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中等部に進級しました
49:相談
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義兄が卒業して2年後、
俺は初等部を卒業し、中等部に入った。
と言っても、クラスは変わらず、
実力のみで分けられているので、
メンバーに代わり映えはない。
ただ、中等部になったことで、
学ぶ科目の選択がかなり自由になり、
俺はクリムやルシリアン以外に、
ティスと同じ学科を学ぶ機会が増えた。
上級生と一緒に学ぶ科目もあるのだ。
クリムは騎士になるために
一緒になる学科は減ったが、
その分、ティスがそばに
いるような感じだ。
俺には剣は無理だから
騎士とかは憧れはあるものの
そのあたりは割り切っている。
初等部は10歳から3年間。
中等部も13歳から15歳の3年間。
高等部が16歳から18歳の3年間で
この学園は卒業となる。
ティスは義兄が在学中、
ものすごーくしごかれていたらしく、
昨年から連続で
中等部の生徒会長をしていた。
中等部の生徒会は、
初等部の生徒会も兼ねている。
理由の一つは
初等部の子どもたちでは
生徒会を運営するのは
年齢的に難しいことが
挙げられると思う。
初等部のうちは
学園に慣れることに必死で、
学園のために何か貢献するというような
気持ちになるのは難しい。
だが入学して三年も経つと
さすがに周囲に目を
向けることができてくる。
そこで中等部では
前年度の中等部の役員たちが
新入生を含めて
自分たちで後任を探しだし、
後を託すことになるのだ。
もっともティスの場合は
中等部の生徒会の人たちではなく
義兄に目を付けられて
役員になったのだろうが。
ティスは何かと忙しそうだが
全く会えないと言うことは無く、
授業以外でも時間があえば
俺が王宮に行き、
ティスと一緒に勉強したり
お茶を飲んだりしている。
俺が行くと、王子教育の教師も
王妃様も国王陛下も
ティスが俺と遊ぶのを許可してくれるので
俺も遠慮なくティスを訪ねることにしていた。
息抜きの時間も大事だしな。
それに王宮には父も義兄もいるし。
二人とも王宮で働いているので
俺は学園の帰りにティスの馬車に
乗せて貰って王宮に行けば、
帰りは父か義兄と一緒に
タウンハウスに帰ることができる。
馬車をわざわざ王宮から
出してもらう必要もないし、
なかなか良い環境だと思っている。
俺ももう13歳だ。
そろそろクリムとルシリアン以外の
友人が欲しいところなのだが、
結局俺はこの二人と仲良くしているだけで
なかなか友人ができずにいた。
学園のクラスは学力で決まるので
俺もクリムとルシリアンは
ずっと一緒のクラスだ。
もちろん、同じクラスのメンバーも
ほぼ変わっていない。
つまりは、一番最初の初等部の時に
仲良くなれなかったクラスメイトとは
ずっと仲良くなれないままなのだ。
まさに初手がうまくいかなかったから
その後、何年も友達ができないと言う
痛恨のミスに俺はうなだれている。
ただ、クリムとルシリアンの
話を聞いていると、
初等部の頃は親が仕切っている
お茶会に参加したりして
友人を作るのだが
中等部になれば、
自分で友人たちを呼び、
屋敷で茶会を開くこともあるらしい。
成人してから慌てないように
練習というわけだ。
ということは俺が茶会を開いても
構わない、ってことだよな?
……招待できる友人は二人しかいないけど。
お茶会って、貴族っぽいし
俺には合わないと思っていたけど
俺だって公爵家の人間だ。
一度ぐらい茶会とやらを
開催してもいいんじゃないか?
それで、二人に誰かを誘ってもらったら
来てくれた子と友達になれるかもしれない。
……手段が姑息だと?
仕方が無いだろ。
そうでもなしないと、
友人ができないのだから。
よし、決めた!
俺は茶会を開くぞっ。
俺は授業中にウダウダ考えていたが
授業が終了するころには
心を決めていた。
授業が終わり、
昼休みが始まってすぐ
俺はクリムとルシリアンに声を掛ける。
「お昼ごはんの時、
相談したいことが
あるのだけど、いい?」
そう言うと、
2人は驚いた顔をしたが
すぐに頷いてくれた。
そして二人は俺と一緒に
食堂に向かう。
廊下に三人並んで進むと邪魔になるので
いつも俺たちは縦に並んで移動する。
騎士を目指すクリムが先頭で
真ん中が俺。
後ろからルシリアンが歩いている。
ずっとこうやって歩いているけれど、
これもおかしくないか?
これでは俺が二人を
護衛のように扱っているように
見えるんじゃないだろうか。
護衛のキールは俺が移動するとき
邪魔にならないように
そっと後ろからついて来てくれいる。
だというのに、
友人を護衛のように扱う俺、
友達にはなりたくないタイプ
になってはいないか?
ふと前を見ると、
別のクラスのやつらが
3人連れ立って、しゃべりながら
歩いてくる。
もちろん、俺たちに気が付いたら
すぐに廊下の隅に寄って
場所を空けてくれるけれど、
俺も二人とあんな風に
じゃれあって歩いてみたい。
でも、俺たちは高位貴族だから
学園でも模範となるように
行動しなければならないと
二人が思っているのであれば
無理強いはできないよな。
俺、自分ではコミュニケーション能力は
そんなに低い方だとは思ってないんだけど
なんで友達作りだけは
上手くいかないんだろうか。
ここまで新しい出会いがないと
誰かに邪魔されてるんじゃないかって
疑ってしまうぜ。
まぁ、ありえないけどさ。
俺たちは食堂に着き、
さっそくランチを頼む。
さすがに俺も成長してきたので
食べる量がだいぶん増えた。
体力も付いてきたと思う。
たぶん、だけど。
ただ騎士には絶対になれないことはわかっている。
何故なら、父に内緒で
護衛のキールに頼み込んで剣を
触らせてもらったことがあるのだが
めちゃくちゃ重くて、
持っているだけで精いっぱいだった。
あんなの振り回すなんて絶対に無理だ。
あんなのを常時身に付けて、
なおかつ、あんな重い物を
振り回しているなんて、
俺はキールをめちゃ褒めて、
尊敬のまなざしで見てしまった。
騎士を目指すクリムも将来は
あの剣を持つようになるのだろう。
凄いとしか言えない。
俺たちは会計を終えたトレーを持って
食堂の席に座った。
中等部に進級したので
場所はやや奥の中庭に近い席だ。
一番奥の席は高等部になってから
使おうと俺は勝手に決めている。
あまり目立つのも嫌だしな。
俺たちは、毎日同じ席に座るので
どんなに食堂が混んでいても
同じ席は絶対に空いている。
申しわけないほどに、
俺たちが使う4席のテーブルだけが
孤立したかのように空いているのだ。
公爵家に遠慮して座れないんだろうな、と
なんとなく思うが、
食堂で席を探す手間が省けるので
ありがたく座らせてもらっている。
たまにだけれど、
ティスもここに混ざって
ランチを食べることもあるしな。
「アキ様も随分沢山食べるようになりましたね」
ルシリアンの言葉に俺は苦笑した。
そういうルシリアンのトレーには
パンが4つ。
肉に山盛りサラダとスープ。
デザートまでついている。
「最初にお会いしたときは
パンとスープとサラダだけでしたしね」
とクリムも笑って言うが、
小さい肉も乗ってたぞ!と
俺は心の中で反論しておいた。
記憶の中で消去されるぐらい
ちいさな肉だったけどな。
そういうクリムのトレーの上は
山盛りのパンと山盛りの肉。
そしてスープが乗っている。
みごとなまでに野菜がない。
俺は自分のトレーを見た。
小さいパンが1つと、サラダとスープ。
肉の代わりに厚めのハムが数枚と
デザートのゼリーだ。
そう、俺は肉よりもハムが食べやすいと
気が付いたのだ。
これならパンに挟んでサンドイッチにして
食べることができるしな。
ナイフとフォークで固い肉を
ちまちま切って食べるより
よっぽどいい。
最初、パンにサラダやハムを挟んだ時は
二人に驚かれたけれど、
学園の食堂ということで
二人には多めに見てもらうことができた。
貴族のマナー的に
手で食べるのはNGらしいが
まぁ、学園の中だけだし、構わないだろう。
「それで、ご相談とは?」
食事を終え、クリムが
さっそく俺に聞いてきた。
「うん、あのね」
と俺は二人を見たが、
ここは食堂だ。
誰が聞いているかわからない。
別に聞かれても構わない内容だが
俺も一応公爵家だ。
縁を繋ぎたいと思っているやつらが
集まってこられたらやっかいかもしれない。
「待って、クリム。
アキ様。
場所を移しましょう」
俺がどうしようかと迷っていると
ルシリアンがそう言って立ち上がった。
「裏庭に行けば
人気もあまりありませんので
良ければそちらで伺います」
さすがルシリアンだ。
俺が声を出す前に
何かと助けてくれる。
俺は初等部を卒業し、中等部に入った。
と言っても、クラスは変わらず、
実力のみで分けられているので、
メンバーに代わり映えはない。
ただ、中等部になったことで、
学ぶ科目の選択がかなり自由になり、
俺はクリムやルシリアン以外に、
ティスと同じ学科を学ぶ機会が増えた。
上級生と一緒に学ぶ科目もあるのだ。
クリムは騎士になるために
一緒になる学科は減ったが、
その分、ティスがそばに
いるような感じだ。
俺には剣は無理だから
騎士とかは憧れはあるものの
そのあたりは割り切っている。
初等部は10歳から3年間。
中等部も13歳から15歳の3年間。
高等部が16歳から18歳の3年間で
この学園は卒業となる。
ティスは義兄が在学中、
ものすごーくしごかれていたらしく、
昨年から連続で
中等部の生徒会長をしていた。
中等部の生徒会は、
初等部の生徒会も兼ねている。
理由の一つは
初等部の子どもたちでは
生徒会を運営するのは
年齢的に難しいことが
挙げられると思う。
初等部のうちは
学園に慣れることに必死で、
学園のために何か貢献するというような
気持ちになるのは難しい。
だが入学して三年も経つと
さすがに周囲に目を
向けることができてくる。
そこで中等部では
前年度の中等部の役員たちが
新入生を含めて
自分たちで後任を探しだし、
後を託すことになるのだ。
もっともティスの場合は
中等部の生徒会の人たちではなく
義兄に目を付けられて
役員になったのだろうが。
ティスは何かと忙しそうだが
全く会えないと言うことは無く、
授業以外でも時間があえば
俺が王宮に行き、
ティスと一緒に勉強したり
お茶を飲んだりしている。
俺が行くと、王子教育の教師も
王妃様も国王陛下も
ティスが俺と遊ぶのを許可してくれるので
俺も遠慮なくティスを訪ねることにしていた。
息抜きの時間も大事だしな。
それに王宮には父も義兄もいるし。
二人とも王宮で働いているので
俺は学園の帰りにティスの馬車に
乗せて貰って王宮に行けば、
帰りは父か義兄と一緒に
タウンハウスに帰ることができる。
馬車をわざわざ王宮から
出してもらう必要もないし、
なかなか良い環境だと思っている。
俺ももう13歳だ。
そろそろクリムとルシリアン以外の
友人が欲しいところなのだが、
結局俺はこの二人と仲良くしているだけで
なかなか友人ができずにいた。
学園のクラスは学力で決まるので
俺もクリムとルシリアンは
ずっと一緒のクラスだ。
もちろん、同じクラスのメンバーも
ほぼ変わっていない。
つまりは、一番最初の初等部の時に
仲良くなれなかったクラスメイトとは
ずっと仲良くなれないままなのだ。
まさに初手がうまくいかなかったから
その後、何年も友達ができないと言う
痛恨のミスに俺はうなだれている。
ただ、クリムとルシリアンの
話を聞いていると、
初等部の頃は親が仕切っている
お茶会に参加したりして
友人を作るのだが
中等部になれば、
自分で友人たちを呼び、
屋敷で茶会を開くこともあるらしい。
成人してから慌てないように
練習というわけだ。
ということは俺が茶会を開いても
構わない、ってことだよな?
……招待できる友人は二人しかいないけど。
お茶会って、貴族っぽいし
俺には合わないと思っていたけど
俺だって公爵家の人間だ。
一度ぐらい茶会とやらを
開催してもいいんじゃないか?
それで、二人に誰かを誘ってもらったら
来てくれた子と友達になれるかもしれない。
……手段が姑息だと?
仕方が無いだろ。
そうでもなしないと、
友人ができないのだから。
よし、決めた!
俺は茶会を開くぞっ。
俺は授業中にウダウダ考えていたが
授業が終了するころには
心を決めていた。
授業が終わり、
昼休みが始まってすぐ
俺はクリムとルシリアンに声を掛ける。
「お昼ごはんの時、
相談したいことが
あるのだけど、いい?」
そう言うと、
2人は驚いた顔をしたが
すぐに頷いてくれた。
そして二人は俺と一緒に
食堂に向かう。
廊下に三人並んで進むと邪魔になるので
いつも俺たちは縦に並んで移動する。
騎士を目指すクリムが先頭で
真ん中が俺。
後ろからルシリアンが歩いている。
ずっとこうやって歩いているけれど、
これもおかしくないか?
これでは俺が二人を
護衛のように扱っているように
見えるんじゃないだろうか。
護衛のキールは俺が移動するとき
邪魔にならないように
そっと後ろからついて来てくれいる。
だというのに、
友人を護衛のように扱う俺、
友達にはなりたくないタイプ
になってはいないか?
ふと前を見ると、
別のクラスのやつらが
3人連れ立って、しゃべりながら
歩いてくる。
もちろん、俺たちに気が付いたら
すぐに廊下の隅に寄って
場所を空けてくれるけれど、
俺も二人とあんな風に
じゃれあって歩いてみたい。
でも、俺たちは高位貴族だから
学園でも模範となるように
行動しなければならないと
二人が思っているのであれば
無理強いはできないよな。
俺、自分ではコミュニケーション能力は
そんなに低い方だとは思ってないんだけど
なんで友達作りだけは
上手くいかないんだろうか。
ここまで新しい出会いがないと
誰かに邪魔されてるんじゃないかって
疑ってしまうぜ。
まぁ、ありえないけどさ。
俺たちは食堂に着き、
さっそくランチを頼む。
さすがに俺も成長してきたので
食べる量がだいぶん増えた。
体力も付いてきたと思う。
たぶん、だけど。
ただ騎士には絶対になれないことはわかっている。
何故なら、父に内緒で
護衛のキールに頼み込んで剣を
触らせてもらったことがあるのだが
めちゃくちゃ重くて、
持っているだけで精いっぱいだった。
あんなの振り回すなんて絶対に無理だ。
あんなのを常時身に付けて、
なおかつ、あんな重い物を
振り回しているなんて、
俺はキールをめちゃ褒めて、
尊敬のまなざしで見てしまった。
騎士を目指すクリムも将来は
あの剣を持つようになるのだろう。
凄いとしか言えない。
俺たちは会計を終えたトレーを持って
食堂の席に座った。
中等部に進級したので
場所はやや奥の中庭に近い席だ。
一番奥の席は高等部になってから
使おうと俺は勝手に決めている。
あまり目立つのも嫌だしな。
俺たちは、毎日同じ席に座るので
どんなに食堂が混んでいても
同じ席は絶対に空いている。
申しわけないほどに、
俺たちが使う4席のテーブルだけが
孤立したかのように空いているのだ。
公爵家に遠慮して座れないんだろうな、と
なんとなく思うが、
食堂で席を探す手間が省けるので
ありがたく座らせてもらっている。
たまにだけれど、
ティスもここに混ざって
ランチを食べることもあるしな。
「アキ様も随分沢山食べるようになりましたね」
ルシリアンの言葉に俺は苦笑した。
そういうルシリアンのトレーには
パンが4つ。
肉に山盛りサラダとスープ。
デザートまでついている。
「最初にお会いしたときは
パンとスープとサラダだけでしたしね」
とクリムも笑って言うが、
小さい肉も乗ってたぞ!と
俺は心の中で反論しておいた。
記憶の中で消去されるぐらい
ちいさな肉だったけどな。
そういうクリムのトレーの上は
山盛りのパンと山盛りの肉。
そしてスープが乗っている。
みごとなまでに野菜がない。
俺は自分のトレーを見た。
小さいパンが1つと、サラダとスープ。
肉の代わりに厚めのハムが数枚と
デザートのゼリーだ。
そう、俺は肉よりもハムが食べやすいと
気が付いたのだ。
これならパンに挟んでサンドイッチにして
食べることができるしな。
ナイフとフォークで固い肉を
ちまちま切って食べるより
よっぽどいい。
最初、パンにサラダやハムを挟んだ時は
二人に驚かれたけれど、
学園の食堂ということで
二人には多めに見てもらうことができた。
貴族のマナー的に
手で食べるのはNGらしいが
まぁ、学園の中だけだし、構わないだろう。
「それで、ご相談とは?」
食事を終え、クリムが
さっそく俺に聞いてきた。
「うん、あのね」
と俺は二人を見たが、
ここは食堂だ。
誰が聞いているかわからない。
別に聞かれても構わない内容だが
俺も一応公爵家だ。
縁を繋ぎたいと思っているやつらが
集まってこられたらやっかいかもしれない。
「待って、クリム。
アキ様。
場所を移しましょう」
俺がどうしようかと迷っていると
ルシリアンがそう言って立ち上がった。
「裏庭に行けば
人気もあまりありませんので
良ければそちらで伺います」
さすがルシリアンだ。
俺が声を出す前に
何かと助けてくれる。
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