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2. 記憶喪失前 (湊 視点)
しおりを挟む陽と初めて出会った日のことを今でも覚えてる。
持っていた資料を盛大に落としていてこれは大変だなって思ってすぐに拾った。
ちらっと資料を落とした子の顔を見ると、すごく綺麗で可愛い子だなってそう思った…。
それから講義が被ってることに気づくとわざわざ隣の席に座ったり、陽とゼミが一緒だって気づいて前まで真剣じゃなかったのによく行くようになった。
ある日のこと、あれはラッキーだったと思う。
どしゃ降りの雨が降って、陽平の家の方が近いからと今まで一度も入ったことのない陽の家にいけるチャンスをもらえた。
しかもお風呂まで一緒に入ろうって言ってくれた。
陽は俺が風邪をひかないようにって心配して言ってくれて、なのに後から照れて顔を真っ赤にしてるところとかが本当に可愛かった…。
普段から自分はあたりの強い言い方をしちゃうから自分の思ってることとかを素直に伝えられないって陽は前に言っていたけどそんなこと、ないと思う。
結構顔にでるし、照れてるからそういう言い方しちゃうのも俺は知ってる。
素直になれなくて顔を赤くしちゃったりとか帰ってから後悔して落ち込んじゃってるのとか全部可愛いなって思う。
一緒にお風呂にはいって、あの日から陽の俺を見るときに熱が籠ってるように感じた。
陽から俺に告白してくれてどうやって陽を落とそうか考えていた俺は本当にラッキーだと死ぬほど喜んだのを覚えている。
陽は俺のことを落ち着いてかっこいいって言ってくれるけど実際は違う。
きっと陽は気づいてない。
俺は執着心が強くて陽の周りには誰も近寄らせたくないんだ。
しかも本当は周りには冷たいし口も悪い。
それを知ったらきっと、離れていっちゃうだろうな…
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