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愛される世界?
13:宝石は愛のプレゼント
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義兄がタウンハウスから帰ってくる日、
俺は朝から庭に出て石を磨いていた。
東屋で磨いていると、
庭師のおじいさんが俺に油が染みた布を
一枚渡してくれたんだ。
それで磨くと、もっとピカピカになるよ、と。
庭で使う道具の油を染み込ませた布だったが、
一応は俺が使うからか、新しい布に
少しの油を使っただけの布だった。
わざわざ準備してくれたのだろうか。
本当に公爵家で働く人たちは俺に優しい。
油が染み込んだ布は、磨くと
石についていた余計な汚れを取り、
どんどんピカピカになっていく。
めちゃくちゃ面白い。
俺、こういう地道な作業も
嫌じゃないんだよな。
基本的にデスクワーク向きなんだと思う。
俺の後ろに控えていたサリーが
俺の地道な作業を苦笑しながら
見ていることも知っている。
でもそれを咎めて来ないのも嬉しい。
公爵家は、やりたいことをやらせて
能力を伸ばす教育方針のようだ。
俺がキュキュッと石を磨いていたら
玄関の方で馬車が停まる音がする。
義兄が帰って来たようだ。
俺が東屋から立ち上がると、
サリーが「お声を掛けてきます」と言う。
そしてサリーの後ろにいる護衛に
合図をしてから、サリーは
玄関へと向かった。
義兄のタイミングで、
俺を呼んでくれるのだろう。
義兄が着替えてからか、
それとも夕食の後か。
石は結構仕上がっているとは思うけれど
磨けば磨くほど綺麗になるから
もう少し磨いてみようか。
そう思っていると、
「アキルティア様」とサリーが
俺を呼ぶ声がする。
顔を上げると、なんと、
制服を着たままの義兄がサリーの
傍に立っていた。
「兄さま、おかえりなしゃい」
っと、今のは言えてたよな?
幼児言葉じゃなかったよな。
俺は石をポケットに隠して
義兄のそばに入っていく。
「いいよ、走らないで」
義兄も俺に近づいてくれた。
「僕に話があると聞いたんだけど?」
って、いきなりか。
話はないけどプレゼントがあるんだよな。
この石、仕上がってると言えば仕上がってるけど、
もう少し磨きたい気もする。
どうしようか。
あとでいいから時間が欲しいと言ってみるか?
と迷っていると、サリーがさりげなく
東屋に俺と義兄のお茶を準備してくれた。
仕方なく俺は義兄と東屋に座る。
お茶は冷たく冷えたもので、
飲んだら少し落ちついた。
なんだよ、冷たいお茶だって
用意できるじゃんか。
きっと冷たいものは
俺がお腹を壊すとか言って
今まで出さなかったんだな。
今日は暑かったし、
ここは外だから冷たいお茶を
用意してくれたのかもしれない。
義兄もどうやら冷たいお茶を飲んで
汗が引いたようだ。
着替えてからでも良かったのに
俺のために急いで来てくれたんだろうか。
そう考えると嬉しい。
「あの、兄さま」
俺はポケットから石を取り出した。
油の染みた布も一緒に出て来たけど、
それは慌ててポケットに押し込む。
「プレゼントです」
「僕に?」
義兄は驚いた顔をする。
俺は石を手で包み込んで見えないようにして、
じゃじゃーん!と効果音付き……は
恥ずかしくて言えなかったが、
それぐらいの気分で義兄に石を見せた。
義兄は何も言わずに目を見開いて固まっている。
もしかして、
ただの石だと落胆したのか?
三歳児に何を求めてるんだ、義兄よ。
だがこれはただの石では無いのだ。
俺は石を義兄に無理やり握らせた。
「兄さま。この石はただの石じゃないんでしゅ!」
力み過ぎて、また舌が回らない。
「この石は、ほら、透明でキラキラ!」
俺は義兄の手を掴んで石を光にかざすようにした。
「キラキラは悪いものをやっつけて、
近寄らないようにできます」
よし、言えた。
「透明なキラキラの石は水晶で
持ってるだけで兄さまを守ってくれましゅ!」
あ、まだ舌が……。
くそ。
早く成長してくれ、俺の舌。
俺は義兄の手を石ごとぎゅーっと握った。
「僕の兄さまになってくれて
ありがとう、のプレゼントです」
よし!よし!
一番大事なところは、まともに言えたぞ!
と俺は満足して自然に笑顔になった。
大きな仕事をやりとげた感覚だった。
だが、義兄は。
俺をじっと見たまま、まだ動かない。
大丈夫か?
この石がじつは庭で拾った石だって
気が付いたのか?
俺だってさすがに庭に水晶が
落ちてるとは思わないけどさ。
でも透明だし、磨いたら
すっごく綺麗になって、水晶みたいだろ?
俺は前世で、弟の誕生日に、
公園で拾った透明の石を磨いて
魔除けの水晶だ!って渡したら、
物凄く弟は喜んでたんだぞ。
あの時の弟は今の義兄よりは
小さかったかもしれないが、
子どもなんだから、庭の石も宝石も
似たようなもんだろう。
ようは、信じたもん勝ちってことだ。
庭の石でも魔除けの石だと思えば
水晶と同じ効果がある!……はず。
俺は胸を張って義兄を見上げた。
義兄は……。
目に涙をにじませている。
え?
なんで?
「あ、りがとう。
嬉しい、よ」
石が泣くほど嬉しいのか?
やっぱりあんな父だから
家族じゃないとか、疎外感を感じてたのか?
俺は立ち上がって、
座ったまま涙を落とす義兄の頭を
抱きしめてやる。
まだ10歳だもんな。
公爵家は金持ちだし、権力もあるけど
そんなところにひとりぼっちできたんだ。
怖かっただろうし、寂しかったはずだ。
「兄さま。大丈夫。
僕が守ってあげる」
そういうと、義兄は体を震わせ、
俺の胸に一瞬だけ顔を押し付けて。
それから、俺をそっと引きはがした。
「ありがとう。
でも僕が兄だから。
僕が守ってあげる」
笑顔でそう言われて。
俺はその真剣な顔に、
ただ頷いた。
そんな俺たちの様子を
こっそり見ていた庭師が感動して
涙を滝のように流していたことも。
そばに控えていたサリーと護衛が
目に涙を浮かべて、俺たちを
見守っていたことも。
その後、義兄と俺が
部屋に戻ってから、
様子を見ていた侍女たちが
メイドや護衛たちに俺たちの様子を伝えて
「アキルティア様は本当にお優しい」とか
「素晴らしい兄弟愛」だとか噂になったこととか。
それを聞いた父が有頂天になっていたとか。
そういうことを俺が知ったのは、
随分と後になってからだった。
俺は朝から庭に出て石を磨いていた。
東屋で磨いていると、
庭師のおじいさんが俺に油が染みた布を
一枚渡してくれたんだ。
それで磨くと、もっとピカピカになるよ、と。
庭で使う道具の油を染み込ませた布だったが、
一応は俺が使うからか、新しい布に
少しの油を使っただけの布だった。
わざわざ準備してくれたのだろうか。
本当に公爵家で働く人たちは俺に優しい。
油が染み込んだ布は、磨くと
石についていた余計な汚れを取り、
どんどんピカピカになっていく。
めちゃくちゃ面白い。
俺、こういう地道な作業も
嫌じゃないんだよな。
基本的にデスクワーク向きなんだと思う。
俺の後ろに控えていたサリーが
俺の地道な作業を苦笑しながら
見ていることも知っている。
でもそれを咎めて来ないのも嬉しい。
公爵家は、やりたいことをやらせて
能力を伸ばす教育方針のようだ。
俺がキュキュッと石を磨いていたら
玄関の方で馬車が停まる音がする。
義兄が帰って来たようだ。
俺が東屋から立ち上がると、
サリーが「お声を掛けてきます」と言う。
そしてサリーの後ろにいる護衛に
合図をしてから、サリーは
玄関へと向かった。
義兄のタイミングで、
俺を呼んでくれるのだろう。
義兄が着替えてからか、
それとも夕食の後か。
石は結構仕上がっているとは思うけれど
磨けば磨くほど綺麗になるから
もう少し磨いてみようか。
そう思っていると、
「アキルティア様」とサリーが
俺を呼ぶ声がする。
顔を上げると、なんと、
制服を着たままの義兄がサリーの
傍に立っていた。
「兄さま、おかえりなしゃい」
っと、今のは言えてたよな?
幼児言葉じゃなかったよな。
俺は石をポケットに隠して
義兄のそばに入っていく。
「いいよ、走らないで」
義兄も俺に近づいてくれた。
「僕に話があると聞いたんだけど?」
って、いきなりか。
話はないけどプレゼントがあるんだよな。
この石、仕上がってると言えば仕上がってるけど、
もう少し磨きたい気もする。
どうしようか。
あとでいいから時間が欲しいと言ってみるか?
と迷っていると、サリーがさりげなく
東屋に俺と義兄のお茶を準備してくれた。
仕方なく俺は義兄と東屋に座る。
お茶は冷たく冷えたもので、
飲んだら少し落ちついた。
なんだよ、冷たいお茶だって
用意できるじゃんか。
きっと冷たいものは
俺がお腹を壊すとか言って
今まで出さなかったんだな。
今日は暑かったし、
ここは外だから冷たいお茶を
用意してくれたのかもしれない。
義兄もどうやら冷たいお茶を飲んで
汗が引いたようだ。
着替えてからでも良かったのに
俺のために急いで来てくれたんだろうか。
そう考えると嬉しい。
「あの、兄さま」
俺はポケットから石を取り出した。
油の染みた布も一緒に出て来たけど、
それは慌ててポケットに押し込む。
「プレゼントです」
「僕に?」
義兄は驚いた顔をする。
俺は石を手で包み込んで見えないようにして、
じゃじゃーん!と効果音付き……は
恥ずかしくて言えなかったが、
それぐらいの気分で義兄に石を見せた。
義兄は何も言わずに目を見開いて固まっている。
もしかして、
ただの石だと落胆したのか?
三歳児に何を求めてるんだ、義兄よ。
だがこれはただの石では無いのだ。
俺は石を義兄に無理やり握らせた。
「兄さま。この石はただの石じゃないんでしゅ!」
力み過ぎて、また舌が回らない。
「この石は、ほら、透明でキラキラ!」
俺は義兄の手を掴んで石を光にかざすようにした。
「キラキラは悪いものをやっつけて、
近寄らないようにできます」
よし、言えた。
「透明なキラキラの石は水晶で
持ってるだけで兄さまを守ってくれましゅ!」
あ、まだ舌が……。
くそ。
早く成長してくれ、俺の舌。
俺は義兄の手を石ごとぎゅーっと握った。
「僕の兄さまになってくれて
ありがとう、のプレゼントです」
よし!よし!
一番大事なところは、まともに言えたぞ!
と俺は満足して自然に笑顔になった。
大きな仕事をやりとげた感覚だった。
だが、義兄は。
俺をじっと見たまま、まだ動かない。
大丈夫か?
この石がじつは庭で拾った石だって
気が付いたのか?
俺だってさすがに庭に水晶が
落ちてるとは思わないけどさ。
でも透明だし、磨いたら
すっごく綺麗になって、水晶みたいだろ?
俺は前世で、弟の誕生日に、
公園で拾った透明の石を磨いて
魔除けの水晶だ!って渡したら、
物凄く弟は喜んでたんだぞ。
あの時の弟は今の義兄よりは
小さかったかもしれないが、
子どもなんだから、庭の石も宝石も
似たようなもんだろう。
ようは、信じたもん勝ちってことだ。
庭の石でも魔除けの石だと思えば
水晶と同じ効果がある!……はず。
俺は胸を張って義兄を見上げた。
義兄は……。
目に涙をにじませている。
え?
なんで?
「あ、りがとう。
嬉しい、よ」
石が泣くほど嬉しいのか?
やっぱりあんな父だから
家族じゃないとか、疎外感を感じてたのか?
俺は立ち上がって、
座ったまま涙を落とす義兄の頭を
抱きしめてやる。
まだ10歳だもんな。
公爵家は金持ちだし、権力もあるけど
そんなところにひとりぼっちできたんだ。
怖かっただろうし、寂しかったはずだ。
「兄さま。大丈夫。
僕が守ってあげる」
そういうと、義兄は体を震わせ、
俺の胸に一瞬だけ顔を押し付けて。
それから、俺をそっと引きはがした。
「ありがとう。
でも僕が兄だから。
僕が守ってあげる」
笑顔でそう言われて。
俺はその真剣な顔に、
ただ頷いた。
そんな俺たちの様子を
こっそり見ていた庭師が感動して
涙を滝のように流していたことも。
そばに控えていたサリーと護衛が
目に涙を浮かべて、俺たちを
見守っていたことも。
その後、義兄と俺が
部屋に戻ってから、
様子を見ていた侍女たちが
メイドや護衛たちに俺たちの様子を伝えて
「アキルティア様は本当にお優しい」とか
「素晴らしい兄弟愛」だとか噂になったこととか。
それを聞いた父が有頂天になっていたとか。
そういうことを俺が知ったのは、
随分と後になってからだった。
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