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エピソード集<R18>
姫はじめは冷酷騎士と【3】
しおりを挟むユウはぐったりしていたが、
俺はユウの体に湯を掛け、
丁寧に洗ってやった。
以前、カーティスがユウの世話をしていたとき、
ユウの身体も洗っていたと言っていたのを思い出す。
あの時はこれほどまでにユウに囚われるとは
思ってもみなかったので、
やり過ぎだと感じた程度だったが
今さら、嫉妬心が沸き起こる。
ユウの花蕾に触れ指を入れると、
なかから、蜜と私の欲望がどんどん出てくる。
私は指で掻きだし、その中の熱さを堪能した。
ユウの体は、やわらかく、どこかしこも熱く、
そして良い匂いがする。
それは、なかも同じだ。
ユウの肉壁は私の指を締め付け、刺激し、
そして私の欲を伺うように、優しく緩まる。
もっと私の欲を注いで欲しいのか、と
だから、私を誘っているのかと思ってしまう。
ユウは体内をまさぐる2本の指に気が付いたようだ。
湯殿の床に寝かせていたからだろう。
指で床に触れ、絨毯でないことに不思議そうな顔をして。
そして起き上がろうとして、
私の指の存在に顔を真っ赤にする。
だが、ユウはやめろとは言わない。
好きにしていい、と言ったからだろう。
私はユウの身体から指を引き抜き、
洗っていたのだと告る。
「初めて出したな」
精液のことだ。
ユウの体を起こすのを手伝いながら言うと、
ユウは顔を真っ赤にしたまま、こくん、と頷いた。
愛らしい。
「気持ちよかったのか?」
こくん、とまた頷く。
ヴァレリアンやカーティスがユウを
どのように愛しているかは知らない。
だが、ユウの初めてを。
初めての精を口にしたのは、私だ。
驚くほどの充足感が胸を満たす。
私は湯殿の床に座ったまま、
ユウを私の前に立たせた。
ユウの可愛い甘い幹が目の前にある。
「スタ…ンリー…恥ずかしい…から」
「大丈夫、綺麗だ」
私はユウの幹をまた舐める。
「ふ……っ」
ユウの吐息さえ、甘い。
「もう一度、出してみるか?」
口に含んで、唾液でじゅるじゅると音をさせながら
私は聞く。
ユウは、ふるふると首を振った。
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それが否定か肯定か、わからない。
私は可愛い仕草に笑って、口を離す。
ほっとしたユウの体を今度は後ろに向ける。
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今は水滴で輝いている。
私は双丘に触れると、
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丘を割り開き、
その奥に視線を向けると
先ほど、掻き出したというのに、
また蜜が溢れている。
それが、私を欲している証だと感じ、
私はたまらず、蕾にもキスをした。
「ひゃ…っ」
「私は…君のすべてが愛しい」
「ここも」
蕾を指の腹で突く。
「この奥も」
蜜を指に絡めて奥へと入れる。
「私を受け入れてくれる肉壁も」
ぎゅっと指がしめつけられる。
「離さないように、私を締め付けるなかも」
指を2本に増やし、入り口を広げると、
とろり、と蜜がまた湯殿の床に落ちる。
もっとその中を見たくて、
私は左右の指を入れ、
ぐぐっと左右に開く。
赤く熟れた中に私は惹きつけられ、入口を舐る。
蜜が、甘い。
もっと、もっと、ユウの中を味わいたい。
夢中で舐めていると、
ユウは双丘を突き出すように腰を曲げ、
両手を壁に着けていた。
がくがくと膝が揺れていて、
私はユウの腰を掴み、さらに奥に唾液を押し込むように舐めた。
どんどん蜜が溢れてくる。
蜜を吸い上げ、私はユウの腰を掴んだまま立ち上がる。
ユウの手を壁に付かせ、
私はそのままユウを後ろから突き刺した。
「あぁあああああああーっ」
私は一気に奥まで欲望を刺し、
そのまま腰を動かす。
何度も双丘に欲望を打ち込み、
ユウの前の幹を手で扱く。
はぁはぁ、と荒い息が湯殿に響く。
「で、出ちゃう…や……や…っ」
「いいぞ、出せばいい」
「違……ちが……」
ユウは私が蜜幹に回した手を掴む。
「お、お…しっこ…でちゃ…う」
精が出る感覚と、
尿が出る感覚がわからないのか、
それとも本当に尿が出そうなのか…。
内部を刺激されて、尿意がもよおすしているのかもしれない。
だが、やめる気はない。
というか、見てみたいと思う。
ユウの…そのような、はしたないところを。
「ダメ、ほんとに、…ダメ……っ
あぁあああああああーーーー!!」
しゃーっと尿が迸る。
ガタガタとユウの体が震える。
羞恥に白い肌が赤く染まる。
「愛いな、君は」
後ろから抱きしめ、耳にキスをした。
「君ほど、愛おしいと思う人間はいない」
「愛お……しい?」
「そうだ」
私はユウの体を持ち上げた。
中にまだ欲望が刺さったままだったが、
軽く引き抜き、ユウの体の向きを変える。
ユウの体は軽く、私はユウの体を持ったまま、
また欲望をユウに差し込む。
「あぁあっ、ス、スタンリー」
立ったまま繫がったからか、
ユウの視線に不安がよぎる。
足が宙に浮いている心もとない状態だからか
ユウは私にしがみついた。
それすらも、嬉しい。
私はユウの身体を揺さぶった。
自身の快楽を追うというより、
ユウに私が与える快楽を
刻み付けたいと言う気持ちが大きかった。
私の動きに合わせて、ユウは喘ぎ声を漏らす。
「君が何をしても、どんな姿を晒しても、
私は、君が愛おしい」
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「愛してる」
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「どうか…いなくならないでくれ。
私のそばにいて、私を……」
赦してくれ。
そんな言葉が出る前に、ユウはまたキスをくれた。
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何度も何度もユウを突き上げた。
一度抱き上げた体を床に下したが、
終わったわけではない。
すぐにユウの身体を
濡れた湯殿の床にうつぶせにして、
腰を高く上げさせた。
私を誘うように、可愛い小さな双丘が揺れる。
溜まらず私は、また、そこに猛った樹幹を押し入れた。
小さな悲鳴に、私はまた煽られる。
まだ、足りない。
もっと、欲しい。
ユウの腕を掴み、
私は自分の方へと引き寄せた。
その反動で、私の樹幹はユウの奥へと
促される。
ユウの顔は湯殿に付けられ、
口からは涎が流れているのが見えた。
けれど、止まれない。
私はユウの手を離し、
腰を掴んだ。
ユウの吐精を促した方が
良かったのかもしれないが、
そんな余裕はなかった。
ただ、ひたすら…
私が馬鹿にしていた本能で動く
バカたちのように、私は腰を打ち付ける。
ユウの前では、理性など無くなってしまう。
私はのぼりつめ、
ようやく、ユウの中に精を吐き出した。
ユウを後ろから抱きしめ、
樹幹をユウの中から引き抜く。
ユウが、顔を見たい、と呟いた。
私は湯殿の床に座り、
ユウの身体を抱き上げた。
向かい合わせになるように
膝の上にユウを座らせ、キスをする。
甘えるように、ユウは私の首にしがみついてきた。
ユウのやわらかい頬が、
すりすりと、私の頬に触れる。
たったそれだけで、
私はまた、ユウを愛したくなる。
何度体を重ねても、
満足できる気がしない。
すでに2度も放ったと言うのに、
私の欲望はユウの身体の下で
また育ち始めた。
ユウも私の固く勃ったものに
気が付いたのだろう。
驚いた顔をして、私を見つめた。
「もっとユウを愛したい」
いいだろうか。
そう聞くと、ユウは恥ずかしそうに頷いた。
顔を赤く染め、しがみついてくるユウの体を
私は抱きしめた。
私がこんなに誰かを愛するなど、
こんなに執着するなど、
いったい誰が予想できただろうか。
私はユウと激しい口づけをしながら、
私のすべてを受け止めてくれるユウに感謝した。
……人間は動物と同じ生き物だ。
理性だけで生きていけるものではないと、
私はユウと出会い、
ようやく理解することができた。
私は。
理性だけで生きなくてもいいのだ。
それを教えてくれたユウに、
私は心からの感謝と、
一生、愛し、守ると、そう誓った。
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