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第52話 違和感と斥候

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 ロックガトリングが俺に集中して飛んでくる。
 大勢を狙わず、俺だけを狙ったロックガトリングは脅威だ
 その脅威が、成長のカードが俺を引き上げていく。

 ドガガガガガガガガガガガガガガガガ!

 ギリギリで攻撃を避ける。

『速力192→211』

『器用292→299』

 回避しきれずスキルを使った。

「パラソル!」

 パラソルで攻撃を凌ぐがパラソルが持たない。
 俺は素早く横に飛んで全力で走り攻撃を躱す。

『体力201→221』

『速力211→230』

『器用299→311』

 1発目を凌いだ!

「もうパラソルは使えない!ロックガトリング!」
「く、2発目!」

 ドガガガガガガガガガガガガガガガガ!

 最低限の動きでロックガトリングを躱す。

 弾幕に飛び込みながらギリギリで攻撃を躱していった。
 極限状態が俺を一気に引き上げていく。

『体力221→238』

『速力230→261』

『器用311→331』

「ゆ、ユウタ殿!あれを避けるのか!」
「す、凄すぎますわ!」
「信じられません!」
「ユウタは特別なのよ!」

 だが途中で避けられなくなり、両手で持ったステッキで岩を叩き落していく。
 攻撃が重い!
 1発叩き落すたびにバランスが崩れるがそれでもヒットを避け続ける。
 バランスを崩し転倒しながらもそれでもステッキを思いっきり振りつつ岩を叩き落した。

『体力238→271』

『速力261→281』

『器用331→338』

「あの体勢で攻撃を凌ぎきったのか!」
「す、凄すぎる!」
「ああ、でも!3発目が来るわ!」

「頑張った方だ!だがこれで終わりだ!ロックガトリング!」
「これで3発撃ったな!ロックショット!」

 俺はステッキを振り回避しようとしたがそれでも攻撃を受けた。
 だが、おさわりじじいに貰ったタキシードが防御のコーティングをして俺の全身を守る。
 血が出てきはしたが、そこまでのダメージではない。

『体力271→299』

『速力281→299』

『器用338→348』

「3発目、凌ぎきった!」
「今日はこのくらいで」
「逃げるんだよな!ロックショット!お前は分かりやすい!」

 俺は全力でロックショットに迫った。

『体力299→301』

『速力299→303』

『器用348→352』

 10メートルの攻撃範囲に入った瞬間に残った固有スキルを使う。

「マジックハンド!」

『魔力272→291』

 黒い魔法で出来た10本の手が飛んで、ロックショットに迫る。

「ミサイルナイフ!」

『魔力291→303』

 誘導性能を持った10本の魔法のナイフが出現し、ロックショットに迫った。
 ロックショットが10本の手に拘束された。
 そしてその周りを10本のナイフがくるくるとロックショットを取り囲む様に回る。

「ロックショット、ナイフ攻撃を食らえ!」
「舐めるなああああ!ロックガトリングうううううううううううううう!」

 ロックショットは自分の体から無数のロックガトリングを発射した。
 10本の手が壊され、拘束を逃れた。
 そして10本あるナイフの内7本が破壊され、俺に岩が連続で発射された。

 4発目だと!
 しかもロックショットの周囲すべてを無差別に攻撃している!
 ロックショット! 成長していたのか!
 近距離からの弾幕攻撃を捌ききれずに俺は吹き飛んだ。

「ふー!ふー!今日はこのくらいで勘弁してやる!」

 ロックショットとゴブリンが逃げ出し、戦いは終わった。

「ユウタ!大丈夫!ポーションを飲んで!」
「はあ、はあ、ありがとう」

 アリーチェにポーションを飲ませて貰い地面に寝転がった。


「はあ、はあ、はあ、はあ、あああ!逃がしたか!行けると思ったけど、まさかの4発目か」

 サーラとセリアも集まって来た。

「周りを見るのですわ。これでいいのです」

「ユウタ殿がロックショットを撃退した!我々の勝利だあああ!」
「副兵士長のように、大げさに喜ぶのもユウタの務めですわ」

 俺は起き上がった。

 ステッキをマイクに変えた。

「勝ったぞおおおおおおおおおおおおお!」

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」

 そう言って座り込んだ。

「所で、あの3本のナイフは、どこまでも追っていくんですか?」
「ミサイルナイフか、あれだけは壊れない限りどこまでも追いかけるぞ」

 ダイスレイン、ミサイルナイフ、マジックハンドのクールタイムは1時間だ。
 1回の戦闘で基本1回しか使えない。
 ダイスレインは1の目が出ても強い、攻撃の要になるだろう。

 ミサイルナイフとマジックハンドは破壊されない限り効果が消えない分威力が控えめだ。
 範囲攻撃や強敵との戦いでは目くらましのような効果しかないか。
 
 
「多分、ミサイルナイフじゃ殺しきれないけど……」
「どうしましたの?」
「ロックショットは、無事では済まない予感がする」

 神出鬼没のジョーカー、あいつの戦い方を見て分かった。
 神出鬼没なのは奇策で相手の裏をかいているからだろう。
 予想を超える攻撃とあのレオナルドさんを短時間で追い詰めた動きはジョーカーのタイミングや指示が良すぎた面もある。

 ジョーカーの動きを見ると合理的だ。
 ロックショットのような言う事を聞かず制御できずゴブリンを使い潰すような『無能な味方』をこのまま放置するとは思えない。

「わたくしが偵察してきますわね。もちろん無理はしませんわ」
「結果は分からなくていいから無理は」
「ええ、無理はしませんわ。行ってきますわね」

 サーラがロックショットを尾行する為走って行った。




 ユウタ・男・15才
 ジョブ:★遊び人・【商人を追加可能】
 体力:  201→301
 魔力:  272→301
 速力:  192→303
 器用:  292→352
 幸運:  520→548
 スキル:ステッキレベル10、曲芸レベル10、おさわりレベル10、ギャンブルレベル10
 固有スキル:成長のカード、ダイスレイン、ミサイルナイフ、マジックハンド
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