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本編
475.合流
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買いものを終えた僕達は、パトリックさんの案内で宿へと向かった。
「ここです」
「うわ~」
到着した宿は、明らかに〝貴族御用達〟っていう感じの宿だった。
「戻りました」
部屋は階ごとワンフロア全体を団体で借りるような宿で、メインの談話室があり、そこからいくつかの個室に分かれる形の部屋らしい。というわけで、僕達はガディア国一行が借りている部屋の談話室へと案内される。
「リスナー殿! 〝戻りました〟じゃないですよ! どうして勝手に移動してしまったんですか! 本部の建物から動かないでくださいって言いましたよね!?」
談話室には三人の人がいて、僕達が部屋に入った途端、濃紺の制服を着た騎士の一人がすぐさま詰め寄ってくる。
「伝言にも残した通り、頼りになる護衛が一緒でしたので」
「それとこれは別ですよ!」
騎士が詰め寄ってくるのは仕方がない。これで護衛対象者に何かあったら、担当している騎士の失態ということになるのだからな。
……まあ、でも、国の施設である迷宮管理本部とはいえ、絶対ということはないのだからパトリックさんを一人にした時点で駄目なような気もするけどな~。ああ、でも、責任者がパトリックさんだった場合、そういう指示をされたら従うしかなかったのかな? そうなら騎士にも同情の余地があるかな?
「あ~……その件でしたら、僕も話を聞いた時点で本部に戻れば良かったのですが、買いものを優先してしまいました。すみません」
本部に戻る、もしくはすぐに宿に来るなどの対応はできたのだが、私用を優先させてしまったのだ。
「い、いいえ! タクミ様は悪くないです! 謝罪などしないでください! リスナー殿を一人にしてしまった僕がいけなかったのです!」
僕が謝罪すると、騎士が慌てだした。
「あ、タクミさん、紹介しますね。今、詰め寄ってきた金髪の彼が、主に私の担当の騎士で――」
「お初にお目にかかります! 私はランサー・ガロンです!」
「私は、リスナー殿の補佐の文官でマシュー・クローニンと申します」
「僕はユージンです!」
「とまあ、この四名がタクミさんの補佐に入ります。先ほども言いましたが、交渉事などは私とマシューが担当しますので、何かあれば遠慮なく言ってください」
パトリックさんが騎士を紹介しようとすると、その言葉を遮るように自ら名乗ってくれる。
さらに、もう一人の騎士と文官も僕達のほうにやって来ると、それぞれ名乗ってくれる。クローニン様とガロン様はパトリックさんと同年代くらいで、ユージン様が少し年下って感じかな。
「冒険者のタクミです」
「アレンです!」
「エレナです!」
「我はカイザーと言う」
こちらも順番に名乗っていく。
「えっと……わざわざ来ていただきありがとうございます。それと、仕事が延長になってしまったようですみません」
僕はまず出張が延びたことを謝罪しておく。
「いえいえ、最低限の挨拶は終わりましたから、あとはタクミ様からのご依頼がなければ仕事という仕事はありません。なので、ほとんど休暇のようなものですよ」
パトリックさんにも言われたが、クローニン様も同じことを言って柔らかく微笑んでくれる。ここに来たこと自体は、本当に嫌だとか面倒事だとは思っていないようだ。
「そう言ってもらえると、僕の気も楽になります。クローニン様、ありがとうございます。あ、できれば僕のことは〝様〟はなしで呼んでください」
「では、タクミさんと呼ばせていただきます。私のことはマシューで結構ですよ」
「マシューさんですね」
「私のこともランサーと呼んでください!」
「僕のことはぜひユージンと呼び捨てでお願いします!」
ランサーさんとユージンも堅苦しい感じのない人達なので、つき合いやすそうだ。
「あ、そうそう、伝え忘れていましたが、我々の中での命令権に関しては、タクミさんが第一になりますからね」
「……は!?」
ひと安心したところで、パトリックさんが問題を投げ込んでくる。
その内容に、僕はかなり驚いてしまう。
「なっ、何ですかそれは!」
「第二位が私で、マシューが第三位です」
「いやいやいや! ちょっと待ってください。命令権の順位を聞いているわけじゃないです! 何で僕に命令権なんてものがあるんですか!?」
パトリックさんは、僕が驚くことは〝想定済み〟という風に、平然と順位を伝えてくる。
「だって、タクミさんは近衛騎士相当の権限をお持ちですよね? となると、騎士であるそちらの二人よりも上官であるのはもちろんのこと、いち文官の私達よりも上の扱いになりますからね」
「は? 近衛騎士の……権限?」
「ええ、そう聞いていますよ?」
「あっ! って、これか!」
僕は《無限収納》から近衛騎士の制服を取り出した。
白の近衛用の騎士服だけじゃなく、竜騎士用の黒、通常の濃紺の制服も貰っているんだよな~。
制服は「持っていると便利ですよ」と言われているが、権限まで発生しているとは聞いていないよ!
いや、待てよ。クレタ国に行った時、オースティン様の護衛の仕事をしている。ということは、その時点で騎士としての契約みたいなのが発生していたのか? 書面などは交わしていないけどな。
そして、護衛が終了した時、契約終了的な手続きはしていない。何せ、ガディア国に戻ってきた時、途中下車で別れたからな!
「嫌な予感がひしひしと……」
正確には契約云々は発生していないとは思う。ただ、トリスタン様やオースティン様がこじつけてそう言っているのであろう。
「それにしたって! 騎士系統と文官系統の命令権は別物でしょう!」
「そもそもここに派遣された理由は、タクミさんへの助力ですからね。やはりタクミさん主体になるのは間違いないでしょう」
「……えぇ~」
でも、何かあった場合、僕がパトリックさん達に仕事を与えるってことになるのか?
「あれ? 深く考えていなかったんですが、パトリックさん達のここにいる任期って……僕達がここにいる間ずっとってわけじゃないですよね? 少し様子を見て、問題なかったら終了ですよね?」
「それはもうずっとに決まっているじゃないですか」
「え、本当に?」
「大丈夫そうだからと、我々が帰った後で何かあったらどうするんですか?」
パトリックさんに少々呆れられたような目で見られた。
小心者の僕としては、いち冒険者のために城勤めの人間を四人も使うってどういうことだよ! って思うんだよ。
「よし、アレン、エレナ、そろそろガディア国に帰るか!」
「「えぇ~。やだ~」」
それならきっぱりさっぱり僕達がガディア国に帰るべきかと思ったら、子供達に反対された。
「給料の出るゆったりとした休暇なんですから、そんなに急がなくても大丈夫ですよ。少しくらい私達をのんびりさせてください」
「……奥さんが寂しがりますよ」
「この仕事が終わったら正式な休暇を貰えますから、その時に尽くすことにしますよ」
パトリックさん以外の三人は独身のようなので、普通に楽しむ気満々であるらしい。なので、四人の拘束自体は気にしなくていいようだ。
「あと、タクミさんが気にしているのは給料云々のことでしょうけど、ここの宿代同様に枝で充分に賄えるそうです」
「……よし、トリスタン様に渡すお土産の枝を倍増するかな」
「「それならがんばる!」」
「うむ、よくわからぬが、枝が欲しいのであればたっぷりと採ろうではないか!」
枝の倍増なら任せろと、子供達とカイザーが張り切り出したので、今日以降に手に入れた枝に関しては、トリスタン様に押しつけようと心に決めた。
==========
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談話室には三人の人がいて、僕達が部屋に入った途端、濃紺の制服を着た騎士の一人がすぐさま詰め寄ってくる。
「伝言にも残した通り、頼りになる護衛が一緒でしたので」
「それとこれは別ですよ!」
騎士が詰め寄ってくるのは仕方がない。これで護衛対象者に何かあったら、担当している騎士の失態ということになるのだからな。
……まあ、でも、国の施設である迷宮管理本部とはいえ、絶対ということはないのだからパトリックさんを一人にした時点で駄目なような気もするけどな~。ああ、でも、責任者がパトリックさんだった場合、そういう指示をされたら従うしかなかったのかな? そうなら騎士にも同情の余地があるかな?
「あ~……その件でしたら、僕も話を聞いた時点で本部に戻れば良かったのですが、買いものを優先してしまいました。すみません」
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「い、いいえ! タクミ様は悪くないです! 謝罪などしないでください! リスナー殿を一人にしてしまった僕がいけなかったのです!」
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さらに、もう一人の騎士と文官も僕達のほうにやって来ると、それぞれ名乗ってくれる。クローニン様とガロン様はパトリックさんと同年代くらいで、ユージン様が少し年下って感じかな。
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「では、タクミさんと呼ばせていただきます。私のことはマシューで結構ですよ」
「マシューさんですね」
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「僕のことはぜひユージンと呼び捨てでお願いします!」
ランサーさんとユージンも堅苦しい感じのない人達なので、つき合いやすそうだ。
「あ、そうそう、伝え忘れていましたが、我々の中での命令権に関しては、タクミさんが第一になりますからね」
「……は!?」
ひと安心したところで、パトリックさんが問題を投げ込んでくる。
その内容に、僕はかなり驚いてしまう。
「なっ、何ですかそれは!」
「第二位が私で、マシューが第三位です」
「いやいやいや! ちょっと待ってください。命令権の順位を聞いているわけじゃないです! 何で僕に命令権なんてものがあるんですか!?」
パトリックさんは、僕が驚くことは〝想定済み〟という風に、平然と順位を伝えてくる。
「だって、タクミさんは近衛騎士相当の権限をお持ちですよね? となると、騎士であるそちらの二人よりも上官であるのはもちろんのこと、いち文官の私達よりも上の扱いになりますからね」
「は? 近衛騎士の……権限?」
「ええ、そう聞いていますよ?」
「あっ! って、これか!」
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白の近衛用の騎士服だけじゃなく、竜騎士用の黒、通常の濃紺の制服も貰っているんだよな~。
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