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第100話 ジョーカーの決意

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 俺は馬車に乗ってセリアの回復魔法を受けた。

「無茶し過ぎですよ」
「ジョーカーは普通の攻めは想定しているだろうからな。予想の斜め上を行く必要があった」

「わたくしも無理が過ぎると思いますわ。わたくしに成長のカードを使ってからユウタ一人で飛び込んでモンスターが密集した所に矢を放ち、大魔法を放った後精鋭部隊で突撃を仕掛ける。更にアリーチェの巫女スキルですべて回復させておさわりじじいをおとりにした後また奇襲をかける。やっている事は危険だらけでしたわよ」

「後の事を考えればこれが一番安全だと思う。それに俺に目が向いている隙にアリーチェとサーラがモンスターをたくさん倒す事が出来た」
「確かに目的は達成しましたわ。モンスターを減らす、と見せかけて、メインの目的はユウタを目立たせる事ですわよね?」

「かなりうまく行ったと思う。もう俺のスキルは分析されて対策されている。でも、これから俺が動いただけでジョーカーは俺を警戒するだろう。それと、ジョーカーはおさわりじじいをかなり警戒していたな」

「ユウタはモンスターを減らす以外にユウタを警戒させたかったのよね?」
「もう1つあるぞ、食料都市マリンに攻めさせない為でもある。あそこは防壁が無いから守るには不利だからな」

「……え? さっきの攻めで、マリンに攻めなくなったの?」
「言ってなかったな。食料都市マリンに続く道は森が多い、で、大軍がやられたく無いのはゲリラ戦だ。ゲリラ戦は少ない兵士で奇襲をかけて敵が迎撃態勢を整える前にすぐ逃げるような戦い方だ。さっきのゲリラ戦でジョーカーは思っただろう。ゲリラ戦を受けたくない。森に入った瞬間に俺が奇襲をかけてくるってな」

「……色々考えているのね」
「向こうの世界じゃそういうゲームもあるからな」

「後ろからおさわりじじいが来ますわ!」
「もう元気になったのか。おさわりじじいと話を、いや、交渉をしてくる」

 俺はおさわりじじいと交渉を始めた。



【ジョーカー視点】

 眠らずに移動して草原に出た。
 駒を休ませるが目障りな奴がいた、どうやら奴はおさわりじじいと呼ぶらしい。

 何度も何度も何度も野営地に近づいて来て地味に斥候がやられいていく。
 周りに敵がいない事を確認し、僕とオーガス、ブリーザで本気で追い詰めようとした。
 それでもおさわりじじいには逃げられた。
 そして野営地に戻るとまたおさわりじじいがいる。

 本当に頭にくる。
 目ざわりで目ざわりで仕方がない。

 ここにとどまっていればまたいつユウタが現れるか分からない。
 奴の固有スキル効果は大体わかった。

 成長力を1時間高めるスキル

 ダイスレインは目の数×100のアタックダイスを出すユウタの最大火力。

 ミサイルナイフは10本のナイフが自動で敵を倒し、射程はかなり長いが瞬発力には欠ける。

 マジックハンドは10本の黒い手が相手の動きを阻害する、だがこれも決め手には欠ける。

 分からないのは固有スキルを再使用するまでの時間だ。
 しばらく使わないかと思えば連続で使ってくる。
 法則性が何も無い。

 そして何よりも、ユウタ自身の成長力が高すぎるのとユウタが王都に来てから国が活性化している。
 ユウタに……敵に時間を与えてはまずい。

 もっと早く攻めるべきだった。

「すぐに進軍を再開する」
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