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第30話
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キリヤの事件から一カ月が過ぎた。
マスコミの取材・配信コラボ・気功の依頼・きゅうを調べたい、など色々あったがすべてスルーしてリコとカノンを訓練した。
公道を走る際速度制限の条例は出来たが、車と同じルールさえ守っていれば問題無い。
だが、問題が起きた。
捕まったのだ。
「では、カケル君には、町おこしの為にお祭りの司会をしつつ配信をして貰います。
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!
そう、お祭りの司会だ。
「俺話すのは苦手なんだけどな?」
「大丈夫、カケルは話せるから」
「そうですよ。それに、息抜きも必要です」
確かにそうだ。
リコとカノンに疲れが出ている。
「私も手伝うよ」
「私も協力します」
リコとカノンが円陣を組むように立って手を前に出して重ねた。
俺も手を重ねるときゅうがその上に乗った。
その瞬間にみんなが笑った。
「にゃあああああ!」
「スナイプも一緒ですよ」
お祭りは3日後か。
急すぎる。
◇
【お祭り当日】
お祭りが始まると、基本配信をしながら台本を読むだけで進行で来た。
街のお祭りはプロのようなしゃべりは求められていない。
うまく話す必要はないんだ。
俺達は事前に何個か企画を出して通った。
その1つがきゅうとスナイプの撮影会である。
「きゅう、スナイプ、頼んだ」
「きゅう」
「にゃあああ」
スナイプの上にきゅうが乗る。
きゅうがスナイプの頭に乗って佇んだ。
パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!
街の外から訪れた人も集まり、スナイプときゅうにスマホを向ける。
『盛り上がってるねえ』
『カケルはなんだかんだ言ってるけどやれば出来る子』
『カケルの司会が良いな』
『声がいいよな』
『多分、適当な司会で進行するよりクオリティが高くなってるはず』
俺はその横でお祭りの進行を続ける。
きゅうを抱っこしていがぐりを持って来た。
「きゅう!」
きゅうが俺の脇に顔を埋める。
いらないの意味だ。
会場から可愛いと声が出て笑い声が響いた。
「きゅう、いがぐりの中身は栗だぞ」
「きゅ?」
きゅうが顔を出した。
いがぐりから栗を取り出して見せるときゅうが栗を欲しがった。
そこでまた笑いが起きる。
「今あげるからな」
ベキバキ!
俺は手で栗の殻を潰して中身を食べさせた。
「きゅう♪」
『手がくるみ割り機な件』
『さらっとやらかしてくるよな』
『きゅうが可愛い』
『木の実が大好きなきゅう』
『頬に溜めとる』
『俺も行きたかったわ』
『田舎に行く金がない』
『休みだけど家で見てるわ。金がない』
『移動だけで高いよな。新幹線→バスで時間もかかる』
『近くに空港もバスも無いのが痛い』
『田舎だもの、仕方ないよ』
その後もリコとカノンがきゅうとスナイプを使って色々行いつつ司会を進行する。
◇
俺が司会を続けると2人が耳打ちをしてきた。
田舎のお祭りなので色々緩いのだ。
「カケル、お腹空いてない?」
「何か買ってきますよ」
「助かるけど、気をつけてな」
「さすがに今はお祭り中ですから、人の目がありますよ」
「そうだな、うん。たこ焼きと焼きそば、それと唐揚げか焼き鳥を頼む。あ、各2つな」
「多くない!?」
「カケルは育ちざかりなんですよ。買ってきますね」
「頼むな」
俺はきゅうを護衛につけようか迷った。
だが、人の目がある。
警察も見回りをしている。
警察の前でキリヤはおとなしくしていた、他のヤバい人間は警察が取り押さえる、問題は無いだろう。
司会は少し疲れるけど、こういうのもたまには良いな。
うまく言葉に出来ないけど、何かが噛み合うような、不思議な感覚に包まれていた。
マスコミの取材・配信コラボ・気功の依頼・きゅうを調べたい、など色々あったがすべてスルーしてリコとカノンを訓練した。
公道を走る際速度制限の条例は出来たが、車と同じルールさえ守っていれば問題無い。
だが、問題が起きた。
捕まったのだ。
「では、カケル君には、町おこしの為にお祭りの司会をしつつ配信をして貰います。
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!
そう、お祭りの司会だ。
「俺話すのは苦手なんだけどな?」
「大丈夫、カケルは話せるから」
「そうですよ。それに、息抜きも必要です」
確かにそうだ。
リコとカノンに疲れが出ている。
「私も手伝うよ」
「私も協力します」
リコとカノンが円陣を組むように立って手を前に出して重ねた。
俺も手を重ねるときゅうがその上に乗った。
その瞬間にみんなが笑った。
「にゃあああああ!」
「スナイプも一緒ですよ」
お祭りは3日後か。
急すぎる。
◇
【お祭り当日】
お祭りが始まると、基本配信をしながら台本を読むだけで進行で来た。
街のお祭りはプロのようなしゃべりは求められていない。
うまく話す必要はないんだ。
俺達は事前に何個か企画を出して通った。
その1つがきゅうとスナイプの撮影会である。
「きゅう、スナイプ、頼んだ」
「きゅう」
「にゃあああ」
スナイプの上にきゅうが乗る。
きゅうがスナイプの頭に乗って佇んだ。
パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!
街の外から訪れた人も集まり、スナイプときゅうにスマホを向ける。
『盛り上がってるねえ』
『カケルはなんだかんだ言ってるけどやれば出来る子』
『カケルの司会が良いな』
『声がいいよな』
『多分、適当な司会で進行するよりクオリティが高くなってるはず』
俺はその横でお祭りの進行を続ける。
きゅうを抱っこしていがぐりを持って来た。
「きゅう!」
きゅうが俺の脇に顔を埋める。
いらないの意味だ。
会場から可愛いと声が出て笑い声が響いた。
「きゅう、いがぐりの中身は栗だぞ」
「きゅ?」
きゅうが顔を出した。
いがぐりから栗を取り出して見せるときゅうが栗を欲しがった。
そこでまた笑いが起きる。
「今あげるからな」
ベキバキ!
俺は手で栗の殻を潰して中身を食べさせた。
「きゅう♪」
『手がくるみ割り機な件』
『さらっとやらかしてくるよな』
『きゅうが可愛い』
『木の実が大好きなきゅう』
『頬に溜めとる』
『俺も行きたかったわ』
『田舎に行く金がない』
『休みだけど家で見てるわ。金がない』
『移動だけで高いよな。新幹線→バスで時間もかかる』
『近くに空港もバスも無いのが痛い』
『田舎だもの、仕方ないよ』
その後もリコとカノンがきゅうとスナイプを使って色々行いつつ司会を進行する。
◇
俺が司会を続けると2人が耳打ちをしてきた。
田舎のお祭りなので色々緩いのだ。
「カケル、お腹空いてない?」
「何か買ってきますよ」
「助かるけど、気をつけてな」
「さすがに今はお祭り中ですから、人の目がありますよ」
「そうだな、うん。たこ焼きと焼きそば、それと唐揚げか焼き鳥を頼む。あ、各2つな」
「多くない!?」
「カケルは育ちざかりなんですよ。買ってきますね」
「頼むな」
俺はきゅうを護衛につけようか迷った。
だが、人の目がある。
警察も見回りをしている。
警察の前でキリヤはおとなしくしていた、他のヤバい人間は警察が取り押さえる、問題は無いだろう。
司会は少し疲れるけど、こういうのもたまには良いな。
うまく言葉に出来ないけど、何かが噛み合うような、不思議な感覚に包まれていた。
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