7 / 35
第7話
しおりを挟む
「スラは街がどこにあるか分かる?」
『街?うーん、分からない、ごめんね』
「そっか、うーん、どうしたもんかねぇ、まぁ別に調味料がなくても野菜も肉も不味いわけじゃないからいいんだけど、塩はなんとかしないと」
『あー、なんか来たよ』
「魔物か?でも聖域があるから入って来れないと思うんだけど」
スラが指す方向を見ていると、誰かが歩いて来るのが分かった。
「誰だろう…」
近付いて行くと向こうが警戒態勢をとった。
「あ、あなたは誰ですか」
「俺はここに住んでるケンイチと言うものだ、そっちは?」
「…私はマリー、エルフの里に住んでいました、今は放浪の身です」
エルフ、確かに耳が長いな。
「ここへは何の用で?」
「強大な魔法の力を感じたので近付いたのですが、この魔法はなんですか?」
この魔法…って多分聖域のことか?
「聖域魔法だ、知ってるか?」
「聖域…魔法!?あなた、いえ、ケンイチ様は聖域魔法が使えるのですか!?」
なんだ?もしかして珍しい魔法だったのか?
「あぁ、使えるが、それがどうかしたのか?」
「それはお1人で、ですか?」
「他に誰かいるように見えるか?」
「…聖域魔法とは何十人もの空間魔法を使える者がやっとの思いで使える魔法で、しかも使えたとしても3日ほどしかもたない魔法なのです、それを1人で、しかも特に疲労感もなく…」
賢者のおかげかな?って言ってもさすがにそのレベルの魔法を使って特に疲れていないってことは元の魔力量が相当多いんだろうな。
「そういえばマリーは放浪の身だって言ってたな、どこかに街は無いだろうか?塩、というか調味料が無くて困っているんだが」
「え?あ、はい、街ならありますけど…遠いですよ?」
「遠いってどれくらいだ?」
「ここから歩いて行くなら…半年はかかるかと」
「半年かぁ…半年!?なんでそんな遠いんだ!?」
「知らないでここにいるんですか?ここは世界の陸地の大半を占める大森林、リラルナ大森林ですから」
「リラルナ大森林…そんなところに飛ばされたのか、この森の中には他に種族はいないのか?」
「色々いますよ、エルフにドワーフ、獣人、フェアリー、リザードンマン、ハーフリング、ジャイアント、ラミア、アラクネ…とまぁ様々な種族が住んでいます」
「なるほどなぁ、そのうち会えるかな」
「ケンイチ様は塩をお探しと言っていましたね?少量なら差し上げることが出来ますが」
「おぉマジ!?助かるー、どうせなら一緒に食べていく?」
「ご飯ですか?ケンイチ様が共にと言うならいただきます」
アイテムボックスから野菜と肉をいくつか取り出し、塩をかけるものには簡単にサラサラっとかけ、肉は木の棒に刺しいつものように焼く。
「…原始的ですね…」
「ここに来てまだ少ししか経ってないからな、道具もなにも無いんだ」
「普通準備してから来ますけどね…」
…転移してきたって言っていいのかな。
橋の神様は迷える魂はたまに来るって言ってたし、アクアス様も今回の転移者はって言ってたから前にも転移者はいたんだよな。
…言ってみるか。
「実はな、俺別の世界から転移してきたんだ」
「…え?もしかして転移者ですか?」
「その感じ、なんか知ってる?」
「はい、転移者は様々な知識を神に与えられて世界に現れると聞いています。その知識は世界を豊かにするときもあれば破滅へと向かう知識もあると聞きます」
「へー、知識ねぇ、俺は特にそういった知識持ってないから、特になにも、豊かにも破滅にもならないんじゃないかな」
「そう、ですか」
「ま、とりあえず食べよう、お腹空いたよ」
「…この野菜はなんですか?」
「それ?それはキュウリだな、そっちの赤いのがトマト、生で食べても美味しいよ」
「………!美味しい!なんですかこれ!」
「だからキュウリとトマトだって」
「すごく美味しいです!」
そのままあるだけ全部食べられてしまった。
肉も食べなよ…。
『街?うーん、分からない、ごめんね』
「そっか、うーん、どうしたもんかねぇ、まぁ別に調味料がなくても野菜も肉も不味いわけじゃないからいいんだけど、塩はなんとかしないと」
『あー、なんか来たよ』
「魔物か?でも聖域があるから入って来れないと思うんだけど」
スラが指す方向を見ていると、誰かが歩いて来るのが分かった。
「誰だろう…」
近付いて行くと向こうが警戒態勢をとった。
「あ、あなたは誰ですか」
「俺はここに住んでるケンイチと言うものだ、そっちは?」
「…私はマリー、エルフの里に住んでいました、今は放浪の身です」
エルフ、確かに耳が長いな。
「ここへは何の用で?」
「強大な魔法の力を感じたので近付いたのですが、この魔法はなんですか?」
この魔法…って多分聖域のことか?
「聖域魔法だ、知ってるか?」
「聖域…魔法!?あなた、いえ、ケンイチ様は聖域魔法が使えるのですか!?」
なんだ?もしかして珍しい魔法だったのか?
「あぁ、使えるが、それがどうかしたのか?」
「それはお1人で、ですか?」
「他に誰かいるように見えるか?」
「…聖域魔法とは何十人もの空間魔法を使える者がやっとの思いで使える魔法で、しかも使えたとしても3日ほどしかもたない魔法なのです、それを1人で、しかも特に疲労感もなく…」
賢者のおかげかな?って言ってもさすがにそのレベルの魔法を使って特に疲れていないってことは元の魔力量が相当多いんだろうな。
「そういえばマリーは放浪の身だって言ってたな、どこかに街は無いだろうか?塩、というか調味料が無くて困っているんだが」
「え?あ、はい、街ならありますけど…遠いですよ?」
「遠いってどれくらいだ?」
「ここから歩いて行くなら…半年はかかるかと」
「半年かぁ…半年!?なんでそんな遠いんだ!?」
「知らないでここにいるんですか?ここは世界の陸地の大半を占める大森林、リラルナ大森林ですから」
「リラルナ大森林…そんなところに飛ばされたのか、この森の中には他に種族はいないのか?」
「色々いますよ、エルフにドワーフ、獣人、フェアリー、リザードンマン、ハーフリング、ジャイアント、ラミア、アラクネ…とまぁ様々な種族が住んでいます」
「なるほどなぁ、そのうち会えるかな」
「ケンイチ様は塩をお探しと言っていましたね?少量なら差し上げることが出来ますが」
「おぉマジ!?助かるー、どうせなら一緒に食べていく?」
「ご飯ですか?ケンイチ様が共にと言うならいただきます」
アイテムボックスから野菜と肉をいくつか取り出し、塩をかけるものには簡単にサラサラっとかけ、肉は木の棒に刺しいつものように焼く。
「…原始的ですね…」
「ここに来てまだ少ししか経ってないからな、道具もなにも無いんだ」
「普通準備してから来ますけどね…」
…転移してきたって言っていいのかな。
橋の神様は迷える魂はたまに来るって言ってたし、アクアス様も今回の転移者はって言ってたから前にも転移者はいたんだよな。
…言ってみるか。
「実はな、俺別の世界から転移してきたんだ」
「…え?もしかして転移者ですか?」
「その感じ、なんか知ってる?」
「はい、転移者は様々な知識を神に与えられて世界に現れると聞いています。その知識は世界を豊かにするときもあれば破滅へと向かう知識もあると聞きます」
「へー、知識ねぇ、俺は特にそういった知識持ってないから、特になにも、豊かにも破滅にもならないんじゃないかな」
「そう、ですか」
「ま、とりあえず食べよう、お腹空いたよ」
「…この野菜はなんですか?」
「それ?それはキュウリだな、そっちの赤いのがトマト、生で食べても美味しいよ」
「………!美味しい!なんですかこれ!」
「だからキュウリとトマトだって」
「すごく美味しいです!」
そのままあるだけ全部食べられてしまった。
肉も食べなよ…。
853
お気に入りに追加
1,354
あなたにおすすめの小説
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す
エルリア
ファンタジー
【祝!第17回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞!】
転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた!
元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。
相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ!
ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。
お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。
金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。
破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。
小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。
本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。
お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。
その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。
次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。
本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる