【完結・R18】「いらない子」が『エロの金字塔』世界で溺愛され世界を救う、そんな話

たたら

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愛があるれる世界

328:世界に組み込まれる

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　私はずっと『愛されたい』だったから。

私が女神になり、『多くの人に愛される』を
選ばなかったことを女神ちゃんは言っているのだと思う。

だから私は素直に言う。

「あのね、女神ちゃん。
私ね、多くの人に、誰でもいいから
沢山愛されたいって思ってたけど、
本当は違ったの」

『そうなのか？』

女神ちゃんが不思議そうに言う。

「うん。
誰でもいいわけじゃないし
愛してくれる人が多ければ
それで満足するわけでもなかったの」

私は女神ちゃんに理解してもらおうと
ゆっくりと声に出す。

「私が好きな人に愛してもらわないと
心は全然満たされないの。

逆にね、好きな人に愛されたら
それ以外の人に、誰でもいいから
愛されたいなんて思わなくなったのよ」

私の返事に、女神ちゃんは
驚いた顔をしたけれど、
『そうか』と呟き、笑った。

『じゃあ、ユウは今、
幸せなんじゃな』

「え？　うん、そうかな」

『そうか、良かった。
勇と約束したからな』

「勇くんと？」

その言葉にパパ先生も身を乗り出す。

『勇は、自分が幸せになれたから
悠子ちゃんも必ず幸せにして欲しい、
そう言っておったんじゃ。

だから……その、
ユウは沢山愛されたいと言ってたから
沢山愛された方が良いと思って……』

多くの祝福を、何度も与えたとか言うのか。

まぁ、いいか。
私の為だったのだし、
もう私は祝福に振り回されたりしない。

『ユウはもう、あの場所で生きていくのじゃな』

女神ちゃんは確認するように言う。

私は頷いた。

結婚話も出てるし……元の世界には
帰れないし、帰りたいとも思わない。

『じゃあ、そなたはどうする？
名を付けるか？』

女神ちゃんはパパ先生を見た。

そうか。
パパ先生は元の世界から来ただけの
お客様状態だったけれど、
名前を付けたら女神ちゃんの世界に
組み込まれることになっていたんだ。

パパ先生は頷いたけれど、
最後に、もう一度だけ元の世界に
戻りたいと言った。

急いでこの世界に来たので
一応、すべての処理をしてきたけれど
残してきた財産や孤児院の運営などが
ちゃんと処理できているかを見たいらしい。

知人に姿を見せるつもりはないので
ただ確認したいだけだ、と言っていたけれど
もしかしたら、奥さんたちとの
思い出の品物を片付けたりしたいのかもしれない。

こちらの世界に持って来たい物も
あっただろうし。

女神ちゃんは頷き、
両国の国交問題が落ち着いたら
必ず、元の世界に連れて行くと約束した。

でも、パパ先生と離れてしまう寂しさや
元の世界に戻ってしまったら、
やっぱり元の世界の方が良いと思ってしまい、
もう戻ってこないのかも？という不安が
胸をよぎる。

パパ先生はそんな私の頭を撫でて、
「必ず戻ってくるよ」と笑った。

パパ先生は本当に優しい。

パパ先生の名前は、
パパ先生が元の世界に一度戻り、
帰ってきてから、ということになった。

これで、本格的に私とパパ先生は
女神ちゃんの世界の住民となる。

新しい世界に組み込まれるのだ。

私は両手を見た。

手のひらを開いたり握ったりする。

この体にも、随分と慣れた。

光っていた肌は、発光が収まり
いつもの見慣れた手になっている。

元の私の体とは違い、
少し固い男性の手だけれど、
もうこの体は私のものなのだ。

「そうだ、女神ちゃん」

私は女神ちゃんを見る。

「この体、勇くんの身体だけど
ちゃんと生きてるんだよね？」

死んでしまった勇くんの体の中に
私の魂が入っていることを思い出して
つい、そんなことをきいてしまった。

『どういう意味じゃ？』

「一度、死んでしまった体だから
私がその体を動かしているだけで
じつは成長しないとか、
そういうことは無いのかな、と思って」

女神ちゃんは、
まるで考えたことなどなかった、
というような顔をした。

『え？　いや、そんなこと……
あるのか？　じゃが、確かに
身体的には……』

女神ちゃんの視線が彷徨う。

『いや、じゃが、大丈夫じゃ！』

はっ、と女神ちゃんは顔を上げた。

「……何が？」

思わず冷たい声が出る。

『ユウは女神の血を半分引いてるんじゃから
人間の身体かどうかは関係ないじゃろう』

「体に血を引いているというなら
元の私の体は勇くんが使ってるんだけど？」

う、っと女神ちゃんは唸る。

『か、身体はただの器でしかないんじゃ。
ユウの魂が、女神に望まれ生まれて来たのだから
問題ないんじゃっ』

本当かどうか怪しいけれど、
今は信じるしかない、か。

「悠子ちゃんは、何故そんなことを思ったんだい？」

パパ先生が聞く。

私は勇くんのこの体が幼くなっていることだけでなく
精通が来てない……と思われることで
成長しないのではないか、と考えたのだけど。

そんなことをパパ先生に言うのは
さすがに恥ずかしくて口を閉ざした。

そんな私に女神ちゃんは気が付いたようだ。

『そうじゃ！
その体は新たな世界に馴染むために
幼くなっておるが、精通に関しては
わしの趣味じゃ！』

………は？

私とパパ先生は、ぽかん、と
女神ちゃんを見た。

『幼女で聖女の設定で世界を創っておったからな。
その体もその設定に合わせたんじゃ。

そなたの魂とその体が馴染むまでは
その体は成長せん。

それに、精通も来ていないような可愛い子が
快楽に堕ちるのは……』

「きゃーっ！」

私は思わず立ち上がり、
女神ちゃんの口を塞いだ。

パパ先生に、なんてことを聞かせるつもりなの！？

きゃー、きゃーと私がわめくので
パパ先生が「悠子ちゃん、落ち着いて」と
私の肩に触れる。

私は、取り乱してすみません、と頭を下げ
さりげなく女神ちゃんに
「それ以上言ったら、友達やめる」と
パパ先生に聞こえないぐらい小さな声で呟いた。

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