139 / 355
隣国へ
138:外で愛される
しおりを挟むディランは湯に浸かると
「気持ちいいな」と言いながら私を抱き上げて
膝の上に座らせた。
そして後ろから抱きしめ
「やっとユウを独り占めできる」と呟く。
確かにあの闇の魔素教会の一件から私はずっと
誰かと二人っきりになることは無かった。
王都に戻る旅ではカーティスやバーナードも
一緒だったし、カーティスに抱きしめられたり
口づけられたりはしたけれど
それだけだ。
『大聖樹の宮』についてようやく
ゆっくりできるかと思ったら
またすぐに旅に出てしまったし、
ゆっくりできたのも久しぶり。
そして…誰かと二人っきりも
久しぶりだ。
もちろん、甘い空気も。
ディランは私の頬にまるでネコのように
すり寄り、ぺろり、と頬を舐めた。
「ずっと、抱きたかった」
抱きしめられた腕の力が強くなる。
ディランの舌が頬から首すじに移動し、
それは肩から背中へと動いていく。
背中から肩甲骨をチューっと吸われ、
私は震えた。
……愛される期待と喜びに、だ。
「なんでだろうな。
ユウを独り占めできないって
最初から分かっていたのに。
それでもユウと一緒にいたいと
思っていたのに、あいつらが…
この国の奴らがユウと一緒にいるのを
見てたら、喉を搔きむしりたくなるほど
苦しくて、気が狂いそうだった」
ディランが何度も私の背中に
唇を落としてくる。
「やっと大神殿を出て、
あいつらと離れることができたのに
お前はマイクの膝の上にばかり乗る」
いや、そんなことないよ?
辻馬車に乗った時は、
ディランの膝にも乗せてもらったし、
抱っこだって、2人にしてもらってたし。
「さっきだって、俺があの花を
見つけたのに…」
「ディラン、拗ねてる?」
お腹に回されたディランの手に
私は自分の手を重ねた。
「子どもじゃあるまいし
拗ねてねぇよ」
と言いつつ、口調は子どもだ。
私はディランの腕から抜けて
ディランの正面に立った。
湯の中に座っているディランを
見下ろすかたちになる。
「ユウ?」
私はディランの髪をよしよし、と撫でた。
「ディランのこと、大好きだよ」
こんな時は素直に言葉にするのが
一番だということは、元の世界の
施設の弟妹たちを見ていて理解している。
変に遠慮したら余計に拗れてしまうことも。
「だからね、一緒にここまで
来てくれて嬉しいし、
こうして抱きしめてくれるのも、嬉しい」
私はディランの頭を腕の中に入れた。
そして私の胸にディランの頭を押し付ける。
「……ユウの前だと俺は子どもみたいだな」
そんなことない、とは言わない。
代わりに「たまには、こういうのもいいでしょ?」
と揶揄うように言ってみる。
「そう…だな」
ディランはそう言うと、
顔を上げて私を見た。
「じゃあ、お言葉に甘えてみるか」
「いつも私が甘えさせてもらってるしね」
私が笑うと、ディランも笑った。
でも、その笑みは…ちょっと嫌な笑みだった。
「ディラン?」
どうしたのかと思った途端、
ディランが私の胸に吸い付いてきた。
あ、っと思った時には
再び抱き上げられ、浴槽の淵に座らされた。
今度はディランが私を見下ろしている。
唇が重なり、乱暴に舌が口内に入ってくる。
久しぶりの奪うような口づけに
私はすでに体の力が抜けていく。
「はは、やべぇな。
もうユウの中に入れたい」
唇が離れ、ディランは呟く。
曖昧にディランを見たけれど、
私の瞳はディランの下半身に釘付けになった。
欲棒が猛り、天を突くように勃っている。
「湯の中で入れたらダメか?」
そんなことを聞かれても答えられない。
「あぁ、でも、外に出てもいいか」
ディランはそう言うと
浴槽から体を出して、私を抱き上げた。
「すげぇな。外から丸見えだ」
言われて、私はぎょっとした。
確かに屋根は崩れて空が見えていたし、
この小屋の壁には外に続く大きな窓があった。
この村には誰もいないと思うけれど
湯気で曇り始めているとはいえ、
外に生えている草木やその先の蓮の泥池まで
この場所からは見渡せる。
「でもいいか。
誰もいないだろうし…
誰かいたら、見せつけてやる」
言いながらディランは私の身体を
抱っこしたまま何度も口づけて来た。
抱き上げられた私の双丘には
ごつごつとディランの欲棒が何度も当たる。
本当にこのまま挿入されそうで
私はうろたえた。
いつもならそろそろ蜜が溢れてきそうなものなのに
外から見える緊張からか、
なかなか体がほぐれてきそうにない。
そんな私に気が付いたのか
ディランは私の身体を床に下してくれた。
「悪ぃ、焦り過ぎた」
ちゃんと慣らしてやるから。
ディランはそう言うと、
体をずらして私の身体に指先をすべらせる。
首筋から鎖骨、胸の突起に触れ、
私がぴくんと反応すると、指でそこを摘まんだ。
きゅっと指に力を籠められて
私が震えると、もう片方の突起を舐められる。
ディランの犬歯が何度も肌に当たる。
私はよろけて、壁に背中を付けた。
ディランは私の腰を両手で支えながら
床に膝を付ける。
「ユウ、足を開いてみてくれ」
言われるまま、足を少し開く。
「あぁ、いいぜ。可愛いな、ユウは」
ディランは私の樹幹に頬擦りして
舌を出した。
舐められる。
そう思っただけで、息が止まる。
だけど、思っていた快感はなかなかこない。
そっとディランを見ると、
意地が悪そうな顔で私を見上げている。
「舐めて欲しかったか?」
「~~~~っ」
なんてことを言うのだ。
でも、そんなことないとは、言えない。
私の身体は正直すぎるのだ。
「甘い匂いが…してきたな」
ディランが私の樹幹を突く。
「可愛いここが、俺の愛撫で
硬くなって蜜を零すのは嬉しいが、
俺は…ユウの口から、聞きたい。
俺が欲しいと言えよ、ユウ。
俺に舐められたいって。
気持ち良くしてって、強請ってみろ」
言葉は乱暴なのに、
ディランの瞳には不安が見える。
こんなにずっと一緒にいるのに。
こうして、大好きって言ってるのに。
大好きの言葉だけでは
満足できないのだろうか。
私は手を伸ばしてディランの髪に触れる。
「大好き…、ディラン。
もっと…触って?
私をキモチイイにして_?」
ディランの頬が高揚したように赤く染まる。
「舐めて欲しいか?」
「うん。舐めて…欲しい」
そう言うと、ディランは私の樹幹の先端を舐めた。
でも、ぺろり、と舐めただけだ。
快感を期待したぶんだけ、落胆もする。
「舐めるだけじゃだめだったか?
じゃあ。どうして欲しいかいえよ。
その通りにしてやるから」
にやにや笑うディランに
私は何か言いたかったけど…
出てきた言葉は、ディランを
悦ばせる言葉だけだった。
「もっと…たくさん舐めて…」
そう言うと、ディランはぺろぺろと
樹幹を舐めてくれるけど、
そうじゃない。
「もっと舌で…口に入れて…ぁあ」
私が指示をすると、ディランは
その通りに動いてくれる。
けれど、私はそれだけでは満足できない。
自然に腰が動き、秘所から蜜が零れていくのがわかる。
「エロいし、可愛いな、ユウ」
満足そうにディランは言う。
「じゃあ…ココはどうする?」
ディランの指が私の双丘を割り、
秘所にたどりついた。
入口を指の腹でなぞるが、
その刺激に蜜がとぽっと溢れた。
「俺を欲しがってるのか? ユウ。
じゃあ、ねだってくれ」
何度も秘所を往復するのに
一向に刺激がない。
私はじれて、足をもっと広げた。
「入れて…ディラン、
触るだけじゃ…いや」
「いいぜ」
ディランは私の中に指を入れた。
長い指は節がゴツゴツしていて、
私の肉壁を刺激する。
けれど、ディランは指を挿入したものの
それ以上は動こうとはしなかった。
「ユウ、言えよ。
言わないと俺は動かないぜ」
自然に腰を動かしていた私は
その言葉に羞恥心をかなぐり捨てた。
「指…動かして…
ううん、もっと指…増やして…っ!」
言うなり、ディランの指が増えた。
ぐじゃぐちゃと体内を掻きまわされる。
私は立っていられなくなり、
とうとう壁を伝って床に座り込んだ。
けれどディランの指はまだ
体の中に入ったままで、
私はその指を感じたくて
自然に床に横になった。
床は浴槽から溢れた湯で濡れていたが
そんなことは気にならなかった。
両足を曲げ、
ディランの指を受け入れるように
私は足を開いている。
ディランは私の痴態に息を飲んだ。
「たまんねぇな、ユウ」
さらに指の本数が増える。
体内を掻きまわしていた指が
乱暴に出し入れしはじめる。
たったそれだけで私は喘いだ。
「キモチイイのか?
俺の指を締め付けて…すっかり
ユウのも勃ち上がったな」
ディランが満足そうに言う。
けれど、私はなかなか思うような
快感にたどり着けない。
ディランが調整しているのだ。
「なぁ、ユウ。
今日は俺を甘やかしてくれるだろ?」
ディランが私の体内から指を引き抜いた。
「ユウが俺を満足させたら
ちゃんとキモチイイにしてやるよ」
な、と言われたディランの顔は
あまり良い笑顔だとは言えなかったけれど。
私には頷く以外に選択肢はなかった。
0
お気に入りに追加
299
あなたにおすすめの小説
俺☆彼 [♡♡俺の彼氏が突然エロ玩具のレビューの仕事持ってきて、散々実験台にされまくる件♡♡]
ピンクくらげ
BL
ドエッチな短編エロストーリーが約200話!
ヘタレイケメンマサト(隠れドS)と押弱真面目青年ユウヤ(隠れドM)がおりなすラブイチャドエロコメディ♡
売れないwebライターのマサトがある日、エロ玩具レビューの仕事を受けおってきて、、。押しに弱い敏感ボディのユウヤ君が実験台にされて、どんどんエッチな体験をしちゃいます☆
その他にも、、妄想、凌辱、コスプレ、玩具、媚薬など、全ての性癖を網羅したストーリーが盛り沢山!
****
攻め、天然へたれイケメン
受け、しっかりものだが、押しに弱いかわいこちゃん
な成人済みカップル♡
ストーリー無いんで、頭すっからかんにしてお読み下さい♡
性癖全開でエロをどんどん量産していきます♡
手軽に何度も読みたくなる、愛あるドエロを目指してます☆
pixivランクイン小説が盛り沢山♡
よろしくお願いします。
獅子帝の宦官長
ごいち
BL
皇帝ラシッドは体格も精力も人並外れているせいで、夜伽に呼ばれた側女たちが怯えて奉仕にならない。
苛立った皇帝に、宦官長のイルハリムは後宮の管理を怠った罰として閨の相手を命じられてしまう。
強面巨根で情愛深い攻×一途で大人しそうだけど隠れ淫乱な受
R18:レイプ・モブレ・SM的表現・暴力表現多少あります。
2022/12/23 エクレア文庫様より電子版・紙版の単行本発売されました
電子版 https://www.cmoa.jp/title/1101371573/
紙版 https://comicomi-studio.com/goods/detail?goodsCd=G0100914003000140675
単行本発売記念として、12/23に番外編SS2本を投稿しております
良かったら獅子帝の世界をお楽しみください
ありがとうございました!
潜入した僕、専属メイドとしてラブラブセックスしまくる話
ずー子
BL
敵陣にスパイ潜入した美少年がそのままボスに気に入られて女装でラブラブセックスしまくる話です。冒頭とエピローグだけ載せました。
悪のイケオジ×スパイ美少年。魔王×勇者がお好きな方は多分好きだと思います。女装シーン書くのとっても楽しかったです。可愛い男の娘、最強。
本編気になる方はPixivのページをチェックしてみてくださいませ!
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21381209
おっとり少年の異世界冒険譚
ことり
BL
兄が変態なせいで、貞操観念がおっとりしている少年、玲は、ひょんな事から愛と自由の異世界、バインディーディアへと転移してしまう。
愛が力になる世界で、どんな冒険が玲を待ち受けているのか─。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ショタ、総受、3ぴーなど、苦手な方はご注意ください。
本編は完結しました。
思いつくままに番外編をちょびちょび上げています。現在短編2本。
でも本編から離れちゃうと総受のあばずれ感すごいので、この辺で打ち止めにしたいと思います。
感想くださった方、読んでくださった方、ありがとうございました!
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
俺は成人してるんだが!?~長命種たちが赤子扱いしてくるが本当に勘弁してほしい~
アイミノ
BL
ブラック企業に務める社畜である鹿野は、ある日突然異世界転移してしまう。転移した先は森のなか、食べる物もなく空腹で途方に暮れているところをエルフの青年に助けられる。
これは長命種ばかりの異世界で、主人公が行く先々「まだ赤子じゃないか!」と言われるのがお決まりになる、少し変わった異世界物語です。
※BLですがR指定のエッチなシーンはありません、ただ主人公が過剰なくらい可愛がられ、尚且つ主人公や他の登場人物にもカップリングが含まれるため、念の為R15としました。
初投稿ですので至らぬ点が多かったら申し訳ないです。
投稿頻度は亀並です。
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
35歳からの楽しいホストクラブ
綺沙きさき(きさきさき)
BL
『35歳、職業ホスト。指名はまだ、ありません――』
35歳で会社を辞めさせられた青葉幸助は、学生時代の後輩の紹介でホストクラブで働くことになったが……――。
慣れないホスト業界や若者たちに戸惑いつつも、35歳のおじさんが新米ホストとして奮闘する物語。
・売れっ子ホスト(22)×リストラされた元リーマン(35)
・のんびり平凡総受け
・攻めは俺様ホストやエリート親友、変人コック、オタク王子、溺愛兄など
※本編では性描写はありません。
(総受けのため、番外編のパラレル設定で性描写ありの小話をのせる予定です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる