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第22話

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冬の月がやってきた。

元の世界ほどではないが、確かに寒い。

アラクネたちによって防寒着が作られていたので防寒はバッチリだ。

あれからエルダードワーフたちがちょこちょことやってきた。

基本は酒作りだが、物作りも得意だそうで、エルフたちが作った家を見るなり。

「俺たちならもっと立派に作れる」

と言って設計図を作り、新しい家作りが始まった。

「村長や、ここには鉱石なんかは無いのか?」

「鉱石か?無いなぁ、ダンジョンに行けばあるかもしれないな」

「おぉ!ダンジョンがあるのか!」

「あぁ、俺が管理者になってるから色々改造出来るぞ」

「それなら鉄鉱石をまずは作ってほしいな」

「分かった、ちょっと行ってくる」

ダンジョンに行きコアに話しかける。

「なぁ、鉄鉱石って作れるか?」

「うん、基本なんでも作れるよ?」 

「なんでもって、ミスリルとかでもか?」

「そうだね、アダマンタイトやオリハルコンも作れるよ」

なんかえげつないものまで作れるみたいだな。

「さすがにそれはヤバすぎないか?」

「だって作れるものは作れるし」

「それってコアが意思を持ってるから作れるのか?」

「ううん、管理者の力や能力によって変わるよ」

…あー、なんでオリハルコンやらアダマンタイトが作れるのか分かった気がするよ。

「とりあえず鉄鉱石だけ作ってくれ、1階層丸ごと鉄鉱石の場所に変えて、2階層からは通常通り頼む」

「はーい」

よし、これでとりあえずは鉄鉱石が取れるな。

戻り鉄鉱石が欲しいと言ってきたエルダードワーフに言う。

「ダンジョンの一階層を鉄鉱石のみが出る層にしてもらったからそこで掘り当てるといい」

「ありがとう村長」

「あとダンジョンでアダマンタイトやらオリハルコンやらミスリルが取れるらしいん」

「それは本当か!?」

すげぇ食いつきようだな。

「あぁ、どうやらダンジョンは管理者の力、能力によって色々と改造の幅が広がるみたいで、俺の場合多分ほとんどのものが作れるんじゃないかな」

「こうしちゃおれん!」

そう言ってエルダードワーフは行ってしまった。

後日、エルダードワーフがエルダードワーフをたくさん連れてきた。

全員で30人ほど。

なんでこんなに集まったのかと言うと。

「ミスリルが加工出来ると聞いて」

「アダマンタイト、オリハルコンに触れると聞いて」

「美味い酒があると聞いて」

とこんな感じだった。

残念だが酒はまだ無いよ。

エルダードワーフたちは各々で家を作り始めた。

30人近くも集まれば完成するスピードも早いもんで、3日程度で立派なものが出来ていた。

「これは仮住居だがな」

…これで仮なのか。

人が増えたので畑を大きくする。

毎日収穫しているので、倉庫にも俺のアイテムボックスにも大量にあるのだが、いつ無くなるのかは分からない。作っておいて損はない。
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