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本編
465.またも貴石の迷宮2
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十二階層をたっぷりと堪能した僕達は、十三階層へとやって来た。
「「あお~」」
今度は青い岩の坑道だった。
「なるほど。そうなると、次の階層は白……というか透明の坑道かな?」
「「なんで?」」
「一階層の森と同じ色かな~と思ってね。一階層の森は、緑、赤、青、透明だっただろう?」
「「おぉ~」」
何となくだが、この迷宮は一階層で見れる四色で成り立っているのではないかと思っている。
「はやくいって、たしかめよう!」
「きっと、とうめいだね!」
アレンとエレナが次の階層が気になるようで、さくさく十三階層を進もうとする。
「青の蟻蜜は集めないのか?」
「「……あつめる」」
たぶんこの階層でも現れるだろう青いソルジャーアントのドロップアイテムのことを言うと、二人はすぐに意見を翻した。
《アレン、エレナ、早速来たよ~》
「「たおす! ――《ウォーターブレード》」」
ジュールの呼びかけに、子供達は即座に魔法を放つ。
「「あおのありみつあったよ~」」
そして、お目当ての青の蟻蜜を手に入れていた。
「えっと……じゃあ、もう十四階層に行くかい?」
「まだだめ~」
「もっとあつめてからね~」
やはり数個程度の蟻蜜では満足しなかったので、この階層でも蟻狩りを堪能してから十四階層を目指した。
◇ ◇ ◇
「「おぉ~」」
「やっぱり透明だったな~」
十四階層は思っていた通り、透明の坑道だった。まあ、透明と言っても透き通ったものでなく、少し濁った感じだけどな。
「透明の石か」
「「つかえる?」」
「ん~、使えるかどうかはわからないけど、珍しいものではあるな」
「「じゃあ、おみやげにする~」」
とりあえず、珍しいものなので、少しだけ採掘して回収しておくことにする。
もしかしたら、何かの使い道があるかもしれないしな。
《うわっ!》
「何だ? どうした?」
そこそこの石を手に入れ、本格的に十四階層を攻略しようと歩き始めると、突然、ベクトルが叫び声を上げた。驚いてそちらを見ると、ベクトルが地面に蹲っているではないか。
《穴に落ちた~》
「穴?」
《そう、穴。地面がへこんでいたんだけど、全然気づかなかった~》
ベクトルの言葉を聞いてから改めてよく周囲を見てみると、確かに少しへこんでいたり、逆に盛り上がっている場所があった。
「他の階層みたいにボコボコしている場所が普通にあるけど、透明だから気づき辛いってことか。……危ないな」
普通に歩くだけでも油断したら転びかねない階層のようだ。
「みんな、走るのは禁止な」
「「《《《《《 《はーい》》》》》》」」
「うむ」
とりあえず、危険なのでゆっくり歩くことにする。
「あ、嫌な予感がするんだけど……この階層、透明の魔物が出たりするのかな?」
「「「あ!」」」
見えない敵とか、危険すぎる。
「「なんかきそう~」」
「え、本当? もう見える範囲?」
「まだ~」
「これから~」
そんなことを考えていると、早速アレンとエレナの【気配感知】に何かが引っ掛かったらしい。
「「きた!」」
《白いソルジャーアントだね!》
「良かった。あれなら見えるね」
程なくして現れたのは、透明ではなく真っ白のソルジャーアントだった。見えない魔物に奇襲されなくて良かったよ。
「「《ウォーターブレード》」」
アレンとエレナはすかさず魔法を繰り出して、ソルジャーアントを倒すと、ドロップアイテムを走って拾いに行こうとする。
「走ったら駄目だって」
「「そうだった~」」
ドロップアイテムに向かって走るのはもう癖になっているようで、無意識だった模様。
「ありみつ、しろ~い」
「こっちのは、とうめい」
「え、両方あるのか?」
歩いてドロップアイテムを拾いに行くと、そこには二種類の蟻蜜があった。
「「りょうほうあるね~」」
「へぇ~。あ、うん、両方とも蟻蜜だね」
「「やったー」」
【鑑定】で確めてみたが、両方ともしっかりと蟻蜜で、見た目は練乳とガムシロップだ。
「この二つは普通に使いやすそうだね」
「「そうなの?」」
「冷たい飲みものを甘くしたい時とか、いろいろとね」
「「いっぱいあつめる!」」
アイスコーヒーを甘くしたい時とかにとても良さそうだ。
今までもガムシロップっぽい蜜液というものがあったが、あれは甘味が薄くて少し水っぽいので、飲みものに入れるには使い辛かったのだ。
白いほうもミルク系の飲みもので使えるだろう。
あ、緑、赤、青の蟻蜜もかき氷のシロップとしては使えそうな気がする。今度、試してみよう。
《うわっ!》
「ラジアン!?」
再び蟻蜜集めを始めようとした時、今度はラジアンの叫び声が聞こえた。
慌ててラジアンのほうを見ると、壁にペット用の扉みたいなものがあり、パタパタと揺れていた。しかも、ラジアンの姿がないではないか!
「「ラジアン!」」
「ちょっと! アレンとエレナまで! 何で無警戒で飛び込むのさ!」
しかも、ラジアンの後を追うようにアレンとエレナもその扉に飛び込んでしまった。
僕は慌てて扉を開いて覗いて見ると、扉の向こう側は滑り台のようになっていて、半地下のような小部屋になっていた。
「アレン、エレナ、ラジアン、大丈夫か!?」
「「だいじょうぶ!」」
《だいじょうぶだよ~》
とりあえず、怪我などはしていないようだ。
だが、扉は僕が通るには少し小さめなので、後を追いかけることができない。
《お兄ちゃん、ボクも追いかけるよ》
《兄様、私も》
「そうだな、お願い」
《わかった》
《わかったわ》
小さくなったジュールとフィートなら扉を潜れるので、子供達を追って下に降りてもらう。
《むむ? ……俺は通れなさそう》
「……無理して行かなくていいから」
ベクトルも扉を潜ろうとしていたが、ベクトルは小さくなっても通らなさそうなので、嵌って抜けなくなる前に止めておく。
……嵌ってしまうと、僕も下の確認ができなくなってしまうからな。
「おーい。戻ってこられそうか?」
《お兄ちゃん、ちょっと待ってね。アレンとエレナが興味津々に部屋を調べ始めちゃったから》
戻ってくるように声を掛けると、ジュールから待ったがかかった。
《何かあったんでしょうか?》
《きっとお宝があるの!》
ボルトとマイルならこの扉を潜れるが、二匹はあえてここに残ってくれているようだ。
「ふむ……まあ、魔物の気配はないようなので、問題はないのではないか?」
「魔物はいなくても、罠はあるかもしれないからな~」
「なるほど、その心配があるのか。どれ、我も下に行ってこよう」
カイザーはヘビ化すると、するすると下に降りていった。
「……自分で行けないのがもどかしい」
子供達が心配だが、何もできそうにないのが微妙に嫌だった。
「「あお~」」
今度は青い岩の坑道だった。
「なるほど。そうなると、次の階層は白……というか透明の坑道かな?」
「「なんで?」」
「一階層の森と同じ色かな~と思ってね。一階層の森は、緑、赤、青、透明だっただろう?」
「「おぉ~」」
何となくだが、この迷宮は一階層で見れる四色で成り立っているのではないかと思っている。
「はやくいって、たしかめよう!」
「きっと、とうめいだね!」
アレンとエレナが次の階層が気になるようで、さくさく十三階層を進もうとする。
「青の蟻蜜は集めないのか?」
「「……あつめる」」
たぶんこの階層でも現れるだろう青いソルジャーアントのドロップアイテムのことを言うと、二人はすぐに意見を翻した。
《アレン、エレナ、早速来たよ~》
「「たおす! ――《ウォーターブレード》」」
ジュールの呼びかけに、子供達は即座に魔法を放つ。
「「あおのありみつあったよ~」」
そして、お目当ての青の蟻蜜を手に入れていた。
「えっと……じゃあ、もう十四階層に行くかい?」
「まだだめ~」
「もっとあつめてからね~」
やはり数個程度の蟻蜜では満足しなかったので、この階層でも蟻狩りを堪能してから十四階層を目指した。
◇ ◇ ◇
「「おぉ~」」
「やっぱり透明だったな~」
十四階層は思っていた通り、透明の坑道だった。まあ、透明と言っても透き通ったものでなく、少し濁った感じだけどな。
「透明の石か」
「「つかえる?」」
「ん~、使えるかどうかはわからないけど、珍しいものではあるな」
「「じゃあ、おみやげにする~」」
とりあえず、珍しいものなので、少しだけ採掘して回収しておくことにする。
もしかしたら、何かの使い道があるかもしれないしな。
《うわっ!》
「何だ? どうした?」
そこそこの石を手に入れ、本格的に十四階層を攻略しようと歩き始めると、突然、ベクトルが叫び声を上げた。驚いてそちらを見ると、ベクトルが地面に蹲っているではないか。
《穴に落ちた~》
「穴?」
《そう、穴。地面がへこんでいたんだけど、全然気づかなかった~》
ベクトルの言葉を聞いてから改めてよく周囲を見てみると、確かに少しへこんでいたり、逆に盛り上がっている場所があった。
「他の階層みたいにボコボコしている場所が普通にあるけど、透明だから気づき辛いってことか。……危ないな」
普通に歩くだけでも油断したら転びかねない階層のようだ。
「みんな、走るのは禁止な」
「「《《《《《 《はーい》》》》》》」」
「うむ」
とりあえず、危険なのでゆっくり歩くことにする。
「あ、嫌な予感がするんだけど……この階層、透明の魔物が出たりするのかな?」
「「「あ!」」」
見えない敵とか、危険すぎる。
「「なんかきそう~」」
「え、本当? もう見える範囲?」
「まだ~」
「これから~」
そんなことを考えていると、早速アレンとエレナの【気配感知】に何かが引っ掛かったらしい。
「「きた!」」
《白いソルジャーアントだね!》
「良かった。あれなら見えるね」
程なくして現れたのは、透明ではなく真っ白のソルジャーアントだった。見えない魔物に奇襲されなくて良かったよ。
「「《ウォーターブレード》」」
アレンとエレナはすかさず魔法を繰り出して、ソルジャーアントを倒すと、ドロップアイテムを走って拾いに行こうとする。
「走ったら駄目だって」
「「そうだった~」」
ドロップアイテムに向かって走るのはもう癖になっているようで、無意識だった模様。
「ありみつ、しろ~い」
「こっちのは、とうめい」
「え、両方あるのか?」
歩いてドロップアイテムを拾いに行くと、そこには二種類の蟻蜜があった。
「「りょうほうあるね~」」
「へぇ~。あ、うん、両方とも蟻蜜だね」
「「やったー」」
【鑑定】で確めてみたが、両方ともしっかりと蟻蜜で、見た目は練乳とガムシロップだ。
「この二つは普通に使いやすそうだね」
「「そうなの?」」
「冷たい飲みものを甘くしたい時とか、いろいろとね」
「「いっぱいあつめる!」」
アイスコーヒーを甘くしたい時とかにとても良さそうだ。
今までもガムシロップっぽい蜜液というものがあったが、あれは甘味が薄くて少し水っぽいので、飲みものに入れるには使い辛かったのだ。
白いほうもミルク系の飲みもので使えるだろう。
あ、緑、赤、青の蟻蜜もかき氷のシロップとしては使えそうな気がする。今度、試してみよう。
《うわっ!》
「ラジアン!?」
再び蟻蜜集めを始めようとした時、今度はラジアンの叫び声が聞こえた。
慌ててラジアンのほうを見ると、壁にペット用の扉みたいなものがあり、パタパタと揺れていた。しかも、ラジアンの姿がないではないか!
「「ラジアン!」」
「ちょっと! アレンとエレナまで! 何で無警戒で飛び込むのさ!」
しかも、ラジアンの後を追うようにアレンとエレナもその扉に飛び込んでしまった。
僕は慌てて扉を開いて覗いて見ると、扉の向こう側は滑り台のようになっていて、半地下のような小部屋になっていた。
「アレン、エレナ、ラジアン、大丈夫か!?」
「「だいじょうぶ!」」
《だいじょうぶだよ~》
とりあえず、怪我などはしていないようだ。
だが、扉は僕が通るには少し小さめなので、後を追いかけることができない。
《お兄ちゃん、ボクも追いかけるよ》
《兄様、私も》
「そうだな、お願い」
《わかった》
《わかったわ》
小さくなったジュールとフィートなら扉を潜れるので、子供達を追って下に降りてもらう。
《むむ? ……俺は通れなさそう》
「……無理して行かなくていいから」
ベクトルも扉を潜ろうとしていたが、ベクトルは小さくなっても通らなさそうなので、嵌って抜けなくなる前に止めておく。
……嵌ってしまうと、僕も下の確認ができなくなってしまうからな。
「おーい。戻ってこられそうか?」
《お兄ちゃん、ちょっと待ってね。アレンとエレナが興味津々に部屋を調べ始めちゃったから》
戻ってくるように声を掛けると、ジュールから待ったがかかった。
《何かあったんでしょうか?》
《きっとお宝があるの!》
ボルトとマイルならこの扉を潜れるが、二匹はあえてここに残ってくれているようだ。
「ふむ……まあ、魔物の気配はないようなので、問題はないのではないか?」
「魔物はいなくても、罠はあるかもしれないからな~」
「なるほど、その心配があるのか。どれ、我も下に行ってこよう」
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