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第10話 数年後の京都の出会い 2
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しおりは京都へ向かう新幹線の中にいた。置屋で世話になった、女将が乳がんで入院したとの事で、母(雪乃)から様子を見てきてほしいとの依頼を口実に、京都の誠司に会いに行くのが目的だった。二日前に、誠司に連絡を取り、お見舞いが済んだら京都の観光名所でも案内して欲しいとの連絡を入れたが、誠司は、しおりの突然の上京に驚いた様子で
「ああ、分かった。今からじゃ、大した事は出来ないがな。」と了解してくれていた。
女将は既に退院していて、昔世話になった、置屋の格子戸を潜ると、女将が直ぐに出迎えてくれた。住み込みの舞妓数名とすれ違いざまに挨拶をしながら、見覚えのある、女将の部屋に着いた。
「いまじゃ、成り手が少なくってね。」と女将は愚痴半分、世話焼き半分でしおりをもてなしながら、
「雪乃からは、それと無く聞いていたけど、綺麗になったね。家に欲しいぐらいだよ。」と言って、数枚の着物を出してから、あれやこれやと、しおりに着せ、「気に入った着物があれば、あげるから。」と言って品定めをし始めた。
手の空いていた舞妓も手伝って、着物のファッションショーをはじめだし、そんな事で半日が過ぎると、夜は、女将の馴染みの割烹料理店で夕食を取った。しおりは普段着の舞妓たちと、何の違和感もない女子会の様な雰囲気で、おしゃべりをして食事を楽しんでいた。その夜は、女将の所に泊ったしおりは、翌日「何、彼氏と会うのかい。」と女将に茶々を入れられながら、似合うと言われた着物を着つけて貰っていた。
誠司との待ち合わせは、京都駅で、誠司によれば、観光に行くにはそこからが一番便利だと言う事で、しおりは少し早めに、駅で待っていたが、朝、着付けて貰った着物のためか、行き交う人の視線を集めていた。暫くして、誠司がびっくりした様子でしおりに近づき
「どこのモデルが居るのかと思ったよ。撮影でもしているのかと思い、暫く様子を見ていたら、しおりだったから・・・」と言って、しおりを軽く抱きかかえた。しおりは一寸びっくりしたが、誠司の懐かしい雰囲気とその時の情景に、自分の中の決意が大きく揺らいで行くのを感じ、思わず、誠司の胸の中に頬を埋めて「この人の物になれば、楽になれるのに」と思いながら。
「久しぶり、会えて嬉しい。」としおりが言うと
「俺もだ、本当は俺もすごく会いたかったんだぜ。」とわざとぶっきらぼうに言い放つと
「本当は、此処でキスでもしたい所だが・・・」との誠司の言葉で、しおりも我に返り、思わず周りを見渡してしまっていた。
「ああ、ゴメン、一寸感情的になっちゃって・・・」と頬を少し赤らめたしおりが言ったので、
「このまま、ホテルに行こうぜ。」と悪ガキぽく言ってきた誠司に
「まだ、ダメ! 今日は、誠司に色々と案内してもらうんだから。京都なんて何年かぶりなのよ。」と言われ、誠司は「ふん!」とため息を着いてから、観光バス乗り場にしおりを案内した。
バスは名所を巡る、循環コースを走る企画の物であったが、途中下車して、古都を流れる運河沿いをそぞろに歩き、途中、その運河がまるでローマ水道の様な橋梁となる寺を見てから、昼食にした。
「歩き疲れないか、その恰好じゃぁ?」と誠司が気を使って聞いてきた。
「うん、平気。でも、昔の人は、大変だったろうね。何時もこんな恰好で移動してたのだから。」としおりは言いながらデザートの甘美物を美味しそうに食べていた。
夕食を済ました、二人は駅ビル内のホテルの一室にいた。
しおりは成司の顔を抱き寄せて和服の胸元にスッポリと抱きかかえた。
「今だけは、誠司の物になるから、だから聞き分けて、私はもう何方か一人の物にならないと決めたの、絶対に。」
「何故だ、何故俺じゃ駄目なんだ。」
「私には選べないのよ。誠司も健司も両方好きだから、どちらかを選べば、どちらかが傷付く・・・仮に私が健司を選んで結婚したら、成司はどんな気持ち?」
「うんーん、やだな。」
「健司も、口には出さないけど、そんな気持ちだわ。私が何方か一方を選べば、三人が三人とも不幸になるのよ。私は健司も誠司も好きなの、だから両方とも私の夫にしたいの。」
誠司は、しおりの胸に抱かれながら、
「何時もお前だけが、一足先に大人になっちまう。俺達の思いを置いてけ堀にして。」
「しょうが無いよ、女なんだから。同年代なら女の方が精神年齢は高いのよ。」
そう言ってから、しおりは誠司にキスをした。
「お前、俺が襲ったらそれ鳴らすんだろう?」
「ふふふ、馬鹿ね。よく見なさい、只のオモチャよ。」しおりの手から転げ落ちたものは、小型の電子ゲーム機だった。
「電車の中の退屈しのぎに買って置いたのよ。」
「騙したのか?」
「だって誠司は何時も強引なんだもの、少しは冷静に話を聞いて欲しかったから。」
その時、既に誠司は、しおりの着物を必死で脱がそうとしていた。
「しっかり着付けして貰ったから、帯のほどき方を知らない人には無理よ。」
そう言って、しおりは自分で帯を緩めていった。成司は、目の前の光景と衣擦れの音をまるで遠い出来事の様に見ていたが、白い長襦袢だけになったしおりが誠司の服のボタンを外しているのに気づき、自分もしおりの襟に手を掛けた。
「和服て、下着付けちゃ駄目だって言われて、この下何も無いの。だから、昼間、誠司とデートしてる間中、とっても恥ずかしかった。」
誠司は、白い繭を剥くようにしおりの襦袢を脱がした。そこには白い繭から羽化した様に美しい、しおりの体が有った。ベットに横に成ったしおりの裸体を見ながら、二年前のしおりと無意識のうちに比べていた。
「お前また綺麗になったな。」
「二年も見てないからでしょ。あんまり見つめないで、恥ずかしいから。」
成司は、唇から首筋、右と左の乳房と乳首、へそと恥毛のない恥部へと舌をすべらしてから、しおりの耳元で
「良いのか、妊娠したらどうする。俺の物に成るか?」
「なるわ、半分だけ、だから好きにして。」
しおりの優しい覚悟で、健司がすでにしおりとの情交を済ませていると言う事実への怒りとも空しさとも付かない激しい物が込み上げて、一気にしおりの中に入り込もうとしたが、自分の意思とは反対に体だけが萎えていくのを感じた。
「あれ、おかしい、何故だ。 しおり、ダメだ!気持ちはおまえを抱きたいんだ、凄く。だが体が言う事を効かないんだ。」
「ええー、誠司もそうなの!」
「えー。お前、健司と・・・」
「結局、抱いてくれなかったわ、だから、まだ私は処女のままよ。誠司、どうするの!」
「ええー、一寸待ってくれ。こんな事が、やっとしおりを本当に抱けると言うのに・・・」
結局、誠司も健司と同様しおりを抱くことができず、
「本当に、あなた達は、一人じゃ何もできないのね。」と言われたしおりの捨て台詞が心に刺さったまま、四条の東堂旧家に戻ってきた。
誠司を出迎えた、叔父が、
「しおりちゃんは、元気だったかい。」と社交辞令的に声を掛けてきたが、その後の言葉に、誠司は驚愕した。
「えーと、今度、内で家事一般を手伝って貰うことになった、幸子さんだ。」と市松模様の小袖の和服を着た女性を紹介した。
「お久しぶりです。誠司さん。でもないか、数日前お会いしましたよね。もう一人いましたけど。忘れちゃいましたか?」と言われて、誠司は内心「ヤバい、絶対にヤバい」と思いながら、たどたどしく応答した。
「ああ、ええ、あの時の仮面の人・・・えー、幸子?」と言葉に成らない返答をしていると、叔父が、
「まあー、つもる話もあるだろうから。」と言って、二人を客間に連れていった。途中、叔父が、小声で
「なんでも、誠司の子供を宿してるとか言ってたけど、男だったら、内の跡継ぎに頼むな。」と誠司が驚愕する事を言っていた。誠司は、今日は女難の日かと思いながら、客間で幸子と対面していた。
「私の事、覚えていますよね。高校時代からの事も含めて!」幸子はキツイ口調で言ってから
「何で、連絡もくれなかったんですか。よっぽど京都の誠司さんの所へ押しかけようかと思いましたけど、男子寮だから、女人禁制だって言われて、諦めて、手紙読んでもらってますよね。」と言ってから、誠司の横に寄ってきて
「私、アパレル烏丸で、着物のモデルのアルバイトしているんです。そしたら、男装モデルのしおりちゃんの写真見つけて、麗佳さんに尋ねたら、あなた達が、しおりちゃんにとっても酷い事をしているのを麗佳さんから、聞かされて、キツイお仕置きをする事になったので、私も一枚噛ませて貰う事になって、ついでに強引に復縁をせまる様、麗佳さんが段取りして下さったんです。」と言ってから
「私、誠司さんの子供孕んでいますから、それと、もう一人、優香も。」
「えー、あの時のもう一人は、優香なのか、あのおさげ髪の!」
「東堂の叔父さまからは、妾の一人や二人は町屋衆の甲斐性だとかで、面倒見てもらえる事に成っていますけど。」と言われて、何だか無茶苦茶になっているな、と思いつつも
「なんで優香まで?」
「彼女も、モデルのアルバイトしてますし、誠司さんを昔から慕っていたの知りませんでしたか?ああ、しおりちゃんしか目に入らなかったんですね。」
「でも、なんで行き成りに・・・。」
「それは、麗佳さんから、変態に情けは無用と指示ですから。」と言われて、内心、朝からの事といい、帰ったら帰ったでとんでもない事に成っているしと思い
「今日は、ひとまず終わりにして、後日でお願いできませんか。」と嘆願する誠司に
「はい、これから、幾らでも時間はありますので、私は内縁の妻と言う立場なので、お部屋もご一緒させて頂きます。」とダメ押しの発言をしてから誠司を開放してくれた。
「ああ、分かった。今からじゃ、大した事は出来ないがな。」と了解してくれていた。
女将は既に退院していて、昔世話になった、置屋の格子戸を潜ると、女将が直ぐに出迎えてくれた。住み込みの舞妓数名とすれ違いざまに挨拶をしながら、見覚えのある、女将の部屋に着いた。
「いまじゃ、成り手が少なくってね。」と女将は愚痴半分、世話焼き半分でしおりをもてなしながら、
「雪乃からは、それと無く聞いていたけど、綺麗になったね。家に欲しいぐらいだよ。」と言って、数枚の着物を出してから、あれやこれやと、しおりに着せ、「気に入った着物があれば、あげるから。」と言って品定めをし始めた。
手の空いていた舞妓も手伝って、着物のファッションショーをはじめだし、そんな事で半日が過ぎると、夜は、女将の馴染みの割烹料理店で夕食を取った。しおりは普段着の舞妓たちと、何の違和感もない女子会の様な雰囲気で、おしゃべりをして食事を楽しんでいた。その夜は、女将の所に泊ったしおりは、翌日「何、彼氏と会うのかい。」と女将に茶々を入れられながら、似合うと言われた着物を着つけて貰っていた。
誠司との待ち合わせは、京都駅で、誠司によれば、観光に行くにはそこからが一番便利だと言う事で、しおりは少し早めに、駅で待っていたが、朝、着付けて貰った着物のためか、行き交う人の視線を集めていた。暫くして、誠司がびっくりした様子でしおりに近づき
「どこのモデルが居るのかと思ったよ。撮影でもしているのかと思い、暫く様子を見ていたら、しおりだったから・・・」と言って、しおりを軽く抱きかかえた。しおりは一寸びっくりしたが、誠司の懐かしい雰囲気とその時の情景に、自分の中の決意が大きく揺らいで行くのを感じ、思わず、誠司の胸の中に頬を埋めて「この人の物になれば、楽になれるのに」と思いながら。
「久しぶり、会えて嬉しい。」としおりが言うと
「俺もだ、本当は俺もすごく会いたかったんだぜ。」とわざとぶっきらぼうに言い放つと
「本当は、此処でキスでもしたい所だが・・・」との誠司の言葉で、しおりも我に返り、思わず周りを見渡してしまっていた。
「ああ、ゴメン、一寸感情的になっちゃって・・・」と頬を少し赤らめたしおりが言ったので、
「このまま、ホテルに行こうぜ。」と悪ガキぽく言ってきた誠司に
「まだ、ダメ! 今日は、誠司に色々と案内してもらうんだから。京都なんて何年かぶりなのよ。」と言われ、誠司は「ふん!」とため息を着いてから、観光バス乗り場にしおりを案内した。
バスは名所を巡る、循環コースを走る企画の物であったが、途中下車して、古都を流れる運河沿いをそぞろに歩き、途中、その運河がまるでローマ水道の様な橋梁となる寺を見てから、昼食にした。
「歩き疲れないか、その恰好じゃぁ?」と誠司が気を使って聞いてきた。
「うん、平気。でも、昔の人は、大変だったろうね。何時もこんな恰好で移動してたのだから。」としおりは言いながらデザートの甘美物を美味しそうに食べていた。
夕食を済ました、二人は駅ビル内のホテルの一室にいた。
しおりは成司の顔を抱き寄せて和服の胸元にスッポリと抱きかかえた。
「今だけは、誠司の物になるから、だから聞き分けて、私はもう何方か一人の物にならないと決めたの、絶対に。」
「何故だ、何故俺じゃ駄目なんだ。」
「私には選べないのよ。誠司も健司も両方好きだから、どちらかを選べば、どちらかが傷付く・・・仮に私が健司を選んで結婚したら、成司はどんな気持ち?」
「うんーん、やだな。」
「健司も、口には出さないけど、そんな気持ちだわ。私が何方か一方を選べば、三人が三人とも不幸になるのよ。私は健司も誠司も好きなの、だから両方とも私の夫にしたいの。」
誠司は、しおりの胸に抱かれながら、
「何時もお前だけが、一足先に大人になっちまう。俺達の思いを置いてけ堀にして。」
「しょうが無いよ、女なんだから。同年代なら女の方が精神年齢は高いのよ。」
そう言ってから、しおりは誠司にキスをした。
「お前、俺が襲ったらそれ鳴らすんだろう?」
「ふふふ、馬鹿ね。よく見なさい、只のオモチャよ。」しおりの手から転げ落ちたものは、小型の電子ゲーム機だった。
「電車の中の退屈しのぎに買って置いたのよ。」
「騙したのか?」
「だって誠司は何時も強引なんだもの、少しは冷静に話を聞いて欲しかったから。」
その時、既に誠司は、しおりの着物を必死で脱がそうとしていた。
「しっかり着付けして貰ったから、帯のほどき方を知らない人には無理よ。」
そう言って、しおりは自分で帯を緩めていった。成司は、目の前の光景と衣擦れの音をまるで遠い出来事の様に見ていたが、白い長襦袢だけになったしおりが誠司の服のボタンを外しているのに気づき、自分もしおりの襟に手を掛けた。
「和服て、下着付けちゃ駄目だって言われて、この下何も無いの。だから、昼間、誠司とデートしてる間中、とっても恥ずかしかった。」
誠司は、白い繭を剥くようにしおりの襦袢を脱がした。そこには白い繭から羽化した様に美しい、しおりの体が有った。ベットに横に成ったしおりの裸体を見ながら、二年前のしおりと無意識のうちに比べていた。
「お前また綺麗になったな。」
「二年も見てないからでしょ。あんまり見つめないで、恥ずかしいから。」
成司は、唇から首筋、右と左の乳房と乳首、へそと恥毛のない恥部へと舌をすべらしてから、しおりの耳元で
「良いのか、妊娠したらどうする。俺の物に成るか?」
「なるわ、半分だけ、だから好きにして。」
しおりの優しい覚悟で、健司がすでにしおりとの情交を済ませていると言う事実への怒りとも空しさとも付かない激しい物が込み上げて、一気にしおりの中に入り込もうとしたが、自分の意思とは反対に体だけが萎えていくのを感じた。
「あれ、おかしい、何故だ。 しおり、ダメだ!気持ちはおまえを抱きたいんだ、凄く。だが体が言う事を効かないんだ。」
「ええー、誠司もそうなの!」
「えー。お前、健司と・・・」
「結局、抱いてくれなかったわ、だから、まだ私は処女のままよ。誠司、どうするの!」
「ええー、一寸待ってくれ。こんな事が、やっとしおりを本当に抱けると言うのに・・・」
結局、誠司も健司と同様しおりを抱くことができず、
「本当に、あなた達は、一人じゃ何もできないのね。」と言われたしおりの捨て台詞が心に刺さったまま、四条の東堂旧家に戻ってきた。
誠司を出迎えた、叔父が、
「しおりちゃんは、元気だったかい。」と社交辞令的に声を掛けてきたが、その後の言葉に、誠司は驚愕した。
「えーと、今度、内で家事一般を手伝って貰うことになった、幸子さんだ。」と市松模様の小袖の和服を着た女性を紹介した。
「お久しぶりです。誠司さん。でもないか、数日前お会いしましたよね。もう一人いましたけど。忘れちゃいましたか?」と言われて、誠司は内心「ヤバい、絶対にヤバい」と思いながら、たどたどしく応答した。
「ああ、ええ、あの時の仮面の人・・・えー、幸子?」と言葉に成らない返答をしていると、叔父が、
「まあー、つもる話もあるだろうから。」と言って、二人を客間に連れていった。途中、叔父が、小声で
「なんでも、誠司の子供を宿してるとか言ってたけど、男だったら、内の跡継ぎに頼むな。」と誠司が驚愕する事を言っていた。誠司は、今日は女難の日かと思いながら、客間で幸子と対面していた。
「私の事、覚えていますよね。高校時代からの事も含めて!」幸子はキツイ口調で言ってから
「何で、連絡もくれなかったんですか。よっぽど京都の誠司さんの所へ押しかけようかと思いましたけど、男子寮だから、女人禁制だって言われて、諦めて、手紙読んでもらってますよね。」と言ってから、誠司の横に寄ってきて
「私、アパレル烏丸で、着物のモデルのアルバイトしているんです。そしたら、男装モデルのしおりちゃんの写真見つけて、麗佳さんに尋ねたら、あなた達が、しおりちゃんにとっても酷い事をしているのを麗佳さんから、聞かされて、キツイお仕置きをする事になったので、私も一枚噛ませて貰う事になって、ついでに強引に復縁をせまる様、麗佳さんが段取りして下さったんです。」と言ってから
「私、誠司さんの子供孕んでいますから、それと、もう一人、優香も。」
「えー、あの時のもう一人は、優香なのか、あのおさげ髪の!」
「東堂の叔父さまからは、妾の一人や二人は町屋衆の甲斐性だとかで、面倒見てもらえる事に成っていますけど。」と言われて、何だか無茶苦茶になっているな、と思いつつも
「なんで優香まで?」
「彼女も、モデルのアルバイトしてますし、誠司さんを昔から慕っていたの知りませんでしたか?ああ、しおりちゃんしか目に入らなかったんですね。」
「でも、なんで行き成りに・・・。」
「それは、麗佳さんから、変態に情けは無用と指示ですから。」と言われて、内心、朝からの事といい、帰ったら帰ったでとんでもない事に成っているしと思い
「今日は、ひとまず終わりにして、後日でお願いできませんか。」と嘆願する誠司に
「はい、これから、幾らでも時間はありますので、私は内縁の妻と言う立場なので、お部屋もご一緒させて頂きます。」とダメ押しの発言をしてから誠司を開放してくれた。
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