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【第五章:エデン第五区画/特殊物理学研究ラボ】
【第60話】
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エデン第二区画、中央管理施設正門前。
『ハカセ、本当にココでいいのかブウ?』
レジスタンス軍ソルジャーを人質に取ったエデン第五区画上位管理者アンドロイド・キンカク&ギンカクからの指示で中央管理施設外に出て来たサン博士と3体の戦闘用人型アンドロイド達。
ジェイコブ謹製の新武器を試したくて待ちきれないピッグマンは不満そうな声で尋ねる。
『ああ、俺にもわからねえが……奴らがここだっていうならここなんだろうよ.
気いぬくなよ、ピッグマン。ソルジャーさん達がいるとは言え敵が何を仕掛けて来るかわからないからな』
コマンダージャンヌの緊急招集命令を受け、正門前に集まったレジスタンスソルジャー達はプロテクター&対アンドロイド銃と言う完全武装状態で3人を護衛する。
「この感覚は……来るわ!!」
声を発すると同時に前方を指さすサン博士。
ソルジャー達は一斉にその方向に銃を構え、戦闘用アンドロイド達はすぐに各々の武器を抜いて博士を左右前後の4方向から守る。
「おいおい、何だよアレは……!?」
「昔のSF映画みてえだな」
「ジョイステーションのゲームじゃあるめえし」
「何か、異能者バトルなイタリアマフィア漫画作品であんなのみたような……?」
「MANGAで言うなら竜玉漫画のフラグ自爆死したアイツじゃね?」
衆人環視の中、灯るように現れた小さな光球。
ゆっくりと動いて大きな円形の軌道を描き始めたソレを前にざわつきつつも銃をしっかりと構えたソルジャー達を前に攻撃停止命令をハンドサインするサン博士。
その軌道線により切り取られた空間の向こうに見えるのは目と鼻の先にあるはずのエデン第二区画中央管理施設の正門ではなく、見たことのない研究施設と思しき建物だ。
「この外観は間違いなく……特殊物理技術研究施設だわ。そうよね、モンキーマン?」
『ああ、俺のエデンアーカイブ映像的にも外観的特徴はほぼ合致している。
だが、内部や地下空間に関しては全く分からないな』
「あなたが言うなら大丈夫ね……我らが同士マツモトを救出し、上位管理者アンドロイドを破壊してミクラ・ブレインを破壊するために必要なアレの回収。
……これまでのようには行かないでしょう、覚悟を決めなさい」
『了解!!』
サン博士の命に応じるモンキーマン、カッパマン、ピッグマン。
レジスタンス軍拠点の留守を預かる35部隊ソルジャー達が見守る前で歩を進めた4人は光の輪の中に消えて行く。
ほぼ同時刻、エデン第五区画・特殊物理技術研究施設内のどこか。
『流石はサン様……お覚悟は本物のようでございますね』
キンカク&ギンカク姉妹とコウガイジ、人質に取った人間の少女兵士の4人が雀卓を囲んでいるのを後目に一時退出し、監視モニタールームで光の輪をくぐって第五区画に踏み入れたサン博士と3体の戦闘用アンドロイドの様子を見ていた蜘蛛メイドアンドロイドのジェイン。
『さて、あとは貴方達の覚悟ですが……いかがですか?』
そんな彼女がカシャカシャと旋回して向き直り、問いかけるのは立ち膝で待機する虎、羊、鹿の頭部を持つ3体の戦闘用人型アンドロイドだ。
『もちろんでございます、ジェイン殿。
我らサンリキセン兄弟……新たなる力を授けていただいたキンカク&ギンカク様の御恩に報いるために我らが仇敵モンキーマンと裏切り者2体を討ち取り、サン・フトウを捕らえてまいる所存でございます』
一歩前に出た虎頭の人型アンドロイドはジェインに丁寧に答え、その頭を下げる。
『頼もしい言葉ですね、では頼みますよ』
『はあっ!!』
激励と共に細目で微笑むジェインに鬨の声で応じる3体はサン博士とモンキーマン達を迎え撃つべくすぐにエレべーターに向かう。
【MMS 第61話に続く】
『ハカセ、本当にココでいいのかブウ?』
レジスタンス軍ソルジャーを人質に取ったエデン第五区画上位管理者アンドロイド・キンカク&ギンカクからの指示で中央管理施設外に出て来たサン博士と3体の戦闘用人型アンドロイド達。
ジェイコブ謹製の新武器を試したくて待ちきれないピッグマンは不満そうな声で尋ねる。
『ああ、俺にもわからねえが……奴らがここだっていうならここなんだろうよ.
気いぬくなよ、ピッグマン。ソルジャーさん達がいるとは言え敵が何を仕掛けて来るかわからないからな』
コマンダージャンヌの緊急招集命令を受け、正門前に集まったレジスタンスソルジャー達はプロテクター&対アンドロイド銃と言う完全武装状態で3人を護衛する。
「この感覚は……来るわ!!」
声を発すると同時に前方を指さすサン博士。
ソルジャー達は一斉にその方向に銃を構え、戦闘用アンドロイド達はすぐに各々の武器を抜いて博士を左右前後の4方向から守る。
「おいおい、何だよアレは……!?」
「昔のSF映画みてえだな」
「ジョイステーションのゲームじゃあるめえし」
「何か、異能者バトルなイタリアマフィア漫画作品であんなのみたような……?」
「MANGAで言うなら竜玉漫画のフラグ自爆死したアイツじゃね?」
衆人環視の中、灯るように現れた小さな光球。
ゆっくりと動いて大きな円形の軌道を描き始めたソレを前にざわつきつつも銃をしっかりと構えたソルジャー達を前に攻撃停止命令をハンドサインするサン博士。
その軌道線により切り取られた空間の向こうに見えるのは目と鼻の先にあるはずのエデン第二区画中央管理施設の正門ではなく、見たことのない研究施設と思しき建物だ。
「この外観は間違いなく……特殊物理技術研究施設だわ。そうよね、モンキーマン?」
『ああ、俺のエデンアーカイブ映像的にも外観的特徴はほぼ合致している。
だが、内部や地下空間に関しては全く分からないな』
「あなたが言うなら大丈夫ね……我らが同士マツモトを救出し、上位管理者アンドロイドを破壊してミクラ・ブレインを破壊するために必要なアレの回収。
……これまでのようには行かないでしょう、覚悟を決めなさい」
『了解!!』
サン博士の命に応じるモンキーマン、カッパマン、ピッグマン。
レジスタンス軍拠点の留守を預かる35部隊ソルジャー達が見守る前で歩を進めた4人は光の輪の中に消えて行く。
ほぼ同時刻、エデン第五区画・特殊物理技術研究施設内のどこか。
『流石はサン様……お覚悟は本物のようでございますね』
キンカク&ギンカク姉妹とコウガイジ、人質に取った人間の少女兵士の4人が雀卓を囲んでいるのを後目に一時退出し、監視モニタールームで光の輪をくぐって第五区画に踏み入れたサン博士と3体の戦闘用アンドロイドの様子を見ていた蜘蛛メイドアンドロイドのジェイン。
『さて、あとは貴方達の覚悟ですが……いかがですか?』
そんな彼女がカシャカシャと旋回して向き直り、問いかけるのは立ち膝で待機する虎、羊、鹿の頭部を持つ3体の戦闘用人型アンドロイドだ。
『もちろんでございます、ジェイン殿。
我らサンリキセン兄弟……新たなる力を授けていただいたキンカク&ギンカク様の御恩に報いるために我らが仇敵モンキーマンと裏切り者2体を討ち取り、サン・フトウを捕らえてまいる所存でございます』
一歩前に出た虎頭の人型アンドロイドはジェインに丁寧に答え、その頭を下げる。
『頼もしい言葉ですね、では頼みますよ』
『はあっ!!』
激励と共に細目で微笑むジェインに鬨の声で応じる3体はサン博士とモンキーマン達を迎え撃つべくすぐにエレべーターに向かう。
【MMS 第61話に続く】
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