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人に投資をするのが1番効率がいいよな

中級ダンジョンをぶっこわーす!

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 中級ダンジョンの物資の準備で3日間のんびりと過ごした。
 それからうさぎ族100名と共に王都から一番遠い中級ダンジョンに向かった。

 このダンジョンは立地が悪く、いつ消滅してもいいらしい。
 放置すれば定期的にスタンピードが起こる。
 魔物を間引くにも距離が遠く厄介で持て余しているらしい。

 立地が悪い為道のりが遠い。
 だが、気分は良い。
 外の空気が気持ちいいし、木に生えている果物もうまい。
 
 ずっと本を読んでいるのも良いが、たまには出かけたくなる。
 魔物と闘って暴れるのが好きだ。
 それにみんなのレベルが上がれば俺が楽になる。

 他のうさぎ族も笑顔の者が多い。
 今回はウサットも同行している。
 ウサットは王との調整役で頭角を現してはいるが、俺がレベル上げをさせたいと言ったらすんなり許可が下りた。

「外に連れ出していただき感謝しています。最近運動不足でした」
「それは良かった」
 気が合うな。

「ウサットの役割は重要だ。ある程度強くなって簡単にやられないようにしたかった」
 その言葉を聞いてウサットが背筋を正す。

「おほめ頂き光栄です!すぐにレベルを上げ、更に力になります!」
 みんな素直だよな。

 日本のように擦れた感じが無い。
 人のせいにする者も居ない。
 なによりノリがいいし、ハングリー精神がある。

 日本なら、何か言った時点で文句が出て案を潰されて終わるような事でもみんな協力してくれる。
 やりやすい。
 だから俺の気分もいいのか。

「皆のおかげで俺は助かっている」
「それはこちらのセリフです」
 ウサットと笑いあった。

 ウサットの笑みが消える。
「所で、中級ダンジョンですが、魔物を狩りつくせますかな?」
「無理だな。今向かってる中級ダンジョンはラビイたちと行った中級ダンジョンより魔物が多いんだろ?今回はレベル上げを優先する」

「私も同じ考えです。皆には言わないでおきましょう」
「そうだな、みんなのレベルを上げれば、何か流れが変わるかもしれない。しばらく中級ダンジョンでキャンプして過ごそう」

「目標は全員のレベルを30に上げる。これを第一目標にする。でよろしいですかな?」
「そうしよう」
 その目標にした方が皆落ち込まないだろう。

「それと、ラビイが中級ダンジョンの素材に興味を示していました」
「あくまで優先はレベルアップだが、落ち着いたら素材を集めるのも良いと思う」
「そのように伝えます」

 ウサットがみんなに指示を出していく。
 人の管理が無くて楽だ。
 ウサットには本当に助けられている。

 ラビイが見回りを終えて抱き着いてくる。
「進路の先に魔物は居なかったです」
「お疲れ様」

 他のメイドも抱き着いてくる。
 俺の戦闘力は100だ。
 みんなを背負ったまま歩き続ける。

 夜は、10人全員の相手をする事になるだろう。



 ◇



 チュンチュン!
 俺がストレージから出した家で一晩過ごし目を覚ます。
 体力が有り余る。

 この世界の戦闘力100は、かなり丈夫だ。
 しかも寝ているだけで傷が治っていく。
 全員のレベルが30に上がり、ラビイたちの戦闘力は上がっている。
「皆のレベルがもっと上がったら、手に負えなくなるか」

 ラビイが俺に抱きつく。
「それは無いです。ジュンは凄すぎるです。絶対に勝てないです」
「な・に・が・!?」



 身支度を済ませ、家をストレージに戻し、歩くと中級ダンジョンに到着した。
 更にダンジョンの10階まで一気に進んだ。

「魔物が多くて進みにくいです」
「確かに、だけどレベル上げには向いている。魔物を探さなくても大量に居るんだ」

 俺は朝から晩まで経験値投資を使い続けた。
 朝に10人と経験値投資の契約をして魔物と闘う。
 10人が疲れると他の者と契約を結ぶ。
 それを繰り返してレベルを上げていく。

 その気になれば俺が3時間睡眠をして1日に21時間交代でレベル上げをすることも出来たが、そこまではしない。

 今回うさぎ族の数が多かったがレベル30のラビイたちがサポートした事で更にレベル上げの効率が良くなっていた。

 30階に到達し、皆のレベルが30に近づくとレベルアップの速度は落ちたが、少しずつレベル30の者が増えてきた。

 そして全員が察する。
 ラビイが声に出す。
「この魔物を狩りつくすには人が足りないのです」

「そうだな。魔物を狩りつくすのは諦めて皆のレベル30を目指そう」
 レベル30になった者を帰還させて、他のうさぎ族を連れて来てもらう。
 それでも魔物を狩りつくすことは出来ないだろう。

 うさぎ族の数は300程度だが、妊婦や戦えない小さい子供も多い。
 実質戦える者の数は半分。
 本当に幼い子供と妊婦を除いて子供に戦ってもらったとしても200人程度だろう。

「ラビイ、素材を集めたいか?」
「いいんですか!」
「レベル上げは優先するけど、手が空いた分は素材集めに振り分けよう」

 ラビイが大声で連絡しに行く。



 ◇




 今回の中級ダンジョンへの遠征によって、うさぎ族のレベルは30になり、大量の素材を手に入れた。
 だが、中級ダンジョンの魔物狩りには人が足りない。
「やはり他の力も必要か」 
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