107 / 179
第107話
しおりを挟む
「はははははは!僕の勝ちだ!勝ったんだ!」
「アサヒ選手!ご苦労様でした。続きまして、本日のメインイベントです。ハヤト選手による新ジョブ、ハイブリッドの使用感をお聞かせください」
俺に魔道マイクが向けられる。
「まだ、始まったばかりで掴めていない。ステータスを開示するから、皆好きに見て欲しい」
俺はステータスを開示した。
アサヒの顔が怒りに歪んでいく。
「何でハヤトが主役のようになっているんだい!
おかしいおかしいおかしいおかしい!
僕が勝ったんだ!
なんでハヤトが注目されているんだ!」
「アサヒ選手、お疲れさまでした。余興は終わりましたので、お帰りください」
アサヒは審判に嫌われている。
「余興!?
おかしいおかしい!
腕を掴むな!
離せええ!離せよおおお!」
アサヒが退場していく。
「他に質問はありますか?」
セイコウコウボウがジャンプしてリングに降りてくる。
楽しそうに俺を見る。
「1分とはいえ、能力値7倍差の相手に対して引き分けに持ち込んでいたけど、あれはスキル?それともバトルセンスかな?」
「スキルは無い」
「バトルセンスか、中々出来る事じゃない。並みのバトルセンスじゃないね」
アサヒが観客席から出て怒鳴る。
「引き分けじゃない!僕が勝った!もう一度戦え!」
アサヒは悔しそうに叫ぶが、取り押さえられて会場を出て行く。
「後バトルモードが終わった後のあの光は何?」
「試練だ。俺は皆とパーティーを組んだり、協力プレーが出来ない。そういう試練を受けている。HPを削った魔物を倒そうとしても光の壁に阻まれて魔物に攻撃できなくなる」
「ふ~ん」
セイコウコウボウは無言で俺を殴ろうとする。
光の壁が発生して攻撃が俺に通らない。
セイコウコウボウはちょっとづつ攻撃を強くし、最後は武器で俺を殴ろうとする。
怖い怖い!
壁を突き抜けたら俺は死ぬんだ!
「やめてくれ!」
「そうか~。大体分かった」
俺の話を聞いていない!
こいつのこう言う所が怖いんだ。
子供のような急に何をするか分からない怖さがある。
「ハイブリッドの使用感を聞きたい」
「まだ始めたばかりで掴めていない」
「それは分かる。今の使用感は?」
「……使い勝手の悪い、紋章装備」
「今後ハイブリッドの能力はどうなると思う?」
「使い勝手の悪い、器用貧乏かな?」
「良く分かったよ。次回も楽しみだ」
セイコウコウボウがジャンプして席に戻る。
そう、アサヒとのバトルモード対決は1回で終わりではない。
まだあるのだ。
その後も質問は続いた。
「武具の耐久力はあるの?あるなら耐久力は回復するの?」
「耐久力はある。少しづつ自然回復している。リペアのカードと紋章チャージは出来なかった」
「女神さまはどんな人?」
「人とは思えないような美人で、考えは掴めなかった」
質問は続く。
◇
「今日はここまでですわ!ハイブリッドの能力については、学園でまとめて全員に開示しますわ!」
ファルナ、助かる。
学園で検証した内容を聞かれる事が多かった。
それにクラスメートに聞けば済む質問内容が多いし、質問じゃなく演説になって話し続ける質問者もいた。
セイコウコウボウは会場から消えていた。
【セイコウコウボウ視点】
アサヒとハヤトのバトルモードが終わり、聞きたいことを聞いて僕はすぐ教会本部に向かった。
バトルモードは楽しかったのに、今からくだらない会議か。
そこには幹部がずらりと並び、座っていた。
「ボウ、遅い。早く座れ」
無能のじじいがある程度減り、会議の雰囲気は少し良くなっていた。
僕の事をセイコウコウボウではなく、ボウと呼ぶ。
ま、剣や棒と呼ばれて、人間扱いされてないんだけどね。
「ケン、闘技場の視察に行ってたんだよ」
セイコウコウケンは堅苦しくてめんどくさい。
バトルモードで戦う時は楽しいけど、会議では会いたくない相手だ。
「見たくて行っただけだろう」
「その話はいい、いまは会議を始める。今回は転移者、いや、転生者の危険人物について、そして聖魔導士のスキルのありようが変わった事についてだ。
まずは転生者について話す。
代償前の危険人物は、アオイ・アサヒ・ハヤトの3名だけだった。
まずは報告を聞こう」
報告役の者が話し始める。
「まずアオイですが人目を避け、ダンジョンでレベルを上げる生活を送っています」
「理由は分かるか?」
「はっきりとは分かりませんが、スティンガーに犯されている過去を持つため、慎重になっているのかもしれません。そして、魔道具による鑑定を行いましたが、異端者ではなくなっているようです」
「次」
「はい、アサヒですが勇者騎士団の解散後、教会騎士団への入団を希望しましたが、門前払いをしました。今のレベルはたった7で、危険人物とは言えません」
「勇者騎士団を解散させたのも、門前払いしたのも正解だね。あいつはスティンガーの英雄騎士団に入って英雄騎士団を殺そうとして、その後はアルナの隊に入ってアルナを恨んで殺そうとした。味方にしても敵にしても厄介だよ」
「最後に、ハヤトですが、完全に力を失い、今は最弱ジョブであるハイブリッドになっています。全員手を下す必要は無いかと」
僕は口角を釣り上げた。
確かに現状ハイブリッドは弱い。
専用紋章のせいで、錬金術師の作った紋章装備を装備出来ず、スキルも強いとは言えない。
でも、あのバトルセンスは中々のものだ。
もし、ハイブリッドの力が覚醒して……ジョブがそこまで強くならなくてもいい。
普通レベルのジョブレベルまで伸びれば、一気に最強候補に躍り出るだろう。
女神は皆に平等に力を与えようとしている。
今回のジョブや能力値の変更にはそういう意図を感じる。
そう考えると、ハイブリッドが最弱のままとは思えない。
「罪人をハイブリッドにして、教会でもジョブの分析をした方がいいと思うよ」
「検討しよう」
やらないか。
検討=やらないって事だ。
でも、僕は提案した。
それを聞かなかったのは上だ。
書記を確認すると、しっかり僕の発言は議事録に記載されていた。
ハイブリッドが強くなったとしても、僕が責任を取らされることは無いだろう。
教会は何かあると僕たちに責任を押し付けて火消しをさせる。
こういう根回しをしても、責任を押し付けられたりするんだけどね。
やらないよりはましだ。
「そっかー。可能性を考えると、ハイブリッドの分析も必要だと思うけどな~。上は乗り気じゃないのか~」
書記はしっかりと僕の発言を記載していく。
僕は書記の記載をしっかりと確認した。
まったく、こういう発言をして気を回さないと、すぐに責任を押し付けられる。
だから会議は嫌いだ。
「続いては本日最も重視すべき聖魔導士の法則変化についてだ。
この議題が今回の会議のメインテーマとなる。
『儀式』のスキルが無くなった事で、教会の収益悪化が見込まれる。
そして、聖魔導士が魔導士に統合されたことで、回復魔法の価格暴落が……」
くだらない。
利権にすがりついて自分では何もしない老人が焦って騒いでいる。
もっと老人が死ねばよかったのに。
セイコウコウボウは黙って会議をやり過ごした。
そして会議を聞かず、戦いの事を考える。
僕と闘えるほど強くなりそうなのは『カムイ』だ。
バトルセンスが高く、いや、バトルセンスは僕の少し下か。
そしてレベルの上がり方も異常に速い。
恐らく女神の切り札だ。
でも、『ハヤト』にも可能性を感じる。
恐らく、僕と、カムイの次にバトルセンスが高いのはハヤトだ。
そして、ハイブリッドは、成長すればどう化けるか分からない。
早く、早く育てて、戦いたい。
【ハヤト視点】
アサヒとのバトルモードが終わると、カムイが話しかけてきた。
「いまから、話を、しないか?」
「俺も、話をしたいと思っていた」
俺も話が聞きたいと思っていた。
トレイン娘のことが気になって聞き忘れていた事があった。
女神に聞いておけばよかったと後悔している事がある。
ゲームの真実を。
そしてなぜ俺達は召喚されたのか?
「アサヒ選手!ご苦労様でした。続きまして、本日のメインイベントです。ハヤト選手による新ジョブ、ハイブリッドの使用感をお聞かせください」
俺に魔道マイクが向けられる。
「まだ、始まったばかりで掴めていない。ステータスを開示するから、皆好きに見て欲しい」
俺はステータスを開示した。
アサヒの顔が怒りに歪んでいく。
「何でハヤトが主役のようになっているんだい!
おかしいおかしいおかしいおかしい!
僕が勝ったんだ!
なんでハヤトが注目されているんだ!」
「アサヒ選手、お疲れさまでした。余興は終わりましたので、お帰りください」
アサヒは審判に嫌われている。
「余興!?
おかしいおかしい!
腕を掴むな!
離せええ!離せよおおお!」
アサヒが退場していく。
「他に質問はありますか?」
セイコウコウボウがジャンプしてリングに降りてくる。
楽しそうに俺を見る。
「1分とはいえ、能力値7倍差の相手に対して引き分けに持ち込んでいたけど、あれはスキル?それともバトルセンスかな?」
「スキルは無い」
「バトルセンスか、中々出来る事じゃない。並みのバトルセンスじゃないね」
アサヒが観客席から出て怒鳴る。
「引き分けじゃない!僕が勝った!もう一度戦え!」
アサヒは悔しそうに叫ぶが、取り押さえられて会場を出て行く。
「後バトルモードが終わった後のあの光は何?」
「試練だ。俺は皆とパーティーを組んだり、協力プレーが出来ない。そういう試練を受けている。HPを削った魔物を倒そうとしても光の壁に阻まれて魔物に攻撃できなくなる」
「ふ~ん」
セイコウコウボウは無言で俺を殴ろうとする。
光の壁が発生して攻撃が俺に通らない。
セイコウコウボウはちょっとづつ攻撃を強くし、最後は武器で俺を殴ろうとする。
怖い怖い!
壁を突き抜けたら俺は死ぬんだ!
「やめてくれ!」
「そうか~。大体分かった」
俺の話を聞いていない!
こいつのこう言う所が怖いんだ。
子供のような急に何をするか分からない怖さがある。
「ハイブリッドの使用感を聞きたい」
「まだ始めたばかりで掴めていない」
「それは分かる。今の使用感は?」
「……使い勝手の悪い、紋章装備」
「今後ハイブリッドの能力はどうなると思う?」
「使い勝手の悪い、器用貧乏かな?」
「良く分かったよ。次回も楽しみだ」
セイコウコウボウがジャンプして席に戻る。
そう、アサヒとのバトルモード対決は1回で終わりではない。
まだあるのだ。
その後も質問は続いた。
「武具の耐久力はあるの?あるなら耐久力は回復するの?」
「耐久力はある。少しづつ自然回復している。リペアのカードと紋章チャージは出来なかった」
「女神さまはどんな人?」
「人とは思えないような美人で、考えは掴めなかった」
質問は続く。
◇
「今日はここまでですわ!ハイブリッドの能力については、学園でまとめて全員に開示しますわ!」
ファルナ、助かる。
学園で検証した内容を聞かれる事が多かった。
それにクラスメートに聞けば済む質問内容が多いし、質問じゃなく演説になって話し続ける質問者もいた。
セイコウコウボウは会場から消えていた。
【セイコウコウボウ視点】
アサヒとハヤトのバトルモードが終わり、聞きたいことを聞いて僕はすぐ教会本部に向かった。
バトルモードは楽しかったのに、今からくだらない会議か。
そこには幹部がずらりと並び、座っていた。
「ボウ、遅い。早く座れ」
無能のじじいがある程度減り、会議の雰囲気は少し良くなっていた。
僕の事をセイコウコウボウではなく、ボウと呼ぶ。
ま、剣や棒と呼ばれて、人間扱いされてないんだけどね。
「ケン、闘技場の視察に行ってたんだよ」
セイコウコウケンは堅苦しくてめんどくさい。
バトルモードで戦う時は楽しいけど、会議では会いたくない相手だ。
「見たくて行っただけだろう」
「その話はいい、いまは会議を始める。今回は転移者、いや、転生者の危険人物について、そして聖魔導士のスキルのありようが変わった事についてだ。
まずは転生者について話す。
代償前の危険人物は、アオイ・アサヒ・ハヤトの3名だけだった。
まずは報告を聞こう」
報告役の者が話し始める。
「まずアオイですが人目を避け、ダンジョンでレベルを上げる生活を送っています」
「理由は分かるか?」
「はっきりとは分かりませんが、スティンガーに犯されている過去を持つため、慎重になっているのかもしれません。そして、魔道具による鑑定を行いましたが、異端者ではなくなっているようです」
「次」
「はい、アサヒですが勇者騎士団の解散後、教会騎士団への入団を希望しましたが、門前払いをしました。今のレベルはたった7で、危険人物とは言えません」
「勇者騎士団を解散させたのも、門前払いしたのも正解だね。あいつはスティンガーの英雄騎士団に入って英雄騎士団を殺そうとして、その後はアルナの隊に入ってアルナを恨んで殺そうとした。味方にしても敵にしても厄介だよ」
「最後に、ハヤトですが、完全に力を失い、今は最弱ジョブであるハイブリッドになっています。全員手を下す必要は無いかと」
僕は口角を釣り上げた。
確かに現状ハイブリッドは弱い。
専用紋章のせいで、錬金術師の作った紋章装備を装備出来ず、スキルも強いとは言えない。
でも、あのバトルセンスは中々のものだ。
もし、ハイブリッドの力が覚醒して……ジョブがそこまで強くならなくてもいい。
普通レベルのジョブレベルまで伸びれば、一気に最強候補に躍り出るだろう。
女神は皆に平等に力を与えようとしている。
今回のジョブや能力値の変更にはそういう意図を感じる。
そう考えると、ハイブリッドが最弱のままとは思えない。
「罪人をハイブリッドにして、教会でもジョブの分析をした方がいいと思うよ」
「検討しよう」
やらないか。
検討=やらないって事だ。
でも、僕は提案した。
それを聞かなかったのは上だ。
書記を確認すると、しっかり僕の発言は議事録に記載されていた。
ハイブリッドが強くなったとしても、僕が責任を取らされることは無いだろう。
教会は何かあると僕たちに責任を押し付けて火消しをさせる。
こういう根回しをしても、責任を押し付けられたりするんだけどね。
やらないよりはましだ。
「そっかー。可能性を考えると、ハイブリッドの分析も必要だと思うけどな~。上は乗り気じゃないのか~」
書記はしっかりと僕の発言を記載していく。
僕は書記の記載をしっかりと確認した。
まったく、こういう発言をして気を回さないと、すぐに責任を押し付けられる。
だから会議は嫌いだ。
「続いては本日最も重視すべき聖魔導士の法則変化についてだ。
この議題が今回の会議のメインテーマとなる。
『儀式』のスキルが無くなった事で、教会の収益悪化が見込まれる。
そして、聖魔導士が魔導士に統合されたことで、回復魔法の価格暴落が……」
くだらない。
利権にすがりついて自分では何もしない老人が焦って騒いでいる。
もっと老人が死ねばよかったのに。
セイコウコウボウは黙って会議をやり過ごした。
そして会議を聞かず、戦いの事を考える。
僕と闘えるほど強くなりそうなのは『カムイ』だ。
バトルセンスが高く、いや、バトルセンスは僕の少し下か。
そしてレベルの上がり方も異常に速い。
恐らく女神の切り札だ。
でも、『ハヤト』にも可能性を感じる。
恐らく、僕と、カムイの次にバトルセンスが高いのはハヤトだ。
そして、ハイブリッドは、成長すればどう化けるか分からない。
早く、早く育てて、戦いたい。
【ハヤト視点】
アサヒとのバトルモードが終わると、カムイが話しかけてきた。
「いまから、話を、しないか?」
「俺も、話をしたいと思っていた」
俺も話が聞きたいと思っていた。
トレイン娘のことが気になって聞き忘れていた事があった。
女神に聞いておけばよかったと後悔している事がある。
ゲームの真実を。
そしてなぜ俺達は召喚されたのか?
10
お気に入りに追加
2,646
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の選んだ末路〜嫌われ妻は愛する夫に復讐を果たします〜
ノルジャン
恋愛
モアーナは夫のオセローに嫌われていた。夫には白い結婚を続け、お互いに愛人をつくろうと言われたのだった。それでも彼女はオセローを愛していた。だが自尊心の強いモアーナはやはり結婚生活に耐えられず、愛してくれない夫に復讐を果たす。その復讐とは……?
※残酷な描写あり
⭐︎6話からマリー、9話目からオセロー視点で完結。
ムーンライトノベルズ からの転載です。
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
<完結済>画面から伸びて来た手に異世界へ引きずりこまれ、公爵令嬢になりました。
詩海猫
恋愛
「今日こそ、クリアしてやるんだから……!」
そう意気込みながら手にしたコントローラを振りかざしてモンスターをぶっ飛ばしていたら、突然画面が真っ暗になり、のびてきた手に画面の中の引きずりこまれた女子高生・紫亜は目が覚めたら知らない場所にいた。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
彼は誰
Rg
BL
戸嶋朝陽は、四年間思い続けていた相手、高比良衣知がとある事情から転がり込んできたことを“最初で最後のチャンス”だと思い軟禁する。
朝陽にとっての“愛”とは、最愛の彼を汚れた世界から守ること。
自分にとって絶対的な存在であるために、汚れた彼を更生すること。
そんな歪んだ一途な愛情が、ひっそりと血塗られた物語を描いてゆく。
[完結]悪役令嬢様。ヒロインなんかしたくないので暗躍します
紅月
恋愛
突然の事故死の後、なんでこんなアニメか乙女ゲームのヒロインの様な子に転生してるの?しかもコイツ(自分だけど)事故物件。
家とか周りに迷惑かけない様にしようとしたら……。
可愛い悪役令嬢様とも出会い、ヒロインなんてしたくないので、私、暗躍します。
悪意か、善意か、破滅か
野村にれ
恋愛
婚約者が別の令嬢に恋をして、婚約を破棄されたエルム・フォンターナ伯爵令嬢。
婚約者とその想い人が自殺を図ったことで、美談とされて、
悪意に晒されたエルムと、家族も一緒に爵位を返上してアジェル王国を去った。
その後、アジェル王国では、徐々に異変が起こり始める。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる