【完結・R18】「いらない子」が『エロの金字塔』世界で溺愛され世界を救う、そんな話

獣人の国

286:初めての……

　たぶん、これが精液なんだと思った。
マイクのお腹に、私の樹幹から
白い液が飛び出したのだ。

マイクの欲棒を体内に入れ、
下から何度も突きあげられた。

キモチイイが止まらなくなって、
下半身が熱くなり、何かがせり上がってくる感覚がした。


また透明な液か、尿が出るかもしれないと
私はマイクに動くのをやめてと伝えたが、
マイクの動きは止まらない。

そして私は我慢できずに、
とうとう樹幹から何かを吐き出したのだ。

白い、もの。

私は震えた。

『祝福』が発動しなかったわけが、
コレだと急に思えて来た。

私がこの体を受け入れ、
この世界を異世界ではなく
自分の世界だと思ったからこそ、
この体は、普通の身体になり
当たり前の反応として射精したのだ。

今までは、借り物の身体。
仮初の世界だったから、
私の体は、蜜しか出なかったにちがいない。

でも今は違う。
私がこの世界で生きると覚悟を決めたから
『祝福』で誰でもいいから抱かれるのではなく、
自分の意志で、自分の身体で、
私はマイクに抱かれているのだ。

「ユウさま」

優しくマイクが私を呼ぶ。

マイクは体を起こして、
私の体内から欲棒を抜いた。

そして私を抱き寄せると
腹に付いた白い液を指で掬う。

「初めての……ユウさまの
精液ですね」

そう言って、マイクは
精液のついた指を口に入れた。

「これで、お互いのものを
飲むことが出来ましたね」

そう言って笑うマイクに、
私は胸がいっぱいになって
何も言わずにしがみつく。

「愛しています、ユウさま」

マイクは耳元で囁く。

「あなたが使命のために
誰に抱かれても、
誰か一人のものになることが
できなかったとしても。

私の唯一は、ユウさまです。

最愛の、唯一。
私のたった一人の、愛するお方」

マイクの指が私の髪を撫でる。

「もしかしたら独占欲にまみれ
ユウさまを手酷く抱きたくなることも
あるかもしれません。

国に戻って、ヴァレリアン殿や
カーティス殿下に愛されるユウさまを見たら
激しい嫉妬に駆られるかもしれません。

けれど。
私はユウさまがそれを望まれるのであれば
その意志は受け入れます。

ですから、どうか。
私がユウさまを愛し、お傍にいることを
これからもお許しください。

こうして……女神の意志とは関係なく、
肌を重ね、愛し合えたことを
私は無かったことにはできないのです」

あんなに熱く激しく私を欲棒で貫き、
私のすべてを書き換えるように抱いたのに、
マイクは辛そうに、不安そうに
そんなことを言う。

「私だって……無かったことに、できないよ」

この世界で生きていくと言う覚悟を
ようやく持ったのだから。

私はマイクを見つめた。

「この先、どうなるかわからない。
『祝福』も今は発動しなかったけど、
次の時はわからない。

キモチイイに支配されて、
『力』が欲しくて、マイク以外の人に
抱かれることもあるかもしれない。

それこそ、ディランだけでなく、
ヴァレリアンやカーティス、スタンリーとだって
私は沢山愛してもらったし、
それを今更拒絶なんて、今はできそうにないし。

でも、でもね。
私がこの世界で生きていくって決めれたのは、
マイクがいたからだと思う。

『祝福』が発動しなかったのも、
相手がマイクだったからだって思うの」

言っている意味、伝わってるかな？
マイクが特別だってことなんだけど。

マイクは黙って私の言葉を聞いていた。

私の言葉の意味を考えているのだろうか。
何も言わずに、ただ私の背に手を回し、
抱きしめてくれている。

「私は……ずっとおそばにいて
ユウさまをお慕いすることを
許されたのでしょうか。

ユウさまが誰も選ばなくても
誰かを選んでも私がお傍にいて
構わないと、そう思っても……？」

私は頷く。

そう、私が誰かを選ぶことが
出来る日が来たら、
きっと隣にいるのはマイクだと思うから。

マイクは私を抱きしめる腕の力を強くした。

マイクの胸に顔を押し付けると、
少し早い心臓の音と一緒に、
歓喜とも呼べる感情が伝わって来た。

私も嬉しくなって、
マイクの背に回した腕の力を強める。

すりすりとマイクの胸に
頬を摺り寄せ、そのぬくもり味わった。

「ユウ……さま」

そんな私の髪をマイクは撫でて、
マイクは私を呼ぶ。

顔を上げると、そっと口づけられた。

「嬉しすぎて……押さえが利きそうにありません」

マイクはそう言い、私の顔を覗き込む。

「朝までユウさまを愛する許可は、
まだ有効でしょうか」

伺うように言われ、私はドキっとする。

初めて性液を吐き出して、
じつはもう、いっぱい、いっぱい、だった。

『祝福』が発動したときは、
女神ちゃんのおかげて、体力は全開だったし、
どんなに激しく抱かれても、
すぐに回復した。

でも今は違う。

この体は、普通の人間の男の子と同じだ。

きっと『祝福』なしで朝までなんて、
抱きつぶされて、立てなくなるに違いない。

今まで抱きつぶされてもなんとかなったのは
『祝福』があったからだ。

そう思ったけれど。
思ったけれど！

幸せそうなマイクの顔を見て
拒否などできない。

結局私は朝まで……
初めて精液を出したばかりだと言うのに、
それから何度も、マイクの手で
射精させられ、気を失うまで抱かれてしまった。

翌朝、我に返ったマイクにひたすら謝罪されたけれど。

私はずっとマイクは優しく気遣いのできる人だと
信じていたけれど。

じつは本気を出すと恐ろしい存在でないかと
少しだけ考えを改めることにした。