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第23話
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いや、きっと人違いだろう。
金髪ツインテール違いだ。
「今日もたっぷり訓練が出来た。休もう」
俺はベッドに横になった。
この、スーッと眠りに落ちる瞬間がたまらない。
今日も俺は充実している。
明日が楽しみだ。
【次の日】
学園に登校すると昨日の女性が教室で待っていた。
しかもいつも俺が座る席に座っている。
「昨日言っていた運命の子だよ。リンカフレイフィールド・ファイアストーム子爵令嬢だね」
すでに教室にいたアイラが俺達を見た。
リンカフレイフィールドも俺を見る。
「ああ!フィール!昨日は逃げたわね!」
マジでか!
人違いじゃなかった。
いや、言葉が噛み合わなかっただけかもしれない。
「チンカウバイン、確認したいんだけど、この子は」
「私は2学年よ!私は年上よ!」
「ん?」
俺は意味が分からずリンカフレイフィールドを見た。
背が小さく、胸は控えめで金髪ツインテールときれいな青い目には潤いがあった。
子供にしてはくびれがあるようにも見えるけど、ぱっと見子供だ。
顔立ちは整っているが強気でプライドが高そうに見える。
俺より年上?
俺の運命の相手?
そして何でここに座っているんだ?
「リンカフレイフィールドさんは僕の年上の2学年なんですね?」
「そう言ってるじゃない!」
「そしてリンカフレイフィールドさんは俺の運命の相手?なんですかね?」
「チンカウバインはそう言ったわ!」
「そうだよ!フィールとリンカフレイフィールドは結ばれる運命なんだよ!」
「フィール君は私と結婚するよ」
「今はそういう話じゃないわ!それに貴族なら妻が何人いても普通よ!」
「ちょ!ちょっと待ってください!話がまとまらないです」
俺・アイラ・チンカウバイン、そしてリンカフレイフィールド全員の話が噛み合わない。
そして教室にいた全員が俺達を見る。
「ま、まずは何でここにいるんですか?学園が上なんですよね?」
「フィールが逃げたからじゃない!」
「分かりました。放課後に話をしましょう」
「分かったわ」
そう言って立ち上がり、教室を出ようとして振り向く。
だが指をピッと突き出して大きな声を出す。
「今日は逃げるんじゃないわよ!」
「……分かりました」
好きなタイプではないな。
「行ったか」
「私と結婚するのは変わらないよね?」
「そう、だな」
「フィール君ってどういう子が好きなのかな?」
「急にどうしたんだ?」
「リンカフレイフィールドさんははきはきしてるでしょ?でも私はミステリアス系で全然タイプが違うでしょ?気になっちゃって」
「え?アイラはミステリアスじゃなくて、よく顔に出て素直で分かりやすいタイプだと思ってたんだけど」
「ふふふふふ、もう、フィール君は冗談が得意だね。笑っちゃった」
アイラは自分の事が分かっていない。
アイラはゆるふわ系だろ。
全然ミステリアス要素が無いんだが?
むしろ対極と言っていい。
でも、アイラは本気で言っている。
……黙っていよう。
「チンカウバイン、間違いじゃないよな?俺はああいうタイプの人は得意ではない」
「間違いないよ!2人は相性がいいよ」
「それは性格的に友人として」
「違うんだ!新しい生命を誕生させる愛としての相性だよ」
「信じられない」
「放課後に話をしてみようよ」
「そう言えば、どこで話をするか決めてないよな」
「……そうだね」
俺は訓練をして放課後まで過ごした。
◇
【放課後の教室】
ガラガラガラガラ!
俺・チンカウバイン・アイラが教室で待つとリンカフレイフィールドが入って来た。
そして教室にいるみんなは俺達から距離を取ったまま話をするフリをして俺達の様子を伺う。
更には教室外から人が集まり、人口密度は異様に高い。
「逃げずに待っていたようね!ここは人が多いわ!場所を移動するわよ!」
「その前に何の話ですか?」
「い、いいから行くわよ!」
「……分かりました」
教室を出て庭園に向かうが、それでも人が集まって来る。
「ここも人が多いわね」
「なんの話をするんですか?」
「い、いいから別の場所に移動するわよ!」
「人がいない方がいいなら、私のスキルを使うよ!ラブハウス!この空間に入れば事がすんなり進むんだ」
目の前に異次元へと続くゲートが現れた。
「あ、いや、この中は」
「いいから行くわよ!」
リンカフレイフィールドが俺を押す。
アイラはチンカウバインの言葉を信じて中に入る。
4人が中に入ると空間のゲートが消えた。
そこには、暗い異次元に青とピンクでライトアップされた家があった。
「あそこに入ればいいのね」
「こ、ここはチンカウバインの空間だから」
「フィール、昨日も逃げて今日も逃げるの!?いいから来なさい!」
リンカフレイフィールドが俺を思いっきり押して家の中に入れる。
「いや、そう言う事じゃないんだ」
「きれいな家だね、早く中に入ろうよ」
アイラは嬉しそうに中に入って行く。
「そう!可愛く作ったよ!私の自信作だよ!」
ここは、どう考えても小さいラブホテルだ。
金髪ツインテール違いだ。
「今日もたっぷり訓練が出来た。休もう」
俺はベッドに横になった。
この、スーッと眠りに落ちる瞬間がたまらない。
今日も俺は充実している。
明日が楽しみだ。
【次の日】
学園に登校すると昨日の女性が教室で待っていた。
しかもいつも俺が座る席に座っている。
「昨日言っていた運命の子だよ。リンカフレイフィールド・ファイアストーム子爵令嬢だね」
すでに教室にいたアイラが俺達を見た。
リンカフレイフィールドも俺を見る。
「ああ!フィール!昨日は逃げたわね!」
マジでか!
人違いじゃなかった。
いや、言葉が噛み合わなかっただけかもしれない。
「チンカウバイン、確認したいんだけど、この子は」
「私は2学年よ!私は年上よ!」
「ん?」
俺は意味が分からずリンカフレイフィールドを見た。
背が小さく、胸は控えめで金髪ツインテールときれいな青い目には潤いがあった。
子供にしてはくびれがあるようにも見えるけど、ぱっと見子供だ。
顔立ちは整っているが強気でプライドが高そうに見える。
俺より年上?
俺の運命の相手?
そして何でここに座っているんだ?
「リンカフレイフィールドさんは僕の年上の2学年なんですね?」
「そう言ってるじゃない!」
「そしてリンカフレイフィールドさんは俺の運命の相手?なんですかね?」
「チンカウバインはそう言ったわ!」
「そうだよ!フィールとリンカフレイフィールドは結ばれる運命なんだよ!」
「フィール君は私と結婚するよ」
「今はそういう話じゃないわ!それに貴族なら妻が何人いても普通よ!」
「ちょ!ちょっと待ってください!話がまとまらないです」
俺・アイラ・チンカウバイン、そしてリンカフレイフィールド全員の話が噛み合わない。
そして教室にいた全員が俺達を見る。
「ま、まずは何でここにいるんですか?学園が上なんですよね?」
「フィールが逃げたからじゃない!」
「分かりました。放課後に話をしましょう」
「分かったわ」
そう言って立ち上がり、教室を出ようとして振り向く。
だが指をピッと突き出して大きな声を出す。
「今日は逃げるんじゃないわよ!」
「……分かりました」
好きなタイプではないな。
「行ったか」
「私と結婚するのは変わらないよね?」
「そう、だな」
「フィール君ってどういう子が好きなのかな?」
「急にどうしたんだ?」
「リンカフレイフィールドさんははきはきしてるでしょ?でも私はミステリアス系で全然タイプが違うでしょ?気になっちゃって」
「え?アイラはミステリアスじゃなくて、よく顔に出て素直で分かりやすいタイプだと思ってたんだけど」
「ふふふふふ、もう、フィール君は冗談が得意だね。笑っちゃった」
アイラは自分の事が分かっていない。
アイラはゆるふわ系だろ。
全然ミステリアス要素が無いんだが?
むしろ対極と言っていい。
でも、アイラは本気で言っている。
……黙っていよう。
「チンカウバイン、間違いじゃないよな?俺はああいうタイプの人は得意ではない」
「間違いないよ!2人は相性がいいよ」
「それは性格的に友人として」
「違うんだ!新しい生命を誕生させる愛としての相性だよ」
「信じられない」
「放課後に話をしてみようよ」
「そう言えば、どこで話をするか決めてないよな」
「……そうだね」
俺は訓練をして放課後まで過ごした。
◇
【放課後の教室】
ガラガラガラガラ!
俺・チンカウバイン・アイラが教室で待つとリンカフレイフィールドが入って来た。
そして教室にいるみんなは俺達から距離を取ったまま話をするフリをして俺達の様子を伺う。
更には教室外から人が集まり、人口密度は異様に高い。
「逃げずに待っていたようね!ここは人が多いわ!場所を移動するわよ!」
「その前に何の話ですか?」
「い、いいから行くわよ!」
「……分かりました」
教室を出て庭園に向かうが、それでも人が集まって来る。
「ここも人が多いわね」
「なんの話をするんですか?」
「い、いいから別の場所に移動するわよ!」
「人がいない方がいいなら、私のスキルを使うよ!ラブハウス!この空間に入れば事がすんなり進むんだ」
目の前に異次元へと続くゲートが現れた。
「あ、いや、この中は」
「いいから行くわよ!」
リンカフレイフィールドが俺を押す。
アイラはチンカウバインの言葉を信じて中に入る。
4人が中に入ると空間のゲートが消えた。
そこには、暗い異次元に青とピンクでライトアップされた家があった。
「あそこに入ればいいのね」
「こ、ここはチンカウバインの空間だから」
「フィール、昨日も逃げて今日も逃げるの!?いいから来なさい!」
リンカフレイフィールドが俺を思いっきり押して家の中に入れる。
「いや、そう言う事じゃないんだ」
「きれいな家だね、早く中に入ろうよ」
アイラは嬉しそうに中に入って行く。
「そう!可愛く作ったよ!私の自信作だよ!」
ここは、どう考えても小さいラブホテルだ。
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