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第18話 おさわりじじい
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「レオナルド様、追いますか?」
副兵士長が大男に言った。
レオナルド、ライオンの鬣を思わせる逆毛と背が高く筋肉が発達しており野性的に見える。
「やめておく。罠がありそうだ」
「私もそう思います」
「セリア様もそう思いますか」
セリア、金髪のセミロングヘアと青い瞳で落ち着いた印象の美人だ。
ワンピースの上にマントを羽織り、杖を持っている。
2人共副兵士長より位が高いのだろう。
アリーチェが耳打ちした。
「勇敢なレオナルドと賢者のセリアよ。2人共2つ名を持つエースよ」
エース、たった1人だけで戦局を変える力を持つ存在か。
確かに、ロックガトリングは戦局を変える力を持っている。
「お、転生者のユウタだな?よろしく頼む。俺の名はレオナルドだ!」
レオナルドさんが握手をするが力が強い。
ワイルドだな。
「よろしくお願いします!レオナルドさん!」
「はっはっは、固くなるな!普通に話していい」
パンパンと背中を叩く力が強い。
「私はセリアです。ユウタさん、よろしくお願いします」
「ユウタでいいですよ。セリアさん」
風でセリアさんのワンピーススカートがひらりひらりと舞った。
顔にかかりなびく髪を上品に右手でかき上げながら左手で俺に手を差し出した。
握手をしながら話を続ける。
「ではお互いにさん付けは無しで、それと私は敬語が普通ですがユウタは敬語を使わなくて大丈夫ですよ」
「うん、そっか、よろしく」
ふとアリーチェの顔が視界に入る。
アリーチェの機嫌が悪い。
「アリーチェ?怒ってる?」
「……べつにぃ!」
「失礼しました。恋人の時間を奪ってはいけませんね」
「こ、恋人じゃないわよ」
周りのみんながにやにやしてアリーチェを見た。
副兵士長だけは「また始まったか」という顔をする。
「な、なによ!」
スカウトの女性がアリーチェのマネをする。
「べつにぃ!」
すかさずアサシンの女性も続ける。
「べつにぃ!」
「誰のまねよ!」
アリーチェの顔が赤い。
「べつにぃ!」
「べつにぃ!」
ぐ~~~~~~!
「くんくん、いい匂いがするな」
「おほん!レオナルド様、さっきまで食事中でした。食べかけの物で良ければ食事が残っています」
「貰おう」
レオナルドさんは1人で食事を全部平らげた。
すぐに食べ終わるとつぶやく。
「後続が遅い。橋の向こうに集合だ!!!」
あまりにも大きな声で草が振動する。
10人の兵士がランニングをする速度で走ってきた。
そして兵士の中心には背の小さい老人の男が身軽な足取りで走っている。
レオナルドさんの近くで兵士が敬礼するとレオナルドが座ったまま言った。
「ユウタ、遊び人の師匠を連れて来た。性格に難はあるがスキルの腕だけは遊び人の中で一番だ。こいつはおさわりじじいだ」
おさわりじじいが前に出た。
「いや、あの、お名前を教えてもらってもいいですか?」
「そんな事よりも、大事な事があるんじゃ!」
おさわりじじいはキッと目を凝らしてセリアを見つめながらセリアの後ろに回り込もうとする。
残像が発生した。
「あ、私の後ろに立たないでください!」
「きええええええい!隙ありいいいいいいいいいい!!」
おさわりじじいがセリアのお尻に飛び込むとセリアが雷撃のバリアを発生させた。
バチバチバチバチ!
「ぎゃああああああああああああああああああ!」
おさわりじじいが地面を転げ回った。
「おさわりじじいは名前を聞いても答えません!おさわりじじいで十分です!」
おさわりじじいは地面を転げまわるふりをしつつセリアに近づいた、そしてまた電撃を食らう。
「ぎゃああああああああああああああああああ!」
「おさわりじじいを連れていく任務は終わった。俺は街の兵士団との情報交換、王からの手紙を領主に届ける任務、魔物狩りと色々やる事がある。セリア、後は頼んだ」
レオナルドさんはセリアさんにおさわりじじいを押し付けるように兵士を連れて距離を取る。
「押し付けないでください!」
「レオナルド様、セリア様、一旦街に向かいましょう。いつ魔物が出るか分かりませんので。それに街で休息も必要でしょう」
おさわりじじいがジャンプしながら起き上がった。
「スカウトのスカート発見!」
「ダメ!来ないで!」
おさわりじじいが手をワキワキと動かして迫ろうとするとスカウトが弓を放つ。
ささわりじじいはぎりぎりで躱す。
「ちかづけんか!じゃがまだアサシンのタイツがある!」
「やめ、近づかないで!」
アサシンが投げたナイフをギリギリで躱した。
「ひゃっひゃっひゃ!ビキニアーマー発見じゃ!」
「いや!近づかないで!」
アリーチェが全力で剣を振り回しすがそれを避けた。
スカウトの矢を避け、アサシンの投げナイフを躱して距離を詰めていく。
セリアが死角から範囲攻撃の電撃をおさわりじじいに放って沈黙させた。
兵士2人がおさわりじじいの足を1本ずつ持って引きずりながら街に運んでいく。
おさわりじじいが俺の師匠か。
嫌な予感しかしない。
こいつはやばい!
副兵士長が大男に言った。
レオナルド、ライオンの鬣を思わせる逆毛と背が高く筋肉が発達しており野性的に見える。
「やめておく。罠がありそうだ」
「私もそう思います」
「セリア様もそう思いますか」
セリア、金髪のセミロングヘアと青い瞳で落ち着いた印象の美人だ。
ワンピースの上にマントを羽織り、杖を持っている。
2人共副兵士長より位が高いのだろう。
アリーチェが耳打ちした。
「勇敢なレオナルドと賢者のセリアよ。2人共2つ名を持つエースよ」
エース、たった1人だけで戦局を変える力を持つ存在か。
確かに、ロックガトリングは戦局を変える力を持っている。
「お、転生者のユウタだな?よろしく頼む。俺の名はレオナルドだ!」
レオナルドさんが握手をするが力が強い。
ワイルドだな。
「よろしくお願いします!レオナルドさん!」
「はっはっは、固くなるな!普通に話していい」
パンパンと背中を叩く力が強い。
「私はセリアです。ユウタさん、よろしくお願いします」
「ユウタでいいですよ。セリアさん」
風でセリアさんのワンピーススカートがひらりひらりと舞った。
顔にかかりなびく髪を上品に右手でかき上げながら左手で俺に手を差し出した。
握手をしながら話を続ける。
「ではお互いにさん付けは無しで、それと私は敬語が普通ですがユウタは敬語を使わなくて大丈夫ですよ」
「うん、そっか、よろしく」
ふとアリーチェの顔が視界に入る。
アリーチェの機嫌が悪い。
「アリーチェ?怒ってる?」
「……べつにぃ!」
「失礼しました。恋人の時間を奪ってはいけませんね」
「こ、恋人じゃないわよ」
周りのみんながにやにやしてアリーチェを見た。
副兵士長だけは「また始まったか」という顔をする。
「な、なによ!」
スカウトの女性がアリーチェのマネをする。
「べつにぃ!」
すかさずアサシンの女性も続ける。
「べつにぃ!」
「誰のまねよ!」
アリーチェの顔が赤い。
「べつにぃ!」
「べつにぃ!」
ぐ~~~~~~!
「くんくん、いい匂いがするな」
「おほん!レオナルド様、さっきまで食事中でした。食べかけの物で良ければ食事が残っています」
「貰おう」
レオナルドさんは1人で食事を全部平らげた。
すぐに食べ終わるとつぶやく。
「後続が遅い。橋の向こうに集合だ!!!」
あまりにも大きな声で草が振動する。
10人の兵士がランニングをする速度で走ってきた。
そして兵士の中心には背の小さい老人の男が身軽な足取りで走っている。
レオナルドさんの近くで兵士が敬礼するとレオナルドが座ったまま言った。
「ユウタ、遊び人の師匠を連れて来た。性格に難はあるがスキルの腕だけは遊び人の中で一番だ。こいつはおさわりじじいだ」
おさわりじじいが前に出た。
「いや、あの、お名前を教えてもらってもいいですか?」
「そんな事よりも、大事な事があるんじゃ!」
おさわりじじいはキッと目を凝らしてセリアを見つめながらセリアの後ろに回り込もうとする。
残像が発生した。
「あ、私の後ろに立たないでください!」
「きええええええい!隙ありいいいいいいいいいい!!」
おさわりじじいがセリアのお尻に飛び込むとセリアが雷撃のバリアを発生させた。
バチバチバチバチ!
「ぎゃああああああああああああああああああ!」
おさわりじじいが地面を転げ回った。
「おさわりじじいは名前を聞いても答えません!おさわりじじいで十分です!」
おさわりじじいは地面を転げまわるふりをしつつセリアに近づいた、そしてまた電撃を食らう。
「ぎゃああああああああああああああああああ!」
「おさわりじじいを連れていく任務は終わった。俺は街の兵士団との情報交換、王からの手紙を領主に届ける任務、魔物狩りと色々やる事がある。セリア、後は頼んだ」
レオナルドさんはセリアさんにおさわりじじいを押し付けるように兵士を連れて距離を取る。
「押し付けないでください!」
「レオナルド様、セリア様、一旦街に向かいましょう。いつ魔物が出るか分かりませんので。それに街で休息も必要でしょう」
おさわりじじいがジャンプしながら起き上がった。
「スカウトのスカート発見!」
「ダメ!来ないで!」
おさわりじじいが手をワキワキと動かして迫ろうとするとスカウトが弓を放つ。
ささわりじじいはぎりぎりで躱す。
「ちかづけんか!じゃがまだアサシンのタイツがある!」
「やめ、近づかないで!」
アサシンが投げたナイフをギリギリで躱した。
「ひゃっひゃっひゃ!ビキニアーマー発見じゃ!」
「いや!近づかないで!」
アリーチェが全力で剣を振り回しすがそれを避けた。
スカウトの矢を避け、アサシンの投げナイフを躱して距離を詰めていく。
セリアが死角から範囲攻撃の電撃をおさわりじじいに放って沈黙させた。
兵士2人がおさわりじじいの足を1本ずつ持って引きずりながら街に運んでいく。
おさわりじじいが俺の師匠か。
嫌な予感しかしない。
こいつはやばい!
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