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第79話
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俺とエステル、そしてライターも連れて3人だけで王都を目指す。
見た目の良い女性を連れて行くと、兄に悪さをされる可能性があるらしい。
エステルから兄の話を聞いたが、自分が王になろうとしており欲深い人間で現王は牢屋に入れられている。
俺とライターは古い装備を身にまとって向かう。
俺にはメリットが無いと少しでも思わせる為だ。
この国では、戦闘用装備のまま王城に入っても良い事になっている。
ゲームでは何も気にならなかったが、日本のように場所によって服を着替える習慣を持つ俺としては違和感を感じる。
それだけ日本は豊かだったのか。
よく考えたら、大名同士で喧嘩をして城の中で斬り合いになったり、謁見の間で王に面会を求めて武器で斬りかかったり、元の世界ではやらかす奴が多かったから対策として武器の持ち込み禁止とかルールが厳しくなっている。
元の世界はやばい人間が多かったことの裏返しでもあるか。
となれば父を牢屋に入れるエステルの兄はこの世界では非常識な人間になるだろう。
「エステルの兄って嫌われていないのか?」
「嫌われていますわ。ですが貴族から見れば利用しやすく見えていると思いますわ。反対にお父様は民に慕われていますが、貴族には嫌われていますわね」
皆の幸せを思い、良い王政を行おうとすれば、民から慕われるが、ズルをしたい貴族には嫌われるよな。
そこを突かれたか。
王が牢屋に入れられていると知った時、エステルは取り乱して泣いた。
いつも涙を流しても常に冷静でいようとするエステルらしくない動きで、なだめるのに時間がかかった。
俺とライター、そしてエステルで牢に入れられたエステルの父を救い出すため話し合いをしてきた。
だが、貴族を味方につけ、王を牢に入れる事に成功したエステルの兄は王城を掌握しているだろう。
うまくいくか分からない。
それでも、エステルの家族である父は助け出したい。
兄は死んでもいいが、父は助けたい、そう思った。
ゼスじいの言葉を思い出す。
『家族だけは守ってほしいんじゃ』
俺は、2人を引き連れて王城に入る。
謁見の間に入ると、エステルの兄、『シャドウジャイア』が王のように王座に座っていた。
周りを見ると、意地の悪そうな貴族が周りを固めている。
シャドウジャイアを見ると、金色に輝く髪と青い瞳のイケメンだが、どこか口元が歪んでおり、目つきが鋭い。
意地の悪そうな性格が少しだけ顔に出ていた。
「南の辺境からわざわざご苦労だった。して、何の用だ?」
シャドウジャイアの話し方は父と似ていたが、言い方にとげを感じ、優しさが無いように聞こえた。
俺は話を始めた。
「王を牢から出して欲しいのです」
「出したとして、どうするのだ?父を王の座に戻すか?」
「そうすると言って納得していただけるのですか?」
「ならん!」
「では、王を南の地に移住させると言ったらどうでしょう?」
シャドウジャイアが口角を釣り上げた。
やはり自分が王になりたいか。
王を辺境に移動させる=父は王ではなくなる
俺にそう言わせるのが目的か。
「それだけで私を動かすつもりか?聞けんな!私を動かしたいのなら、もっと誠意を見せたらどうだ?」
「誠意とは?具体的にどうすれば誠意と取って貰えるのでしょうか?」
「うむ、そうだな。まずはエステルの持っている杖、スターダストオーブを献上して貰おう」
「し、しかしこれはゲットから頂いた大事な宝ですわ」
「エステル、渡そう。そうしなければエステルの父を牢から出して貰えないのでしょう?」
事前にエステルから言われている。
シャドウジャイアは色々金目の物を奪おうとすると。
これはエステルの演技で予定の内の行動だ。
スターダストオーブを置いてくると、持ってこいと言われるだろうと予想できた。
ならば餌を見せつけて食わせてやればいい。
「うむ、だがそれだけでは足りんな。王を南の地に隠居させるなら、私を王と認め、民の前でそれを宣言せよ!」
「分かりました」
これも計算通りだ。
頭に来るが言う通りにしよう。
「宣言し、スターダストオーブを献上し、王を南の地に隠居させれば、王を牢から出して貰えるのですね?」
「まだだ!もう1つ!私を王に認める宣言をした後爵位を返上するのだ!」
これも計算通りだ。
爵位は金になる。
金を貰う見返りに爵位を授ける事も出来る。
「分かりました。まずスターダストオーブを献上し、あなたが王であると皆の前で宣言し、その後英雄の爵位、そして始まりの村をお返ししましょう。ですが、始まりの村を引き渡すにはそれなりの時間がかかります。何せ王都と始まりの村を往復するだけで時間がかかってしまうのですから」
「どのくらいかかる?」
「半年あれば行けるかと思います」
「3カ月だ!それ以上かかれば強引な手を取らせてもらう」
「分かりました。出来る限り手を尽くし、迅速に終わらせるよう努めます」
こうして王との話は終わった。
スターダストオーブはその場で献上した。
その後俺は民の前に出てシャドウジャイアが王にふさわしいと書かれた紙を読み上げ、王を牢屋から出して貰った。
エステルは父に抱きつき泣いた。
エステルが落ち着くと王は口を開いた。
「すまなかった。迷惑をかけた」
「いや、いいんだ。元気そうで安心した」
「はっはっは、食事を出され、休むことが出来たのだ。いつもよりも調子は良い」
言われた通り王の顔色は良かった。
王の重責より牢屋の方が調子がいいか……シャドウジャイアは王になった後苦労するだろうな。
「これから長旅になる。疲れるとは思うが我慢して欲しい」
「うむ、優秀な護衛がいるのだ。安心こそすれ苦労とは思わん」
そう言って俺とライターを見た。
ライターは強い。
裏ダンジョンの50階攻略者だ。
弱いわけが無いのだ。
俺達はすぐ牢から出て、防壁の近くまで移動した。
「4人だけだが、ライターもエステルも強い。中々死ぬ事は無いだろう。早く王都の防壁を出よう。出ないと安心できないんだ」
「おやおや、私を忘れてはいませんかな?私も同行しますぞ」
「大臣!良いのか?私はもう王ではないのだぞ?」
「構いません、と言うより、それ以外の選択肢はありません。周りをを見なされ」
そこには兵士や民が数百人集まっていた。
「誠に勝手ながら、信頼できる者に声を掛けさせてもらったのです。英雄ゲットに策ありと、私はすぐにわかりました」
「顔に出ていたか」
「いえ、多くの者は気づいていません。ですが、私はすぐにわかりました。それにエステル様の態度を見て、ピンときました。周到に用意されていると。所で、ここにいる数百人を養えるだけの食料は当分持っているのでしょう?ノースシティの物流の流れを見れば、分かるのです」
「そうだな。食料も物資も十分にある」
俺とライターで話し合い、備蓄用の食料をためていた事は分かっていたようだ。
「ゲット、すぐに出よう。早くしなければ兵が報告に動くのだ」
俺はライターにせかされて防壁の門を出ようとするが兵士が止めた。
「ま、待て!そんなに大量の人を連れてどこに行くつもりだ!」
俺は兵士の顔の10センチ程度まで顔を近づけて言った。
脅す態度を隠す気もない。
「俺が英雄の称号を失い、領地を失う。その為の手伝いだ。早く領地を受け渡すよう命を受けている!」
そう言いながら円盾とメイスを構え、メイスの先端を炎の魔法で光らせた。
兵士が汗を掻いて何も言わなくなった。
「早く門をくぐってくれ!早く移動しないと物資を消耗する!」
そう言ってみんなを防壁から出した。
俺は数百の兵と民、そして王を連れて、南の辺境・始まりの村を目指した。
防壁を出たゲットと王の顔は晴れやかで、希望の色が見て取れた。
【シャドウジャイア視点】
くっくっく、ついに私が王となった。
父は辺境に追い出したことで私に介入する事は難しいだろう。
そろそろ3カ月が経ち、始まりの村は私の物となる。
手伝いに出かけた536人の民も、結局は始まりの村で私に金を運ぶために働き続ける事になる!
金持ちの商人に貴族の爵位を売ってやり、始まりの村を代理で管理させる。
そして私は永続的にそこから税を取り続ける事が出来る。
爵位を売ってやった金持ちは領地より、そこに住む若い女に興味があるようだった。
「げへへへへ!これで若い娘を何人でも嫁に貰えます。シャドウジャイア王には感謝します」
「うむ、継続的な納税の義務は怠るなよ!」
「分かっています。所で、始まりの村に行くまで、兵士の護衛をつけてもらえないでしょうか?報酬のお金はここに」
そう言ってトランクを開けると、大量の金が入っていた。
「うむ、貴族を助けるのも私の務めだ。私が直々に兵を連れて護衛しよう」
くっくっく、笑いが止まらん。
王になるだけで金が転がり込んでくる。
しかも今まで私に良くしてこなかった哀れな父と、父に可愛がられてきたエステルの惨めな姿を見る事が出来る。
始まりの村が楽しみだ。
◇
私は貴族を護衛して始まりの村にたどり着いた。
だが、やけに魔物が多く。道中の時間がかかった。
まったく、私にテント暮らしを無駄にさせるとは。
魔物狩りがなっていない!
たどり着いたはずだがおかしい。
家が見当たらない。
「お、おかしい!なぜ家が無い!いや、畑の跡はあるのだ!もう少し進めば家があるはずだ!」
無い!無い無い無い無い無い!
もう港まで来た!橋は壊され、家は無く、空き地だけがある!
どこだ!
どこに行ったのだ!
「シャドウジャイア様!どうなっているのですか!娘が1人もいないではないですか!ハーレムが!100人を超えるハーレムを作って娘しかいない豪邸を作るはずだったのにいいいいいいいいいい!!」
「私は知らない!だが、税だけは治めるのだ!」
「どうやってですか!人がいないのです!娘がいないなら貴族の地位は意味が無い!どうやってハーレムを作ればいいんですか!」
シャドウジャイアの計画はほころびを見せた。
だがこのほころびは序章に過ぎない。
見た目の良い女性を連れて行くと、兄に悪さをされる可能性があるらしい。
エステルから兄の話を聞いたが、自分が王になろうとしており欲深い人間で現王は牢屋に入れられている。
俺とライターは古い装備を身にまとって向かう。
俺にはメリットが無いと少しでも思わせる為だ。
この国では、戦闘用装備のまま王城に入っても良い事になっている。
ゲームでは何も気にならなかったが、日本のように場所によって服を着替える習慣を持つ俺としては違和感を感じる。
それだけ日本は豊かだったのか。
よく考えたら、大名同士で喧嘩をして城の中で斬り合いになったり、謁見の間で王に面会を求めて武器で斬りかかったり、元の世界ではやらかす奴が多かったから対策として武器の持ち込み禁止とかルールが厳しくなっている。
元の世界はやばい人間が多かったことの裏返しでもあるか。
となれば父を牢屋に入れるエステルの兄はこの世界では非常識な人間になるだろう。
「エステルの兄って嫌われていないのか?」
「嫌われていますわ。ですが貴族から見れば利用しやすく見えていると思いますわ。反対にお父様は民に慕われていますが、貴族には嫌われていますわね」
皆の幸せを思い、良い王政を行おうとすれば、民から慕われるが、ズルをしたい貴族には嫌われるよな。
そこを突かれたか。
王が牢屋に入れられていると知った時、エステルは取り乱して泣いた。
いつも涙を流しても常に冷静でいようとするエステルらしくない動きで、なだめるのに時間がかかった。
俺とライター、そしてエステルで牢に入れられたエステルの父を救い出すため話し合いをしてきた。
だが、貴族を味方につけ、王を牢に入れる事に成功したエステルの兄は王城を掌握しているだろう。
うまくいくか分からない。
それでも、エステルの家族である父は助け出したい。
兄は死んでもいいが、父は助けたい、そう思った。
ゼスじいの言葉を思い出す。
『家族だけは守ってほしいんじゃ』
俺は、2人を引き連れて王城に入る。
謁見の間に入ると、エステルの兄、『シャドウジャイア』が王のように王座に座っていた。
周りを見ると、意地の悪そうな貴族が周りを固めている。
シャドウジャイアを見ると、金色に輝く髪と青い瞳のイケメンだが、どこか口元が歪んでおり、目つきが鋭い。
意地の悪そうな性格が少しだけ顔に出ていた。
「南の辺境からわざわざご苦労だった。して、何の用だ?」
シャドウジャイアの話し方は父と似ていたが、言い方にとげを感じ、優しさが無いように聞こえた。
俺は話を始めた。
「王を牢から出して欲しいのです」
「出したとして、どうするのだ?父を王の座に戻すか?」
「そうすると言って納得していただけるのですか?」
「ならん!」
「では、王を南の地に移住させると言ったらどうでしょう?」
シャドウジャイアが口角を釣り上げた。
やはり自分が王になりたいか。
王を辺境に移動させる=父は王ではなくなる
俺にそう言わせるのが目的か。
「それだけで私を動かすつもりか?聞けんな!私を動かしたいのなら、もっと誠意を見せたらどうだ?」
「誠意とは?具体的にどうすれば誠意と取って貰えるのでしょうか?」
「うむ、そうだな。まずはエステルの持っている杖、スターダストオーブを献上して貰おう」
「し、しかしこれはゲットから頂いた大事な宝ですわ」
「エステル、渡そう。そうしなければエステルの父を牢から出して貰えないのでしょう?」
事前にエステルから言われている。
シャドウジャイアは色々金目の物を奪おうとすると。
これはエステルの演技で予定の内の行動だ。
スターダストオーブを置いてくると、持ってこいと言われるだろうと予想できた。
ならば餌を見せつけて食わせてやればいい。
「うむ、だがそれだけでは足りんな。王を南の地に隠居させるなら、私を王と認め、民の前でそれを宣言せよ!」
「分かりました」
これも計算通りだ。
頭に来るが言う通りにしよう。
「宣言し、スターダストオーブを献上し、王を南の地に隠居させれば、王を牢から出して貰えるのですね?」
「まだだ!もう1つ!私を王に認める宣言をした後爵位を返上するのだ!」
これも計算通りだ。
爵位は金になる。
金を貰う見返りに爵位を授ける事も出来る。
「分かりました。まずスターダストオーブを献上し、あなたが王であると皆の前で宣言し、その後英雄の爵位、そして始まりの村をお返ししましょう。ですが、始まりの村を引き渡すにはそれなりの時間がかかります。何せ王都と始まりの村を往復するだけで時間がかかってしまうのですから」
「どのくらいかかる?」
「半年あれば行けるかと思います」
「3カ月だ!それ以上かかれば強引な手を取らせてもらう」
「分かりました。出来る限り手を尽くし、迅速に終わらせるよう努めます」
こうして王との話は終わった。
スターダストオーブはその場で献上した。
その後俺は民の前に出てシャドウジャイアが王にふさわしいと書かれた紙を読み上げ、王を牢屋から出して貰った。
エステルは父に抱きつき泣いた。
エステルが落ち着くと王は口を開いた。
「すまなかった。迷惑をかけた」
「いや、いいんだ。元気そうで安心した」
「はっはっは、食事を出され、休むことが出来たのだ。いつもよりも調子は良い」
言われた通り王の顔色は良かった。
王の重責より牢屋の方が調子がいいか……シャドウジャイアは王になった後苦労するだろうな。
「これから長旅になる。疲れるとは思うが我慢して欲しい」
「うむ、優秀な護衛がいるのだ。安心こそすれ苦労とは思わん」
そう言って俺とライターを見た。
ライターは強い。
裏ダンジョンの50階攻略者だ。
弱いわけが無いのだ。
俺達はすぐ牢から出て、防壁の近くまで移動した。
「4人だけだが、ライターもエステルも強い。中々死ぬ事は無いだろう。早く王都の防壁を出よう。出ないと安心できないんだ」
「おやおや、私を忘れてはいませんかな?私も同行しますぞ」
「大臣!良いのか?私はもう王ではないのだぞ?」
「構いません、と言うより、それ以外の選択肢はありません。周りをを見なされ」
そこには兵士や民が数百人集まっていた。
「誠に勝手ながら、信頼できる者に声を掛けさせてもらったのです。英雄ゲットに策ありと、私はすぐにわかりました」
「顔に出ていたか」
「いえ、多くの者は気づいていません。ですが、私はすぐにわかりました。それにエステル様の態度を見て、ピンときました。周到に用意されていると。所で、ここにいる数百人を養えるだけの食料は当分持っているのでしょう?ノースシティの物流の流れを見れば、分かるのです」
「そうだな。食料も物資も十分にある」
俺とライターで話し合い、備蓄用の食料をためていた事は分かっていたようだ。
「ゲット、すぐに出よう。早くしなければ兵が報告に動くのだ」
俺はライターにせかされて防壁の門を出ようとするが兵士が止めた。
「ま、待て!そんなに大量の人を連れてどこに行くつもりだ!」
俺は兵士の顔の10センチ程度まで顔を近づけて言った。
脅す態度を隠す気もない。
「俺が英雄の称号を失い、領地を失う。その為の手伝いだ。早く領地を受け渡すよう命を受けている!」
そう言いながら円盾とメイスを構え、メイスの先端を炎の魔法で光らせた。
兵士が汗を掻いて何も言わなくなった。
「早く門をくぐってくれ!早く移動しないと物資を消耗する!」
そう言ってみんなを防壁から出した。
俺は数百の兵と民、そして王を連れて、南の辺境・始まりの村を目指した。
防壁を出たゲットと王の顔は晴れやかで、希望の色が見て取れた。
【シャドウジャイア視点】
くっくっく、ついに私が王となった。
父は辺境に追い出したことで私に介入する事は難しいだろう。
そろそろ3カ月が経ち、始まりの村は私の物となる。
手伝いに出かけた536人の民も、結局は始まりの村で私に金を運ぶために働き続ける事になる!
金持ちの商人に貴族の爵位を売ってやり、始まりの村を代理で管理させる。
そして私は永続的にそこから税を取り続ける事が出来る。
爵位を売ってやった金持ちは領地より、そこに住む若い女に興味があるようだった。
「げへへへへ!これで若い娘を何人でも嫁に貰えます。シャドウジャイア王には感謝します」
「うむ、継続的な納税の義務は怠るなよ!」
「分かっています。所で、始まりの村に行くまで、兵士の護衛をつけてもらえないでしょうか?報酬のお金はここに」
そう言ってトランクを開けると、大量の金が入っていた。
「うむ、貴族を助けるのも私の務めだ。私が直々に兵を連れて護衛しよう」
くっくっく、笑いが止まらん。
王になるだけで金が転がり込んでくる。
しかも今まで私に良くしてこなかった哀れな父と、父に可愛がられてきたエステルの惨めな姿を見る事が出来る。
始まりの村が楽しみだ。
◇
私は貴族を護衛して始まりの村にたどり着いた。
だが、やけに魔物が多く。道中の時間がかかった。
まったく、私にテント暮らしを無駄にさせるとは。
魔物狩りがなっていない!
たどり着いたはずだがおかしい。
家が見当たらない。
「お、おかしい!なぜ家が無い!いや、畑の跡はあるのだ!もう少し進めば家があるはずだ!」
無い!無い無い無い無い無い!
もう港まで来た!橋は壊され、家は無く、空き地だけがある!
どこだ!
どこに行ったのだ!
「シャドウジャイア様!どうなっているのですか!娘が1人もいないではないですか!ハーレムが!100人を超えるハーレムを作って娘しかいない豪邸を作るはずだったのにいいいいいいいいいい!!」
「私は知らない!だが、税だけは治めるのだ!」
「どうやってですか!人がいないのです!娘がいないなら貴族の地位は意味が無い!どうやってハーレムを作ればいいんですか!」
シャドウジャイアの計画はほころびを見せた。
だがこのほころびは序章に過ぎない。
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