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愛があるれる世界

318:求め合う

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 マイクはソファーから立ち上がると
私の体を抱き上げた。

抱っこされたまま私の体は
ベットに下される。

さすがに明るいから恥ずかしいと私が言うと、
マイクはベットの天蓋のカーテンを下ろしてくれた。

薄いレースのカーテンだったけれど、
窓からの陽ざしが遮られ、
少しだけ部屋が暗くなったように感じた。

マイクが私の体に覆いかぶさるようにして
再び唇を重ねてくる。

何度も何度も唇が重なって、
そのうちマイクの舌が私の口内に入って来た。

厚く滑った舌が、私の歯をなぞり
舌に絡みつく。

そうなると私の体はどんどん熱くなり、
思考が散漫になってくる。

いつの間にか私が来ていたシャツは脱がされ
マイクの指が腹や胸をなぞっている。

それでもマイクは私の舌を吸うことをやめなかった。

絡んだ舌のせいで息苦しくなり、
私がマイクに指を伸ばした時、
ようやくマイクは私を開放する。

マイクの指が私の頬を包み込み、
指先が私の唇に触れた。

「ユウさまとの口づけが久しぶり過ぎて
我慢ができず」

申し訳ありません、と
はみかみながら言うマイクは
申し訳ないと言う感じではなかった。

けれど嬉しそうな顔に
私は文句も言えずに、頬に触れている
マイクの手に自分の手を重ねる。

「こうするの……久しぶりだもんね」

というと、マイクは優しく頷く。

「ずっと、ユウさまに触れたいと
そう思っておりました」

マイクは重ねた手から
私の指を取ると、その指先を
口に咥えた。

さきほどまで私の口内を荒らした舌が
今度は私の指を舐め、吸う。

「ずっと、ずっと。
私はこうしてユウさまの肌を
味わいたかったのです。

……ユウさまの肌を
こうして全身味わえる日がくるなんて」

マイクが私の指から口を離し、
舌で手のひらや手首を舐めながら
そんなことを言う、が。

一瞬、妙な言葉が入っていたような気がして
私は息を止めた。



ん?

気のせいだった?

なんか寝ている私の体を
全身味わったような言い方に聞こえたけど
そんなはずないよね。

まさかマイクが私の体を
舐めまわすなどありえないと
私は体の力を抜く。

マイクは言葉遣いが丁寧すぎて
ときおり、意味がわからないことがある。

相手に誤解される可能性があるから
いつか、指摘してあげた方が良いかもしれない。

もっとも、私が教養がないだけで
この世界の、たとえば神官とか
貴族の人たちの間では
普通の会話かもしれないけれど。

と、ここまできて
急に私は、自分の姿が恥ずかしくなった。

そう言えば『大聖樹の宮』で私は寝落ちして
起きたらすぐにここに来たから
一応、朝はカーティスに濡れたタオルで
顔は拭いてもらったけれど、
昨夜はお風呂に入ってはいなかった。

まさかと思うけど、汚れているかも?

マイクに肌を舐められているけれど
大丈夫だろうか。

私は手首から肘あたりに舌を這わせているマイクの手を
咄嗟に掴む。

「あの、あのね。
昨日、お風呂に入らずに寝ちゃったの。
今朝は起きてすぐにここに来たから……」

マイクは私の言いたいことが分かったような
顔をして、頷いた。

「ユウさまの味が濃いのは
そのせいでしたか」

って。
濃いってなに!?
味が濃いってどういうこと?

私が羞恥にぷるぷる震えると、
マイクはくすくすすと笑う。

揶揄われたのだろうか。

マイクが?
私を?

いつだって私に気を遣っていたマイクが
私を揶揄うなんてあるのだろうか。

驚いてマイクを見つめると、
すぐに唇が重なった。

「どうしてもこのままユウさまを
感じたいのです。
湯殿をご所望でしたら
のちほど、お連れ致しますので」

このまま続けても?

とマイクに言われてしまっては
私は頷くしかできない。

笑顔はいつものマイクだったけれど
女神ちゃんが急に変な設定を付けたとか
そんなのは無いよね?

さすがに、地球の女神が指導しているのに
妙なことはできない筈だし。

私はいつもとは違う感じのマイクに
首を傾げてしまったけれど
何がどう違うのかを言う程ではなくて
結局はそのままマイクを指や舌を受け入れた。

私の体はあっという間に
衣類がはぎ取られてしまったけれど
それに気が付かないぐらいに
マイクは私の肌を舌で這い、
唇で吸い上げた。

けれどマイクは自分の服は
一切脱がず、ただシャツのボタンを
数個外しただけだった。

マイクも脱げばいいのに、と
私は思う。

それに、こんなに私の肌を
マイクの指や舌が這いまわるのに、
肝心の……私が快感を生む場所は
一向に触れる気配がない。

胸元も舌がなぞったが、
突起には触れることなく、
舌はおへそを舐めると、その横の
やわらかい肌をちゅっと吸う。

長い指が私の両足を開き、
膝や太ももを撫でているが
内股には触れず、もちろん、
樹幹には目もくれない。

マイクの顔が徐々に下がっていき、
私はマイクに与えられるであろう
快感に期待をしたが、
何故かマイクは私の膝やすね、足首を舐め
足の指を口に入れた。

くすぐったいような、
じれったいような快感が
私の中で沸き起こる。

早く……早く、マイクを感じたい。

そう思った時、とぷ、と蜜が、
私の秘所から溢れた。

女神ちゃんの『祝福』は
抑えられたはずなのに、
私がマイクに愛されたいと思っているから
蜜が出たのだと思った。

マイクの愛撫に期待をしていたことが
恥ずかしく、マイクに知られたくないと
思ってたけれど、甘い匂いが
部屋に広がり、隠すことなどできない。

「……甘い、香りですね」

マイクが顔を上げて私を見る。

「ユウさまが私を求めて下さる匂いです」

まるで蜜が出るのを待っていたかのように
マイクは笑った。

わざと今まで私を愛撫して、
じらしていたのではないかと思えるほど
それは嬉しそうな顔だった。



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