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覚醒

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『強い心で…説得する…』

ソラはそう呟くと頭の中で考えを巡らす。

《はい…まずは宝具。あなたの心が生んだ武器を秦鷹の刀と交えるのです…》
『ペンダントのことだよね?』
《ええ、かなりの危険が伴います…ごめんなさいソラ》

ソラは神の震えた声から涙を感じとった

『…あやまらないでいいよ。ただ私は頑張るだけだからさ…で、それから?』

仕事をこなすような口調で天に問いかけるソラ。

《ソラ…そのときにあなたの心が秦鷹の魂に伝わるのです》

神は涙をこらえたような声で答える

『…わかった…でももし、失敗して私が死んじゃったりしたら天国にいけるのかな…』
《えっ?》

威厳に満ちた神の声色が一瞬幼なくなるのをソラは見逃さなかった。

『えっ、今の声』
《やぁだぁ、きかないでよ…ソラちゃんごめんね》

神は恥ずかしがると可愛いらしい声色のまま、泣きながらソラに謝った。

『ソラちゃんて…』
《…ふ、封印を解除します…ソラ頼みましたよ…じゃ、じゃあ》

神は焦ったように話を逸らすとそれを最後に、ソラへの声が届かなくなった。

『へっ?あのぉ、なんなの…』

パアアアァァァッ

『うっ…』

だが、神がいなくなったことにより止まっていた時が動き出すと、ソラの疑問を消滅させるかのように、再びペンダントが光を放つ。それからその姿を徐々に変えてゆく。

やがて光がおさまると、ソラはペンダントに目をやった。

『すごい…』

ソラは両の手にもった宝具に声をもらした。黄金に光輝く武器は綺麗な装飾を施した斧を二つ鎖でつないでいた。大きさからかなりの重量と推測されるが、ソラの体には重さを感じさせなかった。

『これが私の心が生んだ武器…』
『くっ…』

神々しい光に恐怖を覚えた(イフ)秦は反射的にソラと間をとった。すなわち、時が止まる前の思考がそうさせたのだ。

『またあの光か…なんなんだいったい…なっ?』

秦はソラの両手に握られている武器に驚愕した。

『にいちゃん…』

ジェネ(鷹)はイフ(秦)に声をかける。

『……。』

秦は無言でソラの動向をみている。そして同じく、真剣な眼差しを向けているその相手と目があった。

ソラの口がゆっくりと開く

『…これってさ…テレビとかでよくやる決闘ってやつだよね…まさか自分がするはめになるなんて考えてもなかった…けどさ、やるっきゃないよなっ』

そう、自分の心に言い聞かせるように言うと、ソラは見よう見まねで素人なりに武器を構える。

『アリス…助けるために私も頑張るけど…死んじゃう可能性もある。もしそうなったらごめんね…』
『ソラ…さん』

ソラの覚悟を感じさせる静かな言葉にアリスの目には涙がたまる。

『だからその前に確認しておきたいんだ…わたしはアリスのことが…好き…アリスも私のこと…好きでいてくれる?』

ソラは静かな声のまま言葉を続けた。

『うん、アリスはソラさんことめっちゃ好き…だよ…』

アリスの目からたまっていた涙がとめどなく流れでる。

『アリス…ありがとう…お母さんさよならっ…いくよ!!』

ダダッ

ソラは武器を手に秦に向かって駆け出す

(とにかく武器を交わすことだけ…)

イフ(秦)は向かってくるソラに合わせるように刀を構える。

『やるしかないんだよ!!』

ソラは気合の入った掛け声とともに一方の白銀の斧を頭上で力いっぱい振り回すと、忍者が使う鎖鎌のような要領でそれを投げつける。

ブウウゥゥゥンッ

白銀の斧は唸りをあげ、神々しい光の粒子を撒き散らしながら、その速度を増し、姿を黄金の彗星へと変える。

『…え』

驚きを隠せない投げた本人のソラを後目に黄金の斧はさらに速度をあげ、イフ(秦)に襲いかかる。

ガギイイィィィンッ

ソラの投げた斧とイフ(秦)の持つ刀がぶつかる。大きな金属音がこだまする。

『ぐっ…ううぅぅぅっ…なっ…なんだと!?』

黄金に輝く彗星は秦の体ごとふきとばす。

『うわああぁぁぁっ』
『にいちゃんっ』

ドサッ

地に強く叩きつけられる秦の小さな体。

『ぐうぅぅ…』

刀を地面に差し、ゆっくりとした動作で秦は起き上がる。

『はぁ…はぁ…くっ、ゆだんした…』
『にいちゃんっ』

状況をいまいち把握できない当のソラはイフ(秦)に駆け寄るジェネ(鷹)を無意識のまま眺めている。

『…すごぃ…』

アリスは自然に声をあげると

『ソラさんっ』

大きめな声でその名前を呼んだ。

『…アリス』

ソラは恐怖と興奮で体を震わせたまま、ゆっくりアリスの方をふりかえると確認するように口を開いた。

『アリス…あれ…わたしがやったの…?』

コクリ

アリスは言葉のかわりに首を縦にふった。

アリスの体も小刻みに震えていた。だが、恐怖よりも興奮で打ち震えていた。

(ソラさんすごい…かっこいい…)

憧れの目指しでソラをみつめる。

『はっ…な、なに、アリス?』

放心気味だったソラはその熱い視線により意識を取り戻すと同時に

『そうだ』

イフ(秦)ジェネ(鷹)方へと振り返り、その二人の隙をみて投げた白銀の斧を素早く引き寄せるとそれを構えなおす。

鷹が負傷した兄の秦をかばうよう、ソラの前に立ちふさがる。いくら秦が剣の達人とはいえ、憑依しているイフの体自体はごく普通の少女だ。あの攻撃を受けて無事で済むはずがなかった。

『兄ちゃん…さがっててくれ…後は俺がやる…』
『鷹…わかったすまない…でも油断だけはするな…』

イフ(秦)は胸の辺りをおさえ、その場に座り込む。

『大丈夫…心配ないよ。本気で殺るから…』

その場で秦にそういうと、今度はソラの武器を見、その相手の顔を見据える。ジェネの愛らしい目が殺意に染まる。

『…さよなら』

その言葉を最後にソラの視界からジェネ(鷹)の姿が消える。

『えっ…消え』
『あぶないっ!!』

ソラの声を遮るように大きな声が夜の空に響く。

ブオオォォォッ

大きなうねり音をあげながら強風が巻き起こる。

『なっ…なんだ!?…ううわああぁぁぁっ』

横から不意をつかれた鷹の小さな身体が強風に運ばれる。

辺りは住宅街、鷹は壁への衝撃に備え強風の中、必死に体勢を整えようとする。

『くっ…だめだ、うごけない…』

鷹は冷静に頭を切り替え、全身に力をこめる。だが、いくら身体を硬くしてもかなりの風の勢いだ無事ではすまないだろう。

『かまちゃんっ!!』
『キュウウゥゥゥンッ』

高い獣の鳴き声とともに強風はその軌道をかえ、天へとのぼる。そして徐々にその勢いを和らげ、鷹の足が地上に優しく到達する。

鷹はその場に呆然と立ち尽くす。

『ふぅ…あぶなかった』

小柄な人物は、そうほっと胸をなでおろすと、その場にかがみこみ、目の前の白い獣の頭をなでる。

『よくやったな。かまちゃん』
『キュウウゥゥゥンッ』

白い獣は気持ちよさそうにしている。紫髪の小柄な女の子、ノエルとかまいたちの子、かまだ。

『ほんと、あぶなかったね』

続いて、隣でその一部始終を見ていたスズフミも口をひらく。

『アリス~、ソラさん~』
『ヨルコ、まって』

そんな中、戦闘中のソラたちのもとへ駆け出す複数人影あり。ヨルコとコウだ。

『ちょっ、おまえら』

ノエルはそんな二人を止めようと声をかけるが届かない。

自分たちのほうへ駆けてくる二人。それに気づいたアリスが方向を指差し、声をあげる。

『ヨルコ、コウ!』
『うん…でもなんでここに』

ソラがあいずちを打つ。しかし

『おぃ…ってか!…あぶない!!』

すぐさま現状に戻り、声を張り上げ、二人に注意を促す。

ソラは状況を把握し、自分自身や大切なアリス達三人の安全を確保するべくイフ(秦)ジェネ(鷹)へ視線をうつした。

その視線の先にいる、怨念だけを心に抱きし兄弟は今戦っていた自分と新手のノエルたちの出現により、注意を分散して動くに動けない状況のようだ。そんな中、コウとヨルコ、二人の足音だけが闇夜に響き…やがて止んだ。

息を切らせながらソラのそばに駆け寄り、二人はその勢いで彼女に抱きつく。背の高いソラを見上げる二人の目には涙が浮かんでいた

『うぅ、ソラさんっ…うっ…ひっく』
『ソラ…さ…ん…うわああぁぁぁんっ』

ソラの服を強く掴み泣きじゃくるコウとヨルコ。

『…どうしたんだよ…コウ、ヨルコ…』

ソラは二人の後輩に顔を向ける

『おいっ、気を抜くなっ』

かまの変身した風陣剣をその手に強く握り締めたノエルがソラに注意を促す。

『はっ』

ノエルのちから強い声で自分と大切な後輩たちの身の危険を思い出したソラは、その元凶である目の前の兄弟に素早く視線をもどした。

『…ソラっていったっけ?…後、コウ、ヨルコ、あぶないからお前らは下がってろ…』

ノエルは諭すような口調で三人に言った。秦鷹兄弟の妖気に気圧されてかノエルの額に嫌な汗がうかぶ。

『そうだよ、アリス、コウ、ヨルコ…あんたたちはわたしにとって一番大切なんだ…失いたくない…だから』

ソラは抱きついて涙をながしている二人を優しくはずし、今度は自分のほうからその二人を一度強く抱きしめると守るように一歩前に歩みでた。そして兄弟のほうへ鋭い視線をむける。

『…さっきはあぶないところをありがとう』

ソラは目の前の兄弟から視線をそらさず、そばで自分と同じく剣を構えているノエルにお礼にのべる。

『…ノエル、ソラと同じ学校の三年だぜ…なんでわたしたちがここにきたかとかそういう詳しい話は後で。今は』

コクリ

ノエルの言葉に黙って頷くソラ。

『う…うぅ…ひっく…ひ』
『…うぅ…ソラさん』
『ヨルコ、コウ、ソラさんの邪魔になるよ、アリス達はもっとはなれよう』

涙のとまらないコウとヨルコにアリスは一人冷静な口調で声をかけると二人の手をゆっくりとひっぱった。

(…アリスにはなんでなんにもないの…いつもソラさんに助けられてばかりなにも力になれない…)

『くっ…』

アリスは強く唇をかみしめた。その悔しさから目には涙を覗かせている。

『………。』

(…どうすればいいんだよ。なんでこんなことになっちゃったんだよ。イフ、ジェネ…ちくしょう)

相手の兄弟の魂がイフ、ジェネの身体を支配しているため、ノエルはどうにも動くことができない。

『…ノエルさん』

ソラがゆっくり口をひらく。

『…なに?』

ノエルは軽く返事を返す。

『…さっきの風ってノエルさんがおこしたんですよね?』
『…わたしの力ってわけじゃないけど、まぁ…そうなる』
『…ノエルさん』
『…なに』

ソラは間をおいて、ゆっくりと言葉をはなった

『…イフとジェネの…足止めをお願いできますか…?』
『………』

ノエルは予想だにしないソラの言葉に詰まりながらも頷いた。

『わかった…』

ノエルは後ろにさがっているアリス、ヨルコ、コウの三人に視線をうつすと

『あいつらがあそこまで慕ってるんだもんな。ソラ、あんたを信じるよ』

『ノエルさん…』
『…でも、死ぬことは許さないからな』

ノエルのその一言がソラの心の曇りを振り払った。ソラの目に光がもどる

『はいっ、わたしだってこんなとこで死にたくない』

(そうだ、わたしは死なない、せっかく幸せを見つけたんだ。絶対に生きてやるっ、それにイフにジェネを助けられるのもわたしだけなんだっ)

ノエルはソラの表情と力強い答えを聞くと安心したようだ。すぐそばまで歩み寄ってきている一番の親友であるスズフミに声をかける。

『スズっ』

スズフミはをそれだけですべてを理解した。親友の言葉に頷くとソラのほうへと駆け出した。

タタタッ

(スズたのんだよ)

スズフミはソラのところまでくると戦いにふさわしくないような明るい笑顔で自己紹介を始めた。

『はじめましてだよね?スズフミだよ。あっごめんね。こんな紹介じゃじゃわかんないよね。私はスズフミ、ノエルと同じでソラちゃんのいっこ上だよ』
『…よろしくお願いします』

いつもの彼女ならば、一度も顔を合わせたことのない相手にちゃんづけとか呼ばれると苛立ちを覚えそうなものだがスズフミの場合はそれを感じさせなかった。

『ソラちゃん達は私が守るよ。安心して』

優しくも頼りありげな彼女の言葉はソラに大きな安心感をあたえた。その様子を目で確認したノエル。ソラも兄弟に仕掛けるタイミングをはかりはじめた。

『ソラ、お前の指示でわたし達はしかける』
『わかりました』

(何度もなんてわたしの柄じゃない。わたしのできることをするだけだ。ノエルさんがあいつらの動きをとめてくれたら全力で接近して武器を交えるだけ。後は説得!!)

そんなソラとノエルの、命すらかけたやり取りを見ているコウとヨルコ。もう流れていた涙は止まり、その心の中では新たな決意が芽生えようとしていた。

(ソラさん、ノエルさん、スズフミさん、みんな戦ってる…わたしだってちからになりたい…でもこわい。こわいよ。死にたくないもん…そうだ、ノエルさんだっていってた。あぶないから下がってろっていってた…でもいいの?それでいいの?…アンズ先輩…)

コウの脳裏に陸上部部室での出来事。アンズの姿がうつしだされる。同級生殺しの罪にとわれ、警察すらも敵にまわし、親友、アリサの仇を討つためだけにすべてを捨てた少女。

(…いいわけないよ、いいわけないっ)

『ソラさんっ…わたしも…わたしだってたたかえます…ほんとはこわいです。でもソラさんやアリス、ヨルコ、先輩たちが傷つくほうがもっといやっ…それにわたしにはちからがあるんです』

コウはそういうと両の目をとじる。

『わたしの能力(ちから)…頭で考えた物を形にできるちから…』

コトンッ


コウの目の前に落ちた物体に皆の視線が集中する。

それは長方形の形をした鉄のような板だった。そこに字が彫られている。

わたしを信じて、一緒にたたかわせてください

その彫られていた一言から、コウの必死の思いと覚悟が感じとられた。鉄板に削るほどの決意のあらわれだった。

コウはソラを見上げる。その相手はゆっくりと頷いた。

『…コウ…うぅ…え、なに?』

そんな時、ヨルコの脳裏に声が響く
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