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隣国へ
158:激しく愛される【ディランSide】
しおりを挟む俺はユウが大好きで、
もし俺にしっぽがあったら
ぶんぶ振ってすがりついていたと思う。
常にユウを抱きしめたいし、
できれば、肌を重ねて愛し合いたい。
ユウが嫌がるのであれば
自重するが、ユウもそれを
望んでいる様子だった。
だから俺はユウを愛すし、抱く。
嫉妬もするし、ユウを独占したいが
そんな感情でユウが俺から
離れていくのであれば、
我慢だってする。
俺の世界はユウがすべての判断軸だからだ。
あの聖騎士たちも気に入らなかった。
だが、ユウが家族のようだと言ったので
溜飲を下げた。
もっとも、あの王族たちは
ユウを溺愛していることは目に見えてわかったし
俺に嫉妬の目を向けてきたことも
気が付いていた。
だから、王都から密かに出ると
ユウから提案されたとき、
俺はすぐにその話に飛びついた。
これ以上、ユウに惚れている男たちに
囲まれるのは、正直気に食わなかったからだ。
マイクも一緒だったが、
それはもうあきらめている。
それに一応は、仲良くはなったと思う。
マイクとはたまに
名前で呼び合う仲になったし、
相変わらずそりが合わず、
「貴様」呼ばわりをされたりもするが
それもユウの為を思って言っていることは
俺も理解していた。
だからそのことで喧嘩をすることもない。
感情的になりすぎる俺にとっては
理性で行動するマイクは
良いストッパーだとも思っている。
だが、俺はあいつを気に入らない。
何故なら、いつもあいつはユウを抱く時、
ユウに触れていいか、抱いていいかと
声で、態度でユウに聞くのだ。
何が不安なのか知らないが、
触れたいなら触れたらいい。
抱きたいのなら、抱けばいいのだ。
ユウは拒んでいない……どころか、
それを求めているのだから。
なのにあいつは、いつもユウに求められ
それに応える形でユウを抱く。
外の湯殿でユウを抱いたときもそうだ。
俺がユウを欲棒で貫いたら、
あいつは……ユウに、手を差し伸べられていた。
ユウが自分から、あいつの欲棒に触れ
舌を出し、舐めたのだ。
ユウは俺にはそんなこと、したことが無い。
俺が望めば、誘導すれば、俺のモノを
舐めたり咥えたりはしたが、
自分から求めたことは無い。
そう思うと、無性に腹が立ってきた。
ユウに、ではない。
ユウを求めているくせに、
ユウに求められているというふりをして
ユウを抱くあいつに、だ。
あの大広間に戻り、
ユウを抱いた熱が冷めてきたころ、
ユウは俺とあいつの手を取り、
頬に当てた。
甘えるように。
俺たちがいると安心する、と笑う。
嬉しくてユウの腰を抱き寄せると、
あいつはユウの顔を伺うように見る。
ユウはそれに気が付き、
やわらかく微笑うと、アイツの指に
じぶんから指を絡めた。
なんで、と思う。
こんなに俺はユウを欲しがってるのに、
何故、自己主張もできない
そいつを構うのだと。
「なんでそいつばっかり見てんだよ」
気に入らなくて、俺がユウの頬や
首筋を舐めてると、ユウは震えた。
「俺にも、誘って……ねだってくれよ、ユウ」
たまらず、口づける。
「ディランは……私が誘わなくても
触れてくるでしょ?」
というけれど。
俺はお前に誘われたいんだ。
「それでも、言われてみたい」
「なんて?」
「抱いて、とか、舐めて、とか。
……舐めたい、とか」
もっというと、俺の欲棒を入れて、とか。
俺を欲して、自ら双丘を開いて
俺にねだって欲しい。
と、まではさすがに言わなかったが本心だ。
そんな俺をマイクは見て、
ユウに囁いた。
「どうかずっと、私をお傍に……。
私もユウさまにずっと求められていたいのです」
何を勝手なことを!と憤る。
なりふり構わず、
ユウが欲しいと俺は言っているが、
あいつはそこまでユウを欲しいと主張していない。
それなのに、あいつはユウに求められ、
さらにまだ、求められ続けたいと言う。
その言葉を聞いてユウは
「私のこと、いつだって触れていいし、
何をしても構わない。
マイクも、私の許可なんかいらないし、
ディランも好きにしていい。
だからね。
ずっと私のこと、好きでいて」
なんて言う。
こんなに愛しているのに。
こんなに求めているのに。
何故ユウはわかってくれないのだろう。
マイクが悪いのか?
あいつが自信もなく、ユウを求めるから
不安になるのか?
「ユウ? 俺はお前がずっと好きだぞ?
好きだから抱きたい。
おまえが抱けるから、好きなんじゃない」
俺が言いたいこと、わかるか?
俺の気持ちを伝えたくて。
なのにマイクがまた、おかしなことを言う。
「ユウさま。
私はユウさまを敬愛し、
そしてお慕いしております。
この私の命さえも、ユウさまのもの。
何を不安になられるのでしょう」
なんて。
そうじゃないと、俺は言いたくなった。
ユウが求めているのは
そんな言葉じゃないんだ。
何故わからない?
「じゃあ……愛して?
私の不安が消えちゃうぐらい。
大好きって、教えて。
私は……二人のこと、大好きっ」
って、ユウの瞳から涙がこぼれ落ちた。
ほら、違っただろ?
ユウには、お前の言葉では幸せになれないんだ。
お前が無理なら、俺が二人分、ユウを愛してやる。
俺は強引にユウに口づける。
舌で可愛い唇を突き、口を開けさせる。
うっすらと唇が開くと
すぐに舌を潜り込ませ、唾液と共に
ユウの舌に自分の舌を絡ませ吸い上げた。
自然とマイクの膝にユウが乗る。
口を離すと、ユウが蕩けた表情で俺を見た。
「いい顔だな、ユウ」
俺を欲しがってる顔だ。
マイクがユウの樹幹に触れ、
さらにユウの頬が赤くなる。
ヤバいぐらいに興奮した。
すぐにでもユウの中に欲棒を挿入したいが、
こうやって目の前でどんどん蕩ける顔をするユウを
堪能するのも、いい。
俺は自然と自分の欲棒を扱いていた。
ユウの中に、入りたい。
いや、その前に。
ユウに俺の欲棒を舐めさせたい。
いや、舐めたいと言わせたい。
奉仕したいと、ユウに言わせ、
じっくりあの可愛い口を堪能したい。
「ユウ、欲しいって言えよ。
俺の、舐めたいって」
言え、と俺が言うと、
ユウの口が開く。
が。
それが声になる前に、
マイクがユウの樹幹を扱いた。
ユウはその刺激に喘ぐ。
俺を欲しいとユウに言わせないためだろう。
ユウの身体が動き、その唇が俺の欲望に当たる。
その刺激に、俺は体が疼く。
「っ。嫉妬深い神官だな」
俺は我慢できずに、ユウの口を指で強引に開かせた。
「でも、舐めたいよな?」
拒絶はさせない。
俺は指でユウの舌を摘まみ、
指の腹でユウの口内を撫でる。
口を閉じれず、
だらだらと、唾液を零すユウは
俺の性欲を刺激した。
ユウに舐められたい。
可愛い口を犯したい。
俺でユウを満たしてやりたい。
俺はユウがそばにいるだけで
満たされるのだから。
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