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第一部 2章 指差して
第13話
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大学校は、誰もが通えるわけではなく、それなりの活動記録と学校の成績、そして複数名の先生たちからの推薦状が貰えなければ入学できない場所であった。先生から推薦してもらえる基準はユズハにも分からず、それ以外にも入学後の大学校での勉強企画書と面接試験もあるのだが、普通に大学校に進学するつもりで勉強して過ごしていれば問題ないという噂は聞いていた。大学校は国内にもいくつかあるが、そのほとんどが専門的な内容を学ぶ大学校で、総合的に学べる大学校にしてレベルが高いのは望遠大学校だけで、大学校を目指すと言うときには大体がこの望遠大学校のことを指す。望遠国においても大学校を目指せるほど家庭事情に問題のない家庭は少なく、そのためレベルが高いにもかかわらず案外すんなり入れるそうであるが、その分卒業の条件が厳しく、また、指定されている在学期間内に卒業できなければ放校されるという。
アカリも当然のようにその手のことには疎かったが、「ふうん」と少し表情を明るくさせながら感心したような返事からして、ユースケの心配は特にしていなさそうだった。そんなアカリがユズハはいじらしくなった。ついついお節介心が騒いで、アカリとさらに肩を寄せ合うようにして囁く。
「今度あの惑星が見えたら、今年こそそこでアイツに告っちゃいな」
「んー……ええ!?」
おっとり生返事していたアカリだったが、ようやくユズハの言葉が頭に入ったのか、急に目を見開いて大声を上げた。あっという間に頬が赤く染まり、目を泳がせながら手に持っていた小説を閉じたり開いたりしていた。大声を出して周りに迷惑を出していないかを気にする余裕もないほど狼狽えるアカリが、やはりユズハには愛しかった。
ユズハが唇に指を当てて静かに、というジェスチャーをしてみせると、アカリははっとして口元を手で覆った。そのアカリの背後から何事かと気にした様子でユースケが顔を覗かせてきたが、ユズハが手で追い払うような素振りをするとユースケは怯えたように去っていった。ユズハのその仕草にアカリも振り返るが、そのときにはもうユースケの姿はなかった。
「だってアカリ、夏休み明けたらもう早々来られないでしょ。それにアイツも大学校に行くんだったら来年は忙しいだろうし」
ユズハは気を取り直すように、ひそひそ声で話を戻す。未だに顔を赤くするアカリは「で、でも……」と動揺が収まらない様子で頬を手で覆ってあたふたしている。優柔不断な友人の背中を撫で、声を柔らかくする。
「アカリの場合、言わなきゃ絶対後悔するよ。私がついてるから、勇気出して」
ユズハに背中を撫でられて、徐々にアカリも落ち着きを取り戻していき、呼吸を整えた。顔の赤みも引いて行き、胸に手を当ててほっとしたように一息つくと、アカリは恨みがましくユズハをじっと睨んだ。
「ユズハちゃんは恋したことないからそんなこと言えるんだよ。無責任だよ」
アカリが少しだけ拗ねたように頬を膨らませてそっぽ向く。そのアカリの態度が可笑しくてユズハは小さく「ふふっそうね」と笑って、勉強を再開した。そっぽを向いていたアカリも、ユズハがペンを走らせる音を聞いて次第に手に持っていた小説を読み進めた。
☆
図書館に連日通い、ユースケはタケノリたちから借りたノートを頼りに休んでいた分の内容を自身のノートに書き写していた。その際に、ユズハも図書館で勉強していることが多いことを知っていたユースケは、セイイチロウも誘ったのだが「自分のタイミングで行くから」と訳の分からないことを言われ断られていた。カズキも最近になって、「家の手伝いがあるから」を口癖のようにしてそそくさと帰ることが多く、タケノリも「試合が近いから」と部活に専念していた。他二人はともかくとして、よく分からない理由で断るセイイチロウを恨めしく思いながらもユースケは図書館で集中し続けた。
しかし、タケノリたちにももちろん得意科目もあれば苦手科目もあり、文系科目や化学の分野はノートを見て内容をある程度把握できたのだが、数学や物理に関してはタケノリたちも得意ではないらしいのか、授業が難解すぎるのか、はたまたこれまで散々授業中に寝ていたツケをまだ払い切れていないのか、ノートを読んでもまったくと言って良いほど理解できなかった。板書された内容をそのまま書いただけ、というような感じで、説明が飛び飛びでどういう流れでそのような説明になるのかが分からない、といった具合だった。カズキのノートに関しては鼻から花を咲かせている豚や、幸福の象徴とされているらしいクローバーを頭から生やしてプロペラのように回して空を飛ぶ猫の落書きがされてあり、まるで参考にならず、よくこの状態でノートを貸そうと思ったなと、ユースケは失礼ながらも憤慨し、カズキのノートに落書きを加えた。
これらの内容をどうしようかと頭を悩ませ、窓の外に目をやる。ユースケは図書館ではよく窓際の席を使い、ノートとの睨めっこに疲れると窓の外を眺めることで気を休めていた。今日も白黒のボールを追いかけるタケノリの姿が見えた。ユースケが先日訪れた賑やかな街の中央にあった、あの学校の青年たちとどちらが上手いのだろうかとぼんやり考えながら、タケノリたちの活動を眺めていた。
いくらかリラックスできて、再び取り掛かろうとしたときに、視界の端に図書館から出ていこうとするユズハとアカリの姿を捉えた。
ふと、ユースケはタケノリたちのノートを見てもよく分からない部分をユズハに聞こうかという考えが浮かんだ。ユズハに頭を下げるのはユースケのプライドに障ったが、それでも大学校に行くための勉強としてここでプライドを優先するのは違うと思った。わざわざ図書館に来てまで勉強しているようなユズハであるから、きっとこれらの内容もきちんと理解を深めていることだろう。家も近いユズハなら図書館でなくても聞きに行くのは楽だしと、ユースケが早速その算段を立てているとき、ふとセイイチロウの恋煩いを思い出した。変に憶病でなかなか踏ん切りのつかない男ではあったが、不運の事故のような感じでその恋煩いを知ってしまった身としては、あまりユズハに近づくのも悪いような気がして、その案を取り下げた。ユースケは仕方なく、ユズハに頼るのは最終手段としておくことにして、次の候補を考え、ユミのことが浮かんだ。
思い至ったが行動の精神であるユースケは、早速ノートを片付け、持ってくるときには苦労したノートの束を手提げに無理やりぎゅうぎゅうに詰め込み、奇妙な形に膨らんだ手提げを抱きかかえながら図書館を後にした。
「いやよ」
後日、ユースケは昼休みにわざわざユミの席まで行き、一人で黙々と自前のらしい弁当を食べているユミに頼み込んだが、即座にばっさりと切り捨てられていた。弁当を買いに行くのをタケノリに任せて足を運んできたユースケは、あまりにも慈悲の欠片もない態度に、一瞬聞き間違えたのではないかと自分の耳を疑い、再び頼み込んでみるが、ユミはいかにも鬱陶しそうに眼鏡の奥からユースケを睨んできた。心なしか周囲の視線も痛く、ユースケはさっさと退散したくてしょうがないのだが、邪険にしてくるユミの言い分を聞かないと何となく納得できない気分になっていた。
しかし、もうユースケのことなど視界に入っていないかのように、ユミは傍らで手を合わせて突っ立っているユースケを無視して箸を進めていた。ユースケはその態度に頭がかっと熱くなるが、徐々に注目が集まる視線にすぐにその熱も冷め、ユースケはとぼとぼと自分の席に戻っていった。そのタイミングでタケノリたちも帰ってきた。タケノリがユースケの頼んだ通り弁当を二つ買ってきてくれてユースケもすっかり上機嫌になってウキウキしながらふたを開けると、照り焼き弁当ではなくのり弁二つであった。タケノリが「これしかなかったんだよ」と苦笑する。
アカリも当然のようにその手のことには疎かったが、「ふうん」と少し表情を明るくさせながら感心したような返事からして、ユースケの心配は特にしていなさそうだった。そんなアカリがユズハはいじらしくなった。ついついお節介心が騒いで、アカリとさらに肩を寄せ合うようにして囁く。
「今度あの惑星が見えたら、今年こそそこでアイツに告っちゃいな」
「んー……ええ!?」
おっとり生返事していたアカリだったが、ようやくユズハの言葉が頭に入ったのか、急に目を見開いて大声を上げた。あっという間に頬が赤く染まり、目を泳がせながら手に持っていた小説を閉じたり開いたりしていた。大声を出して周りに迷惑を出していないかを気にする余裕もないほど狼狽えるアカリが、やはりユズハには愛しかった。
ユズハが唇に指を当てて静かに、というジェスチャーをしてみせると、アカリははっとして口元を手で覆った。そのアカリの背後から何事かと気にした様子でユースケが顔を覗かせてきたが、ユズハが手で追い払うような素振りをするとユースケは怯えたように去っていった。ユズハのその仕草にアカリも振り返るが、そのときにはもうユースケの姿はなかった。
「だってアカリ、夏休み明けたらもう早々来られないでしょ。それにアイツも大学校に行くんだったら来年は忙しいだろうし」
ユズハは気を取り直すように、ひそひそ声で話を戻す。未だに顔を赤くするアカリは「で、でも……」と動揺が収まらない様子で頬を手で覆ってあたふたしている。優柔不断な友人の背中を撫で、声を柔らかくする。
「アカリの場合、言わなきゃ絶対後悔するよ。私がついてるから、勇気出して」
ユズハに背中を撫でられて、徐々にアカリも落ち着きを取り戻していき、呼吸を整えた。顔の赤みも引いて行き、胸に手を当ててほっとしたように一息つくと、アカリは恨みがましくユズハをじっと睨んだ。
「ユズハちゃんは恋したことないからそんなこと言えるんだよ。無責任だよ」
アカリが少しだけ拗ねたように頬を膨らませてそっぽ向く。そのアカリの態度が可笑しくてユズハは小さく「ふふっそうね」と笑って、勉強を再開した。そっぽを向いていたアカリも、ユズハがペンを走らせる音を聞いて次第に手に持っていた小説を読み進めた。
☆
図書館に連日通い、ユースケはタケノリたちから借りたノートを頼りに休んでいた分の内容を自身のノートに書き写していた。その際に、ユズハも図書館で勉強していることが多いことを知っていたユースケは、セイイチロウも誘ったのだが「自分のタイミングで行くから」と訳の分からないことを言われ断られていた。カズキも最近になって、「家の手伝いがあるから」を口癖のようにしてそそくさと帰ることが多く、タケノリも「試合が近いから」と部活に専念していた。他二人はともかくとして、よく分からない理由で断るセイイチロウを恨めしく思いながらもユースケは図書館で集中し続けた。
しかし、タケノリたちにももちろん得意科目もあれば苦手科目もあり、文系科目や化学の分野はノートを見て内容をある程度把握できたのだが、数学や物理に関してはタケノリたちも得意ではないらしいのか、授業が難解すぎるのか、はたまたこれまで散々授業中に寝ていたツケをまだ払い切れていないのか、ノートを読んでもまったくと言って良いほど理解できなかった。板書された内容をそのまま書いただけ、というような感じで、説明が飛び飛びでどういう流れでそのような説明になるのかが分からない、といった具合だった。カズキのノートに関しては鼻から花を咲かせている豚や、幸福の象徴とされているらしいクローバーを頭から生やしてプロペラのように回して空を飛ぶ猫の落書きがされてあり、まるで参考にならず、よくこの状態でノートを貸そうと思ったなと、ユースケは失礼ながらも憤慨し、カズキのノートに落書きを加えた。
これらの内容をどうしようかと頭を悩ませ、窓の外に目をやる。ユースケは図書館ではよく窓際の席を使い、ノートとの睨めっこに疲れると窓の外を眺めることで気を休めていた。今日も白黒のボールを追いかけるタケノリの姿が見えた。ユースケが先日訪れた賑やかな街の中央にあった、あの学校の青年たちとどちらが上手いのだろうかとぼんやり考えながら、タケノリたちの活動を眺めていた。
いくらかリラックスできて、再び取り掛かろうとしたときに、視界の端に図書館から出ていこうとするユズハとアカリの姿を捉えた。
ふと、ユースケはタケノリたちのノートを見てもよく分からない部分をユズハに聞こうかという考えが浮かんだ。ユズハに頭を下げるのはユースケのプライドに障ったが、それでも大学校に行くための勉強としてここでプライドを優先するのは違うと思った。わざわざ図書館に来てまで勉強しているようなユズハであるから、きっとこれらの内容もきちんと理解を深めていることだろう。家も近いユズハなら図書館でなくても聞きに行くのは楽だしと、ユースケが早速その算段を立てているとき、ふとセイイチロウの恋煩いを思い出した。変に憶病でなかなか踏ん切りのつかない男ではあったが、不運の事故のような感じでその恋煩いを知ってしまった身としては、あまりユズハに近づくのも悪いような気がして、その案を取り下げた。ユースケは仕方なく、ユズハに頼るのは最終手段としておくことにして、次の候補を考え、ユミのことが浮かんだ。
思い至ったが行動の精神であるユースケは、早速ノートを片付け、持ってくるときには苦労したノートの束を手提げに無理やりぎゅうぎゅうに詰め込み、奇妙な形に膨らんだ手提げを抱きかかえながら図書館を後にした。
「いやよ」
後日、ユースケは昼休みにわざわざユミの席まで行き、一人で黙々と自前のらしい弁当を食べているユミに頼み込んだが、即座にばっさりと切り捨てられていた。弁当を買いに行くのをタケノリに任せて足を運んできたユースケは、あまりにも慈悲の欠片もない態度に、一瞬聞き間違えたのではないかと自分の耳を疑い、再び頼み込んでみるが、ユミはいかにも鬱陶しそうに眼鏡の奥からユースケを睨んできた。心なしか周囲の視線も痛く、ユースケはさっさと退散したくてしょうがないのだが、邪険にしてくるユミの言い分を聞かないと何となく納得できない気分になっていた。
しかし、もうユースケのことなど視界に入っていないかのように、ユミは傍らで手を合わせて突っ立っているユースケを無視して箸を進めていた。ユースケはその態度に頭がかっと熱くなるが、徐々に注目が集まる視線にすぐにその熱も冷め、ユースケはとぼとぼと自分の席に戻っていった。そのタイミングでタケノリたちも帰ってきた。タケノリがユースケの頼んだ通り弁当を二つ買ってきてくれてユースケもすっかり上機嫌になってウキウキしながらふたを開けると、照り焼き弁当ではなくのり弁二つであった。タケノリが「これしかなかったんだよ」と苦笑する。
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