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第78話

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「ドラゴンキラータイガーは格闘タイプ!弱点は氷属性ですわ!」

 大体思った通りか。

「アイス!アイス!」

 2発魔法をヒットさせるが、その間に一気に距離を詰められた。
 氷の魔法は嫌いか。

『アイスのLVが59から67に上がりました』

『アイスのLVが67から75に上がりました』

『アイスエンチャントLV1を習得しました』

 前足による攻撃を何度も受けるが、盾で防ぎつつ前足をメイスで攻撃する。
 ドラゴンキラータイガーは動きを止めず何度も勢いをつけて攻撃してくる。
 だが、勢いをつける為距離を取った瞬間にアイスの魔法を使う。

「アイスエンチャント!アイス!」

 アイスエンチャントの効果で一定時間受けるダメージを減らす事が出来る。

『アイスエンチャントの効果で防御力が上昇しました』

『アイスエンチャントのLVが1から33に上がりました』

『アイスのLVが75から79に上がりました』

『アイスエンチャントのLVが33から45に上がりました』

 ドラゴンキラータイガーが勢いをつけて俺に向かって迫り、前足で叩き、すぐに後ろに下がった。

 俺はその瞬間を見逃さない。

「アイス!アイス!アイス!」

『アイスのLVが79から83に上がりました』

『アイスのLVが83から86に上がりました』

『アイスのLVが86から88に上がりました』

 ドラゴンキラータイガーの攻撃パターンが分かってきた。

 勢いをつけて突撃攻撃→離れる→突撃攻撃→離れる。

 基本はこの繰り返しだ。
 離れたら即座にアイスの魔法で追い詰める!
 俺のHPは削られるが、エステルもいる。
 父さんに作って貰った装備がある。
 そしてアリシアとクレアもいる。
 
 やられる事は無い!

 俺にターゲットが集まるとアリシアとクレアの攻撃を受ける。

 純粋な戦闘能力はドラゴンより強いが、倒せない相手じゃない!

 クレアが後ろ脚に強力な1撃をお見舞いした事で、ドラゴンキラータイガーはバランスを崩した。

「今にゃあ!」

 俺達は一気に攻撃を重ねてドラゴンキラータイガーを追い詰めた。

 グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

 ドラゴンキラータイガーが突然赤いオーラをまとった。
 なん、だ!?

 ドラゴンキラータイガーは速度を上げて俺に飛び込んでくる。
 そして俺に前足を振り下ろした。

 俺は吹き飛ばされ後ろの木にぶつかり、後ろの木が破壊される。
 俺は倒れたまま魔法攻撃を放つ。

「アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!」

 俺のアイスLVが上がっていき、敵の体に突き刺さるように傷を与える。
 アリシアに迫ろうとしていた体を俺に向けた。

 グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

 雄たけびを上げて俺に飛び込んでくる。

「アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!」

 ドラゴンキラータイガーが魔法攻撃を受け、俺を追いこすように地面を転がり、ドロップ品と金を吐き出した。

「はあ、はあ、倒した、か。ま、まさかドラゴンより強い敵がいるとは思わなかった」

「ですが、倒しましたわ。それに、ドラゴンキラータイガーの赤いオーラをまとうスキルは10秒しか持ちませんわね。あの攻撃は強力ですが、あのスキルさえ凌いでしまえば何とかなると思いますわ」

「2体以上同時に来なければ問題無いか」
「それはドラゴンも同じですわね」
「みんなのレベルもスキルも上がったんじゃないか?」
「上がったにゃあ」

「7日まで、調査をする予定だった。そのまま続行でいいか?」

「続けるにゃあ!」
「どんどん行きましょう!」
「良いと思いますわ」

 俺達は日中にドラゴンとドラゴンキラータイガーを狩って、夜は、まあ、仲良く過ごした。


 ◇



 俺達は始まりの村に帰還した。

 父さんにドラゴンやドラゴンキラータイガーの素材を渡すと喜んだ。

「これがあればゲットの装備を更に強化出来る!いや、して見せる!装備を預けてくれないか!」

 そう言って俺の装備は強化されることになった。

 今日はゆっくり休もうと思ったがエムルが何かを察知した。

「ゲット、君は南の島で楽しんだようだね。所で話は変わるよ。僕はこの村に多くの貢献をしてきたんだ。まさかこのまま僕に放置プレーを続ける気じゃないよね?それと僕のスケルトンは役に立ったはずだよ。僕も一緒に南の島に行っていればやくにたてたはずだよ?」

 エムルは笑顔だったが、目が怪しく光っていた。
 そこに兵士が慌てて入ってきた。

「至急報告したい事件が発生しました」
「事件か!すぐに報告してくれ!エムル、話は後だ!」

 エムルは無言で部屋を出て、扉を開けたまま半分顔を出して俺を見ていた。
 目が光ってて怖いんだけど?
 俺はエムルを無視するように話を続けた。

「エムルは無視しろ!すぐに報告してくれ!」

「は、はい!現王、アベレージ・マイルド様が過労で倒れ、お休みになった隙をその息子であるシャドウジャイア様が王を名乗ったのです!現王アベレージ様は牢に幽閉されているとの事です」

「すぐにエステルとライターを呼んでくれ。すぐにだ!」
「お二人なら内政館にいるかと」
「俺が内政館に向かう!」

 エムルは当然のようについてきたが気にせずに緊急会議を開いてすぐに王都に向かう事となった。
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