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第151話

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 俺はサミス、アオイと一緒に水浴びに向かった。
 3人で体を洗う。
 3人が無言だ。


「あ、あの、アオイ、どうぞ!」
「あら、私は3人でスルのだと思っていたのだけど?」
「で、でも、私よりアオイの方が」
「トレイン娘、3人でしましょう」

 アオイがサミスを押して俺にくっ付ける。
 アオイが俺を挟み込むように反対側に回り込んだ。
 これは!もう、理性が持たない!


 ◇


 俺達は息を荒げて空気を求めた。

「はあ、はあ、はあ、あ、あははは!また体を洗いましょう」
「そうだな」

「はあ、はあ、うそ!私の能力値は圧倒的に上回っているのに、能力値の差を覆されたの!ハヤトが、ハヤトのレベルが上がったら、もっと、はあ、はあ」

 アオイが小声で言った。

「サミス、立てるか?」
「す、少し、休みます。でも、もっとしたいです」

「はあ、はあ、大丈夫よ。食事が終わったら、一緒のテントで眠るのだから」
「そう、なんですね。もっとレベルを上げたいです。でも、私が上がる事にはハヤトさんはもっと……」

「私も目標が出来たわ。みんなのレベルを明日も上げるわ」
「アオイ、ソロでの連戦は疲れるだろ?」

「いいのよ。今日はハヤトがテントの中で私を早く眠らせるだけでいいのだから。それだけでいいのよ」
「戻って食事にしよう。サミスは俺が洗おう」
「サミス、明日の昼も、水浴びが出来るわね」

 アオイはトレイン娘の呼び方を変えた。
 適応力が高いな。
 アオイは頭がいいからな。

 俺はサミスを洗い、食事を摂って、3人で眠った。
 眠る前は、色々あったが、それはいいだろう。


 ◇



【王国歴1000年春の月74日】 

 その日アオイとサミスは昼近くまで目を覚まさなかった。
 皆で遅い昼食を摂って、アオイはすぐに魔物を狩りに行く。

「ハヤトさん、今日は暖かいですね!一緒に水浴びをしませんか?」
「そうだな、ヒメも来ないか?」
「わ、私は、いいよ」

 サミスがヒメに近づいてささやいた。
 俺には声が聞こえた。

『ハヤトさんは、気持ちいいですよ』

 ヒメが真っ赤になる。
 俺とサミスは2人一緒に水浴びに向かった。


 ◇



 水浴びが終わり落ち着きアオイが帰って来ると、俺はステータスを開いた。




 ハヤト 男
 レベル:40
 ステータスポイント:0
 スキルポイント:200
 ジョブ:ハイブリッド
 体力:100
 魔力: 50
 敏捷:100 
 技量: 50 
 魅力:100  
 スキル・ハイブリッドの紋章LV10・ハイブリッド魔法LV10・経験値取得増加LV10(レベル100で消滅)・感知LV10・カウンターLV10・ステップLV10
 ハイブリット武装 
 刀:600(攻撃モーション+50%・対象に連続ヒットする事で攻撃力が上昇、最大+50%)
 ツインハンドガン:100(20/20発・一発ヒットにつき、対象の防御力を1%減少。最大10%) 
 ミリタリージャケット:400
 回復弾丸:4/4発(武具の耐久力とハンドガンの弾数を回復する)
 強化弾丸:2/2発(武具の攻撃力・防御力を技量と同じ秒数倍にする)



 きゅうのスキルはサミスに移り、ハイリジェネとシャドーファントムはハイブリッド魔法に統合された。
 経験値取得増加はレベル100で消滅するようだ。
 基本スキル枠が空いているので取得できるが、何を取得するか迷っている。
 戦士は必須のカウンター&ステップは取ったし、使いやすい感知も取った。

 いや、取得しよう。
 再入れ替えまでの制限はあっても自分で入れ替えも出来るし!

『瞑想LV10を取得しました』

 瞑想をする事で、MPの回復量をアップ出来る。
 戦闘時は使えないけど、MPの使用用途は多い。

 弾丸の生成・ハイリジェネによる回復ブースト・シャドーファントムによる強化攻撃。
 何度も耐久力と弾丸不足やMP不足で十分にスキルを使えない状況が多かった。
 次の目標はレベル50だ!
 明日は俺も戦いたい!

「ハヤト、明日戦うのは良いのだけれど、2つ話をする事があるわね」
「なんだ?」

「明日は25日よ。明日戦って明後日になれば戻る必要があるわね」
「もっと長く居たいな。休養日も含めて考えれば、時間が足りない」
「私も賛成よ。皆はどうかしら?」
「そのほうが、いいかな」
「私も賛成です!キャンプはいいですね!」

 サミスはキャンプじゃなく宿でも『宿はいいですね!』とか言いそうだ。

 ヒメはまだ危険がある。
 俺達はもっと強くなってからダンジョンを出たい。
 今俺は弱体化しているけど、魔物を狩る事ですぐに力を取り戻せる。

「決まりだな」
「私が明日の夜にファルナに伝えてくるのがいいと思うわ」
「頼む。もう一つはなんだ?」

「今日の夜は、ヒメも一緒のテントで眠りましょう」
「わ、私は、いいよ」

 ヒメは別のテントで、俺は3人と寝た。




【王国歴1000年春の月75日】 

 俺達4人で魔物を狩るためにセーフゾーンから出た。

「アオイ、疲れてないか?」
「少しだけ疲れたわね」

「俺が前に出て戦ってみたい」
「いいと思うわ。私達3人はハヤトを見守るわね」

 俺はダンジョンを歩き回った。



 ギャオオオオオオオオオオ!

「ゴブリンキングか」

 取り巻きの魔物が50体ほど。
 雑魚が俺に向かって走って来る。
 ここにいるゴブリンキングは基本仲間を呼び続けるので前に出てこないのだ。

 なんだろう?魔物のレベルは50を超えているだろう。
 俺より能力値は高いはずだけど、それでも魔物の動きが遅く感じる。
 俺より速いのに遅く感じるのだ。
 いや、動きが悪いと言った方が正確だろう。

 恐怖が全くないわけではないけど、心は落ち着いている。

「ま、戦ってみないと分からないか」

 俺は魔物に向かって歩き出した。
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