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新しい世界

74:抱きつぶしたい<ディランSIDE>

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 俺は座位の形でユウを追い詰めた。
ユウが四つん這いになって俺を舐める姿は
あまりにも淫靡で、煽られた。

ユウが俺を求めていると
実感できて、沸き起こっていた
嫉妬心がやわらいでくる。

ユウを独り占めできないことは
理解していた。

けれど、実際にユウを愛し抱いている男の
話をユウの口から聞いてしまうと、
独占欲と嫉妬心で気が狂いそうになった。

だから、無理にでもユウを抱きたくなった。

ユウは俺のものだと示したかったのだ。

ユウは俺が求めるまま
足を開き、俺を受け入れた。

そしてユウもまた、
自分から俺の欲棒を求めてくれた。

たったそれだけのことかもしれない。
けれども、それが嬉しくて。

俺は座位の状態から
そのままユウを仰向けに床に寝かした。

俺の欲棒はユウの中に入ったままだ。

あまり激しくユウを求めてはいけないと
自戒はしている。

ユウの身体を夢中で貪ったときは
ユウの身体を労わることができなかった。

ただ自分の欲を満たすことしか
考えることができなくて。

そのせいでユウはまる一日、
眠ったままで目が覚めなかったのだ。

あの時の恐怖は
もう味わいたくない。

俺は今まで自覚していなかったが
どうやら人よりも力が強いらしい。

そして性欲も強いのではないかと
思い始めていた。

今まで誰かを抱きたいとか
性欲を処理しようだとか、
そういうのは思ったことは無かったのに。

何故かユウを抱いたときから
俺は自分の性欲を持て余し、
ユウを抱きたくて仕方がなかった。

そんな中、ユウを愛していると言う
男たちの話を聞いて、
冷静でいられるわけがない。

出立前だからと言って、
ユウを抱くのをやめることなど、
できなかった。

ユウを抱いた男たちは
どうやってユウを愛したのだろう。

あのバーナードのように
ユウを甘やかして、
蕩けさせたのだろうか。

そんな愛し方は俺にはできそうにない。

俺はユウを壊したいぐらい、
俺の欲棒で責め立てたいし

俺のでユウを貫き、
ユウの体内を
いっぱいにしたいのだから。

俺はユウの身体が逃げないように
細い腰を掴み引き寄せる。

それと同時に、
ユウの最奥を目指して
欲棒を何度もガツガツと押し込んだ。

甘い匂いが部屋に充満していて
この匂いを嗅ぐだけで
俺はさらにユウを求めてしまう。

ユウの可愛い樹幹は、
ユウと俺の腹の間に挟まり、
自己主張をするように
勃ち上がり始めている。

だか、ユウの樹幹からは
精液がでない。

まだ幼い身体なのかもしれない。

だがその代わり、
ユウはここから蜜を出す。

快感が昂ぶると、
噴き出すように、精液の代わりに
蜜を零すのだ。

可愛いし、不思議な身体だとは思う。

だが世界を救うセイジョだと
思えば、そういうものかとも思う。

それに、ユウが異世界から来たと
言うのは驚いたが、もしかしたら
異世界の人間は精液の代わりに
蜜を出す身体なのかもしれない。

「ユウ、自分で…触って」

俺はユウの指を樹幹に導く。

「握って…そうだ、イイ子だ」

俺の欲棒はユウの体内を打ち込むる。
その衝動に耐えながら
ユウは樹幹に指を添え、
上下に動かし始めた。

俺に貫かれながら
ユウが自慰をしている…。

俺の下で喘ぐユウは、
物凄くエロくて、綺麗だった。

ユウの指が動くたびに、
ユウの肉壁が締まり、俺を刺激する。

たまらない。

射精感が高まる。

「ユウ、出す…ぞっ……出るっ」

体重を掛けるように、
ユウにおおいかぶさり、
俺はユウの体内に射精した。

ユウの身体が震えて、
俺の腹をあたたかな液体が濡らす。

ユウも蜜を吐き出したのだろうか。

俺は体を起こして
ユウの体内から欲棒を引き出した。

俺とユウの腹を見ると、
思った通り、ユウの蜜がとろとろと
零れ落ちている。

「ユウ、足を広げて」

射精はしたものの、
まだ出し切ってはいなかった。

ユウは俺が言うままに
両足を広げる。

ユウはとろん、と惚けた瞳で
俺を見ていた。

ユウの秘所からは
俺の精液が溢れて、出てきている。

俺はその秘所に向かって
自分の欲棒を扱き、精液を絞り出した。

俺はだらしなく両足を広げ
俺の精液にまみれるユウを見下ろした。

優しいユウ。
可愛いユウ。

そんなユウが俺の精液で汚れている。

だか。
それでもユウは美しかった。

俺のどんな欲にも、
決して穢れないユウの姿に、
俺は自然と跪いた。

ユウは、聖なる存在なのだ。

自然に、そういう想いが沸き起こった。

俺が…いや、俺だけではない。
どんな人間がユウを愛し、
その肌を重ねても。

ユウが人間の欲に
穢されることはないのだ。

人間ごときが、
ユウをどうこうできるわけがない。

ユウは存在なのだ。


多くの人間が、ユウを求め、
もしかしたら…ユウを抱くかもしれない。

けれど、ユウが穢されることはない。

俺の目の前で、
ぐったりとしたユウの身体が
淡い光に包まれた。

聖なる光だと思った。

そしてその光が消えると、
俺との情交の跡は無くなり、
俺がぶちまけた精液も、
ユウの蜜さえなくなり。

ユウの身体は清らかな状態にもどった。

ユウはぐったりとして
目を閉じてはいたが、
情交の後というよりは
遊び疲れた子どもが眠っているような
あどけない顔だった。

「ユウは…なんだな」

思わずつぶやいた。

こんな存在を、独り占めなどできるわけがない。

いや、こんな稀有な存在だからこそ、
多くの人たちに愛されて世界を救う、なんて
バカげたことを成し遂げてしまうのだろう。

世界が崩壊しても構わないから、
いっそ俺の国が滅んだとしても
それでもいいから。

俺はユウを俺だけのものにして、
世界が終わる最後の一瞬まで
二人でいたいと思うけれど。

それは許されない願いなのだろう。

そしてもちろん。
世界の終わりを望めないのであれば
俺は兄も父も、国の民も、
見捨てることはできない。

ユウが俺以外のヤツに愛されていようと、
ユウがそれを受け入れていようと。

俺の感情は関係なく、
ユウを俺の国に連れて行かなければ
ならないのだ。

俺は手を伸ばし、
ユウを抱きしめた。

胸が痛いし、苦しい。

出会った時は
ただの不思議な子どもだったのに。

何故こんなにも惹かれてしまうのか。

しかも俺はまた、ユウを抱きたくなっている。

際限のない俺の性欲にはあきれるしかない。

だが、俺はこの欲が誰にでも
反応するわけでは
ないことも気が付いていた。

ユウだけだ。

ユウだけに、俺は性欲が沸き起こるのだ。

ただ抱きたいがための
言い訳のようになるので、
そんなことユウには言わないが。

俺は理性を総動員して
ユウを3人掛けのソファーに寝かした。

ユウが昼寝をしていた時に使った
俺の上着を掛けてやる。

ユウの眠りが深いのを
確認してから、俺は湯殿に向かった。

俺の精液をまたユウの身体に
ぶちまけたい衝動に駆られたが、
その欲に身を任せるべきではないだろう。

水でも浴びて、湯殿ですっきりしなければ。

出立時間も迫っているし、
ルートを再確認しておきたい。

ユウを守らなければ。
俺が。

ユウを敬愛して
言動がおかしくなっているマイクとも
合流するのだ。

今は敬愛だから良いが、
マイクの敬愛が拗れてしまう
可能性もある。

マイクが妙な方向に行かないように
見張っておかなければならない。


俺は息を吐いた。

俺はただ、ユウを愛したいだけだが
ユウと言う存在は特別で
それは無理そうだ。

もし俺が、
ユウを独占し、
愛することが無理だと
受け入れられないのであれば。

ユウを独り占めできないことを
受け入れられないのなら、
ユウから離れるしかない。

そのことだけは、わかる。

だから俺は……。

ユウと共にいることができるように。
ユウを愛することができるように。

俺は独占欲を心の中に封じ込める。

ユウを愛する激しい想いを
心の中の一番奥に、箱を作って封じ込めるのだ。

俺は湯殿で水を浴びた。

大丈夫だ。

熱い欲を封印して、
またユウを甘やかす保護者に戻れる。

だから…
ずっと一緒にいさせてくれ、ユウ。


俺は体の熱が冷めるまで水を浴びた。


その後、目を覚ましたユウが
俺の身体の冷たさに
大慌てで抱きついてきたが。

それすらも愛おしくて。

俺は努めて保護者の顔で。
ユウを抱き上げて着替えをした。


可愛いユウ。
愛しいユウ。

いつもの空気に戻るから。

そっと。
気づかれないように、髪に。
背中に。
唇を落とすのだけは赦してくれ。

衣服の上からにするから。

抱き上げた瞬間、
抱きしめることだけは赦してくれ。

「ディラン?」

ユウに服を着せて、
俺も着替えた。

ユウを抱き上げて、
ソファーに座らようとしたら、

ユウは、どうしたの?と
俺の腕の中で。

白くて小さな手で俺の頬を包み込む。

なんでもない、とは言えなくて。

その代わり、愛してる、って呟いた。

そしたらユウは
「私も大好き」って笑った。

物凄く嬉しかったが、
何故か、涙が出てしまった。


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