無能の料理人と言われ領地を追い出されたが、何故か料理じゃなく戦いで頭角を現し無双します。俺を追い出したあいつは没落していくが、仕方ないよな

ぐうのすけ

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テイカーの最後

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【レッド領】

「ロッド様!レッド領東にあるダークスフィアが3つすべて破壊されました。発生した魔物が街に押し寄せてきます」

「犯人は分かるかい?」

「恐らくテイカーかと」

 テイカー、殺しておくべきだったか。
 だが今は魔物への対処が優先。

「分かった。僕は魔物への対処を進めるよ。下がって休んでくれ」





【レッド領東の防壁】
 ロッドは街に押し寄せる魔物討伐に追われた。

 兄の元にステアが現れる。
「お兄様、順調ですの?」

「多少被害は出たけど順調だよ。後数日で魔物を全滅出来るよ」

「まあ、さすがお兄様ですわ」

「それが終わったらテイカーを処分するよ」

「それが良いですわ。そろそろブルー家が王都に攻め入ります。今なら貴族を殺したことがばれてもうやむやに出来ますわ」

「うん、もちろん裏で処分して周りにはばれないようにするよ」

「それが良いですわ」

 西から兵が走って近づいてくる。
「ロッド様、町の西門からレイドボスが侵入し、町が破壊されています!」

「まさかこれもテイカーの仕業かい?」

「は!テイカーは分かりませんが、レッド学園の制服を着た者がレイドボスを引き連れるように先行して街の西門へと侵入しました!」

 テイカーだ。間違いない!

 こうしてレッド領は精鋭兵力のの8割を失い、レイドボスと魔物を討伐した。

 このことによりレッド領は経済的にも兵力的にも大きな打撃を負った。






 魔物の討伐が終わるとステアとロッドはベッドで休息を取る。
 ロッドの腕を枕にしてステアが甘える。

「お兄様、もっとしてくださいませ」
 ロッドの胸板を撫でる。

「ステア、続きはテイカーを殺してからだよ。どうやらテイカーはダンジョンに潜んでいるようだよ」

「わたくしも行きますわ!お兄様にもしもの事があったら耐えられませんもの」

「今日はゆっくり休もう。終わったらたくさん続きをしようじゃないか」

 ステアとロッドは唇を重ねた。




【次の日、ダンジョン】

 ロッドとステアは100名の部下を引き連れダンジョンを探索する。

 目的はもちろんテイカーを探し出す事だ。

 テイカーはすぐ見つかる。

 1階の奥地に潜んでいたのだ。

 ステアが声を上げる
「テイカー、あなたを保護しに来ましたわ」

「早く出ておいで!」

 そう言いつつ兵を使い取り囲んでいく。

「スラッシュ!スラッシュ!」
 テイカーがスキルを連発して取り囲もうとした兵を倒していく。

 だがこれによりテイカーの位置がばれた。

「そこですのねえええええ!」
 ステアがテイカーに斬りかかる。

 テイカーはスラッシュを放つ。

 ステアはかすり傷を負うがそのままテイカーに斬りかかる。

 剣戟を打ち合いステアが素早くバックステップを踏む。

 テイカーとステアの距離が離れた瞬間ロッドが炎の魔法を連続で撃ちこむ。

「ごおおおおおおお!」
 テイカーは3回炎の直撃を受け苦痛の表情を見せる。

「おらあ!」
 テイカーはロッドに斬撃を飛ばして逃走を開始した。

 ロッドは軽く傷を受けるが無視して杖から炎を撃ちまくる。

 テイカーは上階に逃げ続けた。

 テイカーの逃走能力は高い。

 魔物をなすりつけ、入り組んだジャングルを進み距離を詰めさせない。

 魔物の餌をばらまき魔物を呼び寄せる。

 テイカーは出来ることすべてを駆使して逃げた。

 ステアとレッド以外の兵は追いつけなくなり、逃げるテイカーをステアとロッドが追いかけ続けた。




【ダンジョン5階】

 テイカー、ステア、ロッド全員が疲れを見せた。

「さあ、戻るんだ」

「いい子にした方が身のためですわよ」

「おらああ!」
 テイカーの斬撃が飛びロッドとステアを捕らえるが小さい傷しか与えらない。

「そんな威力ではお兄様は倒せませんわよ!」

「ファイア、ファイア、ファイア」
 ロッドは真顔で攻撃を続ける。

 ロッドの攻撃でテイカーは全身を焼かれる。

 更にステアが入れ替わるように攻撃を開始してテイカーを斬り刻む。

 テイカーは地面に倒れ動けなくなる。

「さあ、これで終わりですわよ」
 その時ステアは自身の不調に気づく。

「あれ?おかしいですわ。体調がすぐれませんの」

 ロッドが倒れる。

「へへへへ、へへへへ」
 テイカーは力なく笑う。

「テイカー!何をしましたの!」
 ステアはテイカーの胸倉を掴む

「どうした?調子が悪いか?俺の事より早く帰ったらどうだ?」
 テイカーは口角を釣り上げた。

「答えなさい!何をしましたの!!」

「おいおい、ロッドを看病しなくて良いのか?苦しそうだぞ?」

 ステアはロッドの方を向く。

「お兄様!お兄様!」
 ロッドを抱き寄せる。

 ロッドの呼吸は浅く、危険な状態だ。

「テイカああああ!なにをしましたのおおお!」
 ステアはテイカーを斬りつけいたぶる。

「わかった。言おう。俺の新しいスキル、カーススラッシュだ、この攻撃を食らうと生命力をじわじわと奪われる」
 スラッシュの威力が低いのは、このカーススラッシュを使っていたせいなのだ。
 テイカーはカーススラッシュで呪いを与えていた。

「生命力を奪う!ポーションなら!」
 ロッドに急いでポーションを飲ませる。

 途端にロッドは苦しみだし、血を拭いて呼吸が止まった。

「そ、そんな!どうして!どうしてですの!」

「へへへへ、話はまだ終わってない。カーススラッシュの能力は2つある。一定時間ポーションや回復魔法の効果を反転して生命力を奪う。ステア、大好きなお兄様はお前が殺したんだよ。へへへへへへへ」

「うあああああああああああああああ!!!」
 ステアは激高しテイカーを斬り刻んだ。

 このことによりテイカーとロッドは命を失い、ステアはダンジョンで倒れている所を無事救出され命を繋いだ。

 これによりレッド領はかつての力を失った。



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