い叶い、再び姫様にお仕え出来るようになったのだから、るんるんである。
生涯お仕えしますわ~と今日もせっせと姫様が好みそうなお菓子を作る私である。
あ~幸せ~。
「是延さんは、念のためにって護衛の為、残ってくれているけど、別室だし定近様や義鷹様は狩りに出かけてらっしゃるから今くらい…」
「だめですっ!普段から慣れていないと!うっかり皆さまの前でボロが出ては、姫様のお立場にも関わります!それに、どんなしゃべり方でも今も昔も私は姫様が一番大切なのです!何も変わっておりませんわ」
「んもうっっ!亜里沙ってば本当に頑固なんだからっ!」
「ほほほほほほっ」
「もぉっ、その笑い方と言い…。なんか、本当に亜里沙ってば、生まれながらの平安世界の人みたい」
ぎくっ!
「ほほほほほっ!光栄ですわ~。私も何だかこっちの世界の方がしっくりくるぐらいで~。こ…この世界の方が相性が良かったみたいですわね~」と慌てて誤魔化す私に芙久姫はぷうっと頬をふくらます。
ああ、いと可愛ゆす!
「まぁね~、亜里沙はもともとオタクなくらいな歴史付き(特に平安時代)だったもんね~」と呆れたように、またひとつ溜息を漏らしたのだった。
そうそう!姫様、人間、あきらめが肝心!どうか私に貴女に仕える幸せをお許しくださいませ!とそう心の中で呟きながら私は、冷やした緑茶を満面の笑みで差し出すのであった。
ああ、本当に幸せ!
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