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第2章

妹の結婚準備と同棲

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 玉林は景昭と共にカフェに来ていた。

「玉林。」
「景昭様。」
「そろそろ、様付けは辞めてくれないか?」
「で、でも…。」
「ああ、すまんな。」
「景昭様…?」
「実はな、今日呼んだことには理由があって。弟の景永なんだが…。」
「あ、私の妹、玉華と結婚するのですよね?」
「そうだ。それで、結婚は半年後だ。」
「は、半年後!?」

「…聞いてなかったのか…?」
「まぁ、私あまり家には帰りませんし。」
「確かにな。」

「それで俺のイメージカラーのドレスを着てくれ。」
「わ、わかりました。」

 この国では、瞳の色ではなくイメージカラーの色を着るという文化がある。
「景昭様のイメージカラーは…?」
「俺か?俺のイメージカラーは水色だ。」
「水色…!確かに…言われてみれば!」
「はは…。そうか?」
「玉林は?」
「私は、ピンクです。なんか、診断で穏やか?とかになりました。」
「あー。確かにな…。」
「それで、玉林。いまから、買い物にいこうか。」
「は、はい。」


 そして、着いた。
 店の名前 は「プランド」
 皇族や公爵家がよく利用する高級店で、国内でもっとも名が知れている。
「ここ…って。」
「ああ、母がよく利用してる所だ。」
「…まじで買うので?」
「ああ、マジだ。」
「…え、でもお金が…。」
「大丈夫だ。お金は。それでなににする?」
「…。じゃあ、これで…。」
 私は、水色のドレスでもっとも安いドレスにした。
「だめだ。玉林には、こっちのほうがいい。」
「え…で、でも…。」
「玉林。このドレスは胸が開いている。だから、こっちのほうが式には合ってると思うぞ?」
「た、確かに…。」
「ふぅ。」
 (危ないな…。君は、本当に自分の身が世の男てきを誘惑する身ということをわかっているのか?君は、賢いが…。どうにも、男の危機性には気づいていないようだ。)
「あ、ありがとうございます。」

「気にするな。むしろ、もう婚約するんだから。」
「はっ、そうでした。婚約は何時にします?」
「そうだな…。来週にでもするか。」
「はい。」
「玉林。来週からもしくは再来週から同棲しないか?」
ドウセイ?ドウセイ…ドウセイ…まさか、同棲!!?
「ええええ!!!」
「…まさか、考えてなかったことは…。」
「す、すみません。」
「いや。」
「来週からでもいいですが…。」
玉林は、いま一人部屋をもっている。
景昭は、普段は騎士団に屋敷(少し小さい)がある。
「ああ。わかった。俺の屋敷にこい。」
「ええ!」
「安心しろ、俺の屋敷には誰もいない。なのに、一人で住むと寂しくてな。」
「なるほど。わかりました!皇后に頼んでみますね!」


「ああ!」

「では!」
「おう、またな!」
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