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新しい出会い

16:幼児趣味ではなかったのに…【ディランSIDE】

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ぱちぱちと焚き火が燃えている。

ユウが結界を張ってくれたので
物凄く寒い、とまでは言わないが、
それでも、外は肌寒い。


頼りなげなユウの頭を撫でていて、
不意に視線が絡んだ。

その時、俺は驚くような衝撃を受けた。

ユウの可愛さに、ではない。
自分の奥に沸き起こった性的衝動に、だ。

俺は幼児を抱く趣味はないし
子どもに欲情する性癖はない。

だから、違う、そんなわけない、と
理性を総動員させた。

下半身の昂りをなんとか隠し、
「さぁ、もう寝ろ」とユウのために
地面に厚手の毛布を敷いた。

野宿が増えてきたので、
荷物になるが、ひとつ前に立ち寄った町で
買ったものだ。


ユウに隠れて、一度、この昂ぶりを
鎮めたいところだが、
ユウの『結界』の中だ。

隠れて自慰などできるはずもない。


俺は自分の性的衝動を抑えて
ユウの隣に座った。

これがいつもの俺たちの距離だからだ。

寒いからひっつくし、
ユウは子どもだから、
何かあれば抱き上げて守れるように
俺はいつもユウのそばにいる。


だから、この距離は
いつものことだったし、
ぬいぐるみをぎゅっと抱くユウを
慰めたくて、髪を撫でるのもいつものことだ。

なのに…。

なんで、
ぬいぐるみから顔を上げて
嬉しそうな瞳で笑ったユウと視線が合って。

急に、心臓が、鳴ったのか。

保護欲とか、そんなのではない
ユウに触れたいというような
そんな思いが沸き起こって。

俺はいったいどうしたんだと、
うろたえる。


とにかく、俺には幼児趣味はない。

あの変態神父と同じ性癖であるわけがない。

脳内で必死でこの沸き起こる衝動を否定する。

俺の様子に気づいたのか、
一瞬、ユウは体を強張らせたが、
俺が何もしないとわかったからか、
またいつもの笑顔になった。

「じゃあ、寝よう」

って、安心したような顔に、
俺を信頼しきった顔に、
俺は体が震えた。


確かに…旅に出て
禁欲的な生活を送ってはいる。


俺は正直、誰かを抱いた経験はないが
誰かを抱きたいと思ったこともない。

恋愛には無頓着な方だったし、
性欲とかも、たぶんだが、
少ない方なんだと思う。

国にいた友人たちが、
恋人を作ったような話を聞いても
羨ましいとも思わなかった。

特別な誰かを作ろうと
思ったこともなかったし、
俺が誰かを抱きたいとか、
愛するとか、そんな状態になるなど
考えたことすらなかった。

なのに。

俺は今、この幼いユウに。
小さな唇に触れたいという衝動に駆られているのだ。


それができるのであれば、
ユウの信頼を踏みにじってもいい、と
まで思ってしまう。


なんとか理性で踏みとどまってはいるが、
少しでも動いたら、
ユウを抱きしめてしまいそうだ。


ユウはそんな俺をどう思ったのだろう。
いつもなら「おやすみ」と言っても
俺にぴったり寄り添うように横になるのに、
ユウは俺から視線を外し、
少しだけ…ほんの少しだけ
俺から離れた。

寝るために横になろうとしていたのに、
膝立になって座っていた俺を見る。

目を合わさないようにして、
少し脅えたように。


「あの…大丈夫?」

っておずおずと聞かれる。


「そういえば、もう少しで
『聖樹』のある街に着くね」

と、空々しく言葉を紡ぐユウに
俺は…何故か裏切られたと感じた。


あんなに優しくしたのに。
あんなに、甘やかしたのに。


あんなに…一緒に寝て、
あんなに、俺の腕にしがみついていたくせに。

俺がユウに触れたいと思った途端、
手のひらを反すように拒絶するのか、と。


そう思ったら、
止まらなかった。

ユウの腕をつかみ、
思いっきり引き寄せる。


幼いユウの身体は
あっという間に俺の腕の中に
閉じ込めることができた。

驚くユウの唇に夢中で
俺の口を押し付けた。

ぶわっと、甘い香りが
ユウの身体から…噴き出した気がした。

甘く、痺れるような香りだ。

何度も角度を変えて、
ユウに口づけていると、
ユウの唇が震え、閉ざしていた唇が
俺の舌を迎え入れる。

小さな口に俺の舌を押し込むと
ユウの唾液が…俺の顎に伝う。

甘い。

ユウの口の中は甘く、
その唾液をいつまでも
すすりたくなった。

舌を絡めて吸い上げると、
ユウは苦しそうに唾液を漏らす。

もっと。
もっと、もっと、もっと。

俺はユウを味わいたくなった。

ユウの口の中を舌で探り、
頬の内側を舐める。

ユウを味わうたびに、
俺は興奮している自分に気が付いた。

……興奮している。

俺は。

ユウに。

その事実に気が付き、
俺の理性がヤメロと告げる。

だが、無理だった。

理性では抗えない程の興奮が
俺の体を支配している。

もっと、味わいたいと、
ユウの口だけでは足りないと
俺は思った。

ユウの肌を舐めたい。

歯を立てて、肌の柔らかさを
味わいたい。

ユウの身体中を舐めまわして、
俺の匂いを擦りつけたい。


……俺の精液を、
ユウにこすりつけたい。

いや、ダメだ。

それでも足りない。

ユウの中に、俺の精を吐き出したい。

そう、俺の勃った欲棒を、
ユウの中に押し込みたい。

無理やりでも構わない。

ユウに俺を受け入れさせたい。


俺は…ユウに
受け入れてもらいたいんだ。

そのことに気が付き、
そのためには何をしてもいいのだと、
身勝手な欲望が俺の脳を支配する。


押さえることなど、
できるはずがない。

これは俺が生れて始めた感じた
感情だった。

初めて、何かを欲しいと思った。

漠然と生きてきた俺が、
初めて本気で何かを望んだ。

ユウを…目の前の子どもを
俺のものにしたいと、
切実に願ったのだ。

俺はユウの舌をしゃぶり、
息が切れるまで、ユウの口内を味わった。

そして、俺の膝の上で
ユウは俺の腕を引っ張り、叩く。

俺はそんなユウの仕草を
軽くあしらい、

苦しそうに息を吐く
ユウの首筋に歯を立てて、
咬みついた。

ひゅっと、ユウは体を強張らせた。

頸動脈付近に、俺の歯型が付いている。

ユウは怖くなったのか、
抵抗しなくなった。

俺は征服欲のようなものが
満たされるのを感じ、
舌なめずりをする。

「怖がるな」

と言ったが、
この状態で、無理な話だとは思う。

だが、止まれないのだから
仕方がないだろう?

俺はユウを膝に乗せたまま
服を脱がしながら、
舌を白い肌に押し付けた。

肌寒いと思っていたが、
ユウの体温はあたたかく、
結界の中だからだろうか。

服を脱いでも
さほど寒さを感じなかった。

むしろ…ユウの吐き出す
熱のこもった息で熱いぐらいだ。

ユウの服をすべて脱がした。

手に持っているぬいぐるみが
邪魔だったが、ユウはそれを
手放そうとはしなかった。

俺はユウの腕を
袖から抜くのは諦め、
自分の上着とシャツを脱いだ。

ここはユウの結界の中だ。

誰も…何も邪魔ものは
入ってこれないだろう。

ユウを地面に敷いた毛布の上に寝かせる。

地面か痛いかもしれないが、
そんなもの、すぐ気にならなくなる。

なぁ、ユウ。

お前も俺の熱を感じているだろう?

俺が止まれないこと、
わかってるんだろ?

俺はわざと圧力をかけるかのように
ユウにおおおいかぶさった。

ユウを見下ろし、
小さな体が震えているのがわかる。

だが、その小さな瞳が
震え、緩んだ。

涙が、一滴、落ちる。

そしてユウは俺の下で、
ぎゅっと握っていたぬいぐるみを
手放した。

それが…情事の合図だった。




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