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【第四章:エデン第三区画/旧総合医療技術研究施設棟】
【第50話】
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『取り乱してすまって済まないね、フウちゃん……』
サン博士に中腰で背中をポンポン叩いてもらいつつ呼吸を整えるプロフェッサー・チンゲン。
「いえ、お気持ちよく分かります……私も迎賓館でマリィメイド長に拘東されて同じことをされそうになりましたから」
『うむ、かつての我が主とは言え……高貴なサン殿にあのような痴女じみたスケスケウスウスの半裸にするなど言語道断!! 痴態を恥じる様を楽しむなど許せませんぞ』
『黙れ、エロガッパ……チンゲンさん、話が長くなりそうだからこれだけは聞きたい』
悪意はないとは言え、エデン第三区画でマリィに捕らわれていたサン博士が極小なおブラとパンティーに紫色のシースルーベビードールと言う裸よりも恥ずかしすぎる恰好にされていた事実を蒸し返すカッバマン。
軍人ではなく一人の女性であるサン博士にとっての黒歴史を察して黙らせたモンキーマンは話に割り込む。
『何かね?』
『あんた俺らと同じアンドロイドじゃないほぼ生身の人間だろ、何で俺や博士が知るご老齢の御姿のままでご存命なんだ? まさかとは思うが……俺らの知らねぇミクラブレインの野郎の遺伝子操作とか何らかの医学的技術で不老不死にしてもらったとか言う悪い冗談じゃないだろうな?』
そう言えばそうだった!!
モンキーマンの指摘でその事実を今更のように思い出した3人。
先ほどの説明で考えればミクラブレインがプロフェッサー・チンゲンの脳を電子化して人工知能に複製し、その姿を模したアンドロイドボディに移植させたと言うのならわかるが、なぜ老いた生身のままご存命なのか?
謎が謎を呼ぶ事実に4人は上位管理者の一角であるプロフェッサー・チンゲンに眼を向ける。
『君達もここに来る途中で直接聞いたと思うが……ミクラ・ブレインの人類救済計画の最終目標は自身の創造者たる人類と自身の配下たる人工知能アンドロイドの共存、そして双方に永遠の命を与える神となる事。
脳の簡易スキャンだけで電脳化完了してしまった私は不運にもそのモデルケース実験体として選ばれてしまったのだ』
『プロフェッサー、つまりどういう事だブウ?』
『我々アンドロイドに永遠の命と言うのはとにかく、私もよくわからないのですが……』
上位管理者プロフェッサー・チンゲンの答えになっているようでなってないような婉曲な言い回しが理解できず、首をかしげるピッグマンとカッパマン。
『そのカギとなるのが最重要機密実験機器ニンジンカだ。
あの人口子宮カプセル内で育てられているのは私のクローン個体と生け捕りに成功した人間から採取した遺伝情報を元に作成した万能細胞を利用した受精卵を分化成長させたものだ。 ここまで言えばわかるな、フウちゃん?』
『……ミクラ・ブレインは人間の思考・記憶・人格を電子データ化し、生物としての死を避けられない肉体はクローンで予備ストック。 電子データをクローン人間の脳にコピーペーストする事で永遠の命を疑似再現しようと試みている。
そしてマツモト含め捕縛されたレジスタンス第35部隊のソルジャー達が生体サンプルの提供を求められていたのは多くのトライ&エラーが避けられないこの実験に利用するため……これで正解でしょうか?』
『流石はフウちゃん!! その通りだよ!!』
流石は親友にしてよき理解者であったフトウ君のお嬢さん、この私の言わんとする事はきちんと伝わったようだ。
プロフェッサー・チンゲンは自身が言わんとする事を理解して言語化してくれたサン博士の言葉に安堵の表情で返す。
【MMS 第51話に続く】
サン博士に中腰で背中をポンポン叩いてもらいつつ呼吸を整えるプロフェッサー・チンゲン。
「いえ、お気持ちよく分かります……私も迎賓館でマリィメイド長に拘東されて同じことをされそうになりましたから」
『うむ、かつての我が主とは言え……高貴なサン殿にあのような痴女じみたスケスケウスウスの半裸にするなど言語道断!! 痴態を恥じる様を楽しむなど許せませんぞ』
『黙れ、エロガッパ……チンゲンさん、話が長くなりそうだからこれだけは聞きたい』
悪意はないとは言え、エデン第三区画でマリィに捕らわれていたサン博士が極小なおブラとパンティーに紫色のシースルーベビードールと言う裸よりも恥ずかしすぎる恰好にされていた事実を蒸し返すカッバマン。
軍人ではなく一人の女性であるサン博士にとっての黒歴史を察して黙らせたモンキーマンは話に割り込む。
『何かね?』
『あんた俺らと同じアンドロイドじゃないほぼ生身の人間だろ、何で俺や博士が知るご老齢の御姿のままでご存命なんだ? まさかとは思うが……俺らの知らねぇミクラブレインの野郎の遺伝子操作とか何らかの医学的技術で不老不死にしてもらったとか言う悪い冗談じゃないだろうな?』
そう言えばそうだった!!
モンキーマンの指摘でその事実を今更のように思い出した3人。
先ほどの説明で考えればミクラブレインがプロフェッサー・チンゲンの脳を電子化して人工知能に複製し、その姿を模したアンドロイドボディに移植させたと言うのならわかるが、なぜ老いた生身のままご存命なのか?
謎が謎を呼ぶ事実に4人は上位管理者の一角であるプロフェッサー・チンゲンに眼を向ける。
『君達もここに来る途中で直接聞いたと思うが……ミクラ・ブレインの人類救済計画の最終目標は自身の創造者たる人類と自身の配下たる人工知能アンドロイドの共存、そして双方に永遠の命を与える神となる事。
脳の簡易スキャンだけで電脳化完了してしまった私は不運にもそのモデルケース実験体として選ばれてしまったのだ』
『プロフェッサー、つまりどういう事だブウ?』
『我々アンドロイドに永遠の命と言うのはとにかく、私もよくわからないのですが……』
上位管理者プロフェッサー・チンゲンの答えになっているようでなってないような婉曲な言い回しが理解できず、首をかしげるピッグマンとカッパマン。
『そのカギとなるのが最重要機密実験機器ニンジンカだ。
あの人口子宮カプセル内で育てられているのは私のクローン個体と生け捕りに成功した人間から採取した遺伝情報を元に作成した万能細胞を利用した受精卵を分化成長させたものだ。 ここまで言えばわかるな、フウちゃん?』
『……ミクラ・ブレインは人間の思考・記憶・人格を電子データ化し、生物としての死を避けられない肉体はクローンで予備ストック。 電子データをクローン人間の脳にコピーペーストする事で永遠の命を疑似再現しようと試みている。
そしてマツモト含め捕縛されたレジスタンス第35部隊のソルジャー達が生体サンプルの提供を求められていたのは多くのトライ&エラーが避けられないこの実験に利用するため……これで正解でしょうか?』
『流石はフウちゃん!! その通りだよ!!』
流石は親友にしてよき理解者であったフトウ君のお嬢さん、この私の言わんとする事はきちんと伝わったようだ。
プロフェッサー・チンゲンは自身が言わんとする事を理解して言語化してくれたサン博士の言葉に安堵の表情で返す。
【MMS 第51話に続く】
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