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第146話

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 俺がドリルを斬りつけると、ドリルが倒れた。

 だが、止めを刺す前に俺は気配を感知した。

 4体の魔物が物凄い勢いで近づいてくる。
 その方向を振り返ると、赤いダミーファックが4体立っていた。

 俺がダミーファックの攻撃に備えて後ろにステップを踏むと、ダミーファックはアサヒとドリルを抱えて立ち去って行った。

 なん、だ?
 俺達に攻撃をせず、アサヒとドリルを回収するように連れ去った。



 俺は地面に座り、ステータスを開いた。

 ハヤト 男
 レベル:80
 ステータスポイント:0
 スキルポイント:0
 ジョブ:ハイブリッド
 体力:200
 魔力:140
 敏捷:200 
 技量:130 
 魅力:130  
 スキル・ハイブリッドの紋章LV10・ハイリジェネLV10・経験値取得増加LV10・感知LV10・カウンターLV10・ステップLV10・シャドーLV10・EXスキル(レベル88で解放)・きゅう???
 ハイブリット武装 
 刀:600(攻撃モーション+50%・対象に連続ヒットする事で攻撃力が上昇、最大+50%)
 ツインハンドガン:100(0/20発・一発ヒットにつき、対象の防御力を1%減少。最大10%) 
 ミリタリージャケット:400
 回復弾丸:0/4発(武具の耐久力とハンドガンの弾数を回復する)
 強化弾丸:1/2発(武具の攻撃力・防御力を技量と同じ秒数倍にする)



 俺はEXスキルによりリジェネを強化した。
 ハイリジェネの効果は1秒に1MPを消費してHP・MP・スタミナ・状態異常の回復力を上げる効果がある。
 2秒にMPを1ポイント回復する為、実質MPポイント×2秒ハイリジェネを維持できる。
 そのおかげでドリルのソウルスキルに対抗できた。

 今回はドリルのスキルを異常解除のポーションとハイリジェネの回復力で抑え込むことが出来た。
 最後にヒメのカースウォー・ギフトのサポートもあって簡単に終わった。
 スタミナが回復したのも大きい。

 今回は相性の問題で簡単に倒せたようにも感じたけど、奴は連戦で消耗していた。
 タイミングが悪ければ殺されていたのは俺だろう。

 だが、それにしてもドリルが弱く感じた。
 それに、あのダミーファックの動きも気になる。
 だめだ、集中力がもう無い。
 一旦眠ろう。
 俺だけではなくここにいる全員が疲れている。
 全員休息が必要だ。
 アオイが俺の前に立った。

「アオイ、大丈夫か」
「ええ、問題ないわ」

「ヒメ!体は大丈夫か!」

 上に居るヒメに向かって叫んだ。

「大丈夫!すぐにソウルスキルを解除したから!」

 周りも見渡すと味方の犠牲は無さそうだけど、ホールが滅茶苦茶で死んだ盗賊が血を流して倒れている。

 文官が歩いてくる。

「後の事は私達がやりますので、皆さんは休んでください。私達を守ってくださり、ありがとうございました」



 俺達は城の外に出て座って休む。

 カムイやファルナ達と合流して俺達は学園に戻っていく。
 全員が学園の寮に戻っていくが、疲れている為静かだ。
 ファルナがダミーファックの件で聞き取りをしていたが、俺は風呂に入ってベッドに寝ころんだ。

 今日は寝るのだ。


 俺はベッドに入って目を閉じた。

「ハヤト、もう寝たかしら?」
「いや、起きているぞ」
「入るわね」

 アオイが入って来る。
 そしてベッドに入って俺の横に寝る。

「無言で入って来るだと!」
「ハヤト、私はよく見える目を持っているのよ」

「意味が分からない」

 アオイが俺の耳元でささやく。

「私に興奮したでしょう?」
「く!」

 どこまで見えているかは分からないが、俺の感情を目で読み取っているのだろう。
 俺の体は熱くなっている。
 そしてアオイはさらに俺を興奮させる。

 俺の上に乗って紋章装備を解除し、抱き着く。

 コンコン!

「ヒメだけど、今いいかな?」
「空いているわ」
「え?アオイ?」

 ヒメが入って来ると慌てだす。

「ご、ごめんなさい!」
「ヒメ、疲れたわよね。ハヤトの隣で休みましょう」
「だ、大丈夫だから!」

 バタン!

 ヒメが逃げた。

「……私がいなければ、ヒメと最後まで出来たと思うわ」
「何が!」
「あら、私とハヤトと、今からスルでしょう?それと同じ事よ」

 俺は、眠かった体がすっかり覚醒して、アオイとベッドで過ごした。



 ◇



 長い時間体を重ね、お互いが横になり息を整える。

「そう言えばアオイ、久しぶりだな」
「そうね」
「やはり、ドリルから逃げていたのか?」

「そうなるわね。隠れてダンジョンでレベルを上げようとしたのだけれど、監視されて苦労したわ。せっかくきれいな体になったのだから、汚されたくなかったのよ」

 恐らくアオイは感知スキルなんかの斥候スキルを取得しないと捕まる状況だった。
 ダンジョンに思うように入れないならレベル上げは苦労するだろう。

 転移前も、転移してからもアオイはひどい目に合って来た。
 俺と体を重ねるのも汚れることにならないか?

「ハヤトに抱かれるのはいいわよ。ハヤトに思い知らされてからもう、ハヤトの良さは思い知らされているわ」
「心を読むなって」

「……」
「……」

「そう、またスルのね。いいわよ」
「く!そうだけど」
「悔しいのならば私をベッドの上で分からせればいいだけだと思うのだけれど?」

 アオイはにやにやしながら言った。

「からかうなって」
「でも本当の事でしょう?どんなに口で私が勝ってもベッドでは、はふ!」

 俺はアオイにキスをした。



 ◇



 チュンチュンチュンチュン!
 朝、だと!

【王国歴1000年春の月71日】

 やっぱり朝だ。
 日付が変わっている。

「ねえ、今日は学園を休みましょう」
「そう、だな」

 アオイはすやすやと眠る。
 その安心した顔を見て、今までの苦労が伺えた。
 



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