上 下
35 / 113
人に投資をするのが1番効率がいいよな

キャンプ休憩

しおりを挟む
 皆でキャンプを始めるが、全員の動きが重い。

 全員魔物との戦闘で疲弊している。
 女神!文句言ってやる!

『危なく犠牲が出る所だったし、俺の戦闘力を晒す事になった。大事な事はもっと早く言ってくれ!』
『ごめんなさい』
 素直だな。
 女神の性格は悪くないんだよな。

『しばらくしたらジュン好みの美人の眷属を送るから許して』
『その話詳しく』
『ジュンも知っている子だよ』
『誰!だれだれ!?』

『軍のスライムが終わってからね。楽しみにしてて。それと、ダンジョンを消滅できたのはジュンのおかげだよ。ありがとね』
 俺好み?
 美人?
 誰だ?

 気になる。
 気になりすぎる。

 は!女神に話を逸らされた!
 だけど、怒りは収まった。
 




【ラビイ視点】

「順調に中級ダンジョンを消滅させることが出来たです」

 ラビイと9人のメイド、そしてネコ忍者のリースが団子のように固まって会議を始めていた。

「スライムを倒したら、是非ともフィルをジュンの眷属に加えるです」
「フィルは、忍者の私より人を見る能力が高いにゃあ」
「そうなのです!フィルの見抜く能力!ジュンに気に入られている点!優しい人格!眷属として100点満点なのです」
 会議はよく話が脱線し、女子会が始まるのだ。

 話を戻しメイドたちと今の進捗状況を共有していく。
「……話を続けるわね。食料の備蓄率は1.5年分のストックがあるわ。と言っても、ジュンの領民になりたい人が多いから、ジュンの領民の増え方次第で備蓄率は大きく下がると思うわ」

「帰還後に再チェックが必要なのです」
「それと、食料全体の備蓄率はプラスだわ。でも、家畜の増産は、生まれるのを待つしかないから、増産が遅れているわ。購入も視野に入れた方が良いわね。ファーマー部門の報告は以上よ」

「分かったです」

 その後木材や石材、鉄などの素材の報告が行われ、次にラビイの加工部門の番になった。

「ポーションの生産力は皆のレベルが10から30になった事と、レベルアップでスキルを多く使えるようになりスキルが強化されている点、ダンジョンから大量の薬草を採取した事で前期の6倍の生産力を持っているです。ただ、今は戦闘を行っている事で効率が落ちているのです」

「更に、武具を兵士に寄付した事で武具のストックが底をつきかけているです」

「スライムの魔将を倒せば全部解決するにゃあ」
 素材はたっぷりある。
 うさぎ族全員が生産モードになれば完成品は増え始める。

「倒せるかな?」
「【軍】の魔将は厄介ってジュン様が言ってたよ?」

「大丈夫なのです。その為の中級ダンジョンでのレベル上げだったのです。わざわざ時間をかけて兵士のレベルを30まで引き上げたのはジュンの考え!すべてはジュンの計画通り。ここからが本番なのです!」

「ちょっと魔将の様子を見てくるにゃあ」
「頼むですよ」

 シュン!
 リースが颯爽と消えた。

「私夕食を作って来るね」
 メイドも居なくなり、会議は終わった。



【フィル視点】

「な、なななな、なんですか!なんで私がジュンの眷属になることになっているんですか!?」
 女神と一緒に会議の様子を見ていた私は女神さまに問いかけた。

「そっかー。言ってなかったね。フィルはスライム事件が解決したら、私じゃなくジュンの眷属になって貰うね」

「ふぇ!」

「もう話はしてあるの」

「はつ、耳です」
「言ってなかったね。忘れてたよ」

「な、なんでですか?なんでそうなってるんですか!?」
「私の女神力はいつも枯渇してるから、フィルの力が出なくなってるでしょ?それにジュンにはチートの加護をあげることが出来なかったから、何かプレゼントしたいなーって」

「わ、私は物じゃありません!」
「ふふふ、それに」
「それに?」

「ジュンもフィルの事を気にいってるし、フィルはジュンの事が好きでしょ?」
「な、それは、その、あ、えええええ!?」

「それと、フィルは私の眷属な事を隠してジュンと接してる。それを気にしてたよね?」
「それはあ、そうですけどぉ」

「はい、地上に戻って。考える時間も必要だよね」
 魔法陣が出現して私は地上に戻る。
 急に地上に戻された。

 顔が赤くなる。
 でも、女神は気づいていない。

 私は女神に作られ、女神の因子を強く受けている。
 ジュンの眷属になったラビイやリース、メイドもそう。
 違う特性が発現していても、みんなの見た目はどこか女神と似ている。

 ラビイやリース達の気質も女神と似ている。
 そういう者はすべてジュンに引かれる。
 ジュンの好みも女神に似た者を選んでいる気がする。

 ジュンと女神は惹かれ合っている。
 感覚で動く女神と合理的なジュンの相性はきっといい。
 そう思った。

「ああ、でも、私も女神さまと似ている。私も女神さまと同じ」
 フィルはベッドに飛び込んで布団を被った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。 城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。 速人は気づく。 この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ! この世界の攻略法を俺は知っている! そして自分のステータスを見て気づく。 そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ! こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。 一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。 そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。 順調に強くなっていく中速人は気づく。 俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。 更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。 強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』 カクヨムとアルファポリス同時掲載。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

ゲーム序盤で死ぬモブ炎使いに転生したので、主人公に先回りしてイベントをクリアしたらヒロインが俺について来た

ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで日間・週間・月間総合1位獲得!ありがとうございます。 社畜として働き、いつものように寝て起きると、俺はゲーム『ブレイブクエストファンタジー』とよく似た世界のモブ『ゲット』に転生していた。俺は物語序盤で盗賊に襲われて死ぬ運命だ。しかも主人公のダストは俺を手下のようにこき使う。 「主人公にこき使われるのはもうごめんだ!死ぬのもごめんだ!俺がゲームのストーリーを覆してやる!」 幼いころから努力を続けていると、ゲームヒロインが俺に好意を寄せている? いや、気のせいだ。俺はしょせんモブ! 今は死亡フラグを解決する!そして次のステップに進む! 一方、同じく転生したダストは主人公キャラを利用して成り上がろうとするが、ダンジョンのお宝はすでに無く、仲間にするはずの美人キャラには見限られ、努力を嫌ったことでどんどん衰退していく。

Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜

橘 霞月
ファンタジー
異世界へと転生した有名料理人は、この世界では最強でした。しかし自分の事を理解していない為、自重無しの生活はトラブルだらけ。しかも、いつの間にかハーレムを築いてます。平穏無事に、夢を叶える事は出来るのか!?

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

魔物が棲む森に捨てられた私を拾ったのは、私を捨てた王子がいる国の騎士様だった件について。

imu
ファンタジー
病院の帰り道、歩くのもやっとな状態の私、花宮 凛羽 21歳。 今にも倒れそうな体に鞭を打ち、家まで15分の道を歩いていた。 あぁ、タクシーにすればよかったと、後悔し始めた時。 「—っ⁉︎」 私の体は、眩い光に包まれた。 次に目覚めた時、そこは、 「どこ…、ここ……。」 何故かずぶ濡れな私と、きらびやかな人達がいる世界でした。

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

処理中です...