上 下
48 / 105

第48話

しおりを挟む
【ダスト視点】

 兵士に囲まれた。
 だが、こっちにはスターダストオーブがある。
 これで俺様の最強装備、スターソードが手に入る!

「スターダストオーブ、起動!スターソードを求める!」

『スターソードを生成します……失敗。魂が適合しません』

「何でもいい!俺に力をよこせよ!」

『起動条件を変更します。検索……スキルの変更が最適解と判定されました』

『最適な固有スキルのサーチを開始……完了しました』

『サーチ結果、魔王』

「魔王でもなんでもなってやるよ!俺を助けろよ!」

『承認を確認しました。魔王への書き換えを行います』

 スターダストオーブが俺の付けている仮面を侵食し、目から鼻までを覆う黒い仮面に変容した。

「あ、ガガガがガガガが!痛え、痛えよお!」

『魔王スキル、魔物使役を取得しました』

「くう、ブラックウルフ、使役!兵を殺せ!」

 俺は飼われているブラックウルフを使役し兵を攻撃させた。
 包囲が混乱する。
 奴らが使役している魔物の支配を俺が上書きして兵を襲わせた。

「殺せ!殺せ!」

 俺は激痛に耐えながら剣を振って逃げ出す。
 20を超えるブラックウルフに俺を守らせながら城の外を目指した。
 門を守る兵をブラックウルフに襲わせて城の外に出る。

 何故か城の守りは手薄だった。
 だが逃げられるならどうでもいい。



 俺は森に逃げ込む。

 俺を見つけたゴブリンを支配下に置く。

「魔物使役!俺を守れ!」

 森の奥に入り、更に魔物を使役していく。

「魔物使役!」

「使役!」

「使役!俺を!守れ!」

 俺は途中で意識を失った。

 

 目を覚ますと激痛で苦しみ意識を失った。

 

 何日経ったか分からない。
 激痛が和らぐと今度は痛みで眠れなくなった。

「はあ、はあ、くそ、マイルド王国もこの国もクソだ!
 俺が苦しんでいるのも皆他の奴らが悪い!
 俺だけがまともで他の奴はクズだ!

 くそ!いてえ!いてえいてえいてえいてえ!
 なんでいてえんだよ!」

『現在、魂に合わせて体を組み替えています!組み換え完了まであと13日』

「13日!止めろ!痛みを止めろよ!」
『体の組み換えを停止できません。停止した場合、体が壊死します』
「ざけんな!」
『栄養の補給を推奨します』
「話を聞けよ!」

『栄養の補給を推奨します』
「おい!お前、食える物を持ってこい!お前は焚火だ!」

 俺はゴブリンが取ってきた魚を焼かせ、骨ごと口に入れていく。
 骨や内臓ごと口に入れて飲み込む。

「もっともって来いよクズが!」

 まったく、俺以外全部クズだ。
 俺は苦痛に耐えながら過ごした。



『魔王スキル、瘴気吸収を取得しました』

 俺は瘴気吸収のスキルを確認した。

『人を苦しめ、殺すほど才能値が上昇する』

「へ、へへへへへへへ!そうか、俺はゴミ掃除の為にいるのか。ゴミは掃除しねえとなあ!ゴブリン!ブラックウルフ!魔物を探してこい!」

 俺は魔物を集め、使役して人を苦しめ、殺させて過ごした。



 苦痛が収まり、川を見ると、俺の顔に張り付くように仮面がついてやがる。
 
「外れねえのか!」

 何度外そうとしても外れねえ。

 俺はステータスを確認した。



 ダスト 人族 男
 レベル:  45
 HP:   315      B
 MP:    315    B
 物理攻撃: 315    B
 物理防御: 315    B
 魔法攻撃: 315    B
 魔法防御: 315    B
 すばやさ: 315    B
 固有スキル:魔王
 スキル:『剣LV19』『隠密LV39』『ヒールLV29』『リカバリーLV18』『ファイアLV32』『ストレージLV16』『ウインドLV1』『ロックLV1』『アイスLV1』『グラビティLV1』『ライトLV1』『逃げ足LV42』『魔物使役☆』『瘴気吸収☆』
 武器 鉄の剣:150
 防具 紫結晶の鎧:250 漆黒のブーツ:150



 魔物使役と瘴気吸収にはレベルが無いのか。
 ☆マークは魔王用だからか?

 まあいい、まずは才能値だ。

「お前ら!人を殺せ!おっと、年頃の女は生かしておけよ!俺が選んで遊んでやる!行ってこい!」

 その日から魔物の侵攻が始まった。



 ◇



「ち、雑魚どもが、すぐに死にやがって」

だがまあいい。


 ダスト 人族 男
 レベル:   45
 HP:   450      SS
 MP:    450    SS
 物理攻撃: 450    SS
 物理防御: 450    SS
 魔法攻撃: 450    SS
 魔法防御: 450    SS
 すばやさ: 450    SS
 固有スキル:魔王
 スキル:『剣LV19』『隠密LV39』『ヒールLV29』『リカバリーLV18』『ファイアLV32』『ストレージLV16』『ウインドLV1』『ロックLV1』『アイスLV1』『グラビティLV1』『ライトLV1』『逃げ足LV42』『魔物使役☆』『瘴気吸収☆』
 武器 鉄の剣:150
 防具 紫結晶の鎧:250 漆黒のブーツ:150


 やっと俺らしい才能値に変わったぜ。
 ち、魔物をパーティーに入れりゃあレベルも上げられたかもな。ミスったぜ。
 レベル……そうだ!


 俺は魔物を使役して集めた。
 そして並べる。

 俺は魔物を斬り殺す。

「次!もたもたしてんじゃねえ!早く来い!」

 列を作り、俺の前に歩かせて俺が殺す。
 何度も何度も飽きるほど魔物を殺して使役する。



 毎日魔物を斬って過ごすのも飽きてきたぜ。

 その時、突風が吹き、ガルウインが空に現れた。

「こっぽー!まだ生きていたのかい」

 そう言い終わると同時に風の刃を飛ばして俺を攻撃した。

「てめえ!何しやがる!」
「皇帝を殺した犯罪者を処分しようと思ってね」

「俺じゃねえ。俺は嵌められたんだ!」
「いいや、勇者ダストが殺したんだ。僕が始末してあげるよ。こっぽー!」
「話を聞けよくずがあ!ガルウインを殺せえ!」

「こ、こっぽ!」

 魔物の攻撃でガルウインは驚いたように俺から距離を取った。

「魔物ども!殺せええええ!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!」
「何!なんだ?この力は!雑魚じゃなくなっている!?」

「雑魚はおまえだクズがああ!てめえ!逃げてんじゃねえぞ!待てえええええ!」

 ガルウインは風魔法を使い飛んで逃げて行った。
 ガルウイン、殺す!
 絶対に殺す!

 俺は魔物を集め、レベルを上げて過ごした。
 砦を襲撃し、武器も手に入れた。



 遂に来たぜ!

 ダスト 人族 男
 レベル:   100
 HP:   1000      SS
 MP:    1000    SS
 物理攻撃: 1000    SS
 物理防御: 1000    SS
 魔法攻撃: 1000    SS
 魔法防御: 1000    SS
 すばやさ: 1000    SS
 固有スキル:魔王
 スキル:『剣LV19』『隠密LV39』『ヒールLV29』『リカバリーLV18』『ファイアLV34』『ストレージLV16』『ウインドLV1』『ロックLV1』『アイスLV1』『グラビティLV1』『ライトLV1』『逃げ足LV42』『魔物使役☆』『瘴気吸収☆』
 武器 漆黒の剣:500
 防具 紫結晶の鎧:250 漆黒のブーツ:150


 やっと俺にふさわしいステータスになったか。
 後は武器か。

『魔王スキルを取得しました』

 これは!へへへへ、そろそろ殺すか。
 ガルウイン!
 それが終わればゲット、貴様だ!





 あとがき
 ダストがアレになるまでを出来ればお盆に投稿したいと書いていました。
 有言実行を目指して追加投稿です。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無能の料理人と言われ領地を追い出されたが、何故か料理じゃなく戦いで頭角を現し無双します。俺を追い出したあいつは没落していくが、仕方ないよな

ぐうのすけ
ファンタジー
「犯罪者の無能が!」無実の罪と無能の烙印を押され、主人公【ハルト】は、パーティー・学校・ブラック領と3連続追放に追い込まれる。 追放されたハルトは、心も体もボロボロになりながらホワイト領にたどり着く。 「大丈夫!?今助けるわ!」ハルトは温かくホワイト領に迎えられる。 「こんなに良くしてもらったんだ。恩返しをしよう!」 ダンジョンで魔物を倒す生活を続けるとハルトの能力が覚醒する。 このことをきっかけにハルトの力でホワイト領の問題を解決していく。 周りの人に恵まれ、何人もの美少女に気に入られ、多くの人を助け慕われ、ハルトの暮らすホワイト領は発展していく。 一方ハルトを追放したパーティー【ブラックセイバー】のリーダーにして、ブラック領の当主である【テイカー】は、ハルトの料理スキルの恩恵を受けられなくなり、ダンジョン探索を失敗し続ける。さらにその傲慢な性格からパーティーの人間は離れブラック領の経営も傾き、没落していく。 これは無能と言われた少年が覚醒し、大逆転の成功を収める物語。 なろう・カクヨム・アルファポリスに投稿しています。

アイテムボックスだけで異世界生活

shinko
ファンタジー
いきなり異世界で目覚めた主人公、起きるとなぜか記憶が無い。 あるのはアイテムボックスだけ……。 なぜ、俺はここにいるのか。そして俺は誰なのか。 説明してくれる神も、女神もできてやしない。 よくあるファンタジーの世界の中で、 生きていくため、努力していく。 そしてついに気がつく主人公。 アイテムボックスってすごいんじゃね? お気楽に読めるハッピーファンタジーです。 よろしくお願いします。

NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。 城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。 速人は気づく。 この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ! この世界の攻略法を俺は知っている! そして自分のステータスを見て気づく。 そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ! こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。 一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。 そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。 順調に強くなっていく中速人は気づく。 俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。 更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。 強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』 カクヨムとアルファポリス同時掲載。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第二章シャーカ王国編

Sランクパーティから追放された俺、勇者の力に目覚めて最強になる。

石八
ファンタジー
 主人公のレンは、冒険者ギルドの中で最高ランクであるSランクパーティのメンバーであった。しかしある日突然、パーティリーダーであるギリュウという男に「いきなりで悪いが、レンにはこのパーティから抜けてもらう」と告げられ、パーティを脱退させられてしまう。怒りを覚えたレンはそのギルドを脱退し、別のギルドでまた1から冒険者稼業を始める。そしてそこで最強の《勇者》というスキルが開花し、ギリュウ達を見返すため、己を鍛えるため、レンの冒険譚が始まるのであった。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

W職業持ちの異世界スローライフ

Nowel
ファンタジー
仕事の帰り道、トラックに轢かれた鈴木健一。 目が覚めるとそこは魂の世界だった。 橋の神様に異世界に転生か転移することを選ばせてもらい、転移することに。 転移先は森の中、神様に貰った力を使いこの森の中でスローライフを目指す。

処理中です...