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第178話
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武器を消すと、アオイが歩いてくる。
「神になったのね」
「そう、らしい。多分だけど、レベル1000になって魂が成長すれば誰でもなれるんじゃないか?」
アオイが首を横に振った。
「ハヤト、何度も死にかけ、試練を乗り越え、心が折れないまま成長できる人間は多くないわ。ほとんどの人間は心が歪むか壊れてしまうのよ」
「そうか、いや、俺もおかしくなったり死んでも不思議じゃない経験を何度もしてきた。それよりアオイ、眠いんだろ?ゆっくり休んでくれ」
アオイの目はとろんとしていて、その無防備な顔に魅力を感じた。
「あら?しないのかしら?」
「ん?」
アオイが俺に抱きついてささやくように言った。
「ハヤトはもう、絶倫になったでしょう?もうハヤトの取り合いになる事は無いと思うのだけれど。7人眠れる大きなベッドが必要になるわね」
ソウルスキル、走り続ける者の事か?
いや、それしか考えられない。
ファルナも話しかけてきた。
「お疲れ様ですわ。ゆっくり休むのですわ」
「ふふふ、ハヤトは大丈夫よ。だって」
アオイはファルナに抱きついてひそひそと話をするが、その姿は様になり、魅力的でもあった。
俺は、本当に絶倫になったのか?
ま、まさか!
「え?まあ!そうですのね!」
「アオイ、あんまりからかうな」
「大丈夫よ、しっかり正確に伝えておくわ」
そう言って下がっていった。
カムイは地面に座り、そのまま眠りだした。
血を流して大変だったのにすべて終わるまでずっと戦える状態で待機してくれていたのだ。
1日休んで帰路についた。
◇
学園に帰ってすぐ、女神の啓示があった。
『ステータスの法則を変更します。これからはレベル30で自由にジョブチェンジとレベルリセットが出来るようになります』
……このタイミングで法則が変わるのか。
人間はそんなに賢くない。
躓いて起き上がってそれでやっと自分の失敗に気づく。
俺達の来た世界だってそれの積み重ねがあって出来ている。
皆、多様性の大切さは身に染みているだろう。
多分、学園の授業に取り入れられ、歴史に残るだろう。
俺は丸一日眠り、みんなで凱旋した。
凱旋するとみんなが出迎え、そして空が歪んで女神が現れた。
女神エロスティアが俺の前に歩いてくるが、前会った時のような神々しさは感じない。
俺が神になったせいか、少しファルナに似た、魅力的な女性に映った。
『皆さん、お疲れさまでした。邪神は討たれ、世界は発展の道を歩み始めるでしょう』
女神は全員の頭に直接話しかけている。
『話は変わりますが、神となったハヤトには大事な使命があるのです。少しだけ神界にお借りします』
そう言って俺の腕に絡みつき、俺を導くように歪んだ空に導いて俺とエロスティアは一緒に神界に向かった。
青い空と、白い床が広がり、ぽつんと置かれた白いテーブルと白い椅子に導かれる。
2人は座って話を始める。
「本当にお疲れさまでした。あなたはもう神です。私の事はティアとお呼びください」
「ティア、大事な使命って何なんだ?」
「生命の神秘、男性と女性が1つになることで有を生み出す奇跡を人は行う事が出来ます」
「ん?うん」
「ですが、神同士で行えばどうなると思いますか?」
「大いなる恵みを生み出せる」
俺は結果をイメージする事が出来た。
神になって真理が分かるようになったのだ。
ティアと1つになることで世界に祝福を与える恵みを生み出す事が出来るだろう。
「女神の私だけでは生み出す事の出来なかった生命の神秘、大いなる恵みを生み出しましょう。何度も、何度も何度も生み出し、皆に祝福を与えるのです」
それってたくさんスルって言ってるのと同じだよな?
「たくさんスルんですよ?」
「そ、そうか」
エロスティアのイメージが変わった。
もっと清楚で穢れの無いイメージだった。
エロスティアがジト目で俺を見る。
「ハヤト、神になったのですから本質は分かるはずです。男性と女性が1つになることに何の問題があるのでしょう?大体ですよ、自分の子供に破廉恥な事はいけませんと教える親がいますよね?でもあれはおかしいと思うのです。2人で一つになり生まれた子供に自分たちは破廉恥と言われる事をしておいて、人にはダメと言うのです。根本を言えば、破廉恥の積み重ねのおかげで両親も生を受けているのですから、生命の神秘を歪んだ認識で歪め、自らはそれを行う愚かしさは理解できるはずです」
「うん、分かる分かる」
言っている事はそうだけど、エロスティアは俺の顔に吐息がかかるほどに近づいて力説する。
エロスティアは白くて薄い衣以外何も身に着けておらず……ブラ、してないのか?
「私は、つけない主義ですよ?」
そう言ってテーブルに近くにベッドを出現させた。
お互いに、シンクロするようにベッドに向かい、そして1つになる。
◇
何日も、お互いに求め合い、世界に祝福を与え続けていく。
世界に生きる黒く染まりかけた魂は少しづつ、少しづつ漂白される。
魔物も力を失い新たに生み出される魔物の数も減っていく。
「神になったのね」
「そう、らしい。多分だけど、レベル1000になって魂が成長すれば誰でもなれるんじゃないか?」
アオイが首を横に振った。
「ハヤト、何度も死にかけ、試練を乗り越え、心が折れないまま成長できる人間は多くないわ。ほとんどの人間は心が歪むか壊れてしまうのよ」
「そうか、いや、俺もおかしくなったり死んでも不思議じゃない経験を何度もしてきた。それよりアオイ、眠いんだろ?ゆっくり休んでくれ」
アオイの目はとろんとしていて、その無防備な顔に魅力を感じた。
「あら?しないのかしら?」
「ん?」
アオイが俺に抱きついてささやくように言った。
「ハヤトはもう、絶倫になったでしょう?もうハヤトの取り合いになる事は無いと思うのだけれど。7人眠れる大きなベッドが必要になるわね」
ソウルスキル、走り続ける者の事か?
いや、それしか考えられない。
ファルナも話しかけてきた。
「お疲れ様ですわ。ゆっくり休むのですわ」
「ふふふ、ハヤトは大丈夫よ。だって」
アオイはファルナに抱きついてひそひそと話をするが、その姿は様になり、魅力的でもあった。
俺は、本当に絶倫になったのか?
ま、まさか!
「え?まあ!そうですのね!」
「アオイ、あんまりからかうな」
「大丈夫よ、しっかり正確に伝えておくわ」
そう言って下がっていった。
カムイは地面に座り、そのまま眠りだした。
血を流して大変だったのにすべて終わるまでずっと戦える状態で待機してくれていたのだ。
1日休んで帰路についた。
◇
学園に帰ってすぐ、女神の啓示があった。
『ステータスの法則を変更します。これからはレベル30で自由にジョブチェンジとレベルリセットが出来るようになります』
……このタイミングで法則が変わるのか。
人間はそんなに賢くない。
躓いて起き上がってそれでやっと自分の失敗に気づく。
俺達の来た世界だってそれの積み重ねがあって出来ている。
皆、多様性の大切さは身に染みているだろう。
多分、学園の授業に取り入れられ、歴史に残るだろう。
俺は丸一日眠り、みんなで凱旋した。
凱旋するとみんなが出迎え、そして空が歪んで女神が現れた。
女神エロスティアが俺の前に歩いてくるが、前会った時のような神々しさは感じない。
俺が神になったせいか、少しファルナに似た、魅力的な女性に映った。
『皆さん、お疲れさまでした。邪神は討たれ、世界は発展の道を歩み始めるでしょう』
女神は全員の頭に直接話しかけている。
『話は変わりますが、神となったハヤトには大事な使命があるのです。少しだけ神界にお借りします』
そう言って俺の腕に絡みつき、俺を導くように歪んだ空に導いて俺とエロスティアは一緒に神界に向かった。
青い空と、白い床が広がり、ぽつんと置かれた白いテーブルと白い椅子に導かれる。
2人は座って話を始める。
「本当にお疲れさまでした。あなたはもう神です。私の事はティアとお呼びください」
「ティア、大事な使命って何なんだ?」
「生命の神秘、男性と女性が1つになることで有を生み出す奇跡を人は行う事が出来ます」
「ん?うん」
「ですが、神同士で行えばどうなると思いますか?」
「大いなる恵みを生み出せる」
俺は結果をイメージする事が出来た。
神になって真理が分かるようになったのだ。
ティアと1つになることで世界に祝福を与える恵みを生み出す事が出来るだろう。
「女神の私だけでは生み出す事の出来なかった生命の神秘、大いなる恵みを生み出しましょう。何度も、何度も何度も生み出し、皆に祝福を与えるのです」
それってたくさんスルって言ってるのと同じだよな?
「たくさんスルんですよ?」
「そ、そうか」
エロスティアのイメージが変わった。
もっと清楚で穢れの無いイメージだった。
エロスティアがジト目で俺を見る。
「ハヤト、神になったのですから本質は分かるはずです。男性と女性が1つになることに何の問題があるのでしょう?大体ですよ、自分の子供に破廉恥な事はいけませんと教える親がいますよね?でもあれはおかしいと思うのです。2人で一つになり生まれた子供に自分たちは破廉恥と言われる事をしておいて、人にはダメと言うのです。根本を言えば、破廉恥の積み重ねのおかげで両親も生を受けているのですから、生命の神秘を歪んだ認識で歪め、自らはそれを行う愚かしさは理解できるはずです」
「うん、分かる分かる」
言っている事はそうだけど、エロスティアは俺の顔に吐息がかかるほどに近づいて力説する。
エロスティアは白くて薄い衣以外何も身に着けておらず……ブラ、してないのか?
「私は、つけない主義ですよ?」
そう言ってテーブルに近くにベッドを出現させた。
お互いに、シンクロするようにベッドに向かい、そして1つになる。
◇
何日も、お互いに求め合い、世界に祝福を与え続けていく。
世界に生きる黒く染まりかけた魂は少しづつ、少しづつ漂白される。
魔物も力を失い新たに生み出される魔物の数も減っていく。
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