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第81話
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【合宿出発当日】
夏休みに入ると学校に集合した。
ヒトミはアマミヤ先生に食い下がって連れて行ってもらおうとしていたが見事に撃沈した。
俺は事前にアマミヤ先生と話し合った。
『合宿ではハザマが出せる事だけは秘密にしてくれ』
出来ればハザマ召喚以外のスキルも皆に見せたくない。
集まった選抜メンバーは5人。
まずはレンパーティーは全員参加。
メンバーはレンと先輩が2人。
先輩の1人がレンと付き合っているっぽいリナさん、勝気な土魔法使いだ。
2人目がおっとりした感じの魔法銃使いのユズキさんだ。
そして俺とユイ、引率のアマミヤ先生が集まり校門前で待つ。
「モンスター省の官僚が迎えにくるのか。緊張するな」
「大丈夫だ。よっぽど変な事をしない限り怒らないし他人に厳しいタイプではない」
アマミヤ先生と同じ大学の同級生、イケメンでメガネをかけてそうだな。
「何で俺だけを見るんですか!確かに初級レベル7ですけど!」
「そういう事じゃない。奇抜な行動は慎むように」
「だから何で俺だけ!」
マイクロバスが止まると黒いパンツスーツと白いYシャツをびしっと着こなした女性が出て来た。
黒い髪をショートカットでばっちりセットし、黒い瞳で皆を見つめる。
アマミヤ先生と同じで、美人アナウンサーのような感じがする。
「お待たせしました。モンスター省の氷月レイカです。気軽にレイカと呼んで大丈夫ですよ。さあ、乗ってください」
みんなをドアに促しつつアマミヤ先生の元に近づいた。
「いのり、久しぶりね」
「ええ、そうね」
アマミヤ先生が素で話している。
「さあ、いのりも乗って、話をしましょう」
レイカさんは運転席に座り、助手席にアマミヤ先生が座った。
その後ろに左から、リナさん・レン・俺・ユイと座った。
更にその後ろにユズキさんが座る。
「え? ユヅキさんがのけ者みたいにならないか? 俺が後ろに行くぞ?」
みんなが首を横に振った。
リナさんが答える。
「いいのよ、ユヅキはバスに乗るとすぐに寝るから」
「気にしないでえ」
ユズキさんが2席分の背もたれを限界まで倒し、おへその上で両手を組んだ。
眠る気満々だ。
凄い、ここまで露骨だと清々しく感じる。
「では、出発しますね」
マイクロバスが出発するとレイカさんとアマミヤ先生が楽しそうに話をしている。
そこにリナさんとユイも加わって話が弾む。
「レイカさん、アマミヤ先生ってどんな感じだったの?」
「そうですね、とにかくモテて、でも、男の人は苦手でしたよ」
「ちょっと、レイカ」
「あらあら、いいじゃない。みんないい人なんでしょ?」
「そうだけど」
「アマミヤ先生もレイカさんも素で話していいんじゃない?」
リナさんが会話に入って来る。
「うんうん、なんか、私達と話す時だけ口調が違って不思議な感じがします」
「そう?なら普通に話すわね。皆も普通に話しましょう」
「私は、教師として接するぞ」
「もう……ねえ、フトシ君、レン君、アマミヤ先生はいつもどんな感じなの?」
「ちょっと、レイカ」
「とてもいい先生です。入学したての俺とレン、ユイのハザマ狩りにリスクを取って引率してくれました。俺、召喚系で特に最初は弱くてうまくいかなかったんです。それでも、根気強く、毎日、休みの日でも時間を削って引率してくれました」
「僕も同じ考えだよ」
「それに寮から追い出されそうになった錬金術師を助けたり、嫌われる覚悟で俺の為になる事を言ってくれました。相談にも乗って貰いました。アマミヤ先生は小学校から高校までで1番信頼できる先生です」
「いのり、照れてるわね?」
「アマミヤ先生可愛い」
リナさんの言葉と同時にアマミヤ先生が横の景色を見るようにすっと顔を隠した。
夏休みに入ると学校に集合した。
ヒトミはアマミヤ先生に食い下がって連れて行ってもらおうとしていたが見事に撃沈した。
俺は事前にアマミヤ先生と話し合った。
『合宿ではハザマが出せる事だけは秘密にしてくれ』
出来ればハザマ召喚以外のスキルも皆に見せたくない。
集まった選抜メンバーは5人。
まずはレンパーティーは全員参加。
メンバーはレンと先輩が2人。
先輩の1人がレンと付き合っているっぽいリナさん、勝気な土魔法使いだ。
2人目がおっとりした感じの魔法銃使いのユズキさんだ。
そして俺とユイ、引率のアマミヤ先生が集まり校門前で待つ。
「モンスター省の官僚が迎えにくるのか。緊張するな」
「大丈夫だ。よっぽど変な事をしない限り怒らないし他人に厳しいタイプではない」
アマミヤ先生と同じ大学の同級生、イケメンでメガネをかけてそうだな。
「何で俺だけを見るんですか!確かに初級レベル7ですけど!」
「そういう事じゃない。奇抜な行動は慎むように」
「だから何で俺だけ!」
マイクロバスが止まると黒いパンツスーツと白いYシャツをびしっと着こなした女性が出て来た。
黒い髪をショートカットでばっちりセットし、黒い瞳で皆を見つめる。
アマミヤ先生と同じで、美人アナウンサーのような感じがする。
「お待たせしました。モンスター省の氷月レイカです。気軽にレイカと呼んで大丈夫ですよ。さあ、乗ってください」
みんなをドアに促しつつアマミヤ先生の元に近づいた。
「いのり、久しぶりね」
「ええ、そうね」
アマミヤ先生が素で話している。
「さあ、いのりも乗って、話をしましょう」
レイカさんは運転席に座り、助手席にアマミヤ先生が座った。
その後ろに左から、リナさん・レン・俺・ユイと座った。
更にその後ろにユズキさんが座る。
「え? ユヅキさんがのけ者みたいにならないか? 俺が後ろに行くぞ?」
みんなが首を横に振った。
リナさんが答える。
「いいのよ、ユヅキはバスに乗るとすぐに寝るから」
「気にしないでえ」
ユズキさんが2席分の背もたれを限界まで倒し、おへその上で両手を組んだ。
眠る気満々だ。
凄い、ここまで露骨だと清々しく感じる。
「では、出発しますね」
マイクロバスが出発するとレイカさんとアマミヤ先生が楽しそうに話をしている。
そこにリナさんとユイも加わって話が弾む。
「レイカさん、アマミヤ先生ってどんな感じだったの?」
「そうですね、とにかくモテて、でも、男の人は苦手でしたよ」
「ちょっと、レイカ」
「あらあら、いいじゃない。みんないい人なんでしょ?」
「そうだけど」
「アマミヤ先生もレイカさんも素で話していいんじゃない?」
リナさんが会話に入って来る。
「うんうん、なんか、私達と話す時だけ口調が違って不思議な感じがします」
「そう?なら普通に話すわね。皆も普通に話しましょう」
「私は、教師として接するぞ」
「もう……ねえ、フトシ君、レン君、アマミヤ先生はいつもどんな感じなの?」
「ちょっと、レイカ」
「とてもいい先生です。入学したての俺とレン、ユイのハザマ狩りにリスクを取って引率してくれました。俺、召喚系で特に最初は弱くてうまくいかなかったんです。それでも、根気強く、毎日、休みの日でも時間を削って引率してくれました」
「僕も同じ考えだよ」
「それに寮から追い出されそうになった錬金術師を助けたり、嫌われる覚悟で俺の為になる事を言ってくれました。相談にも乗って貰いました。アマミヤ先生は小学校から高校までで1番信頼できる先生です」
「いのり、照れてるわね?」
「アマミヤ先生可愛い」
リナさんの言葉と同時にアマミヤ先生が横の景色を見るようにすっと顔を隠した。
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