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第76話 巫女
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俺は高級宿屋を出て、街はずれの高台にポツンとある一軒家を借りた。
童話に出て来そうな丸い窓、デザイン重視の建物に味がある。
立地的に防壁に近い為家具有り、一カ月たった金貨1枚(日本円で1万円)で借りられた。
食糧などの物資はまとめ買いをしてアイテムボックスに入れておけばいい。
買い物に行って来よう。
たくさんパンを買ってきて、ベーコンや肉を買って、コーヒー豆も買おう。
料理をしてコーヒーを楽しみながら今後の計画を立てる。
俺は街に出た。
声が聞こえる。
「きえええええい!」
バチバチバチバチ!
「腕を、上げたのう、がくり」
……何も無かった。
俺はパン屋に向かった。
「パンを買えるだけ全部下さい」
俺は金貨を5枚出した。
呆れたような顔で店主がパンを売る。
その後俺は牛乳・卵・ベーコン・野菜を買えるだけ買ってコーヒー豆も買い占めた。
まとめ買いをする事でやる事を減らしていく。
やる事を減らし、何をするかゆっくりと考えたい。
おさわりじじいが木に吊るされていぶされていた。
「ユウタ、良い所に、ワシを助けるんじゃ、助けるんじゃ!」
逆さまに吊るされたおさわりじじいがすすを被りながらブランブランと揺れる。
俺はその場を立ち去り家に戻った。
家の前にアリーチェがいた。
「アリーチェ?」
「ユウタ、遊びに来たわよ」
「学園から出て大丈夫なのか」
アリーチェがすっと目を逸らした。
「……大丈夫よ」
多分、適当な事を言って抜けてきたんだろう。
でも、言わないでおこう。
「ならいいんだ。色々食べ物を買って来たから一緒に食べよう」
「私が作るわ」
「ゴーレムで」
「私が作りたいの」
「頼む」
アリーチェと2人で食事を用意して、2人で食べた。
家にはお風呂もあって交代でお風呂にも入った。
そして外は暗くなった。
「ユウタには感謝しているのよ」
アリーチェが俺の手を握った。
マッサージをしたあの時と同じ雰囲気を感じて鼓動が高まり熱が上がっていく。
「……」
「……」
「賭けをしましょう。ユウタが勝ったら、私と、シテ、違うわね。私の体を朝まで好きにしていいわ」
俺の視線も、想いもアリーチェには全部バレていた。
アリーチェを好きに出来るのか!
勝ちたい!
絶対に勝ちたい!
「ルーレットで良いか?」
「いいわ、ユウタが黒か赤を選んで、緑が出たらユウタの勝ちよ」
「分かった。ふー! ふー! ルーレット!」
どっちだ?
どっちに落ちる?
アリーチェを見つめた。
褐色で潤いがありきれいな肌に目が行く。
天から降ってくるように言葉が出てくる。
「黒、黒にする」
ボールを回転させた。
ボールがくるくると回る。
黒! 黒! 黒が出ろ!
ボールの動きがゆっくりになってルーレットに落ちながら踊る。
黒! 黒!
カタン!
「はあ、はあ、黒、黒に落ちた」
「私の、負けね。ベッドに行きましょう」
「ああ、ああ、そうだな」
俺は溜めに溜めてきた。
この想いを、渇望感を修行の力に昇華させ続けてきた。
今ここで、縛りを解除する!
ベッドに上がる前にアリーチェが振り返った。
「ゆ、ユウタ、私ね。避妊の魔法をかけて貰っているの」
俺の体が理性を失い、後ろからアリーチェに抱き着いた。
「もう、止められないから」
「ふ!」
俺とアリーチェは、その日1つになった。
◇
【アリーチェ視点】
チュンチュンチュンチュン!
これが、本気の、ユウタ……
私は完全に操られていた。
ユウタの技で私は反応して思うがままに仰け反った。
何度も意識を失って、何度も天国に行くような快楽を味わった。
「疲れたよな? 少し眠るか?」
「大丈夫よ。それよりもすごく、喉が渇いたわ」
「コップと水差しを忘れていた」
ユウタは笑顔で水差しとコップを持って来てくれた。
私は水差しの水をすべて飲み干した。
「コーヒーと、軽い朝食を食べないか?」
「……貰うわ」
ユウタはご機嫌だ。
ベッドの上でぼーっとしてからビキニアーマーを着てテーブルの椅子に座る。
ユウタが料理をする後ろ姿に目が行ってしまう。
引き締まった体、たくましい腕。
温め直したパンとベーコンエッグ、サラダとスープ、そしてコーヒーのいい匂いがする。
コンコン!
「はい!」
ユウタが玄関を開けるとセリアとサーラがいた。
サーラは気配で私達が起きているかどうかわかる。
「おはようございます」
「いい匂いがしますわね」
「朝食がまだなら、皆分作れるぞ」
「いただきますわ」
「私も食べます」
「……」
「……」
「どうした?」
「ユウタ、機嫌がいいですわね。良すぎますわ」
「アリーチェ、ユウタ、昨日の夜から2人でいました?」
「……」
「……」
「……そうですのね。2人の顔で分かりましたわ。もう無理に答えなくて大丈夫ですわ」
2人がテーブルを囲んで座った。
全員分の料理がテーブルに乗って食事が始まった。
「2人は忙しいだろ? 優秀なスカウトと賢者は貴重だ」
「落ち着いたと思えばクエストが来ます」
「わたくしも同じですわ」
「王は気を使っていますが、ユウタにも手伝って欲しいと思っていますよ」
「やる事を減らして、何が出来るか1人で考えようとしていたんだ」
「1人で考えようとして、2人でこうなったんですね」
セリアが私とユウタを見た。
「もういいじゃない、ユウタはこれから考えればいいのよ!」
アリーチェが大きな声で言った。
みんなで話が始まった。
私の固有スキルは進化した。
『乙女の接吻→巫女』
乙女じゃなくなった私。
恥ずかしくて皆に言えない。
童話に出て来そうな丸い窓、デザイン重視の建物に味がある。
立地的に防壁に近い為家具有り、一カ月たった金貨1枚(日本円で1万円)で借りられた。
食糧などの物資はまとめ買いをしてアイテムボックスに入れておけばいい。
買い物に行って来よう。
たくさんパンを買ってきて、ベーコンや肉を買って、コーヒー豆も買おう。
料理をしてコーヒーを楽しみながら今後の計画を立てる。
俺は街に出た。
声が聞こえる。
「きえええええい!」
バチバチバチバチ!
「腕を、上げたのう、がくり」
……何も無かった。
俺はパン屋に向かった。
「パンを買えるだけ全部下さい」
俺は金貨を5枚出した。
呆れたような顔で店主がパンを売る。
その後俺は牛乳・卵・ベーコン・野菜を買えるだけ買ってコーヒー豆も買い占めた。
まとめ買いをする事でやる事を減らしていく。
やる事を減らし、何をするかゆっくりと考えたい。
おさわりじじいが木に吊るされていぶされていた。
「ユウタ、良い所に、ワシを助けるんじゃ、助けるんじゃ!」
逆さまに吊るされたおさわりじじいがすすを被りながらブランブランと揺れる。
俺はその場を立ち去り家に戻った。
家の前にアリーチェがいた。
「アリーチェ?」
「ユウタ、遊びに来たわよ」
「学園から出て大丈夫なのか」
アリーチェがすっと目を逸らした。
「……大丈夫よ」
多分、適当な事を言って抜けてきたんだろう。
でも、言わないでおこう。
「ならいいんだ。色々食べ物を買って来たから一緒に食べよう」
「私が作るわ」
「ゴーレムで」
「私が作りたいの」
「頼む」
アリーチェと2人で食事を用意して、2人で食べた。
家にはお風呂もあって交代でお風呂にも入った。
そして外は暗くなった。
「ユウタには感謝しているのよ」
アリーチェが俺の手を握った。
マッサージをしたあの時と同じ雰囲気を感じて鼓動が高まり熱が上がっていく。
「……」
「……」
「賭けをしましょう。ユウタが勝ったら、私と、シテ、違うわね。私の体を朝まで好きにしていいわ」
俺の視線も、想いもアリーチェには全部バレていた。
アリーチェを好きに出来るのか!
勝ちたい!
絶対に勝ちたい!
「ルーレットで良いか?」
「いいわ、ユウタが黒か赤を選んで、緑が出たらユウタの勝ちよ」
「分かった。ふー! ふー! ルーレット!」
どっちだ?
どっちに落ちる?
アリーチェを見つめた。
褐色で潤いがありきれいな肌に目が行く。
天から降ってくるように言葉が出てくる。
「黒、黒にする」
ボールを回転させた。
ボールがくるくると回る。
黒! 黒! 黒が出ろ!
ボールの動きがゆっくりになってルーレットに落ちながら踊る。
黒! 黒!
カタン!
「はあ、はあ、黒、黒に落ちた」
「私の、負けね。ベッドに行きましょう」
「ああ、ああ、そうだな」
俺は溜めに溜めてきた。
この想いを、渇望感を修行の力に昇華させ続けてきた。
今ここで、縛りを解除する!
ベッドに上がる前にアリーチェが振り返った。
「ゆ、ユウタ、私ね。避妊の魔法をかけて貰っているの」
俺の体が理性を失い、後ろからアリーチェに抱き着いた。
「もう、止められないから」
「ふ!」
俺とアリーチェは、その日1つになった。
◇
【アリーチェ視点】
チュンチュンチュンチュン!
これが、本気の、ユウタ……
私は完全に操られていた。
ユウタの技で私は反応して思うがままに仰け反った。
何度も意識を失って、何度も天国に行くような快楽を味わった。
「疲れたよな? 少し眠るか?」
「大丈夫よ。それよりもすごく、喉が渇いたわ」
「コップと水差しを忘れていた」
ユウタは笑顔で水差しとコップを持って来てくれた。
私は水差しの水をすべて飲み干した。
「コーヒーと、軽い朝食を食べないか?」
「……貰うわ」
ユウタはご機嫌だ。
ベッドの上でぼーっとしてからビキニアーマーを着てテーブルの椅子に座る。
ユウタが料理をする後ろ姿に目が行ってしまう。
引き締まった体、たくましい腕。
温め直したパンとベーコンエッグ、サラダとスープ、そしてコーヒーのいい匂いがする。
コンコン!
「はい!」
ユウタが玄関を開けるとセリアとサーラがいた。
サーラは気配で私達が起きているかどうかわかる。
「おはようございます」
「いい匂いがしますわね」
「朝食がまだなら、皆分作れるぞ」
「いただきますわ」
「私も食べます」
「……」
「……」
「どうした?」
「ユウタ、機嫌がいいですわね。良すぎますわ」
「アリーチェ、ユウタ、昨日の夜から2人でいました?」
「……」
「……」
「……そうですのね。2人の顔で分かりましたわ。もう無理に答えなくて大丈夫ですわ」
2人がテーブルを囲んで座った。
全員分の料理がテーブルに乗って食事が始まった。
「2人は忙しいだろ? 優秀なスカウトと賢者は貴重だ」
「落ち着いたと思えばクエストが来ます」
「わたくしも同じですわ」
「王は気を使っていますが、ユウタにも手伝って欲しいと思っていますよ」
「やる事を減らして、何が出来るか1人で考えようとしていたんだ」
「1人で考えようとして、2人でこうなったんですね」
セリアが私とユウタを見た。
「もういいじゃない、ユウタはこれから考えればいいのよ!」
アリーチェが大きな声で言った。
みんなで話が始まった。
私の固有スキルは進化した。
『乙女の接吻→巫女』
乙女じゃなくなった私。
恥ずかしくて皆に言えない。
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