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第4話

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ん…ここは…。

真っ暗で何も見えない。

僕、どうしたんだっけ…。

あ、そうだ、ゴブリンメイジの火球を受けてそれから…。

僕、死んじゃったのか…。

ルナとクロとピノはどうしたのかな。

確かテイマーが死ぬと全ての従魔の契約が破棄されるはずだから、みんな無事に逃げられたのならいいけど…。

「お主はまだ死んでおらんよ」

え?だ、誰ですか?

「ワシはお主の世界で神をやっているゼクスだ」

ゼクス…?神…?もしかして、職業を与えてくださるという…。

「そうだ、人間たちに職業というスキルを与えているものだ」

どうしてゼクス様が僕なんかに…しかも死んでないってどういうことですか?ここはどこなんですか?

「まぁまぁ落ち着きなさい、ひとつずつ説明しよう。まず、お主はまだ死んでいない。ここは、精神の世界、とでも言っておこうかな。お主の精神だけここに呼び寄せた。理由は、お主に与えた職業なのだが、どうやらお主の器に入り切らなかったようだ。結果としてテイマーという職業になった。だが、ちゃんとした職業を与えんとワシが上から怒られてしまうからな。なんとかお主に与えるはずだった職業をもう一度与えようと思ったのだ。だが、成人の儀以外で下界に手を出すことはルール違反なのだ。どうしようかと悩んでいたらお主がゴブリンにやられて死に近い状態になった。この場合はその魂を精神の世界に呼び出すことが出来る。ここまででなにか質問はあるか?」

つまり、僕の本当の職業はテイマーではないと?

「そういうことだな、お主の本当の職業はエボルヴテイマー、今現在確認されているテイマーの枷以外にもう1つ枷があるのがエボルヴテイマーだ」

エボルヴテイマー…その枷とはなんですか?

「弱い魔物しかテイム出来ない、という枷だ」

え?ではつまり、僕がGランク魔物しかテイム出来なかったのって…。

「枷の影響だな」

そうだったんですね。あ、聞きたいことは以上です。

「そうか、では改めてお主に職業を与える。器を大きくしたから今度は大丈夫だ、お主にエボルヴテイマーの職業を与える。頑張ってくれたまえ」

神様、ゼクス様がそう言い終わると僕の意識は徐々に闇の中に引きずり込まれていった。

-----------------------------

「…ィ、ピィ!」

「ん…はっ!ここは」

僕は木の根元で横になっていた。

頭からは血が出ているようでくらくらする。

そうだ、僕はゴブリンメイジの火球をくらって木にぶつかったんだ。

「ピィ」

「あぁピノ、もう大丈夫なの?」

「ピィ!」

すると頭の中に声が響いた。

《個体名ルナ、クロ、ピノの進化が可能です。進化させますか?》

「わっ!な、なんだ?」

進化?そういえばさっきゼクス様が「お前の本当の職業はエボルヴテイマーだ」って言ってたな。

エボルヴ、つまり進化するとかさせるテイマーってことか。

…魔物って進化するの?そんなの聞いたことないけど…。

「グギャギャギャ!」

ってそんなこと言ってる場合じゃない!

ゴブリンたちが目の前に迫っている。

「ルナとクロとピノを進化させます!」

《個体名ルナ、クロ、ピノの進化が始まります》

すると3匹の身体が白く光り始めた。

「グギャ?」

そして数秒後、光が収まるとそこには一回り大きくなった3匹がいた。

「キュイ!」「ガウ!」「ピィ!」

すごい、本当に進化したんだ…!
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