上 下
11 / 38

第11話

しおりを挟む
 ネコノはその後も戦闘を続けた。

「カケルさんは後ろで見てて!」
「分かった」

 ネコノが4体のアリを倒していく。

『カケルがいると頼もしいな』
『いざとなれば瞬殺&気功があるからな』
『しかし1回目、2回目、3回目とアリだけだな』
『ムカデとクモ、ダンゴムシまだあ?』
『アリは距離を取って連携したりするから、1度当たれば何度も当たるのはよくあるで』
『まあ、カマキリよりもアリは安心して見てられるわ。アリの連戦は悪くない』

「はあ、はあ、倒したよ!」

『おめ~』
『お疲れー!』
『リコの動きが綺麗で良いな』

「ネコノ、大穴を出ようか。息が上がっている」
「そ、そうだね。配信を終わるね」

『大穴を出るまで継続希望』
『同じく』
『俺も同じく』

「……大穴を出るまで配信を続けるね」
「分かった」

 きゅうとネコノが反応した。

「アリが13体いるよ!」
「俺がやろう」

 俺はアリ13体を拳で倒した。
 魔石に変わった瞬間に空中で魔石をキャッチする。

『あっけないくらいサクッと倒すよな』
『倒すのが速いよ!』
『倒した瞬間に魔石をキャッチするのがかっこいいな』
『なんだろう。作業のように無駄がない感じがする』
『カケルが倒すとアリが弱く見えてしまうから不思議だ』

 少し目立ってしまったが、これで良かったと思う。
 隠れていると会社時代に部長に気を使っていた頃を思い出してしまうのだ。
 顔出しは、会社と決別する儀式のように利用する、これでいいのだ。

 もう俺は会社とは関係ない、自由にしていいのだ。
 俺達は歩いて大穴を出た。

「チャンネル登録といいねをよろしくね!バイバイ!」

 昼前に大穴を出て配信を終わらせた。

「お腹空いた?」
「きゅう!」
「空いたみたいだな」
「うん、きゅうもだけど、カケルさんはお腹空いた?」

「そうだな。空いた」
「じゃあ私が作っていい?」

 反射的に断ろうと思った。
 でも、断っても昨日と同じ流れになるだろう。
 受け入れた上でお金を払おう。

「……お願いします」
「2人は何が好きなの?」
「俺はカレーパンと、後、何でも食べるな。きゅうは、俺と同じで何でも食べるけど、きゅうもカレーパンが好きだ」

「スパイスカレーは好きかな?」
「俺もきゅうも大好きだ」
「カツカレーは?」
「好きだ」

「スパイスカツカレーにしよ」
「きゅう♪」
「きゅうも大喜びだ」
「きゅうは分かりやすいよね」

「お金は払うから」
「いいよいいよ、それを言うならカケルさんときゅうのおかげで登録者数が増えたから、私がお金を払わないといけなくなっちゃう」

 そう言って俺を見つめる。
 ネコノが作ってくれて何が食べたいかもちゃんと聞いてくれる。
 とてもやりやすい。

「そっか、うん、ご馳走になります」
「よろしい」

 2人でネコノの家に着くと中に入ってキッチンに座って待つ。

「あ、お肉が無い、ちょっと時間がかかるかも」
「買って来るぞ」

 丁度いい、肉代位は払おう。
 ごちそうになってばかりだと悪い気がしてくるのだ。

「お願い。ひき肉のスパイスカレーなら早く出来るけど、どうだろ?」
「きゅう、大丈夫か」
「きゅう」

 きゅうがこくりと頷いた。
 まるで重鎮のようにテーブルに佇む。

「買って来る」
「600グラム以上でお願い、出来ればあいびき肉で」
「分かった。何か飲むか?」
「野菜ジュースで」
「買って来る」

 スーパーで買い物をして帰ると玉ねぎを炒めるいい匂いがした。

「お帰り」
「……ただいま」

 お帰りと声をかけられて不思議な気持ちがした。
 きゅうがネコノの頭に乗って炒めて色がついていく玉ねぎをじっと見つめている。
 ……きゅうは、凄く楽しみにしてるじゃないか。
 俺は思わず笑ってしまった。

「え?なになに?」
「きゅうが、スパイスカレーが出来るのを今か今かと待ってて面白かった」

「ふふふ、きゅう、楽しみなの?」
「きゅう♪」
「きゅうが頭に乗ると頭がぽかぽかしてくるね」
「体温が高いんだ」
「きゅうカイロだね」

 俺は笑った後冷静になった。
 今までちゃんとした料理を作ってやれなかった。
 時間さえあれば料理は出来るんだけど……
 これからはきゅうに手の込んだ料理を作ろう。

「丁度良かった」
 
 俺はひき肉を渡すと、ひき肉を投入して炒めた。
 更にトマトの缶詰を入れて水分を飛ばしている。

「ゆっくりしてて」
「ああ、後はよろしく」

 制服の上からエプロンをつけて料理をするネコノを後ろから見つめる。
 動きが綺麗で見ていて飽きない。

 スパイスの匂いが部屋中に広がってサラダ・スープ・ご飯にスパイスカレーが盛られて運ばれてきた。

「私がきゅうに食べさせていい?」
「いいけど、きゅうは顔で食べるからなあ」

「カレーで顔が汚れちゃうよね……あ!動画にしていい?」
「いいぞ」

 いつもの挨拶をして撮影を始める。

「ネコリコチャンネルのリコです。カケルさんもいます」
「あ、どうも、カケルです」
「今日はきゅうコラボできゅうにスパイスカツカレーを食べさせていくよ」

 これって、炎上しないか?
 ネコノと同じ建物の中にいる。
 でも、ネコノは炎上を気にしていないようだった。

 後、食べさせる企画なら、ネコノが作る所から動画を撮った方がいいと思った。
 あ、今思いついて始めたのか。

『うおおおおぉ!うまそう!』
『ぱんにゃんのカレーパンを食べた事がある。拙論絶対にうまい奴!』
『きゅうの目が輝いておられる』
 
 ネコノはテーブルに座るきゅうに向き合い、右手にスプーン、左手にスマホを構えて食べさせる。

「は~い、今からきゅうがカレーを食べま~す。あーん」

 きゅうは顔をカレーまみれにしながら食べる。

『きゅうの口にカレーの髭が付いとる』
『可愛いな』
『きゅうはマジ天使だわ』

「ふふふふ、顔で食べてる、ふふふふふ」

『リコの声がエロいな』
『音声をリピートしよ』
『お前ら、自分がきゅうになったつもりで、後は分かるな?』

 ネコノの声もいいんだよな。
 きゅうを見ない層にも見て貰える動画になる気がする。

 撮影が終わると、ネコノが叫んだ。

「あ!そうだ!」
「どうした?」
「そう言えば、きゅうの1日ルーティンの要望があったよ。カケルさん、作ろうよ。絶対に伸びるよ!」

「その前に、ネコノはチャンネル登録者数を増やしたいか?」
「増やしたいよ?」
「なら、ネコノの動画で撮ろう」

「え?でも、作ればお金になるよ?多分、再生数は伸びるよ?」
「いや、いいんだ。コラボしようか」

「……ありがとう」

 ネコノが俺の手を両手で握って抱きしめるように胸に近づけた。
 ネコノは、俺が本気で嫌がっていなければ遠慮しないんだろうな。
 ……俺は、ネコノとぶつかりそうになった時も、本気で嫌がっていなかったのか? 
 心にもやがかかったような感覚がする。

「じゃ、いこっか」
「ん?」
「カケルさんの家」
「んん?」

 1日ルーティン、きゅうが起きてから寝るまで、つまり俺の家か。
 そう言えばそうなる。

 食後に俺の家に向かった。

「お邪魔します……ガランとしてるね」
「物が増えると掃除が面倒だし、節約してたから」

 掃除をしておいて良かった。

「え?節約して何か欲しい物でもあるのかな?」
「無いけど急に会社を辞める事になったり何が起きるか分からないのと、後は」
「ごめんごめん!もういいよ!」

「暗い話をしてしまった。動画撮影を始めようか。きゅうも準備できてるか?起きる所から体を洗って寝る所までを撮影するぞ」
「きゅう♪」

「嬉しそうだね」
「洗われるのが好きだから」

 きゅうがベッドに乗って目を閉じた。

「ふふふ、もうスタンバイ出来てる」

 俺もベッドで寝る。

「あ、待って」

 ネコノが俺の髪を触る。
 そして髪を手櫛でセットした。
 ネコノは不意打ちのようなボディタッチがたまにある。
 触られるたびにドキッとする。

「寝起きでも、髪を整えるよ。カーテンも閉めるね」

 俺ときゅうが寝てネコノがスマホを構える。

「いいよ」

 きゅうが起きて俺の顔をすりすりする。

「きゅう、おはよう」
「いいよ!いい!どんどん行こう」
「続けて撮るんだな」
「後で編集するから気にせず続けて」

 きゅうが俺の手に乗った。
 洗面所にお湯を溜めてきゅうを入れる。きゅうは目を閉じて俺に体を委ねなすがまま洗われた。

 その後はコーンフレークタイム、そして大穴に行くためきゅうを乗せて玄関のドアを開けて部屋を出た。
 すぐ戻ってきて食事、そして俺の頭に乗る。

「お風呂なんだけど、下にズボンを履いて上だけ裸になってきゅうを洗えば問題無いよな?会社時代はシャワーで済ませてたけど、浴槽で下半身は隠しておきたいし、湯気で動画が曇るからお湯は貯めずにきゅうを洗っている所だけ見せるか」
「それでいこ」

 俺は上を脱いだ。
 ネコノの顔が赤い様な気がしたがそのまま続けた。
 急に服を脱がれたらびっくりするよな。

「きゅう、次はお風呂であわあわマッサージだ」
「きゅう♪」

 きゅうを桶に入れて泡で洗い、乾かしてベッドに入る。

「はい、お疲れ様」
「いやいや、これからの編集の方が大変だからな」

「いい動画にするよ」
「俺の方で、適当にネコリコチャンネルを宣伝していいか?」
「え?いいの?」
「うん」
「お願いするね。後でお返しするよ」

「いいって、家まで送ろう」
「大丈夫、まだ外は明るいよ」
「でも、ヤバそうな人に絡まれてたばかりだ。違うな、このまま一人で帰して何かあったら嫌なんだ。送っていこう」

 俺は遠慮するネコノを強引に家まで送った。

「今日はありがと、明日も時間はあるかな?」
「どうだろ?きゅうの気分や会社を辞めた後の整理次第で変わるかな」

 嘘である。
 作ろうと思えば時間は作れる、でも、心に引っ掛かりがあった。
 部長との関係でまだ俺は疲れているのかもしれない。

 また会いたいような、距離を置きたいような、2つの想いが混ざり合うような感覚だ。

「そっか、バイバイ」
「また」

 また、か。
 俺はアパートに帰った。

 ネコノと、ネコノママの事を思い出す。
 2人は楽しそうに話をしていた。
 あれが、普通の家族なんだろうか?

 ネコノが料理を作る姿を思い出す。
 笑顔で美味しい料理を作って貰って、不思議な感覚になった。

 俺はまたネコノと会うのを躊躇している。
 でも、心が温かくなって、楽しかった。

「俺は、俺は、どうしたいんだ?」

 正反対の想いがぶつかり合い、俺の心は揺れていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

人気MMOの最恐クランと一緒に異世界へ転移してしまったようなので、ひっそり冒険者生活をしています

テツみン
ファンタジー
 二〇八✕年、一世を風靡したフルダイブ型VRMMO『ユグドラシル』のサービス終了日。  七年ぶりにログインしたユウタは、ユグドラシルの面白さを改めて思い知る。  しかし、『時既に遅し』。サービス終了の二十四時となった。あとは強制ログアウトを待つだけ……  なのにログアウトされない! 視界も変化し、ユウタは狼狽えた。  当てもなく彷徨っていると、亜人の娘、ラミィとフィンに出会う。  そこは都市国家連合。異世界だったのだ!  彼女たちと一緒に冒険者として暮らし始めたユウタは、あるとき、ユグドラシル最恐のPKクラン、『オブト・ア・バウンズ』もこの世界に転移していたことを知る。  彼らに気づかれてはならないと、ユウタは「目立つような行動はせず、ひっそり生きていこう――」そう決意するのだが……  ゲームのアバターのまま異世界へダイブした冴えないサラリーマンが、チートPK野郎の陰に怯えながら『ひっそり』と冒険者生活を送っていた……はずなのに、いつの間にか救国の勇者として、『死ぬほど』苦労する――これは、そんな話。 *60話完結(10万文字以上)までは必ず公開します。  『お気に入り登録』、『いいね』、『感想』をお願いします!

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

処理中です...