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第86話

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【ルンバ視点】

 城を守り、敵をすべて倒した。
 これでやっと眠る事が出来ます。

 ん?城の外を見ると、光が見える。
 兵士が攻めてきた?
 まさか!まだあきらめていないのですか!

 しばらく灯りを見つめていると、身なりのいい男が城の近くまで偉そうに歩いてくる。

「私の名はシャドウジャイアだ!ルンバよ!話をしようではないか!」

 私は城の窓から顔を出し、話を始める。

「残念ながら私は奴隷の首輪を嵌められています!ここを守るよう強制されているのです!そんなに城に近づけば!く、ゴールデンオーク!戦え!助け、私を解放してください!」

 私の体が意思とは関係なく動き、シャドウジャイアを殺しに向かう。
 外に出るとシャドウジャイアは離れていく。
 それにより奴隷の強制力が消えた。


「うむ、どのような人物か一目見ようと思っていたが用は済んだ!お前を殺す事で解放してやろう!もっともすぐには殺さん!じわじわと苦しみながら死んでいくがいい!ははははははははははははははははは!」

「ま、待ってください!私は操られているのです!奴隷から解放すれば役に立ってあげますよ!」
「殺す事で解放すると言っている!生の苦しみから解放してやろう!」

「私は操られているのです!」

 そう言いながら前に出た魔物に斬りかかる。
 ゴールデンオークも一緒に戦うが動きが悪い。
 私もゴールデンオークも消耗している!

「待ってください!」
「私に命令するな!これからディナーの時間だ!」

 シャドウジャイアは下がって行った。

「待ってください!私は悪くありません!悪いのは私を操っている帝国の人間です!話を!話を聞いてください!待ってください!待ってください!」

 私とゴールデンオークの前にゴーレムが突撃してくる。
 私とゴールデンオークがゴーレムを倒すと、その瞬間に人間の兵士が弓を放ち、ガーゴイルが空中から石のつぶてを飛ばしてくる。

 遠距離攻撃をしてきた敵に向かおうとするとゴブリンが私とゴールデンオークに立ちはだかり、倒すとまた弓と石が飛んでくる。
 く、私とゴールデンオークをなぶり殺しにする気か!

 私は戦い続けた。


 ◇



「はあ、はあ、くう!」

 苦しい!

 眠い!

 体が痛い!

 このままでは確実に殺される!
 そう思った瞬間、魔物が後ろに下がっていく。
 
 ……助かった?
 そうか、私を部下にするのか。
 そう、そうに違いない!
 私は魔物と兵士に囲まれて攻撃を凌いできた。
 今までの戦闘は私の資質を見極めるための試験だった。

 私のレベルは100!
 ここまでレベルが上がった私を欲しがらないわけがない!

 私はほっと溜息をついた。

 シャドウジャイアが笑いながら前に出てきた。

「いかんなあ!ルンバは生に寄りすぎている。もっと苦しめるのだ!死なない程度に追い詰め続けるのだ!」
「待ってください!」

「言い方がなっていない!」
「どうかお待ちください!私を部下にしてください!この首輪さえ何とか出来れば私は助かります!どうか私を配下に加えて下さい!」

「うむ、言い方はマシになったようだ」
「では!首輪を!」

「だあが断るうううううう!!!!」

「ま、待ってください!」
「私は暇ではない!満足に眠る事さえできず、ボロボロになっていくがいい!ははははははははは!」

 シャドウジャイアは去って行った。
 
「ま、待ってください!お願いします!待ってください!」

 グルルルル!
 ガルルルル!
 キシャアア!

「うあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 ゴブリンを斬り倒すと、次のゴブリンが前に立ちはだかる。

 それも斬り倒すと弓が飛んできた。

「ゴールデンオーク!どこに行くのですか!」

 ゴールデンオークが後ろに下がっていく。
 眠くなると後ろに下がるのだ。

 空中のガーゴイルが石のつぶてを飛ばしてくる。
 ガーゴイルの魔力が切れて石の雨が降り止むとリザードマンが飛び掛かると見せかけて火を噴いてきた。

「く!ゴールデンオーク!戦うのです!」

 苦しい!

 眠い!

 体が痛い!

 死ぬのが怖い!

 水を飲みたい!

 食事が足りない!

 私はまた魔物と兵士に囲まれ戦う地獄を味わい続けた。




 あとがき

 投稿しない日が長くなりましたがやっと投稿できます。
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