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番外編<SIDE勇>

29:マッサージだ!エロ?【真翔SIDE】

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悠子ちゃんの警戒心の無さには、
時折…驚かされる。

俺が悠子ちゃんの家の
お風呂を借りることはあまりない。

そりゃそうだ。
この部屋に泊るのは
居酒屋バイトの後だったし、

その日は風呂なんて入らずに
こたつでおしゃべりして、
悠子ちゃんは、眠ってしまうのだから。


だから俺はこの部屋に部屋着は
置いてあったけど、パジャマは無い。


シャツ一枚で……自宅なら寝るけど
さすがに悠子ちゃんがいるのに
それはダメだろうな、

なんて思いつつ、時計を見ると
悠子ちゃんがお風呂に入って
かなりの時間が経っていた。

疲れて眠ってしまったのだろうか。

心配になって声を掛けたら、
悠子ちゃんが慌てて出て来た。

……裸で。

わかってる。
誘われているわけでは無い。

俺は『兄』だからな。



……兄だからな!



大事なことじゃないけど
2度も言ってしまった。


地味に、へこむ。



俺が悠子ちゃんと入れ替わりで
お風呂に入り、あがると
パジャマが置いてあった。


悠子ちゃんが準備してくれたのか。

そういえば、スーパーのレジ横で
こんなパジャマが売ってたような気がする。


荷物台で俺が買ったものを袋に
入れていた時に、買い忘れがあると
俺から離れたことがあったけど。


あの時に買ってくれたのだろうか。


心遣いが嬉しい。


パジャマを着てこたつの部屋に行くと
……悠子ちゃんは俺と
お揃いのパジャマを着ていた。


え?
ペア?

これ、俺を意識してくれてる…のか?


動揺した俺の手を取り、
悠子ちゃんは隣の部屋に俺を連れていく。


ベットしかない…部屋だ。


いや、ベットだけある部屋だ。

俺を誘ってるのか?

俺をベットに寝かせる悠子ちゃんに
戸惑いと…興奮と…。

そして。

「痛かったら言ってくださいね」
って言って、悠子ちゃんが
背中に乗ってくる。


「ゆ、悠子ちゃん!?」

声がうわずってしまった。

積極的すぎる!

「大丈夫です。僕、施設では
上手だって言われてたんですから」


……マッサージか。


そうだったな。
マッサージだったもんな。


マッサージだもんな!


俺の興奮は収まってきたが、
今度は……悠子ちゃんの
太ももが腕や脇にあたる。

一生懸命、俺の肩を手で
押してくれるのだが、
息が…あまい呼吸が耳をくすぐる。

「うーん。
真翔さん、凝り過ぎです」

って言われるけれど。
身体が固くなってるのは、
悠子ちゃんの身体が近すぎて
緊張しているからだ。

悠子ちゃんの指が
俺の肩から背中に移動して。

腰のあたりを一生懸命押してくれる。

「もう!だめーっ。
踏みますよ!」


って言いながら悠子ちゃんは
立ち上がって、僕の腰を可愛い足で
踏みつけた。

……キモチイイ。

「痛いですか?」

って聞かれたから、素直に
気持ちがいいって答えたら、
悠子ちゃんは俺の体をどんどん踏み出した。

肩も背中も、腰も。

血行が良くなって、
疲れもほぐれるし、確かに
気持ちがいいんだけど。

下半身も気持ちよくなってきて、
不味いことになってきた。

悠子ちゃんの小さくて
可愛い足で踏まれるのは、
なんというか……

イケナイ背徳の世界の扉を開いてしまいそうだ。

この足で、俺の…勃ったものを
優しく踏まれたら…。

いやいや、足の指でそっと…
いやじっくり、こねくり回すように…

「どうですか?」

「あ、うん。気持ちいいよ。
ありがとう」

澄まして答えたけど、
ヤバイ。


勃ちすぎて、腰を浮かしたくなる。

「良かった」って言いながら
悠子ちゃんは今度は俺の尻に手を添えた。

え?
そんなとこまで!?

って思う前に、悠子ちゃんは
俺の尻を下から押し上げるように
マッサージをする。

それから太もも、ふくらはぎと
細くて可愛い指が…

まずい。
本気でマズイ。

でも、気持ちイイ。

「気持ちいいですか?」

「うん、ありがとう。
ユウの体重がかかると、
そこがほぐれる気がするよ」

ともっと踏んでくれてもいいよ、
ぐらいの気持ちで言ったのだが、
悠子ちゃんは何を思ったが
俺の背中に乗ってきた。

そう、乗ってきたのだ。
俺が妄想したように…
俺の背中にうつぶせで寝そべった。

「これで全体がほぐれるかも?」

って笑う悠子ちゃんは可愛い。

が。

悠子ちゃんの細い足が
俺の脚に絡みついている。

やわらかなお腹が、
ぷにっとした胸が俺の背中に
押し付けられていて…。

俺は手を交差して
悠子ちゃんの枕を汚さないように
腕を枕にしていたのだが。

悠子ちゃんの柔らかい手が
俺の腕の上に重なった。

くすくす笑っている悠子ちゃんの声に、
これが、冗談だとわかる。

冗談を言う悠子ちゃんの姿に驚いて。

でも、それだけ俺に心を許してくれているんだと感動して。

抱きしめたくなって、
でも俺は『兄』だから男として
意識されてないからなんだとか。

色んな思いが沸き起こって、
……さらに勃った。

しょうがない。
俺も、男なんだ。

「はい。おしまいです」

って明るい声に俺は我に返った。

悠子ちゃんが俺の上からいなくなる。

寂しいけど、良かった。

このまま続いたら、
悠子ちゃんのベットの上で
射精してしまったかもしれない。

そう思いながら俺は……
起き上がれない自分に気がついた。

起き上がれない。

起き上がったら…見えてしまうじゃないか。

悠子ちゃんには見られたくない
俺の…勃ってしまったものが。

「気持ちよかったよ。
ありがとう。

汗が出たのかな?
喉が渇いてきちゃったよ」

なんて取り繕って言うと、
悠子ちゃんは笑顔で
「じゃあ、冷たいお水を用意しますね」
って先にベットから下りた。

「できたら…店長さんにもらった
焼酎もちょっと飲みたいな」

「昨日も飲んだのにですか?」

「あれ、さすが店長さんが
持たせてくれただけあって
美味しいしね」

いいだろ?
って言うと、悠子ちゃんは
わかりました、って先に部屋を出て行った。

良かった。
これで悠子ちゃんはお酒の準備を
してくれるだろうから、
時間が稼げる。

俺は起き上がった。

どうしようか。
収まるのを待つか、
それとも…出すか。

悠子ちゃんのベットで。

……悠子ちゃんのベット。
ここで、毎日、悠子ちゃんは寝てるんだ。

ここ……で。

俺は下着の上から自分の
勃ったものを握った。

出したい。
ここで。

悠子ちゃんのベットで。

そう思ったら…止まらない。

俺は下着をずらし、
勃起した欲棒を掴み、扱く。

が。

「真翔さん、準備できましたよ」
って声が聞こえて来て。


焦った俺は、そのまま
射精してしまった。





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