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隣国へ

159:激しく愛される2【ディランSide】

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俺はユウの肩を掴み、四つん這いにした。

そして俺はマイクを煽る。

お前もユウをその欲棒で貫きたいのだろう?と。

「俺は……ユウをアイシテルし、
独り占めしたい。
だから、おまえは邪魔だ。

だがユウがお前を欲するなら
仕方ないと思ってる。

ユウは……俺だけのモンにはならねぇ。
それだけは理解してるからな」

ユウを愛し、そばにいるには
独り占めできないという事実を
受け入れるしかない。

それがどんなに苦しくても、だ。

マイク、お前にはその覚悟があるのか?

「俺は嫉妬するし、
ユウを無茶苦茶に抱きたいし、
ユウを誰かと共有するのも、ほんとは嫌だ。

だけど、そうでないとユウが手に入らないなら
それでいいと思うようにした。

お前はどうするんだ?

このままなし崩しにユウを抱いて、
手に入れたつもりになって、満足か?」

覚悟を決めろ。
ユウに求められるから抱く、なんて
都合の良い逃げ道を作るな。

女神も、世界も関係ない。

ただ、ユウを愛していると、
求めていると、認めろ。

そうでないなら、ユウは諦めろ。
お前に、ユウのそばにいる資格はない。

少なくとも……あの聖騎士たちは、
ユウのそばで見たあの聖騎士たちには
世界が崩壊したとしてもユウを守り、
ユウの選択に従うと言う覚悟が見えた。

ならお前はどうなんだ?

「ユウに触れることすら躊躇うおまえに
ユウが求めるモンを与えることができるのか?」

ユウは、貪欲に愛を求めている。
そうでなければ聖騎士たちを含め、
俺やマイクにまで愛されたいと言う理由がない。

与えても、与えても、ユウは不安なんだ。

だからユウを愛するのであれば、
ユウが安心するまで、愛を伝え、抱きしめる。

それしかできないのだと俺は思う。

だからこそ、マイクのように
ユウに求められ愛する、という姿勢ではダメなのだ。

自らユウを求め、愛すると示さなければ
ユウは逆に傷ついてしまう。

俺がマイクを責めたからだろう。
俺の言葉にユウが反応した。

マイクをかばおうとしたのが分かったので
俺は強引にユウの口に欲棒を押し込む。

「う……ぅっ」

とユウは苦しそうに呻いたけれど、
俺は容赦しなかった。

「な、俺が欲しいのなら、舐めてくれよ」

髪を撫でると、ユウは苦しいハズなのに
嬉しそうな顔をした。

ほら、ユウは喜んでいる。

俺がユウを求めることに、
俺に求められていることにユウは喜ぶんだ。

「どうする?
欲しいモンは、自分から動かないと
手に入らないんだぜ。

ユウにばかり気を遣わせて、
それで、いいのか?

自分の意志でユウを抱く気がないなら
そこで黙って見てろ」

そこまで言うと、
マイクは喉を震わせた。

「何を勝手なことばかり……。
私がユウさまを愛す覚悟がないだと?
バカなことを!

私がユウさまをどれだけ愛しているか!
ただ、私はユウさまを傷つけたくないのだ。

私の欲で!
ユウさまをムチャクチャにしたいという
卑しい欲で……。

本能に生きる貴様にはわからないだろうがな」

勝手な理由だ。
ユウがその【欲】とやらを欲しているのに。
何故与えてやらない?
俺には理解できない。

「あぁ、わからないな。
ユウがそれを望んでいるのに
勝手に自己完結して、無理やり優しいふりをする
臆病者の気持ちはな」

そうだ。
こいつは臆病なんだ。

欲しいままにユウを抱き、
嫌われることを恐れている。

だから俺はユウの口から
欲棒を引き抜いた。

「ユウは無茶苦茶に愛されたいんだろ?
俺に。
……こいつからも」

言ってやれよ、ユウ。
お前の口で。

お前の望みを。

「乱暴にされたいわけじゃないけど、
愛してくれるのは、嬉しい。
でもそこに遠慮とかあったら、寂しい」

ユウは優しい言葉を使った。
だが、マイクには十分伝わったのだろう。

一歩、ユウに近づく。

「私は……ユウさまにすべてを捧げております。
女神の信徒として、敬愛し、
一人の人間として、ユウさまを愛しております。

そのどちらかの立場を選ぶことなどできません」

マイクはまだそんなことを言う。
だが、ユウの腰に触れたマイクの顔は
今までとはどこか違って見えた。

「ですが、ユウさまがそのように
言ってくださるのであれば……

こうして肌を重ねるときだけは、
自由に……ユウさまを求めることを
お赦しいただけますか?」

またこいつは、ユウに選択させる。

気に入らない。
気に入らないが、ユウは嬉しいと言った。

マイクが心のままに行動すると
言ったことが良かったのだろうか。

俺は納得はしていない。
していないが。

それでもユウがいいと言うなら
俺は受け入れる。

こんなヤツでいいのか?
本当にこいつがいいのか?と
俺は心の中で何度もユウに問いかけた。

俺ならユウだけを求める。

女神も関係ない。
確かに俺は国を救うために
セイジョを求めてユウと出会った。

最初は国を救うためだと
ユウを保護しただけだった。

でも、それから一緒にいるうちに
どんどんユウに惹かれていった。

惜しみないユウの優しさに、笑顔に。
甘えてくる可愛さに。
寂しいと言う表情に。

世界を救うと言う
大きな役割を持っているにもかかわらず、
ということを
女神に強要されているにもかかわらず。

笑っているユウを。

女神のことを親し気に呼び、
時には貶すようなことを言う
豪胆なユウを。

俺は愛しくて仕方がない。

だからこそ、ユウのそばにいるのは
俺と同じように、ユウだけを愛し、
何よりもユウのことを
最優先できる人間でなければならないと思う。

俺には強い信仰が無いので
マイクの信仰心のことは理解できない。

だが俺としては、女神よりもユウが大事だと
マイクに言わせたいと思う。

そうでなければ、ユウではなく俺が、
納得できない。

……ユウの感情を無視して、
こんなことを考えている俺は
マトモじゃないかもしれない。

そんなことを、ふと思った。

だが、俺はユウしか見えない。
だからマイクや周囲や世界がどう判断しようと
関係ないんだ。

俺はユウに恋い焦がれている。
絶対に、俺だけのものにならないユウを
俺は愛してしまったから。

ずっとこの焦燥感は消えないのだろう。

俺がこんなにユウを想っているのに、
ユウは四つん這いのまま
また、マイクを見る。

「マイク、好きに……愛して?」

なぜ、そいつなのか。

俺ではダメなのかと、一瞬、絶望する。

だが、次に続いた声に、俺は安堵した。

「ディランも……」

おずおずと、ユウが口を開けた。
舌を出し、俺を上目使いに見る。

「舐め……させて?」

「……っ」

声に、ならなかった。
ユウが俺を求め、舌で……欲棒に触れる。

俺が強要して言わせたのではない。
ユウが、自分から言い、舌を出したのだ。

……満たされる、と思った。

ユウの熱い舌が、俺も心をも満たしていく。

俺はユウからもたらされる刺激に
心を震わせながら、その拙い愛撫を堪能した。







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