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第7話 挑発

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 作戦はシンプルだ。
 ロックショットが乱戦と弓兵に気が取られている内に回り込んで死角から奇襲する。
 ロックショットは俺達遊び人を雑魚だと思っている。
 意識は弓兵や乱戦の場に向いていた。

 舐められていることにはなるが、奇襲には都合がいい。

 だが、ロックショットの護衛に発見された。

「敵、来た!」
「何だと!お前ら、しっかり護衛の役目を果たせ!」

「俺がパラソルで突撃します!パラソル!」

 ステッキがパラソルに変わった。
 パラソルは基本防御スキルだ。
 魔法の傘で攻撃を防ぐ。

 だが、シールドラッシュのような使い方も出来る。
 俺が突撃する事で護衛の足並みが崩れた。

「「ナイフ!」」

 後ろからピエールさんとエマさんがステッキを振り魔法のナイフを発生させた。
 エマさんが4本、ピエールさんが5本のナイフが飛んで護衛2体を倒した。
 更にアリーチェが剣で護衛を攻撃し、他のサーカス団がサーカスで使うナイフを投げて護衛5体をすべて倒した。

 副兵士長が叫んだ。

「ロックガトリングは大技だ!2発しか使えない!残った我々も突撃するぞ!」
「ふ、見た所この中で強そうなのはお前とお前か」

 ロックショットはピエールさんと兵士の副兵士長を笑いながら指差した。
 俺はその顔を見て悟った。

「3発目のロックガトリングが来る!みんなでばらけてくれ!来るぞ!!」

 俺は近くにいたアリーチェの手を引いて走った。
 だがみんなの反応が遅れる。

「ロックガトリング!」

 ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!

「がははははははは!ステッキの力は10秒のチャージが必要だ!パラソルは使えないだろう!」

 ピエールさんとエマさんが攻撃を受けた。
 ホビーさんだけがステッキをパラソルに変えて皆を守ろうとする。
 だがパラソルが力技で破壊されサーカス団のみんなが地面に倒れた。
 ロックショットは兵士にターゲットを移した。

 副隊長と周りにいた2人が急いでばらけようとするが間に合わないようだ。

 ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!

「がはははははは!指揮官さえいなければ軍は烏合の衆と化す!」

 突撃しようとした兵士も地面に倒れ、うめき声を上げる。
 ロックガトリングが止むとロックショットは俺とアリーチェを見た。

「がはははははははは!ロックガトリングは2発しか使えんと誰が言った!ここぞという時の為に使わないでいただけだ!思い込みは良くないなああああああ!がはははははははははははははははは!降伏すれば奴隷として飼ってやってもいい!さあ!降伏しろ!」

「4発目は使えるのか?」
「ふん、偶然無事だったパラソルしか使えん遊び人と小娘か。もうロックガトリングは必要ない」
「そうか、使えないか」
「あんただって仲間が倒れてるじゃない!2対1よ!」

 アリーチェいいぞ、ここは時間を稼いで立て直す。
 だがアリーチェはロックショットにすぐ突撃した。
 俺もあわてて走る。

 ロックショットがアリーチェの剣を弾くと杖が光った。
 魔法を撃って来る!

「パラソル!」

 サッカーボールサイズの岩をパラソルで受け止めた。
 だが次の岩が飛んでくると俺はステッキで勢いを止めきれず後ろによろめいた。

「そうか、遊び人より小娘の方が強いか!」

 アリーチェが狙われている!
 アリーチェにサッカーボールサイズの岩が3発飛んでアリーチェが倒れた。

「がははははは!貴様ら如き初級魔法で十分だ!後はパラソル馬鹿の遊び人1人、勝負あったなあああああああああああああああああ!!!」

 俺はアリーチェに意識が向かっている内にパラソルが消えてから10秒数えた。
 チャージ完了!
 ステッキの能力は10秒でチャージが終わる!

「ナイフ!」

 ステッキを振ると魔法で作った9本のナイフがロックショットに飛んでいく。
 ステッキのレベル=出せるナイフの本数となる。

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「俺がパラソルしか使えないと何で決めつけた!思い込みは良くないな!」

 俺はステッキを両手で振りかぶった。





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