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第21話
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そんなこんなで1週間が過ぎた。
総売上は200万ダルほど、仕入れ値は130万円ほどなので利益は70万くらいだ。
そして1週間が過ぎると問題が出てくる。
そう、お客さんが来なくなるのだ。
宿は30日で取ってあるからあと3週間、観光に費やすのもいいかな、と思っている。
まぁ見るものがあればの話だが。
とりあえずもうしばらくは屋台を出そう。
さらに1週間が経ち、お客さんも来ないので早めに店を閉めようとしたとき、兵士が2人来た。
最初は隣の武具屋のお客さんかな、と思ったが違うようだ。
「お前だな?珍しいものを売っているという商人は」
珍しいものという自覚はあるので「はい」と頷いておく。
「領主様がお待ちだ。すぐに来い」
この街でも領主に呼ばれるのか…。
まぁいい、腹をくくろう。
兵士に着いていく。
今回は馬車とか無いのか、歩くの億劫だな。
1時間半ほどして領主の屋敷に着いたようだ。
アレスさんの屋敷より豪華というか、嫌な豪華さがする。
部屋に通され30分ほど待っていると扉が突然開いた。
そして何も言わずにソファにドカッと座る太った男。
………え?
なに?何も喋らないの?
「…ったく、これだから平民は嫌なのだ、挨拶はそちらからするものだろう?」
なんだこいつ、いきなり呼びつけておいてなんだその態度、腹立つ。
「あぁこれは失礼しました、商人のダイチと言います」
「それで?その珍しいという商品はあるのだろうな?」
「はい?」
「その珍しいという商品を出せと言っている、耳が悪いのか?」
「あぁ、商品ですね、ありますよ」
ダメだこいつ、腹立つムカつく殴りたい。宿代なんてどうでもいいからこいつの用事が済んだらこの街出ていこ。
思いながら俺はバッグから商品を取り出す、フリをして収納から商品を取り出す。
「こちらがその珍しいと言われている商品です」
「ふむ、確かに、どれも綺麗だ、柄入れもなかなか難しいというのに」
良かった、こいつに収納のことはバレていないようだ。
「ではこれを100ずつ用意せよ」
「…はい?」
「100ずつ用意せよと言ったのだ、やはり貴様耳が悪いのでは?」
うわぁ、ダメだ、無理無理無理、もう無理、早くここから出ていきたい。
「分かりました、100ずつですね?まだ収納袋の中に入っているのですぐに用意できますよ」
「なに?そうかそうか、用意がいいな」
俺は収納から食器、スプーンとフォーク、コップ、洗濯バサミ、ハンガーを100ずつ出す。
「こちらでよろしいですか?」
「あぁ、満足だ、もう下がっていいぞ」
「…はい?」
「だから、もう下がっていいと言っている」
「?あの、代金は?」
「は?代金?そんなもの無いに決まっているだろう、馬鹿なのか?」
…?
「あの、代金を支払ってもらえないならこの商品は片付けますが」
「ちっ、おい!こいつをつまみ出せ!」
すると俺の後ろにいた兵士が俺の腕を引っ張り部屋から、屋敷から追い出されてしまった。
…死ね!
まぁいい、屋敷からは出られたし、もうこの足でこの街から出ていこう。
と、その前に。
1時間かけ街に戻り宿に顔を出す。
「すみません、いきなりですけど街を出ることになりまして」
「え?そうなのかい、そりゃ残念だね、代金はどうするんだい?」
「代金はそのまま受け取っちゃってください、ではまた来ることがあったらお願いします」
そう言ってヌーベルの街を出ていくことに。
門兵に次の街を聞くと。
「ここから近いのは王都になるよ」
と言われた。
王都に近い街がこんなことしてるのか、王都も同じく闇が蔓延っているのか、灯台もと暗しか。
行けば分かるか。
門から離れ収納からバイクを出し王都へと向かった。
その頃、領主邸では。
「あのダイチとかいう商人を決して逃がすな、この街に留めさせるんだ」
「はっ」
もうこの街から出ていったダイチを拘束しようとするおバカな領主でした。
総売上は200万ダルほど、仕入れ値は130万円ほどなので利益は70万くらいだ。
そして1週間が過ぎると問題が出てくる。
そう、お客さんが来なくなるのだ。
宿は30日で取ってあるからあと3週間、観光に費やすのもいいかな、と思っている。
まぁ見るものがあればの話だが。
とりあえずもうしばらくは屋台を出そう。
さらに1週間が経ち、お客さんも来ないので早めに店を閉めようとしたとき、兵士が2人来た。
最初は隣の武具屋のお客さんかな、と思ったが違うようだ。
「お前だな?珍しいものを売っているという商人は」
珍しいものという自覚はあるので「はい」と頷いておく。
「領主様がお待ちだ。すぐに来い」
この街でも領主に呼ばれるのか…。
まぁいい、腹をくくろう。
兵士に着いていく。
今回は馬車とか無いのか、歩くの億劫だな。
1時間半ほどして領主の屋敷に着いたようだ。
アレスさんの屋敷より豪華というか、嫌な豪華さがする。
部屋に通され30分ほど待っていると扉が突然開いた。
そして何も言わずにソファにドカッと座る太った男。
………え?
なに?何も喋らないの?
「…ったく、これだから平民は嫌なのだ、挨拶はそちらからするものだろう?」
なんだこいつ、いきなり呼びつけておいてなんだその態度、腹立つ。
「あぁこれは失礼しました、商人のダイチと言います」
「それで?その珍しいという商品はあるのだろうな?」
「はい?」
「その珍しいという商品を出せと言っている、耳が悪いのか?」
「あぁ、商品ですね、ありますよ」
ダメだこいつ、腹立つムカつく殴りたい。宿代なんてどうでもいいからこいつの用事が済んだらこの街出ていこ。
思いながら俺はバッグから商品を取り出す、フリをして収納から商品を取り出す。
「こちらがその珍しいと言われている商品です」
「ふむ、確かに、どれも綺麗だ、柄入れもなかなか難しいというのに」
良かった、こいつに収納のことはバレていないようだ。
「ではこれを100ずつ用意せよ」
「…はい?」
「100ずつ用意せよと言ったのだ、やはり貴様耳が悪いのでは?」
うわぁ、ダメだ、無理無理無理、もう無理、早くここから出ていきたい。
「分かりました、100ずつですね?まだ収納袋の中に入っているのですぐに用意できますよ」
「なに?そうかそうか、用意がいいな」
俺は収納から食器、スプーンとフォーク、コップ、洗濯バサミ、ハンガーを100ずつ出す。
「こちらでよろしいですか?」
「あぁ、満足だ、もう下がっていいぞ」
「…はい?」
「だから、もう下がっていいと言っている」
「?あの、代金は?」
「は?代金?そんなもの無いに決まっているだろう、馬鹿なのか?」
…?
「あの、代金を支払ってもらえないならこの商品は片付けますが」
「ちっ、おい!こいつをつまみ出せ!」
すると俺の後ろにいた兵士が俺の腕を引っ張り部屋から、屋敷から追い出されてしまった。
…死ね!
まぁいい、屋敷からは出られたし、もうこの足でこの街から出ていこう。
と、その前に。
1時間かけ街に戻り宿に顔を出す。
「すみません、いきなりですけど街を出ることになりまして」
「え?そうなのかい、そりゃ残念だね、代金はどうするんだい?」
「代金はそのまま受け取っちゃってください、ではまた来ることがあったらお願いします」
そう言ってヌーベルの街を出ていくことに。
門兵に次の街を聞くと。
「ここから近いのは王都になるよ」
と言われた。
王都に近い街がこんなことしてるのか、王都も同じく闇が蔓延っているのか、灯台もと暗しか。
行けば分かるか。
門から離れ収納からバイクを出し王都へと向かった。
その頃、領主邸では。
「あのダイチとかいう商人を決して逃がすな、この街に留めさせるんだ」
「はっ」
もうこの街から出ていったダイチを拘束しようとするおバカな領主でした。
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