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第9話

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 ダンジョンの中層に行く前にお金の計算をしてみよう。
 大体ダンジョンの入り口で一日魔物を狩ると、10万ゴールド以上は
稼げるようになった。

 10万ゴールドあればここなら一カ月は生活出来る。

 昨日稼いだのは、

 スライム×15体で15000ゴールド。
 ゴブリン×23体で69000ゴールド。
 オーク×8体で56000ゴールド。

 計140000ゴールドか。

 一日で14万。
 命をかけているとはいえ、一日で一か月の生活費以上稼げるのは旨いな。
 ゼスじいとみんなが居てくれたおかげか。

 さらに1%の確率でドロップ品が出るから、運がいいと追加ボーナスが入る。

 中層ならもっと稼げるけど、今はレベル上げを優先しよう。

 俺はダンジョンの中層に向かった。

 ポイズンスパイダーとポイズンスネークだ!

 毒攻撃を受けるとHPが減っていく。
 
 俺は一気に距離を詰めてポイズンスパイダーに盾タックルをしてメイスで何度も殴り、倒した。
 ポイズンスネークが毒霧攻撃を仕掛けて来て、俺は毒の状態異常を受けた。
 俺は一気にポイズンスネークを攻撃して倒す。

 俺は走って目的地に急いだ。
 ダンジョンの壁のスイッチを押すと隠し扉があり、入ってすばやく入り口を閉める。

「リカバリー!」
 
 毒を解除してそのまま進む。
 奥には宝箱が4つあるのだ。

『15万ゴールドを手に入れました』
『鉄の鎧を手に入れました』
『魔法の杖を手に入れました』
『マジックメイスを手に入れました』

 マジックメイス以外使えないけど、売ればお金になるしお得だ。
 それだけではない。

 さらに奥に進むと、ダンジョンの高台にたどり着く。
 ここからダンジョンの中層を見下ろせるようになっている。

 俺は魔呼びのポーションを下に投げた。
 これで魔物が集まって来る。


 
 そして集まってきた魔物に爆発ポーションを10本投げ入れる。

 ドゴンドゴドゴドゴーーーン!

『レベルが20から21に上がりました』
『レベルが21から22に上がりました』

 魔呼びのポーションで集まってきた魔物を爆発ポーションで一網打尽にする。
 ゲームのポーション上げだ。
 安全にレベルアップ出来る小技で、序盤に良くやる。

 どっちも1本1万ゴールドするけど、魔物が落としたお金である程度カバーできる。
 俺はジャンプして下に降りてゴールドを拾う。

 そして走ってダンジョンの入り口に戻る。
 更に走って村の家に戻る。
 ポーション上げ成功だ!
 もっと続ける。

「父さん!魔呼びのポーションを5本と、爆発ポーションを50本欲しいんだ」

 父さんが驚いた顔をした。

「55万ゴールドかかるがいいのか?」
「問題無いよ!」

 俺は55万ゴールドの入った袋を置いた。
 俺は父さんからポーションを受け取ってダンジョンの中層に戻る。




 ドゴンドゴドゴドゴーーーン!

『レベルが22から23に上がりました』

 ドゴンドゴドゴドゴーーーン!

『レベルが23から24に上がりました』

 ドゴンドゴドゴドゴーーーン!

『レベルが24から25に上がりました』

 ドゴンドゴドゴドゴーーーン!
 ドゴンドゴドゴドゴーーーン!



 俺は金が無くなるまでダンジョンでポーション上げのレベルアップをした。

「今レベル27か」

 ゲームと違ってダンジョン中層の魔物が減ってきた。
 無尽蔵に魔物が出てくるわけではない。
 始まりのダンジョン中層の魔物はほとんどいなくなりたまにソロで出てくる程度だし、入り口近くの魔物も減ってきた。




 次はダンジョンの深層か。

 俺はダンジョンの深層に潜った。

 深層にはエースゴブリンしか出てこない。

 俺はレベルを上げた為、エースゴブリンは格下だし、正直毒攻撃をして来る中層の魔物より気が楽だ。

 エースゴブリンは全員短剣を持っているけど、いつものように盾で勢いを止めてメイスで殴れば普通に倒せる。

 俺はHPと物理防御の才能値がSSだ。
 ダメージを受けても格下ならそこまでダメージを受けない。

 俺はエースゴブリンを確実に倒していく。

 簡単な仕事だ。

 何日か始まりのダンジョンに通うと、魔物が少なくなっていた。

 宝のあるポイントに絞ってアイテムを探していく。
 その為の宝感知スキルだ。
 このスキルが無いとアイテムの正確な場所が分からない。
 ダンジョンの宝は分かりやすく宝箱に入っている物だけではないのだ。


 ダンジョン内全部のお宝を頂き、全部ゴールドに変える。

 そしてこのダンジョンにいるボスを無視して月に一回だけ出る馬車で街を目指した。
 ゲームでは大きな町の教会で神に100万ゴールドをささげることで才能値をアップする事が出来る。

 俺は教会に入って100万ゴールドを置いて神に祈りを捧げた。

『すべての才能値を1ランクアップしました。SSランクの才能値で上限に達した余剰才能値を他の才能値に割り振ってください』

「すべてすばやさに割り当てます」

『分かりました。才能値の振り分けが終わりました』

 俺は祈りを解いて、すぐに街を出て村に戻る。

 俺は才能値を見て考え込む。
 この方法は何度も使えない。
 次は億の金がかかり、2回目のコストは爆増するし、勇者のように才能値をすべて上限にすることは出来ない。
 この方法は出来る回数に限りがあるのだ。

 100万ゴールドで強化できるのは初回のみのボーナスのようなものだ。

 それに、実際に戦ってみて分かった事がある。

『炎魔法だけでは行き詰る』

 炎だけでは駄目で、メイスも上げる必要がある。
 ファイアの攻撃力は高いけど、MPの才能値をSSに上げてファイアを連発する戦い方は脆い。
 計算通りに魔物が出てこない為MP管理を失敗すれば囲まれてなぶり殺しにされる可能性がある。
 それに勇者ダストが炎耐性を持つ武具を揃えてきたら終わりだし、魔物にも炎耐性を持つ敵がいる。

 ゲームのように計算通りには行かない。
 メイス&盾、そして炎魔法、この2つでやって行かなければレベル上げの効率も落ちてしまうだろう。

 炎魔法しか使わない=MPが切れたら今日はレベル上げは終わり

 となってしまう。
 俺は勇者ダストをぶっちぎってやり返したいのだ。

 そう、レベル上げだ。
 俺は歩き出す。

 俺は無駄なくゲームのように動き、また始まりのダンジョンに戻る。
 
 そしてダンジョンの深層のボス部屋に入る。

 そこにはゴブリンキングがいた。
 短剣ではなく大きな両手剣を持ち、体長は2メートルと大きい。

「くっくっく、愚かな人間よ。身の程を教えてやる」
「よろしく頼む」
「珍しい奴だな。ダンジョンに入るやつも珍しいが、『よろしく頼む』と言う奴も珍しい」

「戦いを始めようか」
「くっく、死にたがりか。いいだろう。望み通り殺してやる」

 ゴブリンキングが両手剣を横なぎに振る。
 俺は円盾でガードし、懐にメイスを振るとゴブリンキングの動きが止まった。
 俺は何度もメイスを振ってゴブリンキングを倒した。

 レベル差がありすぎてゴブリンキングは攻撃を受ける度大きく仰け反る。
 ほぼハメ殺しに近い。
 ゴブリンキングが消えて大量のゴールドを吐き出し、更に両手剣がドロップ品として残った。

 やはり物理攻撃も使う必要がある。
 炎魔法より目立たないが粘り強い強さがある。

『レベルが29から30に上がりました』

「ここの推奨レベルは確か10、か」

 でも、ゲームではダストとアリシア2人で挑むから、モブの俺はこのくらい上げておいた方がいい。
 死んだら終わりだからな。

 ボス部屋を通過すると、ざまあチケットがあった。
 モブでも入手可能か。
 俺はざまあチケットをストレージにしまった。
 俺は中層に挑む前と今のステータスを比較した。



【ビフォー】

 ゲット 人族 男
 レベル:  20
 HP:  200   SS
 MP:    40    G
 物理攻撃: 80    E
 物理防御:200   SS
 魔法攻撃:200   SS
 魔法防御: 40    G
 すばやさ: 40    G
 固有スキル:無し
 スキル:『メイスLV26』『盾LV28』『子供LV1』『ファイアLV20』『ハイファイアLV10』『ヒールLV15』『リカバリーLV1』『トラップLV10』『宝感知LV1』『ストレージLV12』
 武器 黒鉄のメイス:200
 防具 黒鉄の円盾:70 ハイブリッドローブ:50 バトルブーツ:40


【アフター】

 ゲット 人族 男
 レベル:  30
 HP:  300   SS
 MP:    90    F
 物理攻撃:150    D
 物理防御:300   SS
 魔法攻撃:300   SS
 魔法防御: 90    F
 すばやさ:180    C
 固有スキル:無し
 スキル:『メイスLV30』『盾LV31』『子供LV1』『ファイアLV20』『ハイファイアLV10』『ヒールLV16』『リカバリーLV2』『トラップLV10』『宝感知LV8』『ストレージLV13』
 武器 マジックメイス:220 魔法威力+10%
 防具 黒鉄の円盾:70 ハイブリッドローブ:50 バトルブーツ:40



 強くなったけど、課題は炎の魔法を使っていない事だろう。
 ファイアとハイファイアのLVが全く上がっていない。
 どうしてもヒールの為にMPを温存して戦う立ち回りになってしまい、攻撃魔法に回すMPが無くなる。

 でも、もうすぐ固有スキルを授かる洗礼がある。
 それから炎魔法を上げるのも悪くないか。




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